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嫌な夢。
しおりを挟む家族待合室には
オレと圭吾しかいなくて
黙ったままの二人の周りには
音の無い世界が広がっている。
これは夢で
本当は郁弥はステージの上で歌って駆け回っているのもしれない。
『コウ、二人でステージで暴れよう』
『ミキちゃんは?』
『ミキにはアイツが居てくれるよ?
俺にはコウだけだろ?』
『イク……もちろんオレはイクのだよ…』
『じゃあ ずっと二人だけの場所へ行こう……』
イクは笑いながら
どんどん先にすすんでしまう。
必死にイクを追いかける……。
イク……
イク……
『郁弥! 先に行くなよ!』
「おいっ コウ! 起きろよ。
大丈夫か?」
「あっ……圭吾……嫌な夢見た……
郁弥が一人でどこかに行っちゃう夢…。」
「大丈夫だ。
アイツがお前や姫を置いて行くか?
ちゃんと帰ってくるよ。
待っててやろう……なっ?」
圭吾の横に座って肩にもたれかかった。
圭吾はずっとオレの髪を撫でてくれた。
『イク……置いてかないで……』
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