それは、偽りの姿。冒険者達の物語

しなきしみ

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学園都市編

130話 思うようにはいかない世の中である

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 シエルの名前を何度呼んでも返事はない。
 指先で頬を何度も叩いてみるけれど、ピクリとも反応を示さない。
 ただ意識を失っているだけであれば、身体の一部がピクリと反応しても良さそうだけれども。

「まさか既に息耐えている?」
 脈拍を確認することの出来ない状況の中でヒビキは首を傾げて問いかける。
 しかし当然、返事はない。
 
「でも、召喚された聖騎士は消えてはいないし。そもそも、意識を失ったときに消滅するのが普通なのでは?」
 混乱するヒビキを横目にトロールが距離をつめる。
 ヒビキは考えをすべて口に出していることに気づいているのだろうか。

「参ったな。今死なれては困るのだけど……真相が分からなくなってしまうから」
 ペシペシと音を立てて頬を叩く。

「少し肌が冷たくなっているような気がする」
 シエルを泳がして今後どのような行動を取るのか把握する。
 又は生きたまま捕らえ拷問の末に口を割らす事を考えていたヒビキが、予想外の状況に陥り愕然とする。
 しかし、激しく動揺している場合ではなかった。
 ヒビキの意識がシエルに向いていることに気づいたトロールは、力任せにハンマーを振り下ろす。
 顔面を狙った攻撃はヒビキが体を捻ることにより、すんなりと避けられてしまった。
 隙をついた攻撃を避けられてしまったため、トロールが苦虫を噛み潰したような顔をする。

「抱えたままだと身動きがとりづらいな。聖騎士に預けてしまうか」
 地面に放置しておくよりは安全だろうと考えたヒビキは、素早く聖騎士達の元へ移動する。
 シエルを聖騎士に手渡すと、身を翻してトロールの元に一直線。素早く懐に入り込む。
 トロールの胸元へ力任せに剣を突き立てようとした。
 しかし、トロールが大きく後退したため剣は皮膚を掠めることなく空を切る。
 狐面に加えて瞬発力を上げる魔法を使っているにも関わらず、トロールに攻撃を当てることが出来ない。
 
「接近戦は駄目か」
 トロールから距離を取り、剣を鞘へと戻したヒビキはため息を吐き出した。

「出来れば生命を削りたくは無かったけど仕方がないか」
 ぽつりと小声で呟いた。

 武器の出現を再び一からやり直す。剣から刀へ。
 武器の出現を唱えて、刀を出現させたヒビキの姿があった。
 刀を囲むようにして、ぐるぐると青色の炎が渦巻いている。
 刃先から柄へ向かってぐるぐると回る炎は青白い光を放ち時折、直視する事が出来ないほどの目映い光を放っている。
 ヒビキの足元に現れた青色の魔法陣は体を身軽にする敏捷性を高める効果があった。

 刀の出現と共に現れた白を基調とした衣はヒビキの体を包みこむ。
 しなやかな白色のドレスには、高級感を思わせる細かな金色に光る刺繍が施されている。
 黒色の上着を羽織るヒビキは、空中に体を浮かしていた。
 真っ直ぐ前に伸ばした腕を左から右へスライドさせると、体を包み込むようにして巨大な炎の渦が出現する。

 赤とオレンジ色の二色から成り立つ炎は無音。
 大人しくヒビキの様子を眺めていたトロールが立ち尽くす。
 炎の渦が無数の炎の塊へ変化遂げる。
 のんきに見物を決め込んでいるトロールに襲いかかった。



「炎の雷」
 間髪を入れる事なくヒビキが新たに術を発動する。

 右手を掲げて握りしめていた手を開くと、体を包み込むようにして渦巻いていた炎の渦が広がりを見せる。
 螺旋を描きながら高く上がっていく。

 もしも、ここが洞窟内でなければ、きっと天まで届いていただろう。
 巨大な炎の柱は洞窟に阻まれる事により勢いを止めて、ヒビキが指を鳴らす合図と共に様々な大きさに分かれて降り注ぐ。

「ほぉ」
 呆然と佇んだまま頭上を眺めていたトロールは、予想外の攻撃を目の当たりにして呟いた。

 指を鳴らしたと同時に、ヒビキは結界を張り巡らせるためにシエルの元に向かって全速力で駆け出していた。
 しかし、ここで思わぬ事態が発生する。
 幼い子供の戸惑う声や女性の悲鳴が上がると共に一際、大きな岩の影から大勢の冒険者達が姿を現した。
 
 先頭に佇むアヤネは口元を両手で覆い隠している。
 顔面蒼白のまま小刻みに震えている所を見ると兄である事に気づかれてしまったか。

 ヒビキが指を鳴らす合図と共に、冒険者達や聖騎士を囲むようにして巨大な防壁が発動する。

 防壁が発動すると同時に両手をパチンと合わせることにより地面に無数の魔法陣が現れる。
 続けて右手を掲げると防壁を囲むようにして、虹色の防御癖が出来上がった。
 それは徐々に透明度を増していき、色の数が一つずつ減少を始める。
 赤が消えると続くようにして黄色、橙色が消える。
 ゆっくりと一つずつ色が消えていき、残ったのは青と白。
 リンスールが過去に見せた結界を真似ることに成功したヒビキは小さなため息を吐き出した。

 兄だと気づかれた以上、編入生であるヒビキ君を演じることは出来なくなるだろう。
 兄として接すればアヤネは側に寄ってはこない可能性がある。

「また、避けられるだろうか」
 ヒビキの独り言は誰の耳に入ることなく爆風にかき消されてしまう。
 ヒビキの放った術はトロールを見事に直撃した。
 トロールの体を焼きつくす程の威力を発揮する。
 それだけに止まらず、ヒビキの発動した術の威力は洞窟をも吹き飛ばしてしまった。
 巨大な岩が森へと散らばり盛大に土煙を上げる。
 どうやら洞窟の外には大勢の銀騎士が待機していたようだ。
 積み上がった岩を乗り越える形で、四方八方から銀騎士が現れる。

「ヒビキ様。ご無事ですか?」
 銀騎士団特攻隊隊長を務める女性騎士が、ヒビキの姿を視界に入れると慌ただしい足音を立てながら駆け寄った。

「俺は平気。だけど……」
 日の光が差し込む洞窟の一角に散らばった大量の肉片。血だまりとなった場所に視線を移したヒビキは言葉を詰まらせる。
 
「これは酷い。一体、何名の方が犠牲になってしまったのでしょうか」
 人の形をしていれば身元の確認が出来ただろう。
 しかし、巨体を持つトロールに何度も踏みつけられたため、人の形どころか犠牲になった方の肉片が混じっている。
 
「俺は前半でトロールの攻撃を直で受けてしまって、途中まで全回復魔法の中で意識を失っていたため分からないんだ。けれど、彼女達なら見ている可能性も……」
 素直に冒険者達がトロールに踏みつけられている場面を見ていなかった事を伝えたヒビキは、アヤネや冒険者達が佇む地点に視線を移す。
 どうやら、アヤネもヒビキを見ていたようで視線を移すなり、すぐに目が合うことになる。
 しかし、アヤネは大きく動揺するそぶりを見せる。
 一歩、二歩と後ずさりをするとヒビキから勢い良く視線を逸らしてしまった。

「思い切り視線を逸らされてしまいましたね」
 女性騎士はヒビキの視線の先を目で追っていたため、アヤネが勢い良く視線を逸らした場面を目撃してしまった。
 見るからに顔色が曇り、ショックを受けているヒビキの背中に手を添えると小声で呟いた。
 
「うん。思い切り顔を背けたね。嫌われるような事をした覚えはないんだけど。俺って自分でも気づかないうちに人に嫌われるような事をしているのかな?」
 今までアヤネの態度を、気にもとめていなかった。
 学園に編入するまでは一言も言葉をかわした事がなかったため、まさか苦手意識をもたれているとは思ってもいなかった。

「ヒビキ様は……そうですね。タツウミ様とは違って表情をころころと変えることをしないですね。あまり感情を表に出さないですし、考えていることを口にすることもしません。自ら率先して会話をしにいくような方でもないですし。あまり人に関心が無いようなイメージがありますね。中身を知るまでは正直、声をかけても返事はないだろうと思っていました。アヤネ様もそのように思っているのではないでしょうか?」
 包み隠すことなく、はっきりと考えを伝えた女性騎士は言いすぎただろうかと恐る恐るヒビキの表情を確認する。
 目を大きく見開いているところを見ると驚いているのだろう。

「はっきりと言いすぎましたか?」
 焦った女性騎士は早い口調で問いかける。

「いえ。言葉を濁されてしまうかなと思っていたら、思っていたよりもはっきりと考えを伝えてくれたので驚いてしまって……」
 どうやら女性騎士と会話をしている間に、側に歩み寄っていた子供がいたようで、クイッと服の裾を引っ張られるような感覚と共に
「お兄ちゃん」
 中世的な声に呼びかけられる。

 冒険者の中には幼い子供達がいた。
 きっと、その中の一人なのだろうけれど悲惨な光景を目の当たりにしているはずの子供の声からは、怯えや恐怖といった負の感情を感じ取ることが出来ない。
 まだ、物心がつく前の幼い子供なのだろうかと思い、足元に視線を移して気が付いた。

 クリーム色の髪、水色の瞳が印象的な子供と見事に目が合った。
 中世的な顔立ちの子供は真っ赤なフード付きのコートを身に纏っている。

「まさか洞窟を破壊するとは思ってもいなかった。まぁ、妖精の森にある神殿を破壊した私が言うのも可笑しいだろうけど、盛大にやらかしたね」
 ヒビキの予期せぬ行動を、ユタカは叱るどころか感心している様子。困ったように眉尻を下げる幼い子供はヒビキの顔を見つめている。
 まるで幼い子供のような反応に騙されたのは、きっと側に佇んでいる女性騎士だけではないだろう。
 頬をうっすらとピンク色に染めた女性騎士が眉尻を下げる。

「あの……妖精の森にある神殿を破壊したのは、俺と共に行動していた、真っ赤なローブを身に纏った少し貧相な身なりのユタカと言う名前の青年だと聞いていますが」
 ユタカが爆弾発言をしてしまったことに、ヒビキは気がついた。
 頬をピンク色に染める女性騎士とは対照的な反応を見せる。
 ヒビキの顔は真っ青、血の気が引いた状態である。
 
「う……」
 だらだらと冷や汗を流すユタカは、言葉を詰まらせてしまう。

「気付きましたか。ヒビキ様が心配で、私達の牽制も振り切って魔界に乗り込んだのです。普段は冷静沈着、感情を表に出さない人ですが、内心では何を考えているのやら全く読むことが出来ません。結構無茶なことをします」
 女性騎士が国王イコール神殿を破壊したユタカであると暴露してしまった。
 
「え……冗談ですよね? 俺、妖精界でユタカを足場に思い切り踏みつけてしまった記憶がうっすらとあるのですが」
 
 もしも、女性騎士の言っていることが事実であれば、大事おおごとである。
 国を統べる王様を踏みつけてしまったのだから、刑罰だけではすまされない。
 嘘であってほしいと、願いを込めて問いかけてみたものの現実を突きつけられる。

「うん。思い切り踏みつけられたね」
 爆弾発言をしてしまったため一瞬、戸惑いを見せたユタカだったけれども、どうやら開き直ったようで大きく頷いた。
 
「打ち首になりますか? それとも、獄門ですか?」
 血の気が引き、すっかりと白くなってしまったヒビキの肌からは、まるで生命力を感じない。
 
「踏み台にされた事なんて、すっかり忘れていたよ。全く気にしていないから罰則は考えてないよ」
 眉尻を下げるユタカが本当に父であるのか、疑いを持ってしまうほどヒビキの知る父の姿と、今目の前に佇む幼い子供は全く別の性格をしている。
 まるで別人のようである。

「お兄ちゃんって呼ぶのを止めませんか? ヒビキと呼び捨てでお願いします」
 まるで別人のように見えていても、やはり目の前に佇む幼い少年が父であることには変わらないため、呼び方の改善を求めてみる。

「うん。分かった」
 やけに素直である。
 ユタカが名前の呼び方を改善する事を承知した所で、ヒビキはシエルの存在を思い出す。

「話は変わりますが今回の黒幕であるシエル先生と、たまたま行動を共にすることになりました。緊急クエストの発生により負傷。現在は呼び掛けに対しても反応が全くない状況なのですが今後、彼に対する対応をお任せしても宜しいですか?」
 すぐに処刑するのも、一度回復してから拷問して情報を聞き出してから処刑するのもユタカ次第。
 
「うん。任せて」
 ヒビキの指先を目で追い、シエルを視界に入れたユタカは女性騎士に向かって手招きをした。

「特攻隊は彼らの護衛を。洞窟が破壊したとは言え、モンスターが現れないとも限らない。一度安全な街まで移動。その後に、事情聴取を」
 冒険者を指差したユタカは、女性騎士に向かって指示を出す。
 中性的な声と可愛らしい見た目は相変わらずではあるものの、可愛らしい性格の少年を演じていたかと思えばガラッとユタカの醸し出す雰囲気が変化した。
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