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第1章
第11話
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そしてつい出発の日が来た。屋敷の前までみんなが見送りに来てくれた。
一生の別れじゃないからいいのにと言ったが、そこは譲ってくれなかった。
「ほどほどにな。帰ったら俺とも手合わせしてくれ。」
「レイちゃん、気おつけてね。」
「レイ、帰ったら私にも魔法を教えてくれ。」
「わ、わかりました。」
「でもいいの?荷物が全然無いようだけど…」
「大丈夫です!食料なら魔物を狩れば得られるし、何かあっても異空間か魔法袋があるので。」
「魔法袋も使えるの?!確かにそれなら大丈夫そうね。」
よし行こうと思ったら、リゼに呼び止められた。
「奥様、よろしいでしょうか?」
「仕方ないわねぇ、今回だけよ?」
「ありがとうございます、レイ様。」
「なに?どうかした?」
「昨日私が言った事、忘れないでくださいね?」
え、ちょっとやだ何この空気。今にも前世で聞いた、恋の歌姫の取り扱い説明書的な歌のイントロ流れそうな雰囲気なんですけど。俺が不思議に思っていると、リゼは屈んで俺の頰に手を添えた。
「レイ様に神の御加護があらんことを。」
そう言うと俺の頰に軽い口付けをした。
「なっ!」
「ふふっ、それでは行ってらっしゃい。」
「い、行ってきます!」
前世で全ての童貞を守りきった(捨てる機会がなかった)俺にとっては、頰とはいえ美人からのキスはレベルが高すぎた。
俺は飛行を起動して、あらかじめ地図にマークしておいた、王都から結構距離のある「アステルの森」という場所を目指した。
昨日の夜に地図を見ていた時に偶然見つけ、世界眼を使ったらちらほら魔物も見えたのでそこに決めたのだ。
「それではまた!」
みんなに声をかけて俺はアステルの森を目指した。
「おい、あいつ今飛んでなかったか?」
「ほんとさすが私達のレイちゃんねぇ。」
「私にもあれは出来るのだろうか…」
「さすがレイ様です。」
呆れる父と嬉しそうな母、呆然とする姉に誇らしげなリゼが小さくなっていくレイを見送っていた。
一生の別れじゃないからいいのにと言ったが、そこは譲ってくれなかった。
「ほどほどにな。帰ったら俺とも手合わせしてくれ。」
「レイちゃん、気おつけてね。」
「レイ、帰ったら私にも魔法を教えてくれ。」
「わ、わかりました。」
「でもいいの?荷物が全然無いようだけど…」
「大丈夫です!食料なら魔物を狩れば得られるし、何かあっても異空間か魔法袋があるので。」
「魔法袋も使えるの?!確かにそれなら大丈夫そうね。」
よし行こうと思ったら、リゼに呼び止められた。
「奥様、よろしいでしょうか?」
「仕方ないわねぇ、今回だけよ?」
「ありがとうございます、レイ様。」
「なに?どうかした?」
「昨日私が言った事、忘れないでくださいね?」
え、ちょっとやだ何この空気。今にも前世で聞いた、恋の歌姫の取り扱い説明書的な歌のイントロ流れそうな雰囲気なんですけど。俺が不思議に思っていると、リゼは屈んで俺の頰に手を添えた。
「レイ様に神の御加護があらんことを。」
そう言うと俺の頰に軽い口付けをした。
「なっ!」
「ふふっ、それでは行ってらっしゃい。」
「い、行ってきます!」
前世で全ての童貞を守りきった(捨てる機会がなかった)俺にとっては、頰とはいえ美人からのキスはレベルが高すぎた。
俺は飛行を起動して、あらかじめ地図にマークしておいた、王都から結構距離のある「アステルの森」という場所を目指した。
昨日の夜に地図を見ていた時に偶然見つけ、世界眼を使ったらちらほら魔物も見えたのでそこに決めたのだ。
「それではまた!」
みんなに声をかけて俺はアステルの森を目指した。
「おい、あいつ今飛んでなかったか?」
「ほんとさすが私達のレイちゃんねぇ。」
「私にもあれは出来るのだろうか…」
「さすがレイ様です。」
呆れる父と嬉しそうな母、呆然とする姉に誇らしげなリゼが小さくなっていくレイを見送っていた。
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