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第五章
第194話 僕の装備が
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「なっ! 本当に牢から出ているではないか! 何をしているのだ役立たずどもが! ガキども! 大人しくもう一度捕まるのだ! 私は次期イット男爵で管理監、それに衛兵長だ! バン・デ・イットだ! 逆らうなら不敬罪で即刻叩き切るぞ!」
ふ~ん。なら僕は、この大陸に来る前、王様から叙爵式はまだですが、僕の辺境伯にった時の紋章を作ってもらいましたので、それを出して、名乗ってしまいましょう。
「不敬罪にはなりませんよ。初めまして、パラジウム王国の新興貴族当主、ライリール・ドライ・サーバル辺境伯と言います。バン殿、私達の武器や防具を返していただけますよね?」
そう言い、王様からもらったゴテゴテ装飾されたナイフを取り出しました。
それを聞いて見たバン衛兵長達は、バン衛兵長を除き、みんな跪き、たまたま通りかかって、大声を出すバン衛兵長のせいで、見物客も皆さん跪いてしまいました。
(くふふ。これは傑作ね、バンって奴顎が外れそうなほど大口開けてるわよ)
(くはは、良いのう、中々の見物じゃわい)
「ま、まさかそんな事が、そ、それも偽っ、偽物だろう! そうだ! そうに決まっておる!」
「いえ、本物ですよ? 領地は十五歳の誕生日が来てからですが、このナイフはちゃんと王様にもらいましたからね、それ以上言うなら不敬罪? あなたに適応させてもらいますよ?」
そこに、一台の馬車が止まり、一人の男の人が降りてきて、こちらに向かって、やって来ます。
「何を騒いでいる。バン、何事だ?」
「ち、父上、この者がパラジウム王国の辺境伯、それに冒険者ランクも偽装でSランクなどと言うものですから捕縛するところです」
管理監みたいですね、では、挨拶を。
「初めまして、パラジウム王国、新興貴族のライリール・ドライ・サーバル辺境伯と言います。お見知りおきを」
「なっ! 噂通りとは! も、申し訳ない! バン! 何を突っ立っておる! お前は跪き、頭を垂れておけ! 辺境伯様、どうか、我が息子にお慈悲を!」
バン衛兵長は父親に言われ、流石に跪きました。
「まだ、バン衛兵長がそこのお店に売った物と、今持っている刀と杖を返してもらってませんから、許すとしたら、返してもらってからですね」
ですがバンはぷるぷる震えて、青ざめているだけで、動こうとしません。
「おいバン、何をしている。速やかに、辺境伯様にお返ししなさい」
「は、で、では、刀と杖は馬車に、防具は······もうお金がありません······借金の返済に使ってしまいました」
「ちいっ! ライリール辺境伯様、私が買い戻します、どうぞ付いてきて下さいませ」
「はい。よろしくお願いしますね」
イット男爵さんは、バン衛兵長の襟首を掴んで無理矢理立たせました。
「そこの衛兵、バンが持ち込んだライリール辺境伯様の物を馬車から下ろしてきてくれ」
「はっ!」
御者さんはそう言われ、急いで馬車の中に入り、がさごそと音を立て、両手いっぱいに武器や防具、魔道具まで抱えて顔を見せました。
「も、申し訳ありません、どれがそうなのか分かりません!」
「なっ、おいバンよ、お前はいったい何をしておるのだ! 申してみよ!」
「しょ、娼館通いのツケを払うため衛兵の詰め所にある高そうな物を片っ端から持ち出し、売ってました!」
ダメダメですね、でも、僕の革鎧ですが黒貨で数枚は余裕ですると言ってましたから、そんなに借金があったのですね。
「なんという事を! いったいどれほどの借金をしているのだ貴様!」
「だ、大金貨五枚ほど、半分は鎧のお金で返しました」
「え? そんなに安く売ったのですか? 最低でも黒貨にはなるものですよ? ヒュドラとリヴァイアサンの皮を使っていますから」
それを聞いて、驚くイット男爵に青ざめるバン衛兵長。
「そ、そんな、防具はたぶんもうバラされているかと、子供用から仕立て直すと言っておりました······」
僕はとりあえず刀を二本取り、アミーも小さな木の枝のような杖を手に取り、······魔力も何も感じない杖ですけど、まあ後で聞いてみましょう。
「では急いだ方が良いですね、バン衛兵長。案内して下さい。急いで」
「は、はっ!」
「さっさと動け!」
そしてお店に入り、バン衛兵長が一人の男をつかまえ。
「おい、さっき売った革鎧を買い戻すぞ! すぐに持ってきてくれ!」
「は? ああ、あれか? あれならもうバラしているぞ? それでも良いなら黒貨三枚で売るが」
「なぜだ! 売った時は大金貨五枚だったではないか!」
「当たり前でしょう、買う時はなるべく安く押さえて、まずあり得ない金額からの交渉を始めるものです。冗談で言った金額で良いと言ったのはあなたでしょ? あれは普通なら黒貨三枚は下らない素材を使っていましたからね、買い取りますか?」
あはは······お店の方の完勝ですね。
「では、それを元に戻して返して下さい。お金はバン衛兵長が払いますから」
「いや、元には難しいぞ? 縫い糸を切っちまったからな、後から気付いたが、あの糸を残しておけばさらに白貨になったのになぁ、アラクネの糸なんて使っているとは思いもしなかったぜ」
「それは困りましたね、では一旦バラした物で良いので返してもらえますか? それは元々私の物を勝手に売られてしまったので」
「ああ、糸以外は全部揃っているぞ、ってかなんて事を、そんな事していたのか、犯罪じゃないか」
そう言うと、本当に、バラバラになった僕の革鎧が出てきました。
「ああ、バラして、さらに切り分けてあるのですね」
「その通りだ、こうして薄くして革鎧の急所部分に張り付ければ、格段に防御力が上がるからな、それも一枚を薄く切っているだろ?」
「はぁ、仕方ありませんね、ではこれは黒貨二枚で売りますね」
「なんだと? そんな事が······そういう事か、分かった、バン衛兵長に黒貨三枚で売り、うちは黒貨二枚で買い取るという事だな」
「はい」
「ま、待て! いや、待って下さい! それでは破綻してしまうかも知れない! 父上もなんとか――ぐはっ!」
イット男爵さんはバン衛兵長を殴り倒しました。
「バン。お前の男爵家の継承権は無しとする。私に黒貨三枚を返すまでな、それと、嫡子という事で付いてもらっていた衛兵長も無しだ、衛兵に格下げだ良いな!」
「そ、そんな······」
その後、お店側も黒貨をすぐには払えませんので冒険者ギルドカードに入れてもらう事にして、その場は収まりました。もちろん主任さんも、店の前に止まる馬車を見て、話を付けている最中に駆けつけ、事の顛末を見届けました。
ふ~ん。なら僕は、この大陸に来る前、王様から叙爵式はまだですが、僕の辺境伯にった時の紋章を作ってもらいましたので、それを出して、名乗ってしまいましょう。
「不敬罪にはなりませんよ。初めまして、パラジウム王国の新興貴族当主、ライリール・ドライ・サーバル辺境伯と言います。バン殿、私達の武器や防具を返していただけますよね?」
そう言い、王様からもらったゴテゴテ装飾されたナイフを取り出しました。
それを聞いて見たバン衛兵長達は、バン衛兵長を除き、みんな跪き、たまたま通りかかって、大声を出すバン衛兵長のせいで、見物客も皆さん跪いてしまいました。
(くふふ。これは傑作ね、バンって奴顎が外れそうなほど大口開けてるわよ)
(くはは、良いのう、中々の見物じゃわい)
「ま、まさかそんな事が、そ、それも偽っ、偽物だろう! そうだ! そうに決まっておる!」
「いえ、本物ですよ? 領地は十五歳の誕生日が来てからですが、このナイフはちゃんと王様にもらいましたからね、それ以上言うなら不敬罪? あなたに適応させてもらいますよ?」
そこに、一台の馬車が止まり、一人の男の人が降りてきて、こちらに向かって、やって来ます。
「何を騒いでいる。バン、何事だ?」
「ち、父上、この者がパラジウム王国の辺境伯、それに冒険者ランクも偽装でSランクなどと言うものですから捕縛するところです」
管理監みたいですね、では、挨拶を。
「初めまして、パラジウム王国、新興貴族のライリール・ドライ・サーバル辺境伯と言います。お見知りおきを」
「なっ! 噂通りとは! も、申し訳ない! バン! 何を突っ立っておる! お前は跪き、頭を垂れておけ! 辺境伯様、どうか、我が息子にお慈悲を!」
バン衛兵長は父親に言われ、流石に跪きました。
「まだ、バン衛兵長がそこのお店に売った物と、今持っている刀と杖を返してもらってませんから、許すとしたら、返してもらってからですね」
ですがバンはぷるぷる震えて、青ざめているだけで、動こうとしません。
「おいバン、何をしている。速やかに、辺境伯様にお返ししなさい」
「は、で、では、刀と杖は馬車に、防具は······もうお金がありません······借金の返済に使ってしまいました」
「ちいっ! ライリール辺境伯様、私が買い戻します、どうぞ付いてきて下さいませ」
「はい。よろしくお願いしますね」
イット男爵さんは、バン衛兵長の襟首を掴んで無理矢理立たせました。
「そこの衛兵、バンが持ち込んだライリール辺境伯様の物を馬車から下ろしてきてくれ」
「はっ!」
御者さんはそう言われ、急いで馬車の中に入り、がさごそと音を立て、両手いっぱいに武器や防具、魔道具まで抱えて顔を見せました。
「も、申し訳ありません、どれがそうなのか分かりません!」
「なっ、おいバンよ、お前はいったい何をしておるのだ! 申してみよ!」
「しょ、娼館通いのツケを払うため衛兵の詰め所にある高そうな物を片っ端から持ち出し、売ってました!」
ダメダメですね、でも、僕の革鎧ですが黒貨で数枚は余裕ですると言ってましたから、そんなに借金があったのですね。
「なんという事を! いったいどれほどの借金をしているのだ貴様!」
「だ、大金貨五枚ほど、半分は鎧のお金で返しました」
「え? そんなに安く売ったのですか? 最低でも黒貨にはなるものですよ? ヒュドラとリヴァイアサンの皮を使っていますから」
それを聞いて、驚くイット男爵に青ざめるバン衛兵長。
「そ、そんな、防具はたぶんもうバラされているかと、子供用から仕立て直すと言っておりました······」
僕はとりあえず刀を二本取り、アミーも小さな木の枝のような杖を手に取り、······魔力も何も感じない杖ですけど、まあ後で聞いてみましょう。
「では急いだ方が良いですね、バン衛兵長。案内して下さい。急いで」
「は、はっ!」
「さっさと動け!」
そしてお店に入り、バン衛兵長が一人の男をつかまえ。
「おい、さっき売った革鎧を買い戻すぞ! すぐに持ってきてくれ!」
「は? ああ、あれか? あれならもうバラしているぞ? それでも良いなら黒貨三枚で売るが」
「なぜだ! 売った時は大金貨五枚だったではないか!」
「当たり前でしょう、買う時はなるべく安く押さえて、まずあり得ない金額からの交渉を始めるものです。冗談で言った金額で良いと言ったのはあなたでしょ? あれは普通なら黒貨三枚は下らない素材を使っていましたからね、買い取りますか?」
あはは······お店の方の完勝ですね。
「では、それを元に戻して返して下さい。お金はバン衛兵長が払いますから」
「いや、元には難しいぞ? 縫い糸を切っちまったからな、後から気付いたが、あの糸を残しておけばさらに白貨になったのになぁ、アラクネの糸なんて使っているとは思いもしなかったぜ」
「それは困りましたね、では一旦バラした物で良いので返してもらえますか? それは元々私の物を勝手に売られてしまったので」
「ああ、糸以外は全部揃っているぞ、ってかなんて事を、そんな事していたのか、犯罪じゃないか」
そう言うと、本当に、バラバラになった僕の革鎧が出てきました。
「ああ、バラして、さらに切り分けてあるのですね」
「その通りだ、こうして薄くして革鎧の急所部分に張り付ければ、格段に防御力が上がるからな、それも一枚を薄く切っているだろ?」
「はぁ、仕方ありませんね、ではこれは黒貨二枚で売りますね」
「なんだと? そんな事が······そういう事か、分かった、バン衛兵長に黒貨三枚で売り、うちは黒貨二枚で買い取るという事だな」
「はい」
「ま、待て! いや、待って下さい! それでは破綻してしまうかも知れない! 父上もなんとか――ぐはっ!」
イット男爵さんはバン衛兵長を殴り倒しました。
「バン。お前の男爵家の継承権は無しとする。私に黒貨三枚を返すまでな、それと、嫡子という事で付いてもらっていた衛兵長も無しだ、衛兵に格下げだ良いな!」
「そ、そんな······」
その後、お店側も黒貨をすぐには払えませんので冒険者ギルドカードに入れてもらう事にして、その場は収まりました。もちろん主任さんも、店の前に止まる馬車を見て、話を付けている最中に駆けつけ、事の顛末を見届けました。
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