それは、偽りの姿。冒険者達の物語

しなきしみ

文字の大きさ
上 下
130 / 148
学園都市編

129話 シエルVSトロール

しおりを挟む
 シエルの召喚した聖騎士はトロールと同等の巨体を持つ。
 きっと、都市中央から見て南にある辺境の地で捕らえた騎士なのだろうけれど。
 確か辺境の地へ挑むための推奨レベルは250以上。6人以上のパーティで、やっと攻略できるような場所だったはず。
 彼らには自らの意思があるようで、トロールを囲むようにして四方八方に散らばり各々おのおので陣形を整える。
 そのうち1体は、どうやら別行動のようで素早くヒビキと崖の間に移動する。
 ランスを持った手と盾を持った手を黄金色に輝く膜に添える事によって、ヒビキの崖下転落の阻止に成功する。

「ほぉ。言葉を交わさずとも、自らの考えで動き回る事が出来るのか」
 聖騎士による一連の行動を眺めていたトロールが、感心したように呟いた。
 レベル1320ともなると、戦闘経験が豊富なのか。
 過去にシエルと同じような術を扱う人物に出会ったことがあるのか。
 関心はしているけれど戸惑っている様子ではない。
 動揺するどころか聖騎士に四方八方を囲まれてもなお、余裕があるようでニヤニヤと締まりのない笑みを浮かべている。
 
「随分と余裕があるようですね」
 鋭い視線をトロールに向けたまま、構えをとっていたシエルは小さなため息を吐き出した。

「まぁ、お主と我ではレベルに差がありすぎる。警戒して欲しければ、それ相応の力を見せるが良い」
 聖騎士を指差して言葉を続けたトロールは、ニヤニヤが止まらない。
 トロールの人を馬鹿にした態度に今まで、あまり感情の変化を見せなかったシエルが怒りを露にする。
 切れ長の目でトロールを睨み付けて、眉間には深くシワが刻まれる。
 血が滲み出るほど唇を強く噛みしめる。

「おっと……急に喜怒哀楽を表情に出さないで欲しいな。驚くではないか」
 両手の平をシエルに見えるようにして、胸元の高さまで持ち上げたトロールが飄々ひょうひょうとする。
 人の世界では両手の平を見せる行為は何も武器を手にしていない、攻撃を加えるつもりはありませんと言う意味である。
 しかし、トロールは両手の平を見せつつ、地面に転がっていたハンマーをシエルに向かって蹴りつける。
 容赦なく蹴りつけられたハンマーが、シエルの元まで到達するのは一瞬の出来事だった。
 シエルの髪をかすめて、岩壁に打ちつけられたハンマーは鈍い音を立てて地面に落下する。
 元々トロールは投げつけたハンマーを、シエルが避ける事を前提に考えていたのだろう。
 顔面すれすれを通過したハンマーに気を取られて、トロールに背を向けてしまったシエルの元へ素早く移動する。
 振り上げていた拳を、シエルの後頭部目掛けて容赦なく振り下ろす。
 
「背後からの攻撃ですか。卑怯ではありませんか?」
 右足に重心を移動。素早く姿勢を低くしたシエルが振り下ろされた拳を避けると、背後からの攻撃に対して卑怯だと文句を言う。

「自ら背を向けておいて何を言うか」
 勢い余って前のめりとなっていた体の重心を戻して、背後へ大きく飛びのいたトロールは死角からの聖騎士による攻撃を避ける。
 すぐさま、トロールに攻撃を仕掛けるためシエルが駆け出した。

 向かう先には、1体の聖騎士が佇んでいた。
 ランスの先端をシエルに向け突き出している。
 地面を強く蹴りつけて前方宙返りを行った。
 空中で姿勢を正しつつ、シエルはランスの上へ着地をする。
 円錐形の武器を足場にするには、平衡感覚へいこうかんかくを必要とする。

「ほぅ」
 再びシエルの予想外の行動にトロールは関心を示した様子を見せる。
 シエルがランスに足をかけたことを確認した聖騎士は、武器を勢いよく薙払う。
 遠心力によってシエルは瞬く間にトロールの懐に入り込み、その胸元に剣を突き立てようとした。
 しかし、シエルの先制攻撃に気づいたトロールが足を引いたことにより剣は空を切る。

 宙に浮かんだままのシエルは、カウンター攻撃を避けることが出来ない。
 頭から地面に叩きつけられそうになっているシエルの腹部を、聖騎士は鷲掴みにする。
 シエルの目と鼻の先を通って、振り下ろされた拳は勢いのまま地面に打ち付けられて岩肌を砕く。
 大きく前のめりとなったトロールは姿勢を崩しているため、その背後を陣取っていた聖騎士は透かさずランスを突きだした。
 死角からの攻撃だったにもかかわらず、トロールは体を捻る事によりランスを避けることに成功する。
 左腕すれすれを通過したランスを素早く掴み取り、引き寄せた。
 咄嗟に武器を手放せば良かったものの、急なカウンター攻撃に驚き武器を強く握りしめてしまった聖騎士は大きく前のめりとなる。

 相手の武器を奪い取り、ランスを聖騎士に突き刺そうとしたトロールよりも先に聖騎士の持ち主であるシエルが動く。
 丁度シエルに背を向ける形となったトロール目掛けて剣を振り下ろした。
 シエルの放った一撃は、トロールの首筋をかすめる。
 皮を引き裂き赤黒い血がコポッと音を立てて流れ出す。

「かすり傷ですか」
 渾身こんしんの一撃は、あっさりと避けられてしまった。
 捕らえたと思っていたこともあり、ショックが大きかったようで肩を落とす。
 しかし、落ち込んでいる暇などなかった。
 すぐにトロールが右腕をがむしゃらに振り回したため、避けきることの出来なかったシエルの横腹に直撃する。

 横一線に薙払われたシエルは、空中で姿勢を正す間もなく頭から壁に激突する。
 重力にしたがって地面に落下。
 俯せ状態のまま口や耳から血を流すシエルは激しく咳き込んでいる。
 すかさず背後を陣取っていた聖騎士が、トロールに向かって武器を突き刺そうとした。
 四方八方を聖騎士に囲まれているため、身動きが制限されるはずなのにトロールはランスが体に突き刺さることなどお構いなし。
 ハンマーを横一線に薙払う。
 鎧が砕けるような大きな音と共にハンマーの直撃を受けた聖騎士が、折り重なるようにして地面に倒れこむ。
 トロールの放った一撃は、聖騎士達のヒットポイントを瞬く間に0にしたようで、騎士達は次々と淡い光を放ちながら消えていく。
 一度に7体もの聖騎士が消えてしまった。

 苦しさから表情を歪めつつ、シエルは何とか上半身を起こそうと試みる。
 自らに回復魔法をかけようとした所で気がついた。
 現在ヒビキに回復魔法をかけているため、自らに回復魔法を施すことが出来ない状況である。
 ヒビキに発動している全回復魔法を解くためには、ヒビキの元まで歩みより黄金色に輝く膜に触れなければならない。

 しかし、頭部に激しい怪我を負ったシエルは、ヒビキの元まで歩み寄るだけの力が残されていない。

「う……」
 喋る事もままならないシエルが盛大に血を吐き出した。
 トロールの腕力はすさまじく本来ならシエルのように一度、攻撃を食らってしまえば身動きが取れなくなる。
 拳を受け地面に叩きつけられてもなお、けろっとしていたヒビキが例外なだけであって
「人間とはもろいものよ」
 トロールは力尽きたようにして、地べたに体を倒したシエルを見てあざ笑う。

「ん? 例外もおったのぉ」
 トロールの視線がシエルからヒビキに移る。
 少しの時間差でヒビキに施していた回復魔法は解けた。
 シエルがトロールの攻撃を受けるのが少し遅ければ、自らに回復魔法を施すことが出来たかもしれない。
 全回復魔法により、魔力の回復に成功したヒビキは惨状と化した洞窟内を見渡していた。
 洞窟内の悲惨な光景を目の当たりにして、顔面蒼白になっている。
 
 トロールの集中がシエルや、彼の召還した聖騎士に向いているうちに装着したのだろう。
 顔を覆い隠すようにして身につけられた狐面。
 狐耳付きの服を身に纏った少年は髪を覆い隠すようにして、深々とフードをかぶっている。
 学園の寮内に置き去りにしてきたはずの黒色のブーツが、何故ヒビキの元にあるのか。
 まさか、呼び寄せたのだろうか。

 狐面を呼び寄すことの出来るヒビキが、魔界で手にした狐耳の服やブーツを呼び寄せていたとしてもおかしくは無い。
 魔界で手にした服を身につけるその姿は、まるで魔族のようである。

「まさか、人の中に魔族が混ざっていようとはのぉ。おかしいと思ったんだ。いくら攻撃が通ってもダメージを受けたそぶりが無かったからな」
 ヒビキの見た目に、すっかりと騙されているトロールが眉をひそめて呟いた。

「ねぇ……そんなことより、クリーム色の長い髪をツインテールにしていた女の子の姿が見えないんだけど、何処?」
 魔族と間違われていることに対して、そんなことよりと言葉を続けたヒビキは間違いを訂正するつもりはないようで、周囲を見渡している。
 ヒビキの頭の中は、姿の見えないアヤネの事でいっぱいなのだろう。

 血や肉片が床一面に散らばっている。
 どの肉片が誰のものなのか分からない状況の中でヒビキは必死に妹の姿を探す。
 アヤネが愛用していたはずの杖は洞窟の端にあるにもかかわらず、アヤネの姿が見当たらない。
 トロールに向かって鋭い視線を向ける。

「姿が見えぬのなら、その中だろうな」
 トロールは悪びれた様子もなく肉片を指差した。
 
「そんな、不確かな情報をもらっても……」
 瞬く間にヒビキの顔から血の気が引く。
 肉片の中にクリーム色の髪の毛は見当たらない。
 血で赤く染められてしまった可能性もあるけれど、じっくり見たところで見分けることは出来ない。
 トロールは肉片を指差したけれども確証は無いようだ。
 もしかしたら、気配を殺して何処かに身を隠しているかもしれない。
 しかし、身を隠していると言う確証もなくて不安が募る。

「何度も踏みつけてしまったからな、形すら残ってはいないか」
 まるで他人事のように言葉を続けるトロールは、ヒビキの神経を逆撫でするような振る舞いをする。
 何度もその場で足踏みをする素振りを見せた。

 ヒビキの頭に血が上る。
 知能を持つトロールは人を煽る事が上手い。
 しかし、ここで我を失いトロールに挑めば、攻撃は単調たんちょうになり、それこそ勝ち目は無くなってしまう。
 ヒビキは自らを落ち着かせようとして深呼吸をする。
 
 ヒビキの足元に現れた水色の魔法陣は、瞬発力を上げる働きを持つ。
 狐面に加えて瞬発力上昇の魔法を使えば、トロールを翻弄する事が出来るだろう。
 しかし、自らのスピードを操りきれずに自滅する可能性もある。
 スピードや瞬発力をあげなければ、トロールに攻撃を通すことは出来ないだろう。
 一か八か、やらざるを得ない状況である。
 剣を右手に握りしめて、刃に左手の平を添えたヒビキは刃に青白い炎を纏わせる。
 青色の炎は刃を中心に螺旋を描く。
 左手をつきだすと、手の平に添うようにして真っ赤な炎を纏った剣が現れる。
 続けて小さく呪文を唱えると、真っ赤な炎は黄色へと変化を遂げる。
 黄色から白色へ。
 最終的に青色に変化をすると、やがて青色の炎が出現し刃を中心に螺旋を描き出す。

「二刀流か」
 大人しく剣の変化を眺めていたトロールが呟いた。
 トロールが何を思ったのかは分からないけれど、ヒビキから距離をとるようにして大きく後退する。
 ハンマーに炎を纏わせると、両手で握りしめて構えをとる。
 どうやら、魔力が回復して本来の力を発揮することが可能になったヒビキに対して警戒心を抱いた様子。

 続けて過去に魔界の暗黒騎士団隊長を務めるギフリードが操っていたブラックボールを真似る。といっても、ヒビキが扱うことのできる魔法は炎属性であるため、ファイヤーボールになるのだけど。
 ヒビキが呪文を唱えると、頭上一面を埋め尽くすほどの大量のファイヤーボールが現れる。
 頭上に現れた炎の塊は握り拳ほどのサイズ。
 トロールの表情から見事に笑みが消えた。
 
 攻撃の合図は無かった。
 ヒビキが駆け出すと同時に、頭上を埋め尽くしていた炎の塊がトロールに向かって急降下する。
 しかし、全ての炎をコントロール出来ている訳ではないようで、ヒビキの頭上に降り注ぐ炎は剣の側面を打ち付けることにより軌道を変化させる。
 
 1320と桁外れのレベルを持つトロールに、攻撃術を避けられることを前提に考えていたヒビキは、トロールの死角に回り込む。

「もしや、洞窟内の隠しダンジョンを通過して魔界へ行った青年の身内か?」
 後退後すぐに身を翻したトロールは、間近に迫ったヒビキの剣をいなす。
 降り削ぐ炎の塊にハンマーを打ち付けて、ヒビキのいる方向へ軌道修正をかける。

「そうだよ」
 淡々とした口調だった。

 炎の塊を体を右に移動させることにより避けたヒビキは再びトロールの死角に入り込む。
 振り上げられた剣はトロールが前進することにより避けられてしまった。
 トロールは巨体のわりに小回りが利く。
 すぐに背後に佇むヒビキを視界に入れると、踏みつけようとした。
 シエルの召喚した聖騎士がヒビキの服の裾を掴み、その身体を片手で持ち上げる。
 ヒビキの目と鼻の先をトロールの足が通過した。

「あ……有り難う」
 地面に下ろされたヒビキは背後を振り向き礼を言う。
 しかし、トロールを目の前にしてのんきに礼を言っている場合ではなかった。
 トロールの薙払ったハンマーが手からすっぽ抜ける。
 時折へまをするモンスターを見かけていたけれど、高レベルであっても、やらかす時はあるらしい。
 何てことを考えていれば、ハンマーの向かう先を確認したヒビキが全速力で駆け出した。
 シエルの意識があるのか、無いのかピクリとも身動きをとらないため分からない。
 勝手に身体に触れれば警戒心の強い人だ。
 嫌がる可能性もある。
 しかし、場所を移さなければ間違いなく巨大なハンマーに身体を押し潰される形となるだろう。
 シエルの腹部に腕を回して力任せに肩に担ぐ。

「まだ死なれては困ります。聞かなければならない事があるので……」
 地を蹴り高く飛び上がった。

 シエルからの返事がないところを見ると、意識は無いようで
「参ったな……魔界へ行ったときに飛行術と共に回復魔法の取得をしておけば良かった」
 ヒビキは大きなため息を吐き出した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...