56 / 241
第二章
第56話 邪神
しおりを挟む
翌朝僕達は目標の海に行くため、預かっていた物を全て引き渡そうと思い、町長さんに朝からどこに出すのか聞きに行きました。
ちょうど食堂に入るタイミングで町長さんに合うことができたので、朝ごはんをいただきながら聞くことにしました。
「町長さんおはようございます。ご一緒して良いですか?」
「ああライ殿おはようございます。どうぞ。なにかありましたか?」
食堂に入りながら聞いてきましたので、ちょうど良いですね。
「お預かりしている物をどこに出せば良いのか聞きたかったのです」
「そうでしたね。食事の後ご案内します」
「はい、よろしくお願いいたします」
朝ごはんは昨日のお祭りの残りが出てきましたので、オークの炒めた物をパンに挟みサンドイッチにしていただいて、飲み物は以前作ったものがまだまだ残っているのでよく冷えたジュースを選択しました。
僕達も町長さんもそれほど時間はかからず食べ終わり、町長さんの先導で食堂を出ました。
予想では倉庫かどこかに行くと思っていたのですが、向かった先は町の門でした。
「預かって貰っているのが畑から回収した物ですので今日からあの素晴らしい畑に植え替えをして行きます。ですのでこの門前の広場が一番良いと思いましてね」
「なるほどです♪ では門の外に出て壁際に出しましょうか。その方が良いですよね? 出入りするのもバカらしいですから」
「はいお願いします」
連れだって門を出て、ドカドカドカと壁際に大量の木箱や革袋、その他畑から回収して預かっていた物を全て出し終わり、見ていた人達にも「行ってきます♪」と挨拶をしてエルフの町跡に戻ってきました。
「じゃあプシュケは背負子ね♪」
「は~い♪ 私こんなに楽ばかりしていて良いの? まあぐるぐるしやすくて良いけれど」
背負子を担いでしゃがんだ僕に乗りながらプシュケはそんな事を言いますが。
「その方が早く海に行けますからね。よいしょっと。体もロープで固定してっと! じゃあ行くよ♪」
「は~い♪」
新しい木々の間をそこそこの速度で走ります。
馬車より少し速いくらいですかね? 綺麗に等間隔で植えられたので、同じ景色ばかりに見えて同じところを走っている気分です。
ものの数分でそれも無くなり下草が邪魔で走れなくなったので枝に飛び上がり、枝から枝に飛び移りながら進みます。
半日ほど進んだところでさらに進んだところに反応がありました。
「ん~? 人の集まっているところがありますね」
「そうなのですか? この森にはエルフ族しかいないと聞いていたのですが。違う村か町でしょうか?」
「ん~そこまで人数はいないかな。まあ一度覗いてみましょう」
反応した気配に近付くと、崖にある裂け目の奥にいるようです。
「洞窟? それともダンジョンかな? 魔力があの裂け目から出てきてますし」
「まずいわよ! 邪神の気配があるわ、こんなに近くまで来てからしか分からないなんて! ライその魔力を吸い取っちゃって! 中のやつから全部よ!」
良く分かりませんがぐるぐる集めてしまいましょう!
「うん! 行くよ!」
どんどん集まる魔力をまとめて丸くしていきます。
するとクションの呪いのような真っ黒い玉が出来上がってきます。
ん~と、じゃあ魔力だけ抜いて、悪いのだけにすれば良いよね。
そう思い、その玉からも純粋な魔力だけを抜いて別に集めていきます。
崖の裂け目からもその時点で分けながら二つの玉を浮かべ、どんどん大きくなる黒い玉と魔力の玉。
「ねえテラ。この黒いの呪いによく似てる気がするけれどどうなの?」
「その通りよ。邪神は呪いを撒き散らす神なのよ。ここのはそんなに上位の邪神ではなさそうだけど、油断しないでね。下位とは言っても神には違いないから」
「か、神様がいらっひゃるのですか!」
プシュケはかむほど驚いているようですけど、中の人達は気絶していますし、そろそろ中から出てくる魔力も少なくなり後少しで吸い取りきれそうです。
そして、全ての魔力を抜き取ったのですけど、この魔力はどうしましょう。黒い方は収納しておきます。
「ねえテラもう中の魔力はなくなったし黒いのは収納しちゃったけど良かったんだよね?」
「それで良いわ、ありがとうライ。早速中を見に行くわよどんなやつが邪神に近付いていたか知っておきたいわ」
木から飛び下り、崖の裂け目に入りますが浮かべたままの魔力は······とりあえずそこで浮かんでて貰いましょう。
中に入ると真っ暗なので光を浮かべる魔法でランプ代わりです。
五十メートルほど進んだところがドーム状に広くなっています。
そこに七人のローブを着た魔法使いっぽい人達が倒れ、その奥には石の祭壇みたいなものがありました。
「テラ、これってなんなの?」
「嘘! 思ったより大物が封印されてるじゃない! 不和と争いの女神エリス。遥か昔に消滅したと言われているのに······」
「なんだかおっかなそうだね、でも魔力も何もかも無くなったから大丈夫だよね?」
「いえ。神はそんな事では消え去らないわ。封印も駄目ね、こいつらがほとんど壊してしまってるから(こんなのパパとママでも封印しきれるかどうかよ······どうすれば)」
「ふ~ん。でも悪い物は全く無くなったって事だからこのままで放っておくのは?」
「え? ああ駄目よ。既に魔力を吸い込もうとしているわ。あれ? 吸い込んでるのは物凄く純粋な魔力だけ?」
「それは僕がさっきの駄目なやつを分けて収納のしちゃってるからだよ。そうだ! テラさっきの、外に置いてきた魔力は駄目なの無いんだからそれを補充させれば良い神様にならないかな?」
「それよ! 良いのだけで飽和させれば良いのよ! ライさっきの魔力をここに!」
「うん! 任せて。こっちおいで~ほいっと!」
外から魔力の塊を引き寄せ、ドームに引き入れます。
ドーム内は純粋な魔力で充満し、どこか神聖な空間になりました。
その魔力を祭壇に吸い込ませるようにしていきます。
「その調子よ。これは面白いことになるかも。邪な要素が皆無の邪神······それは在り方が根本的にひっくり返ってしまうわよね······」
テラは祭壇に吸い込まれていくのを見ながら色々考えているようです。
「反応が変わったわ! 一旦止めて!」
「ほいっと! 止めたよ。大丈夫?」
「んん~! 嘘っ、邪神の称号が消えた······と言うことは、ライ! この祭壇をどけて! 早く!」
「し、収納!」
テラの慌てた様子に引っ張られ僕は焦りながらも祭壇を収納しました。
「近くにお願い! 気をつけて近付くのよ! まだ内部の封印は活きてるから!」
「うん! その魔力は受け流して近付くから大丈夫! 行くよ!」
ぐるぐるを全開にして動かすのは封印の魔力、少し動かし難いですが頑張ります! テラがここまで焦りを見せているのですから、しくじったりできませんよ!
「嘘っ! ライあなた······いえ、今は良いわ。そのまま隠してあった階段を下りるのよ!」
「うん。プシュケもなるべく僕に引っ付いていてね。結構ギリギリだから」
「はい。ムルムルくらい引っ付いておきます」
そう言うとぎゅっと少し強めに抱きついてくれました。
階段は長く、数分下りているのですがまだ終わりは見えてきません。相当深いようです。
「近いわよ。終わりが見えたわ」
魔法の光りに照らされ階段の終わりが見えました。
最後の段を下りきるとそこには上の数倍はあるドームの中に淡く光る水晶。
物凄く大きな水晶が複数立ち並び、その真ん中の水晶の中に······
ちょうど食堂に入るタイミングで町長さんに合うことができたので、朝ごはんをいただきながら聞くことにしました。
「町長さんおはようございます。ご一緒して良いですか?」
「ああライ殿おはようございます。どうぞ。なにかありましたか?」
食堂に入りながら聞いてきましたので、ちょうど良いですね。
「お預かりしている物をどこに出せば良いのか聞きたかったのです」
「そうでしたね。食事の後ご案内します」
「はい、よろしくお願いいたします」
朝ごはんは昨日のお祭りの残りが出てきましたので、オークの炒めた物をパンに挟みサンドイッチにしていただいて、飲み物は以前作ったものがまだまだ残っているのでよく冷えたジュースを選択しました。
僕達も町長さんもそれほど時間はかからず食べ終わり、町長さんの先導で食堂を出ました。
予想では倉庫かどこかに行くと思っていたのですが、向かった先は町の門でした。
「預かって貰っているのが畑から回収した物ですので今日からあの素晴らしい畑に植え替えをして行きます。ですのでこの門前の広場が一番良いと思いましてね」
「なるほどです♪ では門の外に出て壁際に出しましょうか。その方が良いですよね? 出入りするのもバカらしいですから」
「はいお願いします」
連れだって門を出て、ドカドカドカと壁際に大量の木箱や革袋、その他畑から回収して預かっていた物を全て出し終わり、見ていた人達にも「行ってきます♪」と挨拶をしてエルフの町跡に戻ってきました。
「じゃあプシュケは背負子ね♪」
「は~い♪ 私こんなに楽ばかりしていて良いの? まあぐるぐるしやすくて良いけれど」
背負子を担いでしゃがんだ僕に乗りながらプシュケはそんな事を言いますが。
「その方が早く海に行けますからね。よいしょっと。体もロープで固定してっと! じゃあ行くよ♪」
「は~い♪」
新しい木々の間をそこそこの速度で走ります。
馬車より少し速いくらいですかね? 綺麗に等間隔で植えられたので、同じ景色ばかりに見えて同じところを走っている気分です。
ものの数分でそれも無くなり下草が邪魔で走れなくなったので枝に飛び上がり、枝から枝に飛び移りながら進みます。
半日ほど進んだところでさらに進んだところに反応がありました。
「ん~? 人の集まっているところがありますね」
「そうなのですか? この森にはエルフ族しかいないと聞いていたのですが。違う村か町でしょうか?」
「ん~そこまで人数はいないかな。まあ一度覗いてみましょう」
反応した気配に近付くと、崖にある裂け目の奥にいるようです。
「洞窟? それともダンジョンかな? 魔力があの裂け目から出てきてますし」
「まずいわよ! 邪神の気配があるわ、こんなに近くまで来てからしか分からないなんて! ライその魔力を吸い取っちゃって! 中のやつから全部よ!」
良く分かりませんがぐるぐる集めてしまいましょう!
「うん! 行くよ!」
どんどん集まる魔力をまとめて丸くしていきます。
するとクションの呪いのような真っ黒い玉が出来上がってきます。
ん~と、じゃあ魔力だけ抜いて、悪いのだけにすれば良いよね。
そう思い、その玉からも純粋な魔力だけを抜いて別に集めていきます。
崖の裂け目からもその時点で分けながら二つの玉を浮かべ、どんどん大きくなる黒い玉と魔力の玉。
「ねえテラ。この黒いの呪いによく似てる気がするけれどどうなの?」
「その通りよ。邪神は呪いを撒き散らす神なのよ。ここのはそんなに上位の邪神ではなさそうだけど、油断しないでね。下位とは言っても神には違いないから」
「か、神様がいらっひゃるのですか!」
プシュケはかむほど驚いているようですけど、中の人達は気絶していますし、そろそろ中から出てくる魔力も少なくなり後少しで吸い取りきれそうです。
そして、全ての魔力を抜き取ったのですけど、この魔力はどうしましょう。黒い方は収納しておきます。
「ねえテラもう中の魔力はなくなったし黒いのは収納しちゃったけど良かったんだよね?」
「それで良いわ、ありがとうライ。早速中を見に行くわよどんなやつが邪神に近付いていたか知っておきたいわ」
木から飛び下り、崖の裂け目に入りますが浮かべたままの魔力は······とりあえずそこで浮かんでて貰いましょう。
中に入ると真っ暗なので光を浮かべる魔法でランプ代わりです。
五十メートルほど進んだところがドーム状に広くなっています。
そこに七人のローブを着た魔法使いっぽい人達が倒れ、その奥には石の祭壇みたいなものがありました。
「テラ、これってなんなの?」
「嘘! 思ったより大物が封印されてるじゃない! 不和と争いの女神エリス。遥か昔に消滅したと言われているのに······」
「なんだかおっかなそうだね、でも魔力も何もかも無くなったから大丈夫だよね?」
「いえ。神はそんな事では消え去らないわ。封印も駄目ね、こいつらがほとんど壊してしまってるから(こんなのパパとママでも封印しきれるかどうかよ······どうすれば)」
「ふ~ん。でも悪い物は全く無くなったって事だからこのままで放っておくのは?」
「え? ああ駄目よ。既に魔力を吸い込もうとしているわ。あれ? 吸い込んでるのは物凄く純粋な魔力だけ?」
「それは僕がさっきの駄目なやつを分けて収納のしちゃってるからだよ。そうだ! テラさっきの、外に置いてきた魔力は駄目なの無いんだからそれを補充させれば良い神様にならないかな?」
「それよ! 良いのだけで飽和させれば良いのよ! ライさっきの魔力をここに!」
「うん! 任せて。こっちおいで~ほいっと!」
外から魔力の塊を引き寄せ、ドームに引き入れます。
ドーム内は純粋な魔力で充満し、どこか神聖な空間になりました。
その魔力を祭壇に吸い込ませるようにしていきます。
「その調子よ。これは面白いことになるかも。邪な要素が皆無の邪神······それは在り方が根本的にひっくり返ってしまうわよね······」
テラは祭壇に吸い込まれていくのを見ながら色々考えているようです。
「反応が変わったわ! 一旦止めて!」
「ほいっと! 止めたよ。大丈夫?」
「んん~! 嘘っ、邪神の称号が消えた······と言うことは、ライ! この祭壇をどけて! 早く!」
「し、収納!」
テラの慌てた様子に引っ張られ僕は焦りながらも祭壇を収納しました。
「近くにお願い! 気をつけて近付くのよ! まだ内部の封印は活きてるから!」
「うん! その魔力は受け流して近付くから大丈夫! 行くよ!」
ぐるぐるを全開にして動かすのは封印の魔力、少し動かし難いですが頑張ります! テラがここまで焦りを見せているのですから、しくじったりできませんよ!
「嘘っ! ライあなた······いえ、今は良いわ。そのまま隠してあった階段を下りるのよ!」
「うん。プシュケもなるべく僕に引っ付いていてね。結構ギリギリだから」
「はい。ムルムルくらい引っ付いておきます」
そう言うとぎゅっと少し強めに抱きついてくれました。
階段は長く、数分下りているのですがまだ終わりは見えてきません。相当深いようです。
「近いわよ。終わりが見えたわ」
魔法の光りに照らされ階段の終わりが見えました。
最後の段を下りきるとそこには上の数倍はあるドームの中に淡く光る水晶。
物凄く大きな水晶が複数立ち並び、その真ん中の水晶の中に······
0
お気に入りに追加
1,637
あなたにおすすめの小説
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる