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第五章

第185話 悪者を集めましょう

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 集まって、この後の事を話し合っているところをぐるぐる。

 ドサッドサッと十一人は気絶して倒れましたので、さっさと奴隷の腕輪を嵌めてしまいます。

「魔力を少し戻して~、起きてください、命令ですよ~、喋っても良いですけど嘘は駄目で、逃げるのも駄目ですよ~」

 魔力を戻しましたので、のろのろと起き上がる人攫い達。

「えっと、この街の人攫い達はあなた方だけですか?」

「誰だてめえ! ってか体が動かねえ、違う仲間はまだまだいるぞ! って何喋っちまってるんだ俺は!」

「まだまだですか、全員集めてくれますか? この馬車を使って良いですから」

「なら、アジトに行く方が早い、俺の盗賊団、そっちの奴隷商館、そいつは管理監の執事だから管理監邸だ······やべえ······こんな事喋っちまったら奴らが」

 ふ~ん、奴らですか、確かに一人、物凄い早さでこちらに向かって来る方がいますね。

(くふふ。こいつら魔道具で監視されてるみたいね、こっちに向かってるのは暗殺ギルドみたいよ。ちょうど良いじゃない、捕まえましょうよ。連れて行くはずだった伯爵もやっつけるんでしょ?)

(うん。色々喋ってもらいたいですからね、ここに来たら気絶させますよ)

(魔道具も忘れずにね、コイツらのは来るだろうと思って、言わなかったけど)

(くふふ。完全に忘れていました。あっ、もうすぐですね。ぐるぐる~、ほいっと! それに収納!)

 ドサッと屋根から。

「ぐえっ!」
「があっ!」

 捕まえていた人達の上に落ちてきました。

「げっ! 暗殺ギルドの顔役! 何で上から裸で落ちてくるんだよ!」

「ってか俺らも裸じゃねえか!」

 下敷きになっちゃいましたね。顔役って事は、このおじさんが依頼を受けたりする方なのですね。

「あなた方を狙ってきたのでしょうね、よいしょっと。は~い、起きて下さいね、嘘をつかないで、正直に答えて下さい、逃げるのも悪さも駄目ですよ、命令です♪」

「何!? 私が倒されるだと? いつの間に?」

 起きてくれましたね。では。

「暗殺ギルドのあなたは、この街の悪い事する人達を全員知ってますか? この街には何人いるのかな? すぐに集められる?」

「日々入れ替わるからな、正確には分からない。だがコイツらの仲間がほとんどだ、暗殺ギルドは五人だけだ、集めるのは簡単だ、魔道具で街の端からでも十分もかからない······くそ、奴隷の魔道具か」

「テラ、どの魔道具か分かる? この人が持っていた物はこれですけど」

「任せて、んん神眼~、そのネックレスよ、これを起動すれば良いの?」

「ああ、五秒だけな。それ以上短くても長くても逃げちまうぞ」

「じゃあ、あなたが確実に呼んで下さいね、それ以外はやっちゃ駄目ですよ、はい」

 暗殺ギルドのおじさんは、ネックレスを受けとると、ちょうど五秒だけ魔力を流して、魔力を止めました。

「こんな事をしても、お前のような子供は一瞬で殺られてしまうぞ、悪い事は言わない、俺達を解放して逃げろ、俺達はSランクの冒険者でさえ殺せる腕を持ってる。それが四人ここに向かってるんだぞ?」

「おお。そうなのですね、でも大丈夫ですよ。僕もSランクですが、負けません、ほら一人目が来ましたね、ぐるぐる~、ほいっと!」

「何を言っでぇ!」
「ぐはぁっ!」

「次は三人一度に来ますから受け止めて下さいよっと、お願いしますね~、ぐるぐる~、ほいっと!」

「ま、待て! なぜこいつやがぁっ!」
「三人? へぐっ!」
「ほげっ!」

「は~い。全員の持ち物収納! 魔道具も収納ですよ、よいしょっと。はい、皆さんにも魔道具付けますね~」

「嘘だろ、この四人になにもさせずに倒してしまうなんて······」

 では、どうしましょうか、管理監さんが絡んでるのですよね。

(ライ、その管理監の屋敷に集まってもらえば良いんじゃない? 広いのでしょ?)

(なるほど! 流石テラ。それで行っちゃいます)

「では皆さんはこの馬車を使っても良いですので、この港町の悪者を管理監さんのお屋敷に集めてくれますか?」

「できるが、どうするつもりだ、この人攫いは確かに管理監が指揮を取ってはいるが男爵、貴族だ、屋敷はみんな仲間しかいない、そんなところに集めてお前は勝てるってのか?」

「もちろん。僕は中々強いのですよ、問題ありません。では、裸ではなんですから、普通の服はあったかな?」

 僕はなんとか魔道具じゃない、男性の大人用の服を十六人分出して着てもらい、町に散らばってる悪者を全員集めるようにお願いして、動いてもらいました。

「じゃあ管理監のお屋敷に行きましょうか」

「そうね、場所は分かるの?」

「はい。一番大きなお屋敷のはずですからね、えっと、浮遊! こうやって、上から見ると······あれかな?」

「あれね。んん神眼~、正解のようね、ほら行くわよ」

「うん。飛翔!」

 僕はテラをお姫様抱っこしたまま大きなお屋敷に向けて飛び、その屋根に降り立ちました。

「庭も大きいですし、これなら沢山来ても大丈夫ですね、テラ、本当にみんな悪者なの? 捕まってる方とかいそうだけど」

「いないのよ、メイドから料理人、あそこの庭師まで全員が悪者の称号付きよ。それに、あの池のところでお茶飲んでるヤツが管理監よ、盗賊ギルド員ね」

「おお、じゃああそこに集めちゃいましょう! ぐるぐる~、ほいっと! 魔道具も収納! そして皆さんを転移!」

「くふふ。じゃあ魔道具を嵌めなきゃね、手伝うわよ」

「ありがとうテラ、さっさとやっちゃいましょう!」

 池のほとりに寝そべるみんなに魔道具を嵌めて行き、起こしながら命令していきます。

 そして、管理監の方と、何人か幹部の方がいましたので、悪さの資料を集めてもらう事にしました。
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