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第二章

第40話 開拓村のお手伝い

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 団栗どんぐりの木の騒動はひとまずおさまり、木のまわりに芝生しばふを植えて、この広場を石畳で綺麗に整備しちゃおうって事になり、僕も手伝う事になりました。

「ライ君ここの石板を広場へ運んで貰いたいんだか頼めるかい?」

 村の中を開拓するリーダーさんが、石切場に連れてきてくれて、平らに加工した石を指差し依頼をして来ました。

「はい。大丈夫ですよ♪ 収納を使えば簡単ですから」

「うんうん♪ 頼もしいね。普通なら一人で五枚ほどかつげばいっぱいいっぱいになるんだけどね。あの広場全部だから、沢山運んでくれると助かるよ」

「じゃあ運んでしまいますね」

「まあ、加工が追い付いていないから今日中に完成は出来ないんだけどな。じゃあ俺は加工する者達に知らせてくるよ」

 リーダーさんはそう言って、他の作業者に指示をするため離れていきました。

 結構沢山ある様に見えるのですが、足りないんですねぇ~、それによく見ると結構デコボコですね~、土魔法でなめらかに出来るかなぁ~、ほいっと!

 一枚を試しにやってみたのですが、ピカピカです♪ むふふ♪

「ライ、それって滑って転げない? 雨なんか降ったらみんな怪我しそうよ」

「あっ! そ、そうだよね、滑り止めが必要だよね、ほいっと!」

 顔が映るくらいの物から、石の質感に戻って、今度は触るとざらざらの手触り、これなら雨が降っても大丈夫そうになりました。

「こんな感じはどうかな?」

 テラの意見を聞くため、よいしょっと持ち上げると、テラは石板に飛び乗り感触を確かめているようです。

「うんうん♪ 上出来ね。じゃあさっさと運んじゃいましょう!」

「うん♪ ほいっと!」

 その場にあった加工済みの石板を全部収納してしまって、ついでに加工前の岩の大きいかたまりも土魔法で同じ形に加工して収納してしまいましょう♪

 いつの間にか、加工をする人達を連れて戻ってきていたリーダーさん達は、無くなっていく大きい岩が削られ、さらに加工されて消えるのと、僕を交互に見ていますが首から下は微動もしません。

 大きな岩をいくつか加工したところで、リーダーさん達は首も動かなくなりました。

「あはは、リーダーさん達が固まっちゃったね」

「そのようね。まあ、放っといて広場にいきましょう。今ので足りなかったらまた来なくちゃいけないんだから」

「うん♪ じゃあ行こう!」

 そして広場に到着して、ここを担当している人に場所を教えて貰い、やり方聴きながらなら置いていきます。

「最初はこのロープに合わせて並べていくんだ、そうすれば木を八角形に囲う様にある程度土の部分を残せるだろ? そこには芝を植えるんだ」

 なるほどです。石畳にしちゃうとお水が土に染み込むのが少なくなっちゃいますもんね。

「はい」

「でだ、置く前にこの木槌で俺が平らになるよう叩いていくから叩いた後に並べてくれるかい」

 ふむふむ、それも僕がやっちゃえますね。

「あの、その叩くのもやっちゃえますよ。こうやるのですよね? ほいっと!」

 何枚か置けるくらい地均じならししてみます。

「こんな感じですよね?」

「ほお、どれどれ、ふん!」

 ズン!

 重い木槌を持ち上げ打ち落とす。

「おお! へこまないぞ! これなら文句無しだが土魔法だろう? 魔力は大丈夫なのか?」

「はい♪ 全然余裕がありますよ♪ 僕が地均ししながら敷いていきますので、おじさんは芝をやって来て貰っても大丈夫です♪」

「うむ、では頼もうか。もし分からないところがあれば呼んでくれ」

「はい♪」

 おじさんは木の根元にある大量に置かれた芝をやりに行きました。

 んじゃ~僕は木を囲ったロープの外側をやっていきましょう♪

 地均し~石板~地均し~と順調にロープ際をぐるりと一周並べていきますが角の所でどうしても隙間が開きます。

「ねえライ、この広場丸いのよね。すると放射状って分かる?」

「ん~、なんとなく? こう真ん中から広がっていく感じだよね?」

「そうそう。だからそのままの石板を並べるだけじゃ隙間が空くの分かる?」

 ん~、そっかそういう事だよね。

「空いちゃうね、大きい三角みたいな形に」

「正解。だから置いていく時ってこういう風に半分ずつぐらいずらして置いていくんだけど、三角の部分は残っちゃうよね?」

 うんうんと僕は頷きます。

「ならその空いた隙間の形に石板を加工しちゃうの。そうすれば隙間無く置けるでしょ」

「うんうん。でも半分ずつずらしながらだから、こうぐるぐる木のまわりをまわりながら置いていけば良いんだね♪ そうだよね♪」

「うんうん♪ 少し効率は悪くなるけど、仕上がった時、それはもう綺麗に仕上がるわよ♪」

「よ~し♪ やっちゃいましょう!」

 十周位したところで在庫がなくなり、石切場にダッシュ!

 大岩をさっきの五倍ほど収納して広場に戻り敷き詰めていきます。

 少し飽きてきたので、一か所♡の形の石板を少し色の違う石板で作り敷き詰めていきます。

 またムルムル形の石板や、どんぐりを乗せたテラ形、ゴブリン村長形の石板、を作っているとテラに止められ、断念。

 ちぇっ、結構上手く出来たのに······。

 それからもう一回石切場に大岩を取りに行き、広場の石畳は完成しました。

 途中テラがお昼寝しちゃったので、さっき作った石板と、どんぐり形の石板を沢山作り嵌め込んでおきました♪

「よし♪ 広場完成~♪」

「ふあぁぁ~、ん? 終わったの?」

「うん♪ 完璧だよ、ほら見てよ♪」

 テラはムルムルベッドの上で体をお越し、広場を見渡しながらうんうんと頷いています、

「良いじゃない。上出来よ♪ じゃあここのリーダーさんと村長さんに報告しなきゃね」

「うん。リーダーさんは~、あっ、あそこだね~」

 リーダーさんは、芝生を、荷馬車から荷下ろししていたのでそこに向かいます。

 近付いてきた僕に気付き声をかけてくれました。

「おお! ライ君。もしや広場の石畳が完成したのかな!」

「はい。ちゃんと出来たと思いますので見て貰えますか?」

「うんうん♪ いや~早いね♪ 土魔法俺も覚えようかな。あはは。よし見てまわろうか」

「お願いします♪」

 ぐるりと一周しながら見ていくのですが、最初にどんぐり形を見つけ、次に♡形を見つけて大絶賛。

「良いじゃないかどんぐり形や♡形も。俺達では考え付かなかったよ。この広場の名はどんぐり広場って名になるかもな。あはは♪」

「ライ、私が寝ている間にどんぐり形のを作ったのね······まあ、喜んでくれているから良いとしましょう」

 そして、やっぱり見付かってしまいました。

「ねえライ······ムルムルと私、それにゴブリン村長はダメって言ったでしょ!」

「あはは♪ でも良くできてるでしょ?」

 傑作だと思うんだけど。

「ふむふむ、これはこれで良いとしましょう」

 でしょでしょ♪

「え? 良いの? ずっと残っちゃうよね! 私もムルムルもゴブリン村長······は良いとして!」

「あはは。この木を育てた方の姿ですからこれはこれでこの村のシンボルみたいなものですよ」

「はぁぁ、まあ、怒られないなら良いか?」

「うんうん、テラはこの木の育ての親なんだからね♪ よし、後は何かやることありますか?」

「後はそうですね、この広場から伸びる大通りにこの石畳を敷く事かなあ」

 ん~と、まだまだ大岩は収納されてますし、道は真っ直ぐだけだから簡単ですね♪

「分かりました! では、一番最初は僕達が入門したあっちの門からですか?」

「そうだな西門が今は一番使うからそこに続く通りをやって貰えると助かる。頼めるかい?」

「はい♪ ではやっちゃいますね♪」

広場から、馬車が片側二台走れるほどの通りですが、真っ直ぐですから一気に敷き詰めていきます。

 門が目と鼻の先になった時、村長さんがどこかで観たことあるお兄さん達ともめているのが見えました。

「ライ、気絶させちゃいなよ」

「なんでここにいるのか聞きたい気もするけど」

そんな事を言っている内に見付かったようです。

「あっ! テメエ! こんなとこにいやがったのか!」




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