異世界でも麻薬商売

ナパパール

文字の大きさ
上 下
10 / 21

助手

しおりを挟む
作った試作品が一気に全部売れたのでログハウスに転移する

「あのミーシンカンってやつは信用できるのか?」

エミリーのことが好きなのは知ってるがそんな問題なしにあって宣伝してくれるのだろうか

「えぇ、信用できるわ」

そんな自信がどこから湧いてくるのかわからない、そしてなぜエミリーの名の下で売れと言ったのも疑問だ

「あと、これからどうするのかしら?」

これからの予定を聞いてくる

予定としてはもっと麻薬を作る、今のところ作れそうなのはLSDやMDMAだ、コカインも作りたいがコカインは植物から取れる、そして一応種も持ってるがまたないといけない

今回はLSDやMDMAを作る

「また新しい麻薬を作る」

「試せるかしら?」

前回試されなかったのが嫌だったのだろう

「2つともほんの少し摂取しただけで、脳が魔法でも治せないくらいにぶっこわ....待てよ」

魔法でも治せない...それは本当だろうか?
回復魔法を脳にかけるとどうなるのか?
壊れた脳は元どうりになるのか?
中毒から治せるのか?
質問が質問を呼ぶ

「エミリーって回復魔法使えるか?」

好奇心が心を支配する
今までやったこともないことだ
科学ができないんだから魔法ならできるかもしれないと期待を持つ

「高位の回復魔法なら使えるけど」

期待に応えてくれるエミリー
だが高位の魔法だけのは気に触るが

「やりたい実験があるんだ」

そういいエミリーの手を引っ張る
もしこの実験が成功すれば
麻薬の使い道が無限に広がる

つまり副作用なんて気にせずに効果重視のものが作れる
ほとんどの麻薬がそう作られるがすぐ死ぬようには作られていない

小屋へとエミリーを引っ張る
入る前に少し大きいハンカチを取り出す

「これをマスクのようにつけてくれ」

そう言われてエミリーはハンカチを口の周りに付ける

小屋へ入り分隊長の前に立つ

「こいつに回復魔法をかけてくれ」

「なんの実験かわからないけどわかったわ」

そういい高位の回復魔法を掛ける
回復魔法は無詠唱、敵に気づかれないようにかとノーマッドは頭の中にメモしとく
掛けると腐り始めていたナイフの傷が嘘のように治り始める
そのまま脳も直して欲しいものだ

そうすると分隊長は気を取り戻す

「ここは?」

やっと晴れた頭と痛みの牢獄から解放される

「おはよう、分隊長、意識はどうだ?」

目が完全に開き、入ってくる光に慣れると目の前には悪魔がいた
自分の記憶に悪魔を刻んだ男

「き、貴様!」

体を動かそうとするが動かない、鉄の鎖により縛られている

「はっきりしているようだな、エミリー、今回は麻薬作りに手伝ってくれないか?」

分隊長の視線を無視しながらエミリーに聞く

「え、えぇ、わかったわ」

このまま放っておくのかと少し困惑するエミリー

「ありがとう、感謝する」

そういい分隊長に猿轡を付ける、叫んでたらうるさいものだ

今回作るのはLSD、0.0001mg摂取しただけで脳を使用不可能にまでに破壊する麻薬だ、こいつを摂取した後の人間は90%自殺する

必要な材料はインドール核だ、それを作るにはコールタール(石炭を高温乾留したもの)が必要だ、しかもそれにはコークスが必要だ、そしてそこらへんに石炭が転がってるものじゃない

気が遠くなるような作業だ、だが実は質が少し落ちるが代用できるものがある
セロトニン、ノンアドレナリン、ドーパミンだ

この中で一番簡単に作れるのがノンアドレナリンだ、作るにはアミノ酸チロシンが必要だ
しかも必要なのはそこらへんにある植物だ、どんなものでもいい
アミノ酸を作るにはアンモニア水が必要
中世のようにアンモニア水を回復薬としてくれるんだろうかと頭の中に流れる

「物を溶かす液体とか持ってるのか?」

エミリーはいろんな物を持っている、これもあるかもしれない

「溶液の事?」

呼び方が違うらしい

「あぁ、必要なんだ」

「あるわよ」

そういい瓶入りで渡される

バケツの中に液体と少量の水をいれ、チノシヨ草という効果を2倍してくれる魔草を入れる、選んだ意味は特にない
あとは電気融解するだけだ、すると水より軽いので浮かび上がってくるはずだ

「エミリー、電気魔法できるか?」

「任せて」

そういいバケツの横に手を添え、電気を流し始める
バチバチという電気が空気を裂く音が周りに響く
分隊長はエミリーという魔法使いに驚く、普通魔法使いは一種類か二種類の魔法しか使えないのにエミリーは何種類もの魔法を多用に使っている

それをやっている間もう一つ必要なものがある、それはチロシンだ
作る過程は長いが、簡素にいうと生き肉が必要
分隊長の腕の中を削ぎ取る

しばらくしてエミリーが電気を流したバケツの中に何か浮かんでくる
疑問に思ったエミリーは電気魔法を止めノーマッドに聞く

「何か浮かんできたけど?」

「おー、そうかそれは嬉しい、もう止めていいぞ」

朗報のように応えてくる
ノーマッドは腕の肉片をラボの瓶の中に入れて、熱の魔法陣を起動させていた

そしてバケツの中に浮かんでいる液体をコップでできるだけ掬い、これもラボの瓶の中に入れる
あとは蒸留するのも待つだけだ

待ってる間に少し後悔する

(小麦、水、ミントから作れるんだった...くそっ!)

手帳を読んで簡単な方じゃなくて難しい方を取っていたことに気づく

だがミントは薬草屋とかで買わないといけないのでこのやり方しかない

しばらくして蒸留が完了し一つの瓶に少量の液体が溜まる、そこに前作った麻薬の元、モルヒンを入れ混ぜる、それを取り出し小瓶にいれる
量は13個あたりだ

純度が低いがLSDの完成だ

早速分隊長に試す、一応もう一回高位の回復魔法を使い体を完全に治す
猿轡を外し強引に口を開け、一滴口の中に垂らす

そしてまた数歩下がり、結果を見る
やはり、ハイになってる
見た目はあまりヘロインと変わらない
問題は効果が切れたあとだ
効果が切れたあとは自殺する可能性が出てくる
そこで脳を回復魔法で治すとどうなるか気になる物なのだ
舌を噛みちぎって自殺しないように猿轡を付ける

「あとは待つだけなの?」

エミリーが質問をしてくる

「あぁ、その間違う麻薬に取り掛かる」

「あら、今回はいろいろ作るのね」

興味津々だ

「取り掛かると言ってもコカインの元を植えるだけだが」

そういい小屋から出る
小屋の横に並んで大麻は結構育っている
あと数日でもすれば、作れるまでの大きさになるだろう、実はこの鉢、マジックアイテムなのだ、効果は予想通り植物の成長を早める物だ
すでにある二つの鉢の横に追加でもう二つ追加する、これはコカイン用だ
コカインのものになる植物、コカの種を入れる

「今日はこれで終わりなのかしら?」

「いや、まだだ」

「あと、何かあるのかしら?」

「分隊長の観察して効果が切れるのを待つ」

そういい小屋から分隊長を椅子ごと引き摺り出す
分隊長は相変わらずハイだ
しばらくは続くだろう
外で待ってるのは寒いのでログハウスに戻り窓から分隊長を観察する

待っている間は暇だ
そこでエミリーが話しかけてくる

「もしバレて殺されたらどうするの?」

前いた世界では殺されても翌日には違う奴が同じことをやっているがここは自分1人しかいない、死ぬことなんてできない

「それは俺の負けだな」

両手を広げる

「どうしてこの世界に転移してきたの?」

「それは俺が聞きたい質問だな、俺は道を歩いてたらパッと転移してたんだ、来た理由なんてわからない、多分いつかまたパッと転移して前の世界に戻るだろうな」

遠くを見るような目で語る

「この世界でゴールしたいこととかはないのかしら?」

「ゴール...か、俺はゴールを持つほどの人間じゃないな」

自分の恋人を殺した男だ、ゴールなんて高貴なものふさわしくない

「では、なんで麻薬なんて使ってるのかしら?」

「それしか、俺はできないからだ」

「謙遜が上手いこと」

エミリーが少し笑う
毎回エミリーが笑ったりするとノーマッドの頭の中に死んだ恋人の記憶が蘇ってくる、ある意味の拷問だろう

「なら、私がノーマッドのゴールを作ってあげるわ」

「ほう?」

作ってくれるのは予想外だった

「ノーマッドのゴールは私を死なせないことね、前の世界みたいにね」

そう言って手を差し出してくる
ノーマッドにはもう死んだ恋人にしか見えなかった

「あぁ、今回はお前を死なせない」

手を両手で握り返す
もう前行った後悔をしないように心に決意する
もうエミリーが死ぬところを見たくない

そう感動的なシーンを送ってると分隊長がハイから戻ってくる
いいタイミングだとノーマッドは思い
エミリーと一緒にログハウスから出て分隊長の猿轡を外す
明らかに顔の色が変わっており

「もういやだ、世界に戻りたい、でも足りない」

などともう副作用を見せている
流石に早すぎると思うノーマッドだったが

「エミリー、回復魔法をかけてやれ」

エミリーの高位の回復魔法を掛けると
さっきまでの状態が嘘のように戻る

実験は成功だ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

彼女の母は蜜の味

緋山悠希
恋愛
ある日、彼女の深雪からお母さんを買い物に連れて行ってあげて欲しいと頼まれる。密かに綺麗なお母さんとの2人の時間に期待を抱きながら「別にいいよ」と優しい彼氏を演じる健二。そんな健二に待っていたのは大人の女性の洗礼だった…

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

2穴引き裂き女子○生更生調教

監督 御満小路流々
ファンタジー
普段から、教師に対してなめた態度をとるギャル彩美を醜い中年教師の高城が調教します。 愛無し 監禁 拷問 痛い系

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R18】ダイブ〈AV世界へ堕とされたら〉

ちゅー
ファンタジー
なんの変哲も無いDVDプレーヤー それはAVの世界へ転移させられる魔性の快楽装置だった 女の身体の快楽を徹底的に焦らされ叩き込まれ心までも堕とされる者 手足を拘束され、オモチャで延々と絶頂を味わされる者 潜入先で捕まり、媚薬を打たれ狂う様によがる者 そんなエロ要素しかない話

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...