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遺言。
しおりを挟む「茉莉花さん、本来遺言に記された当事者が全員揃って話すべきなんだが……。
弥生さんは君に、遺言を残した他の人を教えないで欲しいと言っていて……。
難しいですね。
まず話しを聞いてもらっていいですか?」
どうすればいいのか見当もつかない私は
「はい。」と返事をするしかなかった。
私には実の父親が遺してくれた遺産がある事。
ママも保険金を遺してくれた事。
遺産の中から私が、ロスの大学を卒業するまでの学費、生活費を荒木さんが管理し送金してくれる事。
弟がいる事。
そしてママの遺産を相続するヒトが3人いる事。
私。
弟。
……誰か。
弟は子供の出来ないヒトの養子にして欲しい事。
そしてなるべく施設に入れないで欲しい事。
「あの…弟はどうなりますか?」
「はい。お子さんが出来ない方が養子に欲しいとお話しいただいております。
まだ出生届は出していないので、実子にしたいと言われております。」
「あの……条件をひとつ……」
「可能な事であれば。」
「一緒に写真が撮りたいです。
他の方の所に行っても
弟がいると思いたいから……ダメですか?」
「大丈夫だと思います。
お判りだと思いますが何処の家に行ったとか詮索はできませんよ?
彼の実子としての人生がありますから。」
「ありがとうございます。
養子のお話し進めて下さい。
あの弟の父親はわからないんでしょうか?」
「わかりません。
弥生さんが、残したものには父親のことは
書かれていませんでした。」
「そうですか…
もう1人の…誰かは
ママにとってどんなヒトなんですか?」
「大切なヒトと書かれています。
それ以外の関係性などはわかりません。」
「楠木さん、荒木さん、
ママの遺言の施行お願いします。」
「わかりました。
弥生さんをまずは見送ってさしあげましょう。」
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