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第四章
第160話 イシェと再会で悪者退治をしましょうか
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「ところでライ。すまほってなに?」
「ああ、聞いてたんですね、ん~、僕が転生する前の世界にあった、遠くに離れていても話せる魔道具みたいなものだよ。でも魔力、じゃなくて、電気って物で動いてたはずなんだけど、僕も使ったことが無いからよく分かんないんだ」
「ふ~ん。そんな魔道具があったのね、で、シラトリって子が召喚されたって事よね」
「流石テラ。前のお兄さん達は転移者って言ってたけど、また違うと思うんだ。何でか今回は召喚されたんじゃないかなって思ってるんだ、それに教国から来たって言ってたみたいですから、もしかして奴隷にされてたりしないかなって思ってね」
人攫いを国でやっちゃうようですから、召喚したならたぶんなってるはずです。もしそうなら助けてあげたいですよね、悪い事をして無ければですけど。
色々と街を眺めながら歩いてきましたが、暗くなる前にはお城に到着しました。大きな堀があって、跳ね橋で出入りを制限しているようです。
まだ跳ね橋は下りていますので、間に合ったみたいです。
「良かったわね、跳ね橋が上がっていたらだいぶ戻らないと宿はなかったし」
「うん。お城の周りは貴族街ですからね、貴族がたぶん泊まるならお城に泊めてもらうのでしょうね、あっ、あの方に聞けば良いかな。すいませーん」
跳ね橋の所で見張りをしている兵士さんに声をかけました。
城の方に橋を渡り始めていたので、少し遠いですが少し走って、橋の袂に急ぎます。
僕の声に気付いて止まってくれた兵士さん達は、やはり警戒はしているようで、いつでも動けるように身構えています。
「何者だ」
袂まで来た僕に一人の兵士さんが声をかけてくれましたので、ここはきちんと挨拶をしませんとね。
「お疲れ様です。それから初めまして。僕はサーバル男爵家改め、サーバル伯爵家三男、ライリール・ドライ・サーバルと言います。お見知りおきを」
僕がそう言うと、兵士さん達は一斉に整列して、最初に聞いてきた方が言葉を返してきました。
「ライリール様。申し訳ありませんが、身分証を見せていただけますか!」
それはそうですよね、容姿は伝わっているかも知れませんが、本物かどうかは分かりませんからね。
「はい。こちらを」
「拝見いたします!」
僕はテラの分も一緒に出して、兵士さんに見せると。
「確かに、従魔のムルムル様の表記もあります。ライリール様、テラ様、ムルムル様。ようこそアフロディーテ公爵城へ。これよりご案内させていただきます! 伝令! ライリール様、テラ様、ムルムル様が到着したと公爵様に伝えよ!」
「はっ!」
そう言うと、一番城側にいた方が一人走っていきました。
「では、こちらへ」
喋っていた兵士さんが先頭で、僕達を護るように隊列が組まれ、桟橋を渡り、城壁内に入るとそこには馬車が用意されていて、兵士さんから、メイドさんに案内人が交代し、僕達は馬車に乗り込みました。
「広いから馬車で移動なのですね」
「はい。お嬢さ――アフロディーテ公爵様の旦那様になる方を歩かせるなど、あってはならない事です」
「あはは······僕は冒険者もしていますから、色々なところを歩いて回りたいと思っています、なので今度は自分の足でも見て回りたいですね」
「かしこまりました。お嬢さ――アフロディーテ公爵様と同じですね、冒険者となるとおっしゃっていましたし」
うん。もうお嬢様で良いと思いますよ。たぶん最近までそう呼んでいたのでしょうから。それにメイドさん達にも冒険者になりたいと言ってたのですね、捕まっていたお姉さんも言ってましたし。
そんな話をしている内に馬車が速度を落とし、ついには止まりました。
「到着のようです」
馬車の戸が開き、メイドさんが先行して、馬車を降り、お城に入ります。
「やっぱり大きいですね、でもこんな正面から入って良いのですか? 通用口を開ければ――」
「旦那様! 待っていたぞ! 早く入って来い!」
隣で一緒に降りてきたメイドさんがクスクス笑っていますね、確かに、玄関口まで公爵様が迎えに来るなんてあり得ませんからね。
「イシェ、お待たせ。イシェの方が早かったんだね、王都の用事は済んだの?」
そう言いながら大きく開かれた大扉からお城に入りました。
「いや、来客の知らせを受けてな、少々兄や弟では力不足なので、急遽王都に行った日に王都からこちらにお義母様の転移で送ってもらったのだ」
「へえ。今はもう大丈夫なの?」
広いロビーをイシェ向かって歩きながら、チラリと見ると、中央にある大階段の上に、白いローブを着た女性五人がこちらを見下ろしていました。
(ねえテラ、あの黒髪のお姉さんを見てくれない。僕の前世の日本と言う国の女の人は黒髪で、あんな感じの顔をしていたんだ)
(召喚された子の可能性があるのね任せて。んん~、うん。ライの予想通りね、シラトリ・サキよ。奴隷になってるわ。それに、監禁王の準寵姫見習い? これはなにか分からないけど、王様のお嫁さん候補って事ね)
(王様の名前が、監禁って沢山悪い方を捕まえたりしてるのかな? あっ、それより周りの方は?)
(教国の者だけね、あの真ん中の歳を取ったのが司教で一番偉いさんで、残りは助祭ね。やっちゃっても良いわよ。称号は酷いものね、殺人、恐喝、拷問、詐欺。良い称号は一つもないわ)
よし、やっぱり悪者でしたね、やっちゃいましょうか。
「ああ、聞いてたんですね、ん~、僕が転生する前の世界にあった、遠くに離れていても話せる魔道具みたいなものだよ。でも魔力、じゃなくて、電気って物で動いてたはずなんだけど、僕も使ったことが無いからよく分かんないんだ」
「ふ~ん。そんな魔道具があったのね、で、シラトリって子が召喚されたって事よね」
「流石テラ。前のお兄さん達は転移者って言ってたけど、また違うと思うんだ。何でか今回は召喚されたんじゃないかなって思ってるんだ、それに教国から来たって言ってたみたいですから、もしかして奴隷にされてたりしないかなって思ってね」
人攫いを国でやっちゃうようですから、召喚したならたぶんなってるはずです。もしそうなら助けてあげたいですよね、悪い事をして無ければですけど。
色々と街を眺めながら歩いてきましたが、暗くなる前にはお城に到着しました。大きな堀があって、跳ね橋で出入りを制限しているようです。
まだ跳ね橋は下りていますので、間に合ったみたいです。
「良かったわね、跳ね橋が上がっていたらだいぶ戻らないと宿はなかったし」
「うん。お城の周りは貴族街ですからね、貴族がたぶん泊まるならお城に泊めてもらうのでしょうね、あっ、あの方に聞けば良いかな。すいませーん」
跳ね橋の所で見張りをしている兵士さんに声をかけました。
城の方に橋を渡り始めていたので、少し遠いですが少し走って、橋の袂に急ぎます。
僕の声に気付いて止まってくれた兵士さん達は、やはり警戒はしているようで、いつでも動けるように身構えています。
「何者だ」
袂まで来た僕に一人の兵士さんが声をかけてくれましたので、ここはきちんと挨拶をしませんとね。
「お疲れ様です。それから初めまして。僕はサーバル男爵家改め、サーバル伯爵家三男、ライリール・ドライ・サーバルと言います。お見知りおきを」
僕がそう言うと、兵士さん達は一斉に整列して、最初に聞いてきた方が言葉を返してきました。
「ライリール様。申し訳ありませんが、身分証を見せていただけますか!」
それはそうですよね、容姿は伝わっているかも知れませんが、本物かどうかは分かりませんからね。
「はい。こちらを」
「拝見いたします!」
僕はテラの分も一緒に出して、兵士さんに見せると。
「確かに、従魔のムルムル様の表記もあります。ライリール様、テラ様、ムルムル様。ようこそアフロディーテ公爵城へ。これよりご案内させていただきます! 伝令! ライリール様、テラ様、ムルムル様が到着したと公爵様に伝えよ!」
「はっ!」
そう言うと、一番城側にいた方が一人走っていきました。
「では、こちらへ」
喋っていた兵士さんが先頭で、僕達を護るように隊列が組まれ、桟橋を渡り、城壁内に入るとそこには馬車が用意されていて、兵士さんから、メイドさんに案内人が交代し、僕達は馬車に乗り込みました。
「広いから馬車で移動なのですね」
「はい。お嬢さ――アフロディーテ公爵様の旦那様になる方を歩かせるなど、あってはならない事です」
「あはは······僕は冒険者もしていますから、色々なところを歩いて回りたいと思っています、なので今度は自分の足でも見て回りたいですね」
「かしこまりました。お嬢さ――アフロディーテ公爵様と同じですね、冒険者となるとおっしゃっていましたし」
うん。もうお嬢様で良いと思いますよ。たぶん最近までそう呼んでいたのでしょうから。それにメイドさん達にも冒険者になりたいと言ってたのですね、捕まっていたお姉さんも言ってましたし。
そんな話をしている内に馬車が速度を落とし、ついには止まりました。
「到着のようです」
馬車の戸が開き、メイドさんが先行して、馬車を降り、お城に入ります。
「やっぱり大きいですね、でもこんな正面から入って良いのですか? 通用口を開ければ――」
「旦那様! 待っていたぞ! 早く入って来い!」
隣で一緒に降りてきたメイドさんがクスクス笑っていますね、確かに、玄関口まで公爵様が迎えに来るなんてあり得ませんからね。
「イシェ、お待たせ。イシェの方が早かったんだね、王都の用事は済んだの?」
そう言いながら大きく開かれた大扉からお城に入りました。
「いや、来客の知らせを受けてな、少々兄や弟では力不足なので、急遽王都に行った日に王都からこちらにお義母様の転移で送ってもらったのだ」
「へえ。今はもう大丈夫なの?」
広いロビーをイシェ向かって歩きながら、チラリと見ると、中央にある大階段の上に、白いローブを着た女性五人がこちらを見下ろしていました。
(ねえテラ、あの黒髪のお姉さんを見てくれない。僕の前世の日本と言う国の女の人は黒髪で、あんな感じの顔をしていたんだ)
(召喚された子の可能性があるのね任せて。んん~、うん。ライの予想通りね、シラトリ・サキよ。奴隷になってるわ。それに、監禁王の準寵姫見習い? これはなにか分からないけど、王様のお嫁さん候補って事ね)
(王様の名前が、監禁って沢山悪い方を捕まえたりしてるのかな? あっ、それより周りの方は?)
(教国の者だけね、あの真ん中の歳を取ったのが司教で一番偉いさんで、残りは助祭ね。やっちゃっても良いわよ。称号は酷いものね、殺人、恐喝、拷問、詐欺。良い称号は一つもないわ)
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