異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

文字の大きさ
上 下
50 / 210
第3章

第46話

しおりを挟む
  

門について3人分の大銅貨を払い、久しぶりに王都に入った。洗礼の日以来だったので、約3年ぶりだ。

「おぉ、すごい人の数だな…。」

やはり国の中心都市という事もあり、人も多く店がたくさんあり活気にあふれていた。

「レイ見ろ!あれは何じゃ!」

「マスター、あれは何のお店でしょうか?」

「と、とりあえず今から先にギルドに行って魔石を売ってお金を作りに行くから、お店はそのあとね。」

2人とも初めての王都に興奮気味だった。普段からこれくらい仲良くして欲しいのだが。

(いつもは坂田○時と土方十○郎並みに仲悪いもんな…。)

こうして王都の散策が始まった。




なんというか…ギルドに来るまで異常に疲れた。やはり2人ともとても可愛いし、少し変わった服装なのでかなり目立った。異空間に戻るか提案したが、手を掴んで離さなかったので余計困った。

予定より少し遅くなったが、3年前に来たギルド『アミュレット・サーガ』に到着した。特に外装も変わっておらず、大きなギルドなので、相変わらず中から冒険者達の活気ある声が聞こえる。

「ほぉ、ここがギルドと言うやつか。」

「確かに大きいですね…。マスターはいつかここに登録されるのですか?」

「うん、そのつもり。とりあえず入っちゃおうか。」 


ギルドに入ると、前にきた時よりは少し人が多かった。やはり男性の冒険者が多く、自然と後ろの2人に目がいっていた。
「おい、なんだあの美女2人…」
「背がでかい方胸やっべ~。」
「俺はメイド服の方がいいなぁ。」

なんだろう、2人をエロい目で見られるがなんだが気にくわない。

(あれだ、アイ○スとかラブ○イブ!で自分はただ推しを純粋に応援してるのに、ただそのキャラでエロい妄想したいだけとかで可愛いとかいってる奴を見かける時みたいな感じ…)

とりあえずそこらへんの冒険者は放っておいて、受付嬢のアリアさんを探したらすぐに見つかったのでそこに向かう。

「アリアさん!」

「あら、レイ君よね?久しぶり!」

「覚えてくれてんですね。」

ここのギルドは王都で1番大きく、冒険者の数もかなり多いだろうから忘れられていると思っだが、そんな事はなかったらしい。

「えぇ、前あんな事をすれば記憶に残るのは当然よ?」

「あはは…確かに。」

「今日はどうしたの?まだ登録は出来ないわよね?」

「あ、そうだ。魔石を手に入れたのでお金に換えて欲しいんですけど、どうすればいいですか?」

「それならここであってるわよ。でもすごいわね、その年で魔物を狩るなんて。ちなみに何匹くらいいるの?」

「1000匹くらいですかね…。」

「せ、せん?!ちょ、本当なのそれ!ゴブリンとか?」

俺とアリアさんの話を聞いていた他の冒険者も驚いている。
もうどうせ嘘つけとかまた絡ませそうなので、その場で1匹出してみることにした。

「いえ、そんな弱いやつじゃないです。例えば…」

そう言って俺はとりあえずミノタウロスの死体を魔法袋から出した。

「これなんかどうですか?」

「こ、これってミノタウロスよね?!Bランクの冒険者20人近くで倒す魔物よ!
こんなのがあと1000体もいるの?!」

「はい!換えてもらえますかね?」

「ギルドマスターに話してくるからちょっと待ってて!」

そう言ってアリアさんは2階へと駆け上がっていった。

「ふぅ…これでなんとか…」



「なぁ君、あまり嘘をつくのは良くないんじゃないかな?」

「は?」

振り返ると冒険者パーティーらしき人たちがいて、リーダーっぽい若い男の人がかがんで俺に話しかけてきた。

(なんだこれ、もうこういう事ありすぎて『あ!野生の冒険者が現れた!冒険者たちは疑惑の目でこっちを見ている!』みたいな解説が見える…。まだライバルとのポケモ○バトルの方が楽だわ…。)

レイは大きな溜息をついた。


--------------


アリアは急いで2階のギルドマスターの部屋に向かった。扉をノックすると中から「ど~ぞ~」と、少しやる気のない声がした。

急いで部屋に入ってさっき見た事を説明しようとする。
「ギルドマスター!先程…」

「ねぇ今レイ君来てないかな?」

予想外の人物の名前を言われて、言葉に詰まった。

「えっ、何故それを…」

アリアが驚いていると、ギルドマスターは嬉しそうに笑った。

「やっぱりか…。彼の魔力を下から感じたからもしかしてと思ったけど、前より質が上がってる。まぁそれでも力をセーブしてるのかもしれないけど、早く会いたいな…。」

アリアが不思議に思っていると、ギルドマスターは席を勢いよく立った。

「さ、アリアちゃんも早く行こう!今頃冒険者パーティーにでも絡まれてそうだし。」

「え、早く止めさせない…」

アリアはすぐに戻ろうとしたが、手を掴まれ止められてしまった。

「ダメだよ。せっかく面白い事が始まるんだから、それにまた面白いを見せて欲しいからね!」

そんな理由?と思ったが、ギルドマスターは長い金髪をかきあげながら、子供のように嬉しそうに出て行った。アリアも遅れてついて行った。
しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て… これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです… +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-  2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます  時々さかのぼって部分修正することがあります  誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)  感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

処理中です...