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第四章
第179話 テラ ①
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「ふぁ、あれ? あっ、寝ちゃいましたねあっ、ムルムルが包んでくれてたのですね、ありがとう、ぬくぬくです♪」
(······かぜだいじょうぶ······てらがしんぱいしてた)
「うん。大丈夫だよ」
そのテラはいつも通り、僕の胸の上で寝ています。
テラを落とさないように、そっと手を添えながら上半身を起こして、回りを見ると階段を十段ほど下りたところで、毛布を出したところで寝てしまったみたいです。
「じゃあムルムル、テラはまだ寝てるから捕まえて肩に乗ってくれるかな?」
(······わかった······ほいっと)
ムルムルはシュルシュルっと小さくなっていき、テラを支えてる僕の手のところに。
そして、にゅるんと手の隙間から入ってテラを包み込んだので、そのまま肩に乗せてあげました。
「じゃあムルムル。行くからちゃんと掴まえててね」
(······おおー······がんばれー)
ムルムルの声援も受けましたし、頑張っちゃいましょう!
また一時間ほど階段を下り、やって来たのは二階層ですけど、これって。
「海ね。このダンジョンは攻略されるのが本当に嫌みたいね、ほら、こんな海に船なんて浮かべたらすぐに魔物の餌食よ。シーサーペントまでいるわね」
「ん~、でも空を飛ぶ魔物はいるの?」
「くふふふ。いないわね、そうね、んん~、あらあらリヴァイアサンまでいるじゃない。シーサーペントとリヴァイアサンは海上に顔を出せば届くでしょうけど、後の魔物達は無理ね。それにこの階層にも隠し部屋はないし、さっさと行っちゃいなさい、方向はあっちよ」
「じゃあ行っくよー! 浮遊! そして飛翔です!」
体を浮かび上がらせ、階段から飛翔で飛び出た瞬間沢山の馬?
「ケルピーね、コイツらは数が多いオークみたいなものかな、この高さまでは来れないからさっさと行きましょう」
「は~い。コイツらより大きいのが遠くにいますね、じゃあ飛ばしますよ!」
海面から二十メートルほどの高さを、テラが指差した方向に、速度を上げて進むと遠くの海面からにょろっと顔を出す蛇が大量に見えました。
「さあライ、まずはシーサーペントよ、どうするの? やっつけちゃう? 後にリヴァイアサンも出てくるはずだし、気絶させて先へ進むのもありよ」
「そうですね、シーサーペントよりリヴァイアサンの皮の方が防御力高いですよね? 今回悪者を沢山送りましたから、みんなのお土産にどうかなって」
「あら、それ良いじゃない。でも、消えないかしら? とりあえずシーサーペントも一匹倒して消えなかったらたぶんリヴァイアサンも大丈夫だと思うけど」
「うん。じゃあ特大のウインドカッターを使ってみましょうか、行きますよ!」
ぐるぐるで魔力を集め、もちろん下を追いかけてきているケルピーさん達の魔力は全部いただいて、沢山立ち並ぶシーサーペントさんもです。でも一匹だけギリギリまでにして、まわりが倒れ、キョロキョロしているところに。
「ぐるぐる~、特大ウインドカッター! ほいっと!」
「え? 大きいだけのウインドカッターなの!?」
シュっと一瞬だけ音を立て、キョロキョロしているシーサーペントに向けて飛んでいくウインドカッター。
気付いたとしても今さら避ける事もできない距離まで飛んだ時、遥か遠くにあった物凄く大きな魔力の塊がシーサーペントの真後ろに現れました······ザシュザシュと二匹の首を綺麗に飛ばし。
「嘘っ! リヴァイアサンの首まで切れたじゃない!」
「ウインドカッターに当たりに来ちゃいましたよ!」
まず、シーサーペントが力なくザバンと海に落ち、ズル、ズルズルとリヴァイアサンの首がズレ、ドッパーンと物凄い水柱を立て続いて胴体も。
「わぷっ! 水浸しですよ! テラ、ムルムル大丈夫!?」
「び、ビックリしたわよ! なぜウインドカッターでシーサーペントもリヴァイアサンも切れちゃうのよ! 普通は切れるものじゃないのよ! ま、まあ倒したのは褒めてあげるわ。でもおかしいわね、リヴァイアサンと言えど、あそこまでの早さで動けるはずはないんだけど、転移したの? まあ良いわ、ライ、おめでとう」
「うん。ありがとうテラ。ムルムルもテラを落とされないようにしてくれてありがとう。ところで、どっちも消えないみたいだね?」
「そうね、んん~、死んでるわよ、収納しちゃいなさい」
「うん。収納!」
シーサーペントの首と胴体、リヴァイアサンの首と胴体を収納してすぐに!
「「え?」」
「海が無くなっちゃいましたよ······」
「そ、そうね、海面が、大地に変わったわね······でも、宝箱もあるわよ、小さいけど」
「下りて回収したら、一度お屋敷にリヴァイアサンを渡しに行こうか······驚きすぎて、疲れちゃったよ」
僕達は地面に下り宝箱を開け、また大きなブラックダイヤモンドでした。
「テラ! これまたテラのだよね♪」
「ひゃっほーい♪ これは結構詰まってるわ! えいっ!」
テラは僕が両手で持ち上げたブラックダイヤモンドの上に飛び乗ると、中に詰まった魔力を取り込んで行くのですが、なぜかダイヤモンドの魔力もテラの魔力も膨らんでいってます。
「テラ! 大丈夫なの!? どんどん魔力が膨らんでるよ!」
「くふふふ。見付けたわ! 私の体が封印されてるのよこのダイヤモンドに! ライ! 手伝って! もっと沢山魔力をちょうだい!」
「やったー! 任せて! ダンジョンだから魔力はたっぷりだよ! 行くよー! ぐるぐる~、ほいっと!」
テラのためにダンジョンから魔力を全部もらうつもりで魔力を集めてあげますよ!
(······かぜだいじょうぶ······てらがしんぱいしてた)
「うん。大丈夫だよ」
そのテラはいつも通り、僕の胸の上で寝ています。
テラを落とさないように、そっと手を添えながら上半身を起こして、回りを見ると階段を十段ほど下りたところで、毛布を出したところで寝てしまったみたいです。
「じゃあムルムル、テラはまだ寝てるから捕まえて肩に乗ってくれるかな?」
(······わかった······ほいっと)
ムルムルはシュルシュルっと小さくなっていき、テラを支えてる僕の手のところに。
そして、にゅるんと手の隙間から入ってテラを包み込んだので、そのまま肩に乗せてあげました。
「じゃあムルムル。行くからちゃんと掴まえててね」
(······おおー······がんばれー)
ムルムルの声援も受けましたし、頑張っちゃいましょう!
また一時間ほど階段を下り、やって来たのは二階層ですけど、これって。
「海ね。このダンジョンは攻略されるのが本当に嫌みたいね、ほら、こんな海に船なんて浮かべたらすぐに魔物の餌食よ。シーサーペントまでいるわね」
「ん~、でも空を飛ぶ魔物はいるの?」
「くふふふ。いないわね、そうね、んん~、あらあらリヴァイアサンまでいるじゃない。シーサーペントとリヴァイアサンは海上に顔を出せば届くでしょうけど、後の魔物達は無理ね。それにこの階層にも隠し部屋はないし、さっさと行っちゃいなさい、方向はあっちよ」
「じゃあ行っくよー! 浮遊! そして飛翔です!」
体を浮かび上がらせ、階段から飛翔で飛び出た瞬間沢山の馬?
「ケルピーね、コイツらは数が多いオークみたいなものかな、この高さまでは来れないからさっさと行きましょう」
「は~い。コイツらより大きいのが遠くにいますね、じゃあ飛ばしますよ!」
海面から二十メートルほどの高さを、テラが指差した方向に、速度を上げて進むと遠くの海面からにょろっと顔を出す蛇が大量に見えました。
「さあライ、まずはシーサーペントよ、どうするの? やっつけちゃう? 後にリヴァイアサンも出てくるはずだし、気絶させて先へ進むのもありよ」
「そうですね、シーサーペントよりリヴァイアサンの皮の方が防御力高いですよね? 今回悪者を沢山送りましたから、みんなのお土産にどうかなって」
「あら、それ良いじゃない。でも、消えないかしら? とりあえずシーサーペントも一匹倒して消えなかったらたぶんリヴァイアサンも大丈夫だと思うけど」
「うん。じゃあ特大のウインドカッターを使ってみましょうか、行きますよ!」
ぐるぐるで魔力を集め、もちろん下を追いかけてきているケルピーさん達の魔力は全部いただいて、沢山立ち並ぶシーサーペントさんもです。でも一匹だけギリギリまでにして、まわりが倒れ、キョロキョロしているところに。
「ぐるぐる~、特大ウインドカッター! ほいっと!」
「え? 大きいだけのウインドカッターなの!?」
シュっと一瞬だけ音を立て、キョロキョロしているシーサーペントに向けて飛んでいくウインドカッター。
気付いたとしても今さら避ける事もできない距離まで飛んだ時、遥か遠くにあった物凄く大きな魔力の塊がシーサーペントの真後ろに現れました······ザシュザシュと二匹の首を綺麗に飛ばし。
「嘘っ! リヴァイアサンの首まで切れたじゃない!」
「ウインドカッターに当たりに来ちゃいましたよ!」
まず、シーサーペントが力なくザバンと海に落ち、ズル、ズルズルとリヴァイアサンの首がズレ、ドッパーンと物凄い水柱を立て続いて胴体も。
「わぷっ! 水浸しですよ! テラ、ムルムル大丈夫!?」
「び、ビックリしたわよ! なぜウインドカッターでシーサーペントもリヴァイアサンも切れちゃうのよ! 普通は切れるものじゃないのよ! ま、まあ倒したのは褒めてあげるわ。でもおかしいわね、リヴァイアサンと言えど、あそこまでの早さで動けるはずはないんだけど、転移したの? まあ良いわ、ライ、おめでとう」
「うん。ありがとうテラ。ムルムルもテラを落とされないようにしてくれてありがとう。ところで、どっちも消えないみたいだね?」
「そうね、んん~、死んでるわよ、収納しちゃいなさい」
「うん。収納!」
シーサーペントの首と胴体、リヴァイアサンの首と胴体を収納してすぐに!
「「え?」」
「海が無くなっちゃいましたよ······」
「そ、そうね、海面が、大地に変わったわね······でも、宝箱もあるわよ、小さいけど」
「下りて回収したら、一度お屋敷にリヴァイアサンを渡しに行こうか······驚きすぎて、疲れちゃったよ」
僕達は地面に下り宝箱を開け、また大きなブラックダイヤモンドでした。
「テラ! これまたテラのだよね♪」
「ひゃっほーい♪ これは結構詰まってるわ! えいっ!」
テラは僕が両手で持ち上げたブラックダイヤモンドの上に飛び乗ると、中に詰まった魔力を取り込んで行くのですが、なぜかダイヤモンドの魔力もテラの魔力も膨らんでいってます。
「テラ! 大丈夫なの!? どんどん魔力が膨らんでるよ!」
「くふふふ。見付けたわ! 私の体が封印されてるのよこのダイヤモンドに! ライ! 手伝って! もっと沢山魔力をちょうだい!」
「やったー! 任せて! ダンジョンだから魔力はたっぷりだよ! 行くよー! ぐるぐる~、ほいっと!」
テラのためにダンジョンから魔力を全部もらうつもりで魔力を集めてあげますよ!
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