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第1章
第3話
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母ーレイラの驚きの声に、リザもようやくはっと意識を戻した。
「申し訳ありません奥様、レイ様の魔法に驚きまして…」
「あれをレイがやったの?!ほんとなのレイ?」
リザが言ったことが信じられないという感じだったが、レイが頷いた事で確信に変わったようだ。
「と、とりえず食後に話を聞かせてもらうから冷める前に食べてしまいましょ。」
食卓には父親と思わしき青髪ガタイの良い人と、母さんに似た青髪の少女(おそらく姉)が既に座っていた。
母さんの声に心配した様子だったが、大したことじゃなかったと言うと、異世界初の豪華な食事が始まった。
食後に言われた通りリザと共に、レイラの部屋に行った。
「あ、来たのねリザご苦労様。もう下がっていいわよ。」
リザはレイラに俺を預けると部屋を後にした。
「それよりレイ、さっきの柵を溶かしたのはあなたで間違いないのよね?」
レイラの顔が朝とは違いとても真剣だったので、緊張しながら頷く。
「そう、そうなのね…」
(やばい怒られるかも…異常者みたいな感じで家から追い出されたり…)
だが俺の予想とは違いレイラは満面の笑みになった。
「すごいじゃなあ~い!!あなたにも私みたいな魔法の才能があるようでよかったわ!」
怒られると思いきや強い力で抱かれたのでとりあえず安心した。
(良かった…っていうか相変わらずデカすぎる!!く、苦しい…)
「そうだ!それなら明日から私と魔法の勉強でもする?」
思いがけないありがたい誘いに、思わずはい!とこたえた。
「ふふっ嬉しそうね。でも私も仕事で抜けられない時もあるから、その時はリゼに頼むといいわ。彼女もなかなか優秀だから。」
俺は2人も魔法の講師が付いたことに嬉しくなり、また元気に返事をした。
「それにしてもレイの今後が楽しみね~。レイは次男だから家を継ぐ必要はあまりないし将来は王国魔道士かな?あ、でも冒険者も似合いそうねぇ。」
レイラが自分の息子の将来の妄想を膨らませていると、廊下を慌ただしく走る音がし扉が勢いよく開いた。先程食卓にいた父ー確か母さんにジークて呼ばれてたーが息を切らし立っていた。
「た、大変だ!屋敷の柵が溶けて…」
「あぁそれこの子の仕業よ。ねーレイ?」
「うん!」
「あ、そ、そうなんだ…なら良かった…」
あまりのジークの慌てっぷりに思わず俺と母さんは吹き出した。
その後は自室に戻って、この小さな体に完璧に慣れる練習をした。朝起きた時は急な体の変化に少し慣れていなかったが、昼食を終えた辺りにはもうすっかり慣れて、割とそつなく歩けるようになり言葉も噛むことは無くなっていた。ただ、前世と視界の高さが圧倒的に違うのにはまだ少し辺な感じがしている。
夜寝る前にとりあえず今の段階でわかったことを頭で整理した。
1つ目は、俺の家はわりとえらい階級の貴族だと言うこと。名字までは1日では分からなかったが、父がジーク、母がレイラ、姉はエマという名前だった。
2つ目は話し言葉はわかるが、読み書きが出来ないという事。これは明日からやる必要があるだろう。
3つ目は魔法。これは元アニオタとしては少し期待していたが、期待以上だったし明日からは母さんに教えてもらえるので特に心配はないだろう。だが剣術や体術に関しては、神様の加護があたったとしても少なからず不安要素ではあるので今後鍛得ていく必要があるだろう。
とりあえず明日からの予定は決まり、もう疲れたから寝ようと思ったところ、扉が開き寝巻き姿の母さんが駆け足で来た。
「レイ~昨日は仕事が長引いて一緒に寝られなかったけど今日は一緒よ!」
そう言いながら思いっきりダイブし抱きしめられた。
(や、やばい乳圧で死ぬ…)
だが、これが男の性なのか柔らかく温かい感触に俺の本能は逆らうことができず、いつしか眠りについた。
「申し訳ありません奥様、レイ様の魔法に驚きまして…」
「あれをレイがやったの?!ほんとなのレイ?」
リザが言ったことが信じられないという感じだったが、レイが頷いた事で確信に変わったようだ。
「と、とりえず食後に話を聞かせてもらうから冷める前に食べてしまいましょ。」
食卓には父親と思わしき青髪ガタイの良い人と、母さんに似た青髪の少女(おそらく姉)が既に座っていた。
母さんの声に心配した様子だったが、大したことじゃなかったと言うと、異世界初の豪華な食事が始まった。
食後に言われた通りリザと共に、レイラの部屋に行った。
「あ、来たのねリザご苦労様。もう下がっていいわよ。」
リザはレイラに俺を預けると部屋を後にした。
「それよりレイ、さっきの柵を溶かしたのはあなたで間違いないのよね?」
レイラの顔が朝とは違いとても真剣だったので、緊張しながら頷く。
「そう、そうなのね…」
(やばい怒られるかも…異常者みたいな感じで家から追い出されたり…)
だが俺の予想とは違いレイラは満面の笑みになった。
「すごいじゃなあ~い!!あなたにも私みたいな魔法の才能があるようでよかったわ!」
怒られると思いきや強い力で抱かれたのでとりあえず安心した。
(良かった…っていうか相変わらずデカすぎる!!く、苦しい…)
「そうだ!それなら明日から私と魔法の勉強でもする?」
思いがけないありがたい誘いに、思わずはい!とこたえた。
「ふふっ嬉しそうね。でも私も仕事で抜けられない時もあるから、その時はリゼに頼むといいわ。彼女もなかなか優秀だから。」
俺は2人も魔法の講師が付いたことに嬉しくなり、また元気に返事をした。
「それにしてもレイの今後が楽しみね~。レイは次男だから家を継ぐ必要はあまりないし将来は王国魔道士かな?あ、でも冒険者も似合いそうねぇ。」
レイラが自分の息子の将来の妄想を膨らませていると、廊下を慌ただしく走る音がし扉が勢いよく開いた。先程食卓にいた父ー確か母さんにジークて呼ばれてたーが息を切らし立っていた。
「た、大変だ!屋敷の柵が溶けて…」
「あぁそれこの子の仕業よ。ねーレイ?」
「うん!」
「あ、そ、そうなんだ…なら良かった…」
あまりのジークの慌てっぷりに思わず俺と母さんは吹き出した。
その後は自室に戻って、この小さな体に完璧に慣れる練習をした。朝起きた時は急な体の変化に少し慣れていなかったが、昼食を終えた辺りにはもうすっかり慣れて、割とそつなく歩けるようになり言葉も噛むことは無くなっていた。ただ、前世と視界の高さが圧倒的に違うのにはまだ少し辺な感じがしている。
夜寝る前にとりあえず今の段階でわかったことを頭で整理した。
1つ目は、俺の家はわりとえらい階級の貴族だと言うこと。名字までは1日では分からなかったが、父がジーク、母がレイラ、姉はエマという名前だった。
2つ目は話し言葉はわかるが、読み書きが出来ないという事。これは明日からやる必要があるだろう。
3つ目は魔法。これは元アニオタとしては少し期待していたが、期待以上だったし明日からは母さんに教えてもらえるので特に心配はないだろう。だが剣術や体術に関しては、神様の加護があたったとしても少なからず不安要素ではあるので今後鍛得ていく必要があるだろう。
とりあえず明日からの予定は決まり、もう疲れたから寝ようと思ったところ、扉が開き寝巻き姿の母さんが駆け足で来た。
「レイ~昨日は仕事が長引いて一緒に寝られなかったけど今日は一緒よ!」
そう言いながら思いっきりダイブし抱きしめられた。
(や、やばい乳圧で死ぬ…)
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