異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました

おすし

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第2章

第19話

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それから1週間くらいは、とにかく速く飛ぶ訓練だった。最後らへんは、両手にペザンテ鉱石4個ずつになり右側の石の1番上にエレナ、左側にはジジィが座り2人して景色を楽しんでいた。(マジで左側だけぶん投げてやろうと思った。)
そしてようやくこの石ともお別れとなった。

「よし、だいぶ速くなったから次はこれじゃ!」

「…今度なんだ?」

そう言うとおっさんは、自分の後ろに隠れていたエレナを前に出した。

「ん、エレナと遊べばいいの?」

「違うわ。今日からエレナと空中鬼ごっこをしてもらう。」

「空中鬼ごっこ?」

「そう、この訓練はエレナを捕まえられたら即終了じゃ。簡単だろ?」

「まじか…。でもいいのか?石無かったら俺結構早いぞ?」

「まぁそれは試してみてからのお楽しみじゃな。エレナは本気で逃げていいからな、むしろ捕まるな。」

「わかった!」

おっさんに言われ、エレナは胸の前で小さくガッツをした。
(はぁまじ天使…)

「ルールは簡単。エレナが飛んでから10秒後にレイは飛べ。場所はこの辺り一帯ならどこでもOKじゃ。ただし、あまり下の方には行くなよ。じゃあ始めるぞ。」

おっさんはエレナに俺と色違いの白い羽を付与した。

「よーしエレナもういいぞ。」

「じゃあ行ってくるね!」

そう言うとエレナは発射した。いや飛んだとか言うレベルじゃなく、今ここから1発ロケットが出ましたよくらいの初速だった。

「…な、なぁおっさん。ちょっとエレナちゃん速すぎません?目で追えなかったんですけど。」

「当たり前じゃ。エレナはこの国で1番速いからな!」

「はぁ?!」

「ほれ、10秒だったぞお前も行ってこい!」

おっさんに尻を叩かれ俺も空へと飛び出した。


そこからが終わらない鬼ごっこの始まった、見つけたと思ったら後ろにいたり、捕まえた!と思っても幽☆遊☆○書の飛影が「…残像か?」って言えるレベルの残像が残っているだけだった。
 結局昼になってもエレナを捕まえる事は出来ず、俺は中庭に大の字に倒れていた。

「…はぁ…はぁ、エレナ速すぎるでしょ…。フリーザと戦う前の悟空でも界王様とここまできつい訓練してなくないか…?」

「何訳の分からん事を言っておる。特訓前の自信はどこにいった。」

「…あんなに速かったなんて聞いてない…。目で追えないのなんて初めてだ。」

「なら次から目で追うんじゃなく、魔力を感じ取るようにしてみろ。そうすれば少しは変わるかも知れん。」

「レイ、だいじょーぶ?」

「…うん。しかしエレナ速いな~追いつけなかったよ。」

そう言ってエレナの頭を撫でると、えへへと嬉しそうにはにかんだ。うん、天使は健在だ。



昼休憩を挟んで、特訓を再開した。

(もう一周回って逃げてる人が鬼捕まえられるんですけど…。)

相変わらずエレナはジェットコースターのように回ったり急降下をしながら逃げまくっている。時々、急停止からのバック飛行など俺のできない技も見せていた。

俺は一旦空中で停止し、エレナの魔力を意識した。確かにおっさんに言われた通り、目で追っていては追いつく事は不可能だし、地図エリアマップなんてエレナの点が終始あちこちを動いてるだろうから余計無理だ。

(どこだ…どこにいる。)

数秒ほどして、エレナの魔力を感じ取った。
「…見つけた!」
そして俺は全速でエレナの魔力を追った。あともう少しで背中に手が届くと言う所で、急な方向転換で避けられてしまったが以前よりはだいぶマシになったと思う。
「あーくそっ!惜しかっなのになぁ。」

エレナは驚いていたが、すぐ逃げ出したので俺もすぐさま追いかけた。
下ではおっさんが楽しそうに俺たちを眺めていた。

「…まさかあの数秒で習得するとはな…。わかってはいたが、あいつ1人でも奴は倒せるかもな…。」



その日はエレナを捕まえる事は出来なかったが、あと数日あれば確実に行けそうなレベルにはなっていた。

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