23 / 210
第2章
閑話・小話詰め合わせ②
しおりを挟む『特訓休みの小話③』
いつも通り昼休憩をしていると、エレナがとことこ歩いてきた。
「ねぇねぇレイー」
「どうした?ツイスターならこの前全然終わらなかったから禁止令出てるけど…」
「聞きたいことがあるんだけど…」
「なに?」
「子供ってどーやったらできるの?」
それを聞いた瞬間俺の中に『ピシャッ!』と雷が落ちた。
(こ、これはたまに見る子供どこから生まれてる質問イベント…!!小さくなった名探偵でもまだ未解決の事件だぞ?!)
とりあえず脳をフルスロットルで働かせて1番いい答えを考えて、何個かその場で浮かんだ。
①もう素直に言う。男の○○○を女の○○○に色々するんだよと。だが、そんな事したら天使を汚してしまうし、何よりおっさんに殺される。おっさんは昼休憩の時は毎回封印の確認に行っているが、後でエレナから話を聞いて間違いなく俺を消しに来るだろう。
②コウノトリが運んで来てる説。だがこれは言っても、「こうのとりってなーに?」と問われて返答に困る未来しか見えない。ましてやこの世界にコウノトリなんて言葉があるのかも怪しい。
③カップルがキスしたらできる説。今のところ1番安定かもしれない。とりあえずこれが候補だ。
④アイナさんに力を借りる。見た目は5歳なのだから「僕にもわからないなぁ~。」と言ってアイナさんに助けてもらう。
⑤深い言葉みたいな感じで、毎日神様にお祈りしてたらいつか来てくれるかもしれないよ?と言う。これはなかなか俺の中でもいい案だった。
とりあえず、期待の眼差しで見つめてくるので⑤を選んだ。
「うーん多分、エレナが毎日神様にお祈りしてたら素敵なプレゼントみたいな感じで自然にくるんじゃないかな…?」
(どうだこれが俺の中の限界だが…)
答えを聞いたエレナは嬉しそうに目を輝かせた。
「ほんと?!じゃあエレナ毎日お祈りする!」
(ふぅ…真実はいつも1つだな…)
だが事件は解決などしていなかった。
「じゃあママもちっちゃい頃からお祈りしてたの?」
「そうねぇ、私はそんな事特にした覚えはなかったかしらねぇ。」
「え〝っ?!」
(う、嘘だろ?!ここは普通合わせるところじゃ…)
アイナさんの顔を見ると、普段の美人な顔がS女のようになっていた。明らかに困った俺を見て楽しんでいる。
(あ、この人あっち側の人だ…)
「レイ、お祈りしなくても赤ちゃんくるのー?」
結局俺は諦めて「例外もあるかもね…」と言って逃げた。
(コナン君ごめん…真実はいつも1つじゃなかったよ…。)
『お城での小話①』
特訓の後、アイナさんの料理を食べ終えた時のことだった。
「レイ見て~」
「ん、どうした?」
相変わらず可愛い天使が、1枚の絵を持ってきた。そこにはこの世界の景色が描いてあった。
「お、よくかけてるなぁ。にしてもこの世界の月多いな…」
初めて来た時思ったのだが、この世界には月のような衛星が何個かあった。
「お、エレナよう描けとるのぉ。星の数もピッタリ合ってるな!」
「おっさん、なんでこの世界こんなに星の数が多いの?」
「さぁ儂にもわからん。じゃがこの世界の時間の進み具合に関係しておるんだろうな。」
「時間?俺がいたところと違うのか?」
「そうじゃ。儂ら龍は長生きじゃからな、そちらより少し早く時が進むように出来ておる。」
「早いってどんくらい?」
「おおよそじゃがこっちでの1日はお前の世界の10日分くらいかのぉ。」
「はぁ…なるほどね…。」
(…ん?こっちでの1日があっちでの10日って事は…)
「はぁ?!ちょっと待って!てことは俺がここに来てから何日経った?」
「2週間くらいじゃな。」
「ってことはつまり…俺の世界ではもう140日近くなってるってことか?!」
「そうなるな。あれ、言ってなかったっけか?ガハハハすまんな!」
「笑ってる場合じゃねぇよクソジジィ!普通こーゆうのは精神と時○部屋みたく、こっち側が長いパータンだろうが!これじゃレイ島太郎だよ!」
俺の悲痛な叫びが城に響き渡った。
73
お気に入りに追加
5,960
あなたにおすすめの小説

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

チートな親から生まれたのは「規格外」でした
真那月 凜
ファンタジー
転生者でチートな母と、王族として生まれた過去を神によって抹消された父を持つシア。幼い頃よりこの世界では聞かない力を操り、わずか数年とはいえ前世の記憶にも助けられながら、周りのいう「規格外」の道を突き進む。そんなシアが双子の弟妹ルークとシャノンと共に冒険の旅に出て…
これは【ある日突然『異世界を発展させて』と頼まれました】の主人公の子供達が少し大きくなってからのお話ですが、前作を読んでいなくても楽しめる作品にしているつもりです…
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
2024/7/26 95.静かな場所へ、97.寿命 を少し修正してます
時々さかのぼって部分修正することがあります
誤字脱字の報告大歓迎です(かなり多いかと…)
感想としての掲載が不要の場合はその旨記載いただけると助かります

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる