初恋

あんず

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退院。

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義弥の入院はあれから3週間程続いた。

昼間は母さんと夜は僕と過ごした。


とてもゆっくり、穏やかな時間が過ぎる。







退院するにあたり
医師から今後についての話しを聞いた。





退院前日に

父さんと母さん、僕とで義弥の周りを囲んだ。



「義弥、退院よかったな?」


「ありがとう。」


「義弥、今年は休学しよう?」


「……うん。」

義弥は淋しそうな顔をした。
父さんは話しを続けた。


「やってもらいたいコトが有るんだ。」


「何?僕が出来るコト?」


「そうだよ。義弥にやってもらいたいコト。

まず美波を支えて欲しい。

美波はお前がいないと何にも出来ない。

困ったコトに義弥にしか出来ないんだ。」

そう言う父さんは嬉しそうだ。



「義弥……頼むよ?」

僕は義弥の胸に頭を擦り付けた。



義弥は僕の髪を撫でながら

「いいよ?」と

優しく微笑んでくれた。
胸が鷲掴みされたみたいにドキドキする。

この笑顔
いつも見ていたい。



「ありがとう。」





「義弥、どうやら美波はお前と2人で暮らしたいらしい。」

義弥の笑顔が明るくなる。


「でな、家建てるんだって。」



「えっ?」



「義弥にどんな家にしたいか考えて欲しいそうだ。

ほら、コレも義弥にしか出来ないんだよ。

頼めるか?」



義弥は僕の頭を抱え込んで

「やる。」

元気な返事をしてくれた。





義弥の笑顔が嬉しい。

僕のココロは

サクラ組の頃からずっと

義弥から離れられない。

離れない。





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