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第五章

第207話 ダンジョンの街に到着ですよ

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「ふぅ、楽しかったですね」

「そうね、これはお風呂じゃできないもん、次はムルムルに乗ってやりましょう、絶対楽しいわよ」

「ムルムルに? 潰れたりせんのか?」

「くくく、ムルムルは私の騎獣よ。そんじょそこらのスライムとは違うのよ! 凄く強いんだから!」

「ほう。確かに魔力は多そうじゃ、偉いのう、ムルムルは」

 そう言いながら僕の肩に乗ってるムルムルは、二人につつかれぷるぷる震え、ご機嫌そうです。

 湖の畔に到着した後、上から見えていた街に向かい、街道に出た所で。

「のうライよ。私やテラ様をいつまで歩かせない気じゃ? 楽で良いのじゃが」

「っ! そ、そうね、まったく気にしてなかったけど、走らないし飛ばないなら歩くのが普通よね! ライ、私達も歩くから下ろしてちょうだい、んむっ!」

 僕はお姫様抱っこのテラにちゅってしてから下ろしてあげました。

 そしてしゃがんでアミーを縛っていたロープを外してアミーが降りると背負子を収納して立ち上がったのですが。

 アミーは目を閉じて、唇を尖らせて待っています······。

「はぁ、ライ。ちゅってしてあげなさい。ほら、息を止めてるから顔が真っ赤になってるわよ」

「あはは······アミーもやっぱりお嫁さんになるのですね。僕もアミーの事好きだからこれからもよろしくね。ちゅ」

「ぷはー。うむうむ、よしなに頼むぞライ」

 その後は手を繋いで街道を進むと、ここもまた頑丈そうな街壁でぐるりと囲われてるようですね。

 うんうん、壁の上にも見張りの方がいて、あたりを監視しているようです。

「そんなに並んでないわね、馬車は多いけど」

「うむ。予想ではダンジョン産の物の輸出かの。ナガトもここのダンジョンで果物を採取したと言うておったしな」

「うん。でも、そうすると、いくつもダンジョンがあるのかな? 果物のダンジョンがあるのですから、お肉やお魚も良いですよね。沢山あるなら一通りのダンジョンを見て回りたいです」

 そうですよね、一応二つはあるのかな、ダンジョンの魔力はたぶん二つありますし。

「ライ、私達の番よ。考え事してないで進むわよ」

「おっと、行きましょう」

 門の入口に立っている門番さんが確認してくれるようです。僕はテラのギルドカードも一緒に出して、アミーは自分で出して門番さんに見せました。

「冒険者か、うむ、通って良いぞ。荷物も無しか、ほら後が使えるから早く行け······へ? Sランク!? さ、さ、さ、三人とも!! よ、ようこしょおこしくだしゃいました!! ダ、タンジョンをお楽しみくだしゃいましぇ!!」

 くふふ。かみかみですね。あっ、そうです、聞くだけ聞いてみましょう。

「はい。ありがとうございます。冒険者ギルドの場所を聞いても良いですか?」

「門を抜け、大通りをまっすぐ行った所にありましゅ! 中央広場です!」

 おお、という事は、ダンジョンが街の真ん中にあるのかな?

「ありがとうございます。大通りをまっすぐですね、では」

 ギルドカードをしまい、門をくぐっていきます。

 門前の広場からまっすぐの方角に大きな通りがありますからこれですね。

 大通りを進みながら屋台や露店を覗き見して、ようやく大きな広場に入りました。

「あっ、冒険者ギルドがありました。ダンジョンカードをもらって、早速ダンジョンに行きましょう」

「そうね。結構買い物したわよね。あれだけあればしばらくダンジョンにこもっていても大丈夫じゃないの?」

「うむ。私も焼き栗を沢山買ったからのぅ。あれはおやつにぴったりじゃ」

 三人手を繋ぎながらギルドに入ると、沢山の方がいて、受け付けのカウンターも列ができていました。その最後尾に並んで待っていると、思ったより順調に進み、そろそろですよ!

 さあ! ダンジョン街の荒くれCランク冒険者の方! 次が僕達ですよ! 態々わざわざ依頼が貼ってあるところに近い列に並んだのですから!

「おい! そこのガキ、順番を譲りな!」

 え? その声が聞こえたのは、お食事処側の列からです······えぇぇぇぇー。そっちの方はガキって言うよりお兄さんですよ~。

(ライ······残念だったわね、ほら、カウンターのお爺さんが手招きしてるわよ)

(あっ! そういう事ですか! 僕の列はお爺さんであっちはお姉さんですよ! どおりで並んでる方が少ないと思ってました)

 仕方がないので、カウンターに近付きながら、横入りしてきたおじさんは、ぐるぐるして気絶させておきました。

 ダンジョンカードももらい、二つのダンジョンの場所も聞いて、早速中央広場の真ん中にあるダンジョンの入口に向かいました。

 ダンジョンの入口には冒険者ギルドの職員さんかな?

「よし。気を付けて行ってこい」

 とダンジョンカード確認している方がいました。

 ですが······おかしいですね? ダンジョンの入口があそこでしょ。もう一つは、湖側にあるみたいですけど······。

(ねえテラ。僕の足元にダンジョンの魔力を感じるのですけど、気のせいかな? 広場の真ん中にもその魔力はあるのですから、それと離れたこの下。間違ってる?)

(ん? ちょっと待ってね。んん神眼~! ライあなた、流石だわ、こんなの見付かりっこないわよ、十メートルは下にあるものこのダンジョンの入口)

(おお! やっぱりですか! 土魔法で穴を開けるのも良いですが······えっと。ん~行けますね。じゃあ行っちゃいましょう! 転移!)

 パッ
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