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第五章
第225話 ぐるぐるまわりましょう
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国境の街に入って、次は教国側の入門に並んでいます。大きな川の中洲が中立地帯で、二つの街が隣接している変わったところです。
「水害とか大丈夫なのかな? 大きな木がありませんから、洪水とかそこそこありそうなのですけど」
「そうね。その代わりここは凄く栄養のある土地ね、作物が良く育つわよ。それにこの街を取り囲む壁だけど、よく考えて作られているわ、それに門も凄く分厚いでしょ?」
「なるほどの。雨季の洪水時は門を閉めれば水が入らないような造りになっとるのじゃな。もし水が溢れ街に入り込んでも、土台を高くした家がほとんどなのじゃ。それに見よ、どこの家にも船があるようじゃぞ」
「本当です。あそこのお店は船を看板にしていますね」
そんな街並みを見学しながら街を抜け、数百メートルある畑の間を抜け、ついに教国側の門に入りました。
もちろん教会はちゃんとやっつけてきました。教国側もちゃんと頑張りましょう。
「ライ、あのとんがり屋根が教会よ。ここも手前とそう変わらない人数ね。もしかして、集まりの場所に向かってしまった後かもしれないわね」
テラの言う通り教会に正面から入って見ました。建物は立派ですが、中の人は礼拝しに来ている人を除くと二十人ほどしかいませんでした。
「地図も手に入りましたし、目的地はここですね、教都ジブリール。教皇とか偉い人が皆さん集まるのが一月後なのですね」
「どうせなら一度にやっちゃいたいわね。どうする? ここに描かれた街をぐるっと回っちゃう?」
「ふむ。しかし沢山の教会があるのじゃな。この教国の外縁部からぐるぐる回りながらやって行くのが良かろう。そうすれば最後は真ん中の教都につくじゃろ」
「テラ、アミーそうですね。それやっちゃいましょうか、えっと今がここですから良く見るとフライパンみたいな形の半島なのですね、持ち手のところが国境です。初めは海沿いをぐるっと行っちゃいましょう!」
国境の街を出て、道は真っ直ぐ教都に向かう道と、左右に分かれていますので、多数決でどちらから行くか決めようと思ったのですが。
「僕なら左からかな」
「そうね、それで良いわよ」
「うむ。決まりじゃな」
『ひだり』
僕の意見で決定しちゃいましたので、早速背負子を装備して、アミーを乗せる前にお姫様抱っこをして欲しいって顔のアミーをお姫様抱っこして、ちゅ。
「くふふ。アミーったら真っ赤よ、仕方ないわね、一つ目の街まではアミーをお姫様抱っこしてあげなさい。街や村に何ヵ所もよるんだから交代しながら行きましょ、ライ、背負子に乗るからしゃがんでくれる?」
そうして午前中に小さな街と村を五つまわり、六つ目の大きな街でお昼ごはんを食べる事にしました。
「とりあえずあれが教会ね。あの裏庭に降りましょう、ここも五十人いないからすぐよ」
「うん、じゃあ降りちゃいますね」
裏庭に降りて、作業を見ていた三人をぐるぐるして気絶させ、七人を奴隷から解放して教本を渡し、三人を連れて衛兵さんの所に行って、呼んでおいてもらいます。
中に入り、どんどん気絶と解放をしてしまい、ここは地下にも捕まっていましたので助けると。
「この人達で終わりのようね。じゃあお昼の休憩にしましょう」
「そうじゃな。すぐそこが海じゃ、魚かの」
「そうだね。じゃあ皆さんこの教本をどうぞ。それからこの人達は悪い奴らですから衛兵に連れていけば報酬がもらえますので」
「ありがとう。助かりました、お礼と言ったらなんですが、この街はイール焼が美味しいですよ。教国でも遠くから食べに来るほどの名物ですから」
そう教えてもらったイール焼は食べないといけませんよね。
地下にいた人達と一緒に教会から出て、おすすめの店を教えてもらい、イール焼をごはんに乗せて食べるお店に向かいます。
大通りから横道に入って、裏通りにあるお店のようで、街の人しかほとんど知らないお店らしいです。
「いつも大通りしか歩いてませんから、こんなところを歩くのも面白いですね。あっ、イールの絵が描かれた看板がありました」
「あら、いい匂いね。あのにょろにょろする魚だけど、凄い人気のようね、あんなに並んでいるもの」
「ほう。私も幾度が食べた事があるがこのような匂いは初めてじゃ。ほれ、そこが最後尾じゃな」
僕達の前に十五人は並んでいます。小さなお店なので、チラッと覗きに行ったのですが中は満員で、ちょうど並んでいる人と同じくらいの人達が席について食べていました。
「どんなものか見えませんでしたが、こんな感じの深皿で出てきていましたよ」
僕は皿の形を手で表しテラとアミーに教えてあげました。
「変わったお皿ね、シチューを入れるお皿より深いのね」
「ふむ。確かどんぶりじゃったかの。汁物の麺を食べる時に使う時があるぞ」
そして三十分ほどで僕達もお店に入り、メニューの『イール丼』を頼みました。
お店の中は、香ばしい匂いがいっぱいでお腹が早くって鳴るほどでした。
「来たわよ。これは美味しそうね、いただきましょう」
茶色のタレがかかったイールを口に入れると――っ!
「「「美味しい!」」」
「うふふ。ありがとう、ゆっくり食べていってね」
イール焼を持ってきてくれたお姉さんが別の席にも持っていく時、横を通ったのですが、僕達が感嘆したのを聞いてそう言ってくれましたが、僕達は、目の前のイール丼に夢中で、あっという間に食べてしまいました。
「これは美味しいですね、ここにはまた来ましょ――」
「食べ終わったんなら早く退きな!」
と、僕達のテーブルを見下ろすおじさんがいました······。
「水害とか大丈夫なのかな? 大きな木がありませんから、洪水とかそこそこありそうなのですけど」
「そうね。その代わりここは凄く栄養のある土地ね、作物が良く育つわよ。それにこの街を取り囲む壁だけど、よく考えて作られているわ、それに門も凄く分厚いでしょ?」
「なるほどの。雨季の洪水時は門を閉めれば水が入らないような造りになっとるのじゃな。もし水が溢れ街に入り込んでも、土台を高くした家がほとんどなのじゃ。それに見よ、どこの家にも船があるようじゃぞ」
「本当です。あそこのお店は船を看板にしていますね」
そんな街並みを見学しながら街を抜け、数百メートルある畑の間を抜け、ついに教国側の門に入りました。
もちろん教会はちゃんとやっつけてきました。教国側もちゃんと頑張りましょう。
「ライ、あのとんがり屋根が教会よ。ここも手前とそう変わらない人数ね。もしかして、集まりの場所に向かってしまった後かもしれないわね」
テラの言う通り教会に正面から入って見ました。建物は立派ですが、中の人は礼拝しに来ている人を除くと二十人ほどしかいませんでした。
「地図も手に入りましたし、目的地はここですね、教都ジブリール。教皇とか偉い人が皆さん集まるのが一月後なのですね」
「どうせなら一度にやっちゃいたいわね。どうする? ここに描かれた街をぐるっと回っちゃう?」
「ふむ。しかし沢山の教会があるのじゃな。この教国の外縁部からぐるぐる回りながらやって行くのが良かろう。そうすれば最後は真ん中の教都につくじゃろ」
「テラ、アミーそうですね。それやっちゃいましょうか、えっと今がここですから良く見るとフライパンみたいな形の半島なのですね、持ち手のところが国境です。初めは海沿いをぐるっと行っちゃいましょう!」
国境の街を出て、道は真っ直ぐ教都に向かう道と、左右に分かれていますので、多数決でどちらから行くか決めようと思ったのですが。
「僕なら左からかな」
「そうね、それで良いわよ」
「うむ。決まりじゃな」
『ひだり』
僕の意見で決定しちゃいましたので、早速背負子を装備して、アミーを乗せる前にお姫様抱っこをして欲しいって顔のアミーをお姫様抱っこして、ちゅ。
「くふふ。アミーったら真っ赤よ、仕方ないわね、一つ目の街まではアミーをお姫様抱っこしてあげなさい。街や村に何ヵ所もよるんだから交代しながら行きましょ、ライ、背負子に乗るからしゃがんでくれる?」
そうして午前中に小さな街と村を五つまわり、六つ目の大きな街でお昼ごはんを食べる事にしました。
「とりあえずあれが教会ね。あの裏庭に降りましょう、ここも五十人いないからすぐよ」
「うん、じゃあ降りちゃいますね」
裏庭に降りて、作業を見ていた三人をぐるぐるして気絶させ、七人を奴隷から解放して教本を渡し、三人を連れて衛兵さんの所に行って、呼んでおいてもらいます。
中に入り、どんどん気絶と解放をしてしまい、ここは地下にも捕まっていましたので助けると。
「この人達で終わりのようね。じゃあお昼の休憩にしましょう」
「そうじゃな。すぐそこが海じゃ、魚かの」
「そうだね。じゃあ皆さんこの教本をどうぞ。それからこの人達は悪い奴らですから衛兵に連れていけば報酬がもらえますので」
「ありがとう。助かりました、お礼と言ったらなんですが、この街はイール焼が美味しいですよ。教国でも遠くから食べに来るほどの名物ですから」
そう教えてもらったイール焼は食べないといけませんよね。
地下にいた人達と一緒に教会から出て、おすすめの店を教えてもらい、イール焼をごはんに乗せて食べるお店に向かいます。
大通りから横道に入って、裏通りにあるお店のようで、街の人しかほとんど知らないお店らしいです。
「いつも大通りしか歩いてませんから、こんなところを歩くのも面白いですね。あっ、イールの絵が描かれた看板がありました」
「あら、いい匂いね。あのにょろにょろする魚だけど、凄い人気のようね、あんなに並んでいるもの」
「ほう。私も幾度が食べた事があるがこのような匂いは初めてじゃ。ほれ、そこが最後尾じゃな」
僕達の前に十五人は並んでいます。小さなお店なので、チラッと覗きに行ったのですが中は満員で、ちょうど並んでいる人と同じくらいの人達が席について食べていました。
「どんなものか見えませんでしたが、こんな感じの深皿で出てきていましたよ」
僕は皿の形を手で表しテラとアミーに教えてあげました。
「変わったお皿ね、シチューを入れるお皿より深いのね」
「ふむ。確かどんぶりじゃったかの。汁物の麺を食べる時に使う時があるぞ」
そして三十分ほどで僕達もお店に入り、メニューの『イール丼』を頼みました。
お店の中は、香ばしい匂いがいっぱいでお腹が早くって鳴るほどでした。
「来たわよ。これは美味しそうね、いただきましょう」
茶色のタレがかかったイールを口に入れると――っ!
「「「美味しい!」」」
「うふふ。ありがとう、ゆっくり食べていってね」
イール焼を持ってきてくれたお姉さんが別の席にも持っていく時、横を通ったのですが、僕達が感嘆したのを聞いてそう言ってくれましたが、僕達は、目の前のイール丼に夢中で、あっという間に食べてしまいました。
「これは美味しいですね、ここにはまた来ましょ――」
「食べ終わったんなら早く退きな!」
と、僕達のテーブルを見下ろすおじさんがいました······。
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