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第三章
第91話 壊れた魔道具
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「そうです! 初めまして、Cランク冒険者のライです。パーティーぐるぐるのリーダーをしています」
自己紹介がまだでしたからね。僕に続いてテラとムルムル、プシュケ、リントが自己紹介。ムルムルは突起を出してユラユラさせてましたよ。
「ほう。Cランクとは見た目では分からんかったぞ。ぐはは。しかし中々の腕前と見た。ふむ。儂はガルだこの鍛冶の村で村長をしておる。少々心配しておったが大丈夫なようじゃ、頑張って調査をしてくるが良い。運が良ければ金や銀、宝石もあるやも知れんぞ? ぐははははは!」
金、銀、宝石もと言った瞬間、テラとプシュケがピクッってなりましたので、頑張って見つけましょう。
ガルさんに許可を貰って案内された、地面にポッカリ開いた入口。覗くと階段がありましたので、せ~ので一歩目を合わせてダンジョンに入っていきました。
中は洞窟タイプで、縦横五メートルも無いくらいですかね。所々に光の魔道具が天井から吊り下げられていますし、足元のボコボコも気にせず進める感じです。
「ドワーフさん達がつけているみたいですね、これだとリントに貰った猫目の活躍はまだですね」
「そうにゃね~隅々まで見るにゃら使った方が見えるにゃよ? 宝石とか転がっているかもにゃしね」
「そうです! 猫目全開! できるだけ多く探しますよ! ライ背負子から下ろして下さい!」
「ライもしっかり探すのよ!」
「くふふふ。分かりました。よいしょ、よし! お宝探しにしゅっぱーつ!」
背負子からプシュケが下りて、リントも自分で歩くようです。
シュパッ
みんなは足下や、壁、天井をくまなく探っていますので、僕が出て来るゴブリンとオークを倒していきます。
ちなみにテラはムルムルに乗って、みにょ~んみにょ~んと移動しながらですが中々の早さで、ゆっくり歩く僕とそう変わならないです。ムルムル頑張れ!
「ん? 誰かいますね、ドワーフさん達でしょうか」
「これは! 光ってますが、つるつるした表面なだけですね······」
「プシュケ、見せてみなさい。んん~! 宝石の一種よ! 磨けば綺麗な宝石になるわ! プシュケおめでとう!」
「本当! やったー!」
そんな調子でテラの鑑定のお陰で、ただの石にしか見えない物も、割れば中に宝石が詰まっている物があるそうです。
ドワーフさん達ともすれ違ったのですが、みんなは宝石探しに夢中でたぶん気が付いてないでしょうね。もちろん僕は挨拶しましたよ。
それでも十階層に入って、ドワーフさん達が増えてきて、拾うものも無くなってきました。
「やっぱり階段があって、そこを魔物が行き来してるみたいだし、思ったより魔物も多いですし」
「そうね。ドワーフ達は片手間に倒し、収納するか放置だから、ほらそこ。ダンジョンに吸収されたわね、私達は全部持ってきてるけれど、この量は尋常じゃないわね」
「うん。少し急いで行こうか、プシュケ」
「背負子ね、魔法は私とリントでやれるところまで任せておいてね」
「やるにゃ!」
背負子を出して担ぎ、プシュケとリントが乗り込みます。そしてテラとムルムルを肩に乗せ一気に加速して、魔物が沢山いる方に洞窟を走り出しました。
「ウインドアローです!」
プシュケとリントが倒した魔物を収納しながら走り続けついに十九階層に入り光の魔道具が無くなりましたが僕達には関係ありません。
一階層を二十分ほどで通りすぎ、既に二十五階層に入ったのですが、大きな部屋が一つ、途中も普通にゴブリンやオークの上位種じゃないものが出てきていたのでおかしいなと思っていたのですが、この部屋の真ん中に大きな水晶の玉が浮かんでいて、そこからポロポロとこぼれ落ちるように魔物が生まれ落ちています。
「まだ奥がありそうですが、原因はあの水晶みたいですね。テラ、あれって魔道具?」
「見てみるわね。んん~。ダンジョンが産み出した魔道具ね、壊れてるわ。ダンジョンの魔力を吸い続け魔物を産み出してるのよ。ライ収納しちゃいなさい」
「壊れてるから出し続けちゃってるのか。分かったよ。収納!」
水晶玉を収納し終わり、部屋の中の魔物を一掃し終わると、ズンっと真ん中に宝箱が現れました。
「出た! 宝箱よ! ライ進みなさい!」
「くふふふ。罠だけ無いか見てくれるかな?」
「ま、任せてよ。わ、忘れてたわけじゃないからね、近付いてからしようと思ってたのよ。本当だからね!」
「良いからさっさとするにゃ、早く中身が見たいにゃ」
そうですね。近付いて開けちゃいましょうか、でもまっすぐは駄目でしょうね、魔力が貯まっているところがあからさまにありますから罠かもしれませんし。
「じゃあ僕についてきてね、たぶん罠が床にあるから」
「えっ? んん~! 転移罠ね、外に戻されちゃうわ。流石に良く見てるわねライお手柄よ」
テラがほっぺを撫でてくれました。
「えへへ。じゃあ行くよ」
魔力溜まりを避けて宝箱に到着。
「んん~。やったー! 罠は無いわ! ライ開けましょう♪」
「ラ、ライ私も開けたいです!」
「にゃ、リントも一緒かにゃ。開けたいにゃよ」
「くふふふ。じゃあみんなで開けよう♪テラとムルムルも一緒ね♪」
左手の手のひらにムルムルとテラを乗せ宝箱の蓋に近付けます。
そしてみんなで。
「行くよ♪ せ~の」
ギギと緒とを立て、開いた宝箱の中身は――。
「金よ! 銀も、宝石もあるわ!」
「「綺麗~」」
「ふほほ。ピカピカですよ♪ 一番大きな金はテラが乗せてるクルミくらいありますよ!」
五十センチくらいの宝箱でしたが、中身の価値は相当なものだと僕でも分かりました。
でも、また同じ水晶が出るかも知れませんので、ガルさん達に伝えておかないとです。
僕達は転移の罠を使い、外に出ると夕方になっていました。
歩いてる方にガルさんの家を教えてもらい向かおうとしたのですが、何やら今日の採掘ですごいものが見つかったそうです。
何が見つかったのか少し興味がありましたので、ガルさんの家に行くところだそうで一緒に行く事にしました。
もしかして、あれが見つかったのかも知れませんね。自然に早足になるのを我慢しておじさんと共に村の真ん中にある他の家より少し立派な家が見えてきました。
自己紹介がまだでしたからね。僕に続いてテラとムルムル、プシュケ、リントが自己紹介。ムルムルは突起を出してユラユラさせてましたよ。
「ほう。Cランクとは見た目では分からんかったぞ。ぐはは。しかし中々の腕前と見た。ふむ。儂はガルだこの鍛冶の村で村長をしておる。少々心配しておったが大丈夫なようじゃ、頑張って調査をしてくるが良い。運が良ければ金や銀、宝石もあるやも知れんぞ? ぐははははは!」
金、銀、宝石もと言った瞬間、テラとプシュケがピクッってなりましたので、頑張って見つけましょう。
ガルさんに許可を貰って案内された、地面にポッカリ開いた入口。覗くと階段がありましたので、せ~ので一歩目を合わせてダンジョンに入っていきました。
中は洞窟タイプで、縦横五メートルも無いくらいですかね。所々に光の魔道具が天井から吊り下げられていますし、足元のボコボコも気にせず進める感じです。
「ドワーフさん達がつけているみたいですね、これだとリントに貰った猫目の活躍はまだですね」
「そうにゃね~隅々まで見るにゃら使った方が見えるにゃよ? 宝石とか転がっているかもにゃしね」
「そうです! 猫目全開! できるだけ多く探しますよ! ライ背負子から下ろして下さい!」
「ライもしっかり探すのよ!」
「くふふふ。分かりました。よいしょ、よし! お宝探しにしゅっぱーつ!」
背負子からプシュケが下りて、リントも自分で歩くようです。
シュパッ
みんなは足下や、壁、天井をくまなく探っていますので、僕が出て来るゴブリンとオークを倒していきます。
ちなみにテラはムルムルに乗って、みにょ~んみにょ~んと移動しながらですが中々の早さで、ゆっくり歩く僕とそう変わならないです。ムルムル頑張れ!
「ん? 誰かいますね、ドワーフさん達でしょうか」
「これは! 光ってますが、つるつるした表面なだけですね······」
「プシュケ、見せてみなさい。んん~! 宝石の一種よ! 磨けば綺麗な宝石になるわ! プシュケおめでとう!」
「本当! やったー!」
そんな調子でテラの鑑定のお陰で、ただの石にしか見えない物も、割れば中に宝石が詰まっている物があるそうです。
ドワーフさん達ともすれ違ったのですが、みんなは宝石探しに夢中でたぶん気が付いてないでしょうね。もちろん僕は挨拶しましたよ。
それでも十階層に入って、ドワーフさん達が増えてきて、拾うものも無くなってきました。
「やっぱり階段があって、そこを魔物が行き来してるみたいだし、思ったより魔物も多いですし」
「そうね。ドワーフ達は片手間に倒し、収納するか放置だから、ほらそこ。ダンジョンに吸収されたわね、私達は全部持ってきてるけれど、この量は尋常じゃないわね」
「うん。少し急いで行こうか、プシュケ」
「背負子ね、魔法は私とリントでやれるところまで任せておいてね」
「やるにゃ!」
背負子を出して担ぎ、プシュケとリントが乗り込みます。そしてテラとムルムルを肩に乗せ一気に加速して、魔物が沢山いる方に洞窟を走り出しました。
「ウインドアローです!」
プシュケとリントが倒した魔物を収納しながら走り続けついに十九階層に入り光の魔道具が無くなりましたが僕達には関係ありません。
一階層を二十分ほどで通りすぎ、既に二十五階層に入ったのですが、大きな部屋が一つ、途中も普通にゴブリンやオークの上位種じゃないものが出てきていたのでおかしいなと思っていたのですが、この部屋の真ん中に大きな水晶の玉が浮かんでいて、そこからポロポロとこぼれ落ちるように魔物が生まれ落ちています。
「まだ奥がありそうですが、原因はあの水晶みたいですね。テラ、あれって魔道具?」
「見てみるわね。んん~。ダンジョンが産み出した魔道具ね、壊れてるわ。ダンジョンの魔力を吸い続け魔物を産み出してるのよ。ライ収納しちゃいなさい」
「壊れてるから出し続けちゃってるのか。分かったよ。収納!」
水晶玉を収納し終わり、部屋の中の魔物を一掃し終わると、ズンっと真ん中に宝箱が現れました。
「出た! 宝箱よ! ライ進みなさい!」
「くふふふ。罠だけ無いか見てくれるかな?」
「ま、任せてよ。わ、忘れてたわけじゃないからね、近付いてからしようと思ってたのよ。本当だからね!」
「良いからさっさとするにゃ、早く中身が見たいにゃ」
そうですね。近付いて開けちゃいましょうか、でもまっすぐは駄目でしょうね、魔力が貯まっているところがあからさまにありますから罠かもしれませんし。
「じゃあ僕についてきてね、たぶん罠が床にあるから」
「えっ? んん~! 転移罠ね、外に戻されちゃうわ。流石に良く見てるわねライお手柄よ」
テラがほっぺを撫でてくれました。
「えへへ。じゃあ行くよ」
魔力溜まりを避けて宝箱に到着。
「んん~。やったー! 罠は無いわ! ライ開けましょう♪」
「ラ、ライ私も開けたいです!」
「にゃ、リントも一緒かにゃ。開けたいにゃよ」
「くふふふ。じゃあみんなで開けよう♪テラとムルムルも一緒ね♪」
左手の手のひらにムルムルとテラを乗せ宝箱の蓋に近付けます。
そしてみんなで。
「行くよ♪ せ~の」
ギギと緒とを立て、開いた宝箱の中身は――。
「金よ! 銀も、宝石もあるわ!」
「「綺麗~」」
「ふほほ。ピカピカですよ♪ 一番大きな金はテラが乗せてるクルミくらいありますよ!」
五十センチくらいの宝箱でしたが、中身の価値は相当なものだと僕でも分かりました。
でも、また同じ水晶が出るかも知れませんので、ガルさん達に伝えておかないとです。
僕達は転移の罠を使い、外に出ると夕方になっていました。
歩いてる方にガルさんの家を教えてもらい向かおうとしたのですが、何やら今日の採掘ですごいものが見つかったそうです。
何が見つかったのか少し興味がありましたので、ガルさんの家に行くところだそうで一緒に行く事にしました。
もしかして、あれが見つかったのかも知れませんね。自然に早足になるのを我慢しておじさんと共に村の真ん中にある他の家より少し立派な家が見えてきました。
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