君色

オープンサンド。

「皆んなのトコいくよ？」


「ミキはずっと信夫と一緒？」


「そうだよ。一緒だよ？」



なかなか行こうとしない美月……。

早めに病院に行って美波さんに今の状況を
話さなきゃと思った。




「み～つ～き。抱っこしていいか？」


美月は嬉しそうに俺の首に細い手を回した。

姫抱っこしてようやくリビングに向かった。








ずっと俺の顔を嬉しそうに見つめる美月。

…………ギリギリでもいいから




壊れないで…………










リビングに入った。


「信夫ありがとう。」


美月は綺麗な笑顔を向けてくれて
俺の首に巻きつく腕を外した。

そっと美月を下ろしたが嫌がる事はなかった。








「すいません。手伝います。

美月、おいで。」



「うん。」



俺たちはキッチンに入り二人で


コーヒーを淹れ、紅茶を抽出し、
ココアを淹れた。


それをダイニングテーブルに並べた。





「飲み物、好きなの入れてね？」


リビングのテーブルにマグカップを並べてみんなに声をかけると


「「「ありがとう」」」



と声が返ってきた。



 

「用意してくれてありがとう。

皆んな食べよう？」



美月は俺の隣りにちょこんと座った。

…………それでも淋しいのか

俺の胡座に座りたいと強請った。







おいでと美月をヒョイと自分の脚の上に乗せた。


美月は振り返り満足そうに笑った。












「「「「いただきます」」」」



「姫、美味しいな。コレいつもの？」


「うん。
凪クンこのオープンサンド好きでしょう？」


「あぁ嬉しいよ。」




「ミキちゃん今度カフェに行きたぁい。」



「ふふっ
カフェの生クリームたっぷりのココア飲みに行く？」



「うん。くう、あそこの生クリーム好き。」




「なぁ姫。コレどこの？すげぇ旨い。」



「圭吾くん、
コレねホテルMITSUKIのカフェのサンドだよ。
気に入ってくれた？」



「あぁ  旨い。ありがとな。」











一所懸命に笑顔を作る美月



無理している背中が哀しい



早く泣かせてあげたい










…………

………………


俺は美月の細い腰をギュッと抱きしめた。