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第四章
第132話 ダンジョンを手に入れましたよ
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「おおー、凄く複雑な魔力で鍵が掛かってますね、これはもしかして期待ができそう?」
「ええ。こんなの造った本人か、開け方を知ってる者か、神様······か、ライしか開けられないわね♪ もちろん期待大よ!」
「くふふっ。任せるのですよ。魔法の鍵なら僕の勝ちは決まってますからね~。ぐるぐる~、ほいっと!」
複雑に絡み合った魔力を分解させて鍵の用を足さなくしてあげるだけです。ぐるぐるしだしてすぐに抵抗しようとしてますが、負けませんよ~。構わずぐるぐるしていると、ガチャと音を立て鍵は開いたようです。
「うんうん。ちょっといつもより長かったけど、簡単に開いたわね。罠も無いし開けちゃいましょう」
「うん。お宝さんお待たせしました~」
カチャと音を立て、押し開けていくと、魔道具があったのか部屋の中は明るくなり、その全貌が見えました。
大きな石畳が敷かれた十五メートル四方のそこそこ大きな部屋で、その壁には大きな魔法陣が描かれていて、いえ、天井と床にもですね。それにほんのり光っているようです。
そして部屋の真ん中には丸い水晶玉が浮かんでいるだけでした。
「お宝?」
「くふふふ。お宝よ、ライ。これは前にも見たでしょ? 未発動のダンジョンコアよ。これは今までのお宝を全部使っても手に入れる事は出来ないほどのお宝ね。ライ、サーバル男爵領にダンジョンはあるの?」
「無いよ。あれば沢山の人が来るからね、その近くに街ができるくらいかな。それがどうしたの? このダンジョンを持ち運べって移せないよね?」
「これはダンジョンだけどダンジョンじゃないの。未発動ダンジョンコアよ。これをね、ダンジョンを造りたいところで触ってやればそこがダンジョンになるのよ。どう? 凄いお宝じゃない?」
好きなところで触るとダンジョンができる······っ!
「そうか! 収納してサーバル男爵領の好きなところで触ればそこでダンジョンができちゃうんだね!」
「そうよ! 冒険者は当然、それ目当ての商人がやって来るわよ!」
「そして商人が集まればそこで商売が始まりますし、そうすれば人が集まり村ができて、町になって、さらに大きく街にまでなるかも!」
それはもう男爵領から子爵! いえ、もしかすると伯爵まで行くかもしれません!
「テラ!」
「ライ!」
「「いただいちゃいます!」」
「収納!」
部屋の中央に浮いていた水晶玉のダンジョンコアは一瞬で無くなりほんのり光っていた魔法陣がスーッと輝きを失くし、その紋様が消えていきました。
「じゃあこの場所で最後だから終わりかな? ん~、でも水晶玉が浮いていた床に魔力が残ってるんですよね」
「ふ~ん。んん~! 正解よ! 隠し扉があるわよ! 浮いてた真下の! そうその石畳!」
浮いていた場所に近付くとテラが指差してる一メートル角の石畳を一応回りのも合わせて九枚を調べると、やっぱり水晶玉が浮いていた真ん中の石畳には、入口の扉と同じ様な魔力が内封されていました。
収納を一度試しましたが、やっぱり無理でしたね。その石畳の魔力をぐるぐるさせてからもう一回試すと、石畳は難なく収納され無くなり下への階段が現れました。
「ぬふふふ。開かないはずの扉の向こうにあったダンジョンコアで満足させて、さらに隠そうとする物がこの先にあるって事よね。ライ?」
「うん! うん! 期待が最高で今まで以上のきたいちですよ! あっ、ここからは暗いみたいですから光さんを出して行きますよ!」
「そうね、って無くても見えるでしょ!」
「ぬふふ。雰囲気あるじゃないですか! 何かこう冒険してる感が出るでしょ?」
テラがあきれた顔をしています。が、僕は光さんを浮かべ前に先行させます。
階段に足を踏み入れ下りていきます。光さん先行させなくても見えていますが中々深そうです。気配は何もなく、遠くにたぶん鍵付きの扉があるようでしたので、足早にどんどん階段を下りていきます。
「扉が見えたわよ」
「うん。十分以上下りたよね? こんなに深い穴を掘るなんて凄いよね、土魔法かな?」
「でしょうね、しっかり固められているから崩れる心配も無さそうだし中々の物よ。ライも地下室造りたかったらこれくらいすれば安心よ」
「だね。地下室だと、秘密基地みたいで楽しそうだねっと到着。テラ罠とか――」
パッ
「――あっ、こっちを忘れてました。テラ大丈夫?」
「ええ。問題ないわ。ところで相当北に飛ばされたようね、気温が一気に下がったわ」
ぐるりと辺りを見渡して見たのですが、岩だけしか見当たらない広大な土地です。地面もひび割れがあって、長く雨も降っていないような感じですね。
「うん。でもこんなに広い土地なのに、草木が生えてませんし、生き物はずっと向こうに大きな反応が一つあるだけで後は何も見当たりませんよ」
「ふ~ん。それよりライ。いきなり飛ばされたのに落ち着いてるわね?」
「うん。最後の階段を下りるところに転移する時の魔力があったからね。どこに飛ばされても戻れるし、扉の罠の方が気になってたから言うの忘れてました」
「くくくっ。それもそうね、それであっちにいるのは魔王ね、会って行く?」
「魔王! 倒さなくて大丈夫なの!」
ついに魔王との対決ですか! どうしましょう、テラはお屋敷で待っててもらって方が良いのかな······悪者はやっつけないとね!
「ええ。こんなの造った本人か、開け方を知ってる者か、神様······か、ライしか開けられないわね♪ もちろん期待大よ!」
「くふふっ。任せるのですよ。魔法の鍵なら僕の勝ちは決まってますからね~。ぐるぐる~、ほいっと!」
複雑に絡み合った魔力を分解させて鍵の用を足さなくしてあげるだけです。ぐるぐるしだしてすぐに抵抗しようとしてますが、負けませんよ~。構わずぐるぐるしていると、ガチャと音を立て鍵は開いたようです。
「うんうん。ちょっといつもより長かったけど、簡単に開いたわね。罠も無いし開けちゃいましょう」
「うん。お宝さんお待たせしました~」
カチャと音を立て、押し開けていくと、魔道具があったのか部屋の中は明るくなり、その全貌が見えました。
大きな石畳が敷かれた十五メートル四方のそこそこ大きな部屋で、その壁には大きな魔法陣が描かれていて、いえ、天井と床にもですね。それにほんのり光っているようです。
そして部屋の真ん中には丸い水晶玉が浮かんでいるだけでした。
「お宝?」
「くふふふ。お宝よ、ライ。これは前にも見たでしょ? 未発動のダンジョンコアよ。これは今までのお宝を全部使っても手に入れる事は出来ないほどのお宝ね。ライ、サーバル男爵領にダンジョンはあるの?」
「無いよ。あれば沢山の人が来るからね、その近くに街ができるくらいかな。それがどうしたの? このダンジョンを持ち運べって移せないよね?」
「これはダンジョンだけどダンジョンじゃないの。未発動ダンジョンコアよ。これをね、ダンジョンを造りたいところで触ってやればそこがダンジョンになるのよ。どう? 凄いお宝じゃない?」
好きなところで触るとダンジョンができる······っ!
「そうか! 収納してサーバル男爵領の好きなところで触ればそこでダンジョンができちゃうんだね!」
「そうよ! 冒険者は当然、それ目当ての商人がやって来るわよ!」
「そして商人が集まればそこで商売が始まりますし、そうすれば人が集まり村ができて、町になって、さらに大きく街にまでなるかも!」
それはもう男爵領から子爵! いえ、もしかすると伯爵まで行くかもしれません!
「テラ!」
「ライ!」
「「いただいちゃいます!」」
「収納!」
部屋の中央に浮いていた水晶玉のダンジョンコアは一瞬で無くなりほんのり光っていた魔法陣がスーッと輝きを失くし、その紋様が消えていきました。
「じゃあこの場所で最後だから終わりかな? ん~、でも水晶玉が浮いていた床に魔力が残ってるんですよね」
「ふ~ん。んん~! 正解よ! 隠し扉があるわよ! 浮いてた真下の! そうその石畳!」
浮いていた場所に近付くとテラが指差してる一メートル角の石畳を一応回りのも合わせて九枚を調べると、やっぱり水晶玉が浮いていた真ん中の石畳には、入口の扉と同じ様な魔力が内封されていました。
収納を一度試しましたが、やっぱり無理でしたね。その石畳の魔力をぐるぐるさせてからもう一回試すと、石畳は難なく収納され無くなり下への階段が現れました。
「ぬふふふ。開かないはずの扉の向こうにあったダンジョンコアで満足させて、さらに隠そうとする物がこの先にあるって事よね。ライ?」
「うん! うん! 期待が最高で今まで以上のきたいちですよ! あっ、ここからは暗いみたいですから光さんを出して行きますよ!」
「そうね、って無くても見えるでしょ!」
「ぬふふ。雰囲気あるじゃないですか! 何かこう冒険してる感が出るでしょ?」
テラがあきれた顔をしています。が、僕は光さんを浮かべ前に先行させます。
階段に足を踏み入れ下りていきます。光さん先行させなくても見えていますが中々深そうです。気配は何もなく、遠くにたぶん鍵付きの扉があるようでしたので、足早にどんどん階段を下りていきます。
「扉が見えたわよ」
「うん。十分以上下りたよね? こんなに深い穴を掘るなんて凄いよね、土魔法かな?」
「でしょうね、しっかり固められているから崩れる心配も無さそうだし中々の物よ。ライも地下室造りたかったらこれくらいすれば安心よ」
「だね。地下室だと、秘密基地みたいで楽しそうだねっと到着。テラ罠とか――」
パッ
「――あっ、こっちを忘れてました。テラ大丈夫?」
「ええ。問題ないわ。ところで相当北に飛ばされたようね、気温が一気に下がったわ」
ぐるりと辺りを見渡して見たのですが、岩だけしか見当たらない広大な土地です。地面もひび割れがあって、長く雨も降っていないような感じですね。
「うん。でもこんなに広い土地なのに、草木が生えてませんし、生き物はずっと向こうに大きな反応が一つあるだけで後は何も見当たりませんよ」
「ふ~ん。それよりライ。いきなり飛ばされたのに落ち着いてるわね?」
「うん。最後の階段を下りるところに転移する時の魔力があったからね。どこに飛ばされても戻れるし、扉の罠の方が気になってたから言うの忘れてました」
「くくくっ。それもそうね、それであっちにいるのは魔王ね、会って行く?」
「魔王! 倒さなくて大丈夫なの!」
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