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第2章
第17話
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城に入って1つの大きな会議室へと案内された。部屋には長机があり、4人が向かい合うように2人ずつで座っていた。
全員かなりの魔力を持っていて、一目で強いのは感じ取れた。
ガレアスは待たせたなといい、誕生日パーティーの主役席のポジジョンに座り、俺はその横に立たされた。
(あんた銀行の頭取みたいになってるけどそんな偉い人だったの?)
疑問に思う俺をよそに、ガレアスの一声で会議が始まった。
「皆今日は集まってくれてありがとう。早速だが紹介しよう。儂の友がいる世界から来たレイじゃ。今回の作戦の中心になる人物じゃからサポートの方頼んだぞ。」
「ん?作戦?なんのこと?」
「それについては私から。」
見ると1番端に座っていた、黄色いスーツを着た男性が立ち上がった。
「はじめまして。五龍の一角『黄龍』を勤めさせていただいております、ゼリスと申します。以後お見知り置きを。
レイ様はここに来る際、この世界の下をご覧になられましたか?」
「はい、確か黒い海みたいな物があったような…」
「それです。あれは『黒海』と言われており、あの中には1匹の龍が封印されております。ドラゴンの名は『バハル』、私達五龍のうちの1人でした。」
「封印って…なんか悪いことでもしたんですか?」
「その通りです。もともと私の右に座っている青龍の座には彼がいたのですが、500年ほど前にある大罪を犯して暴れたのち封印されたのです。」
「…大罪?」
「五龍の『赤龍』と『緑龍』を殺しました。」
会議室に少し重い空気が流れた。
「つまり、ガレアスの一個前の人って事?」
「そういう事じゃな。」
「話を続けます。五龍の3人が抜けてしまったので、『赤龍』にガレアスさん、『青龍』にバレルさん、『緑龍』にリヒトさんが就く事によって問題は解決したように見えました。
ですが100年ほど前から、封印の力が突如弱まりバハルが復活をしそうなのです。
本来封印は我々五龍が定期的に魔法を何重にもかけてきた物なのですが、最近は何故か何度かけても足りなくなってきている状態です。我々の魔力も無限ではないので、この際完全に息の根を止めようという結論に至りました。
そしてちょうどガレアス様の友人の、ベラム様のお気に入りの方が修行中ということもありこうして来てもらったという事です。」
「なるほど…まぁやれる事はやってみます。」
「そう言っていただきありがとうございます。作戦の概要は後で資料をお渡しするので、何か不明な点がございましたらこの中の誰にでもお尋ねください。」
「じゃあ儂から最後に軽く紹介をしておくぞ。まず儂の右におるのが、『白龍』のアイナ、儂の妻じゃ。」
そこには『白龍』と呼ばれる所以がわかるくらい、肌が雪のように白いキレイな女性がいた。
「レイ君、今回は私達のために来てくれてありがとう。この城は私と主人の家でもあるので、レイ君はここに泊まってもらう事になるけどそれでもよろしい?」
「はい、お気遣いありがとうございます。」
「ふふっ、なら良かった。」
「…猫を被るのが上手い奴め、まぁ良い。アイナの横におるのがさっきも紹介があった『緑龍』のリヒトじゃ。」
「…よろしく頼む。」
リヒトさんは緑の鎧を着た強面の男性で、万事屋のリーダー並みに目つきが死んでいた。
「そして向かいの『黄龍』ゼリスにその横が『青龍』のバレルじゃ。」
「よろしくお願いします。」
「よ、よろしくお願いします!見ての通り右腕はないですが、で、出来る限りサポートいたします!」
黄色いスーツのゼリスさんの横には、青い服を着た右腕のない見た目20歳くらいの男性がいた。
「よし、今日はもうみんな戻って良いぞ。レイは後で儂の部屋に来い。」
こうして会議は終わった。
言われた通りガレアスの部屋に行くと、おっさんは書斎で何かの資料をまとめていた。
「おお、来たか。」
「なんか話でも?」
「とりあえず作戦の大まかな概要をまとめておいたから、明日までに読んでおいてくれ。それとこれじゃ。」
作戦の紙と一緒に、黒色の服に黒いコートを渡された。
「何これ?」
「明日からのお前の特訓用の服じゃ。」
「特訓って…そういえばそのバハル?が復活するまであとどんくらいあるの?」
「そうじゃな…毎日封印の魔法はかけておるが…持って2ヶ月前後かのぉ。」
「短いのが長いのかなんともいえないな…。思ったんだけど、五龍の全員で倒せないの?」
「儂ら5人で戦って五分五分と言った所じゃな。それでベラム坊に頼んだらお前を紹介されたという訳じゃ。」
「なるほど…まぁ俺はおっさんより普通に強いしな。」
「この若造がいいおるわい。」
俺の修行は思わぬ展開となったが、まぁ強い相手と戦えるなら自分の経験値になるだろうと思い1日目が終わった。
全員かなりの魔力を持っていて、一目で強いのは感じ取れた。
ガレアスは待たせたなといい、誕生日パーティーの主役席のポジジョンに座り、俺はその横に立たされた。
(あんた銀行の頭取みたいになってるけどそんな偉い人だったの?)
疑問に思う俺をよそに、ガレアスの一声で会議が始まった。
「皆今日は集まってくれてありがとう。早速だが紹介しよう。儂の友がいる世界から来たレイじゃ。今回の作戦の中心になる人物じゃからサポートの方頼んだぞ。」
「ん?作戦?なんのこと?」
「それについては私から。」
見ると1番端に座っていた、黄色いスーツを着た男性が立ち上がった。
「はじめまして。五龍の一角『黄龍』を勤めさせていただいております、ゼリスと申します。以後お見知り置きを。
レイ様はここに来る際、この世界の下をご覧になられましたか?」
「はい、確か黒い海みたいな物があったような…」
「それです。あれは『黒海』と言われており、あの中には1匹の龍が封印されております。ドラゴンの名は『バハル』、私達五龍のうちの1人でした。」
「封印って…なんか悪いことでもしたんですか?」
「その通りです。もともと私の右に座っている青龍の座には彼がいたのですが、500年ほど前にある大罪を犯して暴れたのち封印されたのです。」
「…大罪?」
「五龍の『赤龍』と『緑龍』を殺しました。」
会議室に少し重い空気が流れた。
「つまり、ガレアスの一個前の人って事?」
「そういう事じゃな。」
「話を続けます。五龍の3人が抜けてしまったので、『赤龍』にガレアスさん、『青龍』にバレルさん、『緑龍』にリヒトさんが就く事によって問題は解決したように見えました。
ですが100年ほど前から、封印の力が突如弱まりバハルが復活をしそうなのです。
本来封印は我々五龍が定期的に魔法を何重にもかけてきた物なのですが、最近は何故か何度かけても足りなくなってきている状態です。我々の魔力も無限ではないので、この際完全に息の根を止めようという結論に至りました。
そしてちょうどガレアス様の友人の、ベラム様のお気に入りの方が修行中ということもありこうして来てもらったという事です。」
「なるほど…まぁやれる事はやってみます。」
「そう言っていただきありがとうございます。作戦の概要は後で資料をお渡しするので、何か不明な点がございましたらこの中の誰にでもお尋ねください。」
「じゃあ儂から最後に軽く紹介をしておくぞ。まず儂の右におるのが、『白龍』のアイナ、儂の妻じゃ。」
そこには『白龍』と呼ばれる所以がわかるくらい、肌が雪のように白いキレイな女性がいた。
「レイ君、今回は私達のために来てくれてありがとう。この城は私と主人の家でもあるので、レイ君はここに泊まってもらう事になるけどそれでもよろしい?」
「はい、お気遣いありがとうございます。」
「ふふっ、なら良かった。」
「…猫を被るのが上手い奴め、まぁ良い。アイナの横におるのがさっきも紹介があった『緑龍』のリヒトじゃ。」
「…よろしく頼む。」
リヒトさんは緑の鎧を着た強面の男性で、万事屋のリーダー並みに目つきが死んでいた。
「そして向かいの『黄龍』ゼリスにその横が『青龍』のバレルじゃ。」
「よろしくお願いします。」
「よ、よろしくお願いします!見ての通り右腕はないですが、で、出来る限りサポートいたします!」
黄色いスーツのゼリスさんの横には、青い服を着た右腕のない見た目20歳くらいの男性がいた。
「よし、今日はもうみんな戻って良いぞ。レイは後で儂の部屋に来い。」
こうして会議は終わった。
言われた通りガレアスの部屋に行くと、おっさんは書斎で何かの資料をまとめていた。
「おお、来たか。」
「なんか話でも?」
「とりあえず作戦の大まかな概要をまとめておいたから、明日までに読んでおいてくれ。それとこれじゃ。」
作戦の紙と一緒に、黒色の服に黒いコートを渡された。
「何これ?」
「明日からのお前の特訓用の服じゃ。」
「特訓って…そういえばそのバハル?が復活するまであとどんくらいあるの?」
「そうじゃな…毎日封印の魔法はかけておるが…持って2ヶ月前後かのぉ。」
「短いのが長いのかなんともいえないな…。思ったんだけど、五龍の全員で倒せないの?」
「儂ら5人で戦って五分五分と言った所じゃな。それでベラム坊に頼んだらお前を紹介されたという訳じゃ。」
「なるほど…まぁ俺はおっさんより普通に強いしな。」
「この若造がいいおるわい。」
俺の修行は思わぬ展開となったが、まぁ強い相手と戦えるなら自分の経験値になるだろうと思い1日目が終わった。
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