156 / 241
第四章
第156話 大成長!
しおりを挟む
「あっ、逃げっ、駄目ですよ! ウインドアロー!」
「ライ! 避けるわよ! 先に気絶させなさい! あれ?」
ギャウン!
僕は逃げようとしたコボルドさんにウインドアローを撃つと、スッと後ろも見ずに横に避けたコボルドにウインドアローの軌跡を曲げて命中させました。
「ぬふふふ。成功です、たまに避けるんじゃなくて、躓いたりして転けるでしょ? その時魔法が外れる事があったから練習してたのですよ」
「くふふふ。避けても追いかけてくる魔法なんて避けようがないわね、じゃあやっつけてしまって今日は終わりね、そうだ、コボルドを何匹かムルムルにあげましょう」
「うんうん。沢山いるからいっぱい食べても良いよ。キングも食べて良いからね」
(······ありがと······たべるよ)
「うん。いっぱい――え?」
ムルムルはみにょ~んと伸びながら、僕の肩に上手くテラを下ろして地面に降りると、魔力のぐるぐるを激しくし始め。
(······ぐるぐる······ほいっと)
みにょ~んと物凄く大きく広がり、気絶しているコボルドさん達に覆い被さると、当たり一面にいたコボルドさん達はムルムルに包まれ、消えていきます!
「凄いよムルムル! 良いよ全部食べちゃえ!」
「こんな事って! 流石私の騎獣! 素晴らしいわ!」
(······ぐるぐる······ありがと······やるよ~)
ムルムルが頑張って食べてますから僕はこの開けた場所に森の中で倒れているコボルドさんと、少しのゴブリン、オーク、魔狼、トレントを転移で集めておきます。
「ぬふふふ。僕の分かる範囲の魔物さんはいなくなりましたよ、ムルムル」
「嘘っ、あれって地龍じゃない! ムルムル! 地龍は皮を残してね、良い防具が作れるから!」
(······うん······まかせて)
それから間もなくして、山のように集めた魔物を綺麗に吸収したムルムルはいつもの大きさに戻って、僕の肩にみにょ~んと帰ってきました。
そして、地龍の皮が、一つの傷も無く、ドンと残されています。それはさっさと収納してしまいました。
「ほんと、ムルムルは凄いね、ただのスライムだったのに、地龍まで食べちゃうんだもん」
「くふふふ。良いわよムルムル。これならライが気絶させた奴は、ムルムルが吸収しちゃえば良いのよ。もちろん残したい物は残してね」
(······がんばった)
「うん。暗くなったし、今日は街道に戻って夜営しちゃいましょう。いっくよ~、転移!」
パッ
森に入ったところの街道脇で持ち運びハウスを出して夜営の準備、ごはんを食べてお風呂に入りおやすみなさい。
翌朝、朝ごはんを食べてると、ドンドンと戸を叩く音が聞こえ来客のようです。
「誰かしら、こんな朝早くから」
「もしかして、街道にハミ出てたかな? それだったら早くしまわないと。むぐむぐ、むぐっ」
急いで残り一口を口に放り込み、飲み込みながら入口の戸へ向かい声をかけます。
「はい。どちら様ですか?」
『早く開けろ! さっさと出てこい!』
「なんでしょうかね? まあ出て確かめれば分かることですね」
「そうね、急いでる感じだからやっぱり馬車が通れないんじゃない、早くどけてあげないと怒られるわよ」
「うん。今開けま~す」
そう言って戸を開けるとそこには騎士さんがいました。
「おはようございます。もしかして、馬車が通れなかったのですか?」
「ごちゃごちゃ言わずにさっさと出てこい! この持ち運びハウスは我々が徴収することに決まったのだ! この森の先に大量の魔物が出た、それも地龍が追いたてて来る! 貴様もこの後我らが軍に追従し、スタンピードの壁となるのだ!」
「あっ、それならやっつけましたよ。コボルドさんがたぶん数万匹と地龍もやっつけましたし。それにこの持ち運びハウスはあげませんし、あなた方の軍にも入りません」
「もう、朝から何事かと思えば、ライ、持ち運びハウスを片付けて先を急ぎましょう」
僕は振り返り、持ち運びハウス魔力を流して小さくすると収納して、出発準備完了です。
「何をしている! その持ち運びハウスは――」
「だからあげませんと言ってるでしょ! 盗賊ですね、捕まえてあげます。ぐるぐる~、ほいっと!」
ガシャと金属製の鎧が音を立て、地面に崩れ落ちました。すかさず。
「収納! よいしょ」
鎧を収納して、パンツだけになったおじさんに奴隷の腕輪を嵌め完了です。
「お、おい、その腕輪は?」
「奴隷の腕輪ですよ、この盗賊は捕まえましたので、安心して下さいね、困ったものですね、人の物を無理矢理盗ろうとするのですから······あなた方も盗賊ですか? 同じ騎士の格好をしていますが」
「い、いや、盗賊ではない、そしてその、裸で倒れている方もだな、あーその、盗賊では無いのだが」
僕が捕まえた盗賊を指差してそう言いますが。
「ですが実際に僕の物を盗ろうとしましたよね?」
「いや、それは――」
「何をしておる。さっさと準備せよ!」
少し前からこちらに向かってくるのが見えていた、僕の倍くらい身長があるおじさんが、そう言いながら近くまでやってきました。
(ライ。この人は貴族ね、まあ男爵だけど、この人も捕まえても良いかもね、殺人とか窃盗とか色々悪い称号があるわよ)
(そうなのですか? 準備だけしておきますが、問題になると嫌なのですが、また僕の持ち運びハウスなんかを盗ろうとするなら捕まえちゃいますね)
(はぁ、甘いわね、ほら、もう言いそうよ)
「何をしておると聞いておるのだ! 見れば小僧一人、壁役にもならん! 持ち運びハウスだけ手に入れ小僧は殺しておけ!」
「盗賊の親分さんですね。じゃあやっぱりこの集まりは盗賊と言うことで」
「おい、待て! この方は帝国のオーベシダッド男爵様だぞ! 大人しく渡した方が身のためだ」
「帝国の男爵さんが盗賊なのですか、困ったものですね、それに殺そうとまでするなんて。では気絶して下さい」
「あっ、待て――」
「ぐるぐる~、ほいっと!」
魔力をぐるぐるして一気に抜いてあげました。
「ライ! 避けるわよ! 先に気絶させなさい! あれ?」
ギャウン!
僕は逃げようとしたコボルドさんにウインドアローを撃つと、スッと後ろも見ずに横に避けたコボルドにウインドアローの軌跡を曲げて命中させました。
「ぬふふふ。成功です、たまに避けるんじゃなくて、躓いたりして転けるでしょ? その時魔法が外れる事があったから練習してたのですよ」
「くふふふ。避けても追いかけてくる魔法なんて避けようがないわね、じゃあやっつけてしまって今日は終わりね、そうだ、コボルドを何匹かムルムルにあげましょう」
「うんうん。沢山いるからいっぱい食べても良いよ。キングも食べて良いからね」
(······ありがと······たべるよ)
「うん。いっぱい――え?」
ムルムルはみにょ~んと伸びながら、僕の肩に上手くテラを下ろして地面に降りると、魔力のぐるぐるを激しくし始め。
(······ぐるぐる······ほいっと)
みにょ~んと物凄く大きく広がり、気絶しているコボルドさん達に覆い被さると、当たり一面にいたコボルドさん達はムルムルに包まれ、消えていきます!
「凄いよムルムル! 良いよ全部食べちゃえ!」
「こんな事って! 流石私の騎獣! 素晴らしいわ!」
(······ぐるぐる······ありがと······やるよ~)
ムルムルが頑張って食べてますから僕はこの開けた場所に森の中で倒れているコボルドさんと、少しのゴブリン、オーク、魔狼、トレントを転移で集めておきます。
「ぬふふふ。僕の分かる範囲の魔物さんはいなくなりましたよ、ムルムル」
「嘘っ、あれって地龍じゃない! ムルムル! 地龍は皮を残してね、良い防具が作れるから!」
(······うん······まかせて)
それから間もなくして、山のように集めた魔物を綺麗に吸収したムルムルはいつもの大きさに戻って、僕の肩にみにょ~んと帰ってきました。
そして、地龍の皮が、一つの傷も無く、ドンと残されています。それはさっさと収納してしまいました。
「ほんと、ムルムルは凄いね、ただのスライムだったのに、地龍まで食べちゃうんだもん」
「くふふふ。良いわよムルムル。これならライが気絶させた奴は、ムルムルが吸収しちゃえば良いのよ。もちろん残したい物は残してね」
(······がんばった)
「うん。暗くなったし、今日は街道に戻って夜営しちゃいましょう。いっくよ~、転移!」
パッ
森に入ったところの街道脇で持ち運びハウスを出して夜営の準備、ごはんを食べてお風呂に入りおやすみなさい。
翌朝、朝ごはんを食べてると、ドンドンと戸を叩く音が聞こえ来客のようです。
「誰かしら、こんな朝早くから」
「もしかして、街道にハミ出てたかな? それだったら早くしまわないと。むぐむぐ、むぐっ」
急いで残り一口を口に放り込み、飲み込みながら入口の戸へ向かい声をかけます。
「はい。どちら様ですか?」
『早く開けろ! さっさと出てこい!』
「なんでしょうかね? まあ出て確かめれば分かることですね」
「そうね、急いでる感じだからやっぱり馬車が通れないんじゃない、早くどけてあげないと怒られるわよ」
「うん。今開けま~す」
そう言って戸を開けるとそこには騎士さんがいました。
「おはようございます。もしかして、馬車が通れなかったのですか?」
「ごちゃごちゃ言わずにさっさと出てこい! この持ち運びハウスは我々が徴収することに決まったのだ! この森の先に大量の魔物が出た、それも地龍が追いたてて来る! 貴様もこの後我らが軍に追従し、スタンピードの壁となるのだ!」
「あっ、それならやっつけましたよ。コボルドさんがたぶん数万匹と地龍もやっつけましたし。それにこの持ち運びハウスはあげませんし、あなた方の軍にも入りません」
「もう、朝から何事かと思えば、ライ、持ち運びハウスを片付けて先を急ぎましょう」
僕は振り返り、持ち運びハウス魔力を流して小さくすると収納して、出発準備完了です。
「何をしている! その持ち運びハウスは――」
「だからあげませんと言ってるでしょ! 盗賊ですね、捕まえてあげます。ぐるぐる~、ほいっと!」
ガシャと金属製の鎧が音を立て、地面に崩れ落ちました。すかさず。
「収納! よいしょ」
鎧を収納して、パンツだけになったおじさんに奴隷の腕輪を嵌め完了です。
「お、おい、その腕輪は?」
「奴隷の腕輪ですよ、この盗賊は捕まえましたので、安心して下さいね、困ったものですね、人の物を無理矢理盗ろうとするのですから······あなた方も盗賊ですか? 同じ騎士の格好をしていますが」
「い、いや、盗賊ではない、そしてその、裸で倒れている方もだな、あーその、盗賊では無いのだが」
僕が捕まえた盗賊を指差してそう言いますが。
「ですが実際に僕の物を盗ろうとしましたよね?」
「いや、それは――」
「何をしておる。さっさと準備せよ!」
少し前からこちらに向かってくるのが見えていた、僕の倍くらい身長があるおじさんが、そう言いながら近くまでやってきました。
(ライ。この人は貴族ね、まあ男爵だけど、この人も捕まえても良いかもね、殺人とか窃盗とか色々悪い称号があるわよ)
(そうなのですか? 準備だけしておきますが、問題になると嫌なのですが、また僕の持ち運びハウスなんかを盗ろうとするなら捕まえちゃいますね)
(はぁ、甘いわね、ほら、もう言いそうよ)
「何をしておると聞いておるのだ! 見れば小僧一人、壁役にもならん! 持ち運びハウスだけ手に入れ小僧は殺しておけ!」
「盗賊の親分さんですね。じゃあやっぱりこの集まりは盗賊と言うことで」
「おい、待て! この方は帝国のオーベシダッド男爵様だぞ! 大人しく渡した方が身のためだ」
「帝国の男爵さんが盗賊なのですか、困ったものですね、それに殺そうとまでするなんて。では気絶して下さい」
「あっ、待て――」
「ぐるぐる~、ほいっと!」
魔力をぐるぐるして一気に抜いてあげました。
0
お気に入りに追加
1,641
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
【完結】虐げられた令嬢の復讐劇 〜聖女より格上の妖精の愛し子で竜王様の番は私です~
大福金
ファンタジー
10歳の時、床掃除をしている時に水で足を滑らせ前世の記憶を思い出した。侯爵家令嬢ルチア
8さいの時、急に現れた義母に義姉。
あれやこれやと気がついたら部屋は義姉に取られ屋根裏に。
侯爵家の娘なのに、使用人扱い。
お母様が生きていた時に大事にしてくれた。使用人たちは皆、義母が辞めさせた。
義母が連れてきた使用人達は私を義母と一緒になってこき使い私を馬鹿にする……
このままじゃ先の人生詰んでる。
私には
前世では25歳まで生きてた記憶がある!
義母や義姉!これからは思い通りにさせないんだから!
義母達にスカッとざまぁしたり
冒険の旅に出たり
主人公が妖精の愛し子だったり。
竜王の番だったり。
色々な無自覚チート能力発揮します。
竜王様との溺愛は後半第二章からになります。
※完結まで執筆済みです。(*´꒳`*)10万字程度。
※後半イチャイチャ多めです♡
※R18描写♡が入るシーンはタイトルに★マークをいれています。
社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました
第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった
服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです
レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる