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ミキちゃんち。
しおりを挟むミキちゃんと約束の土曜日。
僕はりっくんに一緒にライブハウスに
行けないと伝えた。
りっくんは不思議そうにしてたけど
僕の気持ちはミキちゃんと一緒に過ごせる事で頭がいっぱいだった。
約束は10時。
10分前に到着して言われた駅の改札を出た。
「くうちゃん!こっちだよ。」
ミキちゃんはもう到着していて待っててくれた。
ミキちゃんは前髪を赤いピンで留めている。
瞳はブルー。
黒のスキニーパンツに
サイズオーバーの赤いコットンセーターを
合わせている。
男の子の格好だけど
ミキちゃんが着ると男の娘に見えるから
不思議だ。
「ミキちゃんおはよう。
今日はありがとう。」
「くうちゃん今日は楽しもうね?」
そう微笑んで僕の手を繋いでくれた。
「行こ。」
僕は可愛いミキちゃんに手を繋がれて
嬉しくて恥ずかしくて小さく頷くのが
やっとだった。
ミキちゃんのお家はとっても広くてキレイだった。
ミキちゃんの部屋は二階で
カントリー調の家具やファブリックが
とてもミキちゃんらしかった。
クローゼットの中には
可愛い洋服と
男の子の洋服のどちらもあった。
ちょっと離れた私立中学校の制服も……。
二人でミキちゃんのベッドに並んで座った。
「くうちゃんは
どうして男の娘の格好したいの?」
「女の子になりたいわけじゃないんだ。
でも可愛い格好には憧れてる。
初めてミキちゃんを見た時に羨ましいなって思ったけど
僕には勇気がなかったんだ。」
「ミキはね
人と話すの怖くてね……違う自分を作ってるって感じかな?
前はウチから出られなかったから……。
でもね駿くんがね
あっ b- moon のベース弾いてるヒトがね
中性っぽい服を着せてくれて髪もセットしてくれて
違う自分になれた気がして外に出られるようになったんだ。」
「そうなんだ。
ミキちゃん可愛いから何でも似合って羨ましいな。」
「くうちゃん?」
「あのね……くうの好きなヒトね……」
「陸くん?」
「何で?」
「くうちゃん可愛い。
僕ね見ててわかっちゃった。」
「りっくんが好きなんだ。
この前りっくんが凪さんとミキちゃんみたいな可愛い娘を連れて歩きたいって言ってて
僕、ヤキモチ妬いちゃった。」
「くうちゃんは可愛いいよ?
僕ねくうちゃんのタレ目チャンが羨ましいんだ。
睫毛も多くて可愛い。
僕だって羨ましいよ?」
「ミキちゃん……。」
憧れのミキちゃんが僕を可愛いって
羨ましいって言ってくれた。
嘘でも何でも嬉しい。
思わずウルウルしてきちゃった……。
「くうちゃんギュッとしてもいい?」
僕は頷いた。
ミキちゃんは泣きそうになっている僕を
優しく抱き締めてくれた。
ミキちゃんはとってもいい香りがした。
しばらくして僕の頬を両手で挟んで
オデコをコツンとくっつけた。
可愛いミキちゃんの顔が目の前で
ドキドキする。
「くうちゃん、可愛くなろうね?」
オデコにチュッとキスしてくれた。
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