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第五章
第201話 王都に入りましたよ
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「あっ、あぁぁぁぁー! 思い出しました! 湖で遊んでる場合じゃありませんよ! せっかく急いで来たのに!」
そうです、王城に資料を持っていかないといけないのを、楽しすぎてすっかり忘れ、三十分くらいは遊んでしまいました。
「はぁ、遊びすぎました。えと、じゃあとりあえずどこに向かいますか? 王都の別邸などはあるのですか?」
「ふう、そ、そうだな、少しはしゃぎすぎたようだ。別邸はもちろんあるぞ、管理の者が、三人住み込みでいるはずだ」
「あー楽しかったわね、じゃあその別邸に上から入って、その三人を確めてから王城ね」
「なんじゃ、もう終わりかの? まあ仕方なかろう。じゃが、門から入らなくても良いのか?」
そうですね『えぇぇぇー!』を聞きたい気もありますが、ここは我慢ですね。
なので僕は湖すれすれ飛行から上昇に切り替えて、高度を揚げます。街全体を見れるように高くまで上昇すると。
「ふむ。あの真ん中が王城で正門があそこだとすると、ああ行ってこうだから、ライ殿、あの水色の屋根から王城の方へ三邸行った小さな屋敷が私のだ」
「でもお庭は広いですね、僕は広いお庭が良いと思います」
「うむ、小さいながら池や林とは中々手入れも大変じゃろうに」
「今度、果物の木でも植えてあげるわよ、ほら行きましょう」
そして、目測で転移しました。
パッ
「到着です。あれ? ······沢山、二十人以上の人がいますね? それも、魔道具付きです」
「ちょっと見てみるわね。んん~、称号は大丈夫だけど。ライ、一応気絶させて庭に連れてきなさい」
「うん。じゃあ。ぐるぐる~、ほいっと! それから転移! も一つ収納!」
んと、二人のメイドさんと庭師っぽい方はすっぽんぽんでうつぶせになって気絶していますので、服とパンツを履かせておきます。
他の方達なのですが。
「小さい子ばかりですね? ナガト男爵さん、この子達は?」
「分からん。この屋敷はな、年に二回王城での集まりに来るのだが、その時に数日間だけ使うのだが」
「あれじゃない? 洗脳する子達。ナガト、この近くの屋敷で、普段あなたみたいに住んでないお屋敷はあるの?」
「ある。貴族街の半分ほどがそうだ。住んでいるのは城勤めの貴族くらいだろうな、後は小さな領地にいるはずだから、領主はほぼここの屋敷と同じような感じだな······だがまさか、こんな王城近くで、こんなに沢山の子供を」
ナガト男爵さんは子供達を見ながらそう呟きました。
薄汚れたワンピースのようなものを着せられた子供達。
ナガト男爵さんと相談して、まずはこの三人に話を聞くことにしました。
聞くと、これまた驚きだったのですが、王都の地下にはクモの巣のように地下道が張り巡らされていて、貴族達がいる時は地下にある収容所に子供達を入れ、帰った後は、屋敷で宰相さんの言いなりに育てているそうです。
メイドさんに頼んで地下道の地図を出してもらい、見てみると。
「うわぁ、王城以外の地下がほとんど駄目じゃないですか、ん~と、そうですね、今は地下には少ししかいません。少しと言っても二十人とちょっと、ここと同じ感じでしょうか? まあ、魔道具も付いていますから、ぐるぐる~、ほいっと! 転移! 収納! よしよし、あっ、また裸ん坊ですね、ほいっと!」
「たぶん二十人の子供に分けて管理してるのかもね、ほら、この三人にも話を聞いて、ってそうね、ライ、この人達は、お屋敷に送っちゃいましょう。面倒だけど、いくつお屋敷があるか分からないけど、相当な数になりそうだもん」
「そうですね、そうだ! えっとカヤッツは············いました。マリーアも一緒ですからついでに来てもらいましょう! 転移!」
パッ
転移で連れてきた二人は抱き合って、ちゅってしています。
「ライ! 可哀相でしょ!」
「ラ、ライ坊っちゃん!」
「ごめんなさい二人とも、ちゅの邪魔しちゃったね。あのね、この子供達を一旦サーバルに連れていって欲しいんだ。たぶん人攫いの犠牲者なんです。それでですねお屋敷で一旦預かって、どうするかなんですけど」
二人は真っ赤な顔でしたが、僕の話を最後まで聞いてくれました。
「はぁ、ライ坊っちゃん、分かりました、アマンダにも協力してもらいます」
「ライ坊っちゃんの事だからこの······四十人ほどでは終わらないのですよね? マシューにも動いていただきます」
「それからね、この子達は――」
洗脳の話や、貴族達と兵士の宰相さんによる奴隷化の話もしておきました。
「なんて事を、分かりました、子供達にも一応奴隷の腕輪を嵌め、様子を見ながら対応いたします」
「その六名の者にはお世話の手伝いもしてもらいますので、そのまま一緒に送って下さい」
「ありがとう。カヤッツにマリーア、アマンダさんとマシューにもよろしく伝えて下さい」
二人は深く頷いてくれましたので、転移で送りました。
「じゃあ、貴族街をやってしまいましょう」
その前に、ナガトさんに貴族街の地図を見てもらいながら、まずは地図にある自分のお屋敷に印をしてもらい、一つずつ回っていくつもりです。その際、王城勤めで悪者の名簿に名前が乗っている人のお屋敷から回る事にしました。
悪者のお屋敷は、三十人もお城で働いているようで残りも全部あわせると、六十七ものお屋敷がありました。
さあ、頑張っちゃいましょう!
そうです、王城に資料を持っていかないといけないのを、楽しすぎてすっかり忘れ、三十分くらいは遊んでしまいました。
「はぁ、遊びすぎました。えと、じゃあとりあえずどこに向かいますか? 王都の別邸などはあるのですか?」
「ふう、そ、そうだな、少しはしゃぎすぎたようだ。別邸はもちろんあるぞ、管理の者が、三人住み込みでいるはずだ」
「あー楽しかったわね、じゃあその別邸に上から入って、その三人を確めてから王城ね」
「なんじゃ、もう終わりかの? まあ仕方なかろう。じゃが、門から入らなくても良いのか?」
そうですね『えぇぇぇー!』を聞きたい気もありますが、ここは我慢ですね。
なので僕は湖すれすれ飛行から上昇に切り替えて、高度を揚げます。街全体を見れるように高くまで上昇すると。
「ふむ。あの真ん中が王城で正門があそこだとすると、ああ行ってこうだから、ライ殿、あの水色の屋根から王城の方へ三邸行った小さな屋敷が私のだ」
「でもお庭は広いですね、僕は広いお庭が良いと思います」
「うむ、小さいながら池や林とは中々手入れも大変じゃろうに」
「今度、果物の木でも植えてあげるわよ、ほら行きましょう」
そして、目測で転移しました。
パッ
「到着です。あれ? ······沢山、二十人以上の人がいますね? それも、魔道具付きです」
「ちょっと見てみるわね。んん~、称号は大丈夫だけど。ライ、一応気絶させて庭に連れてきなさい」
「うん。じゃあ。ぐるぐる~、ほいっと! それから転移! も一つ収納!」
んと、二人のメイドさんと庭師っぽい方はすっぽんぽんでうつぶせになって気絶していますので、服とパンツを履かせておきます。
他の方達なのですが。
「小さい子ばかりですね? ナガト男爵さん、この子達は?」
「分からん。この屋敷はな、年に二回王城での集まりに来るのだが、その時に数日間だけ使うのだが」
「あれじゃない? 洗脳する子達。ナガト、この近くの屋敷で、普段あなたみたいに住んでないお屋敷はあるの?」
「ある。貴族街の半分ほどがそうだ。住んでいるのは城勤めの貴族くらいだろうな、後は小さな領地にいるはずだから、領主はほぼここの屋敷と同じような感じだな······だがまさか、こんな王城近くで、こんなに沢山の子供を」
ナガト男爵さんは子供達を見ながらそう呟きました。
薄汚れたワンピースのようなものを着せられた子供達。
ナガト男爵さんと相談して、まずはこの三人に話を聞くことにしました。
聞くと、これまた驚きだったのですが、王都の地下にはクモの巣のように地下道が張り巡らされていて、貴族達がいる時は地下にある収容所に子供達を入れ、帰った後は、屋敷で宰相さんの言いなりに育てているそうです。
メイドさんに頼んで地下道の地図を出してもらい、見てみると。
「うわぁ、王城以外の地下がほとんど駄目じゃないですか、ん~と、そうですね、今は地下には少ししかいません。少しと言っても二十人とちょっと、ここと同じ感じでしょうか? まあ、魔道具も付いていますから、ぐるぐる~、ほいっと! 転移! 収納! よしよし、あっ、また裸ん坊ですね、ほいっと!」
「たぶん二十人の子供に分けて管理してるのかもね、ほら、この三人にも話を聞いて、ってそうね、ライ、この人達は、お屋敷に送っちゃいましょう。面倒だけど、いくつお屋敷があるか分からないけど、相当な数になりそうだもん」
「そうですね、そうだ! えっとカヤッツは············いました。マリーアも一緒ですからついでに来てもらいましょう! 転移!」
パッ
転移で連れてきた二人は抱き合って、ちゅってしています。
「ライ! 可哀相でしょ!」
「ラ、ライ坊っちゃん!」
「ごめんなさい二人とも、ちゅの邪魔しちゃったね。あのね、この子供達を一旦サーバルに連れていって欲しいんだ。たぶん人攫いの犠牲者なんです。それでですねお屋敷で一旦預かって、どうするかなんですけど」
二人は真っ赤な顔でしたが、僕の話を最後まで聞いてくれました。
「はぁ、ライ坊っちゃん、分かりました、アマンダにも協力してもらいます」
「ライ坊っちゃんの事だからこの······四十人ほどでは終わらないのですよね? マシューにも動いていただきます」
「それからね、この子達は――」
洗脳の話や、貴族達と兵士の宰相さんによる奴隷化の話もしておきました。
「なんて事を、分かりました、子供達にも一応奴隷の腕輪を嵌め、様子を見ながら対応いたします」
「その六名の者にはお世話の手伝いもしてもらいますので、そのまま一緒に送って下さい」
「ありがとう。カヤッツにマリーア、アマンダさんとマシューにもよろしく伝えて下さい」
二人は深く頷いてくれましたので、転移で送りました。
「じゃあ、貴族街をやってしまいましょう」
その前に、ナガトさんに貴族街の地図を見てもらいながら、まずは地図にある自分のお屋敷に印をしてもらい、一つずつ回っていくつもりです。その際、王城勤めで悪者の名簿に名前が乗っている人のお屋敷から回る事にしました。
悪者のお屋敷は、三十人もお城で働いているようで残りも全部あわせると、六十七ものお屋敷がありました。
さあ、頑張っちゃいましょう!
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