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第2章
第26話
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「皆の者!」
ガレアスが龍騎士団、四龍の前で声をはると全員の視線が集まった。
俺はガレアスの横に立っているので、すごい視線を感じて少し恥ずかしい。
「今回は、前青龍バハルの討伐に協力してくれて感謝する!この作戦ではこちらにいる、レイ・トライデント・レストリアにバハル討伐を手伝ってもらう。安心せい、こやつは儂ら五龍なんかより遥かに強いからの!」
人間の子供が自分たちの団長より強いというのを聞き、本当か?みたいな感じで見られるが仕方ないだろう。
「今まさに封印が解かれようとしている!バハルの力は計り知れないから死ぬ者も出てくると思う、皆心して取り掛かるように!」
『はっ!』
そしてついにバハル討伐作戦が始まった。
各龍騎士団には30名ほどの精鋭達がおり、5つ合わせて150名ほどいる。
まず作戦通り俺と五龍全員が黒海の近くに待機した。それを確認し、竜騎士の1人が合図を送ると全員で詠唱を始めた。
『『『『****、*****』』』』
詠唱が終わると、大きな黄色の魔法障壁がはられた。おっさんがそれを確認して五龍に合図を送った。
五龍の全員が黒海に手を向け、長い詠唱を始める。
詠唱が終わると、黒海にヒビが入っていき最終的にガラスのように砕け霧散してった。
そして、中にいたそれを見て、全員が息を呑んだ。
そこには到底、龍とは言い難い青黒い肉の塊のようなものがいた。大陸の3分の2を占めるほどの巨大な肉塊で、体のあちこちに龍の目や手や足、尻尾や羽がはえていた。
もはや龍というよりは、バイオ○ザードに出てきそうな化け物だった。
「こ、これは…!」
「なんでこんな事に…」
「…これがあの魔力の正体か」
「ここまで成長していたとは思っていませんでしたね…。」
「ど、ど、どうしましょう?!」
「おっさん、指示を!」
「とりあえず儂とレイ、ゼリスは接近して剣をメインに近距離攻撃、アイナとリヒトとバレルは距離をとって魔法で奴を削れ!」
そして俺たちは自分たちの持ち場につき、攻撃を開始した。
俺やおっさん、ゼリスさんはバハルに剣を突き刺し飛び回ったり邪魔な手や足をはねていった。俺は叢雲を突き刺しバハルの体内に、叢雲の龍殺しの魔法を流していった。
後方からはアイナさんが光魔法、リヒトさんが風魔法を付与した矢を放ち、バレルさんは水や氷魔法を織り交ぜで放っていた。
だが剣で切っても魔法で爆破しても傷はすぐにふさがってしまう。
それにどんなに手や足をはねても、別のところからはえてきて、感じる魔力もあまり変わっていないような気がした。
(どうする…!こういうケースはアニメだったらどうなっている!どこかしらに必ず弱点があるはずだ!)
俺は左手にロゼッタを装備した。
「ロゼッタ!」
『お呼びでしょうか、マスター』
「こいつの解析を頼む!」
俺はバハルに向けて1度引き金を引き、刻印した。
おそらくこれだけデカイ標的を鑑定すると、俺の脳だけじゃ情報が多すぎて処理しきれないので、ロゼッタを造っておいて正解だった。
『マスター鑑定結果出ました。』
「こいつの弱点は?」
『体の中心部に一際大きな、他と異なる魔力反応を検知しました。おそらくそこが核にあたる部分かと。』
「わかった!」
俺は一旦離れて全身に魔法障壁をはり、バハルめがけて飛びながら叢雲で斬撃を放ち入り口を作った。
「おっさん!そのまま攻撃を緩めないでくれ!」
「レイ?!何をー」
傷口が塞がる前にバハルの中に入り込み、ロゼッタで中の肉を焼きながら突き進んでいった。
そしてある程度進んだところに、水色に光る核を見つけた。
-----------
(やっとあの小僧が行ったか…。ちょうどいい。)
「…おい、後方の龍騎士団に伝えろ。我々も動くと。」
命令を受けた龍騎士の1人は、伝令をしに近くの仲間の方へと飛んで行った。
ガレアスが龍騎士団、四龍の前で声をはると全員の視線が集まった。
俺はガレアスの横に立っているので、すごい視線を感じて少し恥ずかしい。
「今回は、前青龍バハルの討伐に協力してくれて感謝する!この作戦ではこちらにいる、レイ・トライデント・レストリアにバハル討伐を手伝ってもらう。安心せい、こやつは儂ら五龍なんかより遥かに強いからの!」
人間の子供が自分たちの団長より強いというのを聞き、本当か?みたいな感じで見られるが仕方ないだろう。
「今まさに封印が解かれようとしている!バハルの力は計り知れないから死ぬ者も出てくると思う、皆心して取り掛かるように!」
『はっ!』
そしてついにバハル討伐作戦が始まった。
各龍騎士団には30名ほどの精鋭達がおり、5つ合わせて150名ほどいる。
まず作戦通り俺と五龍全員が黒海の近くに待機した。それを確認し、竜騎士の1人が合図を送ると全員で詠唱を始めた。
『『『『****、*****』』』』
詠唱が終わると、大きな黄色の魔法障壁がはられた。おっさんがそれを確認して五龍に合図を送った。
五龍の全員が黒海に手を向け、長い詠唱を始める。
詠唱が終わると、黒海にヒビが入っていき最終的にガラスのように砕け霧散してった。
そして、中にいたそれを見て、全員が息を呑んだ。
そこには到底、龍とは言い難い青黒い肉の塊のようなものがいた。大陸の3分の2を占めるほどの巨大な肉塊で、体のあちこちに龍の目や手や足、尻尾や羽がはえていた。
もはや龍というよりは、バイオ○ザードに出てきそうな化け物だった。
「こ、これは…!」
「なんでこんな事に…」
「…これがあの魔力の正体か」
「ここまで成長していたとは思っていませんでしたね…。」
「ど、ど、どうしましょう?!」
「おっさん、指示を!」
「とりあえず儂とレイ、ゼリスは接近して剣をメインに近距離攻撃、アイナとリヒトとバレルは距離をとって魔法で奴を削れ!」
そして俺たちは自分たちの持ち場につき、攻撃を開始した。
俺やおっさん、ゼリスさんはバハルに剣を突き刺し飛び回ったり邪魔な手や足をはねていった。俺は叢雲を突き刺しバハルの体内に、叢雲の龍殺しの魔法を流していった。
後方からはアイナさんが光魔法、リヒトさんが風魔法を付与した矢を放ち、バレルさんは水や氷魔法を織り交ぜで放っていた。
だが剣で切っても魔法で爆破しても傷はすぐにふさがってしまう。
それにどんなに手や足をはねても、別のところからはえてきて、感じる魔力もあまり変わっていないような気がした。
(どうする…!こういうケースはアニメだったらどうなっている!どこかしらに必ず弱点があるはずだ!)
俺は左手にロゼッタを装備した。
「ロゼッタ!」
『お呼びでしょうか、マスター』
「こいつの解析を頼む!」
俺はバハルに向けて1度引き金を引き、刻印した。
おそらくこれだけデカイ標的を鑑定すると、俺の脳だけじゃ情報が多すぎて処理しきれないので、ロゼッタを造っておいて正解だった。
『マスター鑑定結果出ました。』
「こいつの弱点は?」
『体の中心部に一際大きな、他と異なる魔力反応を検知しました。おそらくそこが核にあたる部分かと。』
「わかった!」
俺は一旦離れて全身に魔法障壁をはり、バハルめがけて飛びながら叢雲で斬撃を放ち入り口を作った。
「おっさん!そのまま攻撃を緩めないでくれ!」
「レイ?!何をー」
傷口が塞がる前にバハルの中に入り込み、ロゼッタで中の肉を焼きながら突き進んでいった。
そしてある程度進んだところに、水色に光る核を見つけた。
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(やっとあの小僧が行ったか…。ちょうどいい。)
「…おい、後方の龍騎士団に伝えろ。我々も動くと。」
命令を受けた龍騎士の1人は、伝令をしに近くの仲間の方へと飛んで行った。
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