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第一章
第20話 公認
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「お父様! 私はその様なことは望んでおりません、ライが成人して私のもとに来てくれる事を信じておりますもの! ライの自由を奪うお父様達なんて嫌いになってしまいますわ!」
ティは、ぽろぽろと涙を流しながら僕のために。
「シャクティ、だが」
すると奥様が公爵様を遮り、話し始めました。
「あなた、叙爵は一旦保留としてはいかがですか? ライはまだ十歳、貴族の柵に囚われるには早いと、ここは婚約者だけでよろしいのではなくて、シャクティもライの事を好いている様子、その様な事で不仲にしてしまっては、シャクティに、それにライにも嫌われてしまいますわよ」
うんうん、ティの事は好きだから彼女になって貰って奥さんかぁ~、良いかも。
「ふむ、私もライと呼ばせて貰おう、叙爵はライの好きな時で良い、シャクティとの婚約は、剣聖、そなたの息子と知った時から婿に貰いたいと考え始めておったのでな、これは譲れんがそれで良いか?」
「ブラフマー公爵様、ライの事をそこまで」
そうです父さん、面識もなく、報告を受けただけでそう思うのは、僕も不自然だと思います。
「うふふ、違うのよ、あの女誑し第一王子からの求婚を止めるための策でしたわ、最初はね」
第一王子との? 兄さん達に負けちゃった王子様だよね? 奥様。
「うむ、あやつにだけは嫁がせたくはない、女誑しなど可愛いものだ、口止めされているのでなここでは言えんが兄も知っている、次期国王は第一王女が即位し女王になるか、第二王子でも懐妊してくれ無ければ、シャクティか、私の二人目の妻が産んだ息子かを推すつもりであったからな」
え? 奥さん二人いるの! じゃなくて、王子様って婚約者じゃないの? あっ!
『第一王子との婚約者候補なんだよ』
そうです! 隊長が言ったのは候補だからまだ確定では無かったのですね!
ん~、では王子様ってどんな人なの?
「ライ、シャクティの事は頼めるか?」
「ライ、お願いしますね、貴族である女性の肌を見てしまったのですからね、うふふふ」
「ライ······」
公爵様、奥様、それに不安そうなティ。
父さん、母さん、僕は。
「ティ、僕はこの世界を見て回りたいんだ、色んな物を自分の足で目で見て回りたいとずっと思っていたんだ、そんな僕の婚約者になって貰えるかな」
「はい、お慕いしておりますので、末永くよろしくお願い致します」
ティは、ソファーから立ち上がり、とととっと真ん中にあったテーブルを迂回し僕の胸に飛び込んできました。
僕はティを抱き止め、初めての彼女を通り越し、婚約者が出来た瞬間でした。
「ははっ、ライ、責任重大だな、シーや、アースより先に婚約者が決まったなんてな」
父さん。
「うふふ、二人にも良い娘は居ますわよ」
うんうん、母さん僕もそう思います。
「うむ、これで兄に報告すれば良いだろう、シャクティ、ヤツからの贈り物は?」
僕の胸から顔をあげたティは、少し涙の後は残っていますが、笑顔になりました。
「ん? 手も付けていませんわよ、何度かお会いしましたが、どうにも気分が悪くなりますから、ステファニーにどこかに持っていってと言いましたわ、そうよね、ステファニー」
「はい、地下の使われていない牢屋の一室をお借りして放り込んであります、いずれも、輸送用の木箱から出しておりませんので、計十八箱あります、送り返しますか?」
おお、中々まめにプレゼントしているのですね。
僕も何か送ろうかな、結婚を前提だと指輪かな? ドワーフの国に修行しに行くのも良いかもしれませんね。
「ふむ、手を付けていないなら、学院に行くのだ、私も付いて行き、兄を通して返しておこう、ちょうど十日後に王都に出向くのでな、ステファニー、私の王都行きに一台馬車を追加と、荷物の運び出しを頼めるか?」
「はっ! シャクティ様もそれに会わせて王都に向かわれるのですか?」
「うむ、さてどうしたものか、学院の始まる前には向こうに行っておかねばならん、おい、学院はいつからだ?」
公爵様の、お義父さんと言った方が良いのかな? 後ろを振り向き家令さんに尋ねます。
後ろに立っていた家令さんが言うには。
「四日後からでございます。明日には出発しませんと間に合いません、それも四頭引きの速度が出る馬車でですね」
「確か兄も学院顧問として出席であったな、ふむ困った」
「母さん、転移の魔法で飛んで行く事は出来ないのですか?」
転移で行けるなら、明日一日ゆっくり休んでからでも大丈夫だと思うのですが。
「うふふふ、そうですわねシーとアースに会いに行くのも良いかもしれませんわね、公爵様、私が転移で飛びますわよ」
「おお! それは助かる、荷物はどうするか」
「ライに任せれば問題解決ですわよ、収納の魔法? スキルを持っていますから、たっぷり入りますよね?」
ティが僕のスキルをお義父さんに進めていますが、どれくらい空きがあるのか······! そうです、要らない物、ゴブリンはムルムルが、やっぱりオークの方が良いかな、なのでオークは食べるから置いておいて、ゴブリンや魔狼なんかは売ってしまえば空きは出来る筈。
「ちょっと心配だから、中の魔物を売れば空きは出来ると思いますよ、馬車も数台入ると思います」
皆が、目を見開き僕の方を見てくるのですが。
「ライ、収納のスキルを持っているの? 鑑定は使っているところを見て知っていますが、収納のスキルは長年商人として来た者がごく稀に覚えるものですよ、それも馬車など収納できるなんて聞いた事も無いわよ」
「え? そうなのですか? 冒険者ギルドに登録した時には馬車も入りましたよ、マシューにお願いされて車軸が壊れて、馬車用の納屋に運びましたから、それに大量のオーク肉も保管庫代わりに数十匹分、そうそう、あのオークが大発生した時の物ですがお安く手に入るとの事でいっぱい買いました」
「「え?」」
父さん母さん、間抜けなお顔をしていますよ、くふふ。
「あの百匹の群れだよな、あの後、毎日オークが食事に出てきていたが」
「はい、それです、それに今もマシューに沢山シチューやパンなどを作って持っていますよ」
「ふ、ふむ、ではそれらを出せば荷物や馬車は入ると、そう言う事だな?」
「いえ、ゴブリンなどの要らない魔物を売ればですね。凄く沢山ありますから」
皆がジト目で見てきます。
「ライ、十歳まで討伐は駄目だと言っていた筈だが、沢山? 家を出ていってから、そんなに倒したのか? 数十匹以上を?」
あ、あぁぁぁぁ~! そ、そうでした! 約束してました······
「ご、ごめんなさい、フィーアと一緒にゴブリンの村とかオークの村とか潰してました······」
頭を下げて床を見ながらなので、皆の様子が見えないので、どんな状況なのかは分かりません。
「まあ、素晴らしいですわねライ、村をそのフィーアさんとお二人で潰してしまわれるなんて、お父様、お父様の家臣達で出来ますか?」
「無理だな、軍を率いてなら、手傷は負うだろうが、しかし、サーバル男爵、お主が気付かないとすれば、怪我もなくそのフィーアと二人で潰し、二人は無傷と言うことだな?」
怪我なんて、しないしさせませんよ、フィーアだって、フラれましたが好きな子には変わりがありませんから。
「はい、二人が怪我をしたところは見たことがありません」
「私も、気付きませんでしたわ」
「ふむ、そのフィーアと申す者は?」
お義父さんがフィーアに興味を?
「この街の学院に通っております、私達の昔のパーティーメンバーの娘です」
「おい、サーバル、お主のパーティーメンバーなら真祖の食堂、美味い飯屋であろう、よくお忍びで使う場所だ、家令よ、その者達を夕食に誘うのだ」
「はっ、では少し席を離れることをお許し下さい」
「うむ、行け」
「はっ」
おっと、探しに行かなくてもフィーアに会えそうです。
ティは、ぽろぽろと涙を流しながら僕のために。
「シャクティ、だが」
すると奥様が公爵様を遮り、話し始めました。
「あなた、叙爵は一旦保留としてはいかがですか? ライはまだ十歳、貴族の柵に囚われるには早いと、ここは婚約者だけでよろしいのではなくて、シャクティもライの事を好いている様子、その様な事で不仲にしてしまっては、シャクティに、それにライにも嫌われてしまいますわよ」
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「ブラフマー公爵様、ライの事をそこまで」
そうです父さん、面識もなく、報告を受けただけでそう思うのは、僕も不自然だと思います。
「うふふ、違うのよ、あの女誑し第一王子からの求婚を止めるための策でしたわ、最初はね」
第一王子との? 兄さん達に負けちゃった王子様だよね? 奥様。
「うむ、あやつにだけは嫁がせたくはない、女誑しなど可愛いものだ、口止めされているのでなここでは言えんが兄も知っている、次期国王は第一王女が即位し女王になるか、第二王子でも懐妊してくれ無ければ、シャクティか、私の二人目の妻が産んだ息子かを推すつもりであったからな」
え? 奥さん二人いるの! じゃなくて、王子様って婚約者じゃないの? あっ!
『第一王子との婚約者候補なんだよ』
そうです! 隊長が言ったのは候補だからまだ確定では無かったのですね!
ん~、では王子様ってどんな人なの?
「ライ、シャクティの事は頼めるか?」
「ライ、お願いしますね、貴族である女性の肌を見てしまったのですからね、うふふふ」
「ライ······」
公爵様、奥様、それに不安そうなティ。
父さん、母さん、僕は。
「ティ、僕はこの世界を見て回りたいんだ、色んな物を自分の足で目で見て回りたいとずっと思っていたんだ、そんな僕の婚約者になって貰えるかな」
「はい、お慕いしておりますので、末永くよろしくお願い致します」
ティは、ソファーから立ち上がり、とととっと真ん中にあったテーブルを迂回し僕の胸に飛び込んできました。
僕はティを抱き止め、初めての彼女を通り越し、婚約者が出来た瞬間でした。
「ははっ、ライ、責任重大だな、シーや、アースより先に婚約者が決まったなんてな」
父さん。
「うふふ、二人にも良い娘は居ますわよ」
うんうん、母さん僕もそう思います。
「うむ、これで兄に報告すれば良いだろう、シャクティ、ヤツからの贈り物は?」
僕の胸から顔をあげたティは、少し涙の後は残っていますが、笑顔になりました。
「ん? 手も付けていませんわよ、何度かお会いしましたが、どうにも気分が悪くなりますから、ステファニーにどこかに持っていってと言いましたわ、そうよね、ステファニー」
「はい、地下の使われていない牢屋の一室をお借りして放り込んであります、いずれも、輸送用の木箱から出しておりませんので、計十八箱あります、送り返しますか?」
おお、中々まめにプレゼントしているのですね。
僕も何か送ろうかな、結婚を前提だと指輪かな? ドワーフの国に修行しに行くのも良いかもしれませんね。
「ふむ、手を付けていないなら、学院に行くのだ、私も付いて行き、兄を通して返しておこう、ちょうど十日後に王都に出向くのでな、ステファニー、私の王都行きに一台馬車を追加と、荷物の運び出しを頼めるか?」
「はっ! シャクティ様もそれに会わせて王都に向かわれるのですか?」
「うむ、さてどうしたものか、学院の始まる前には向こうに行っておかねばならん、おい、学院はいつからだ?」
公爵様の、お義父さんと言った方が良いのかな? 後ろを振り向き家令さんに尋ねます。
後ろに立っていた家令さんが言うには。
「四日後からでございます。明日には出発しませんと間に合いません、それも四頭引きの速度が出る馬車でですね」
「確か兄も学院顧問として出席であったな、ふむ困った」
「母さん、転移の魔法で飛んで行く事は出来ないのですか?」
転移で行けるなら、明日一日ゆっくり休んでからでも大丈夫だと思うのですが。
「うふふふ、そうですわねシーとアースに会いに行くのも良いかもしれませんわね、公爵様、私が転移で飛びますわよ」
「おお! それは助かる、荷物はどうするか」
「ライに任せれば問題解決ですわよ、収納の魔法? スキルを持っていますから、たっぷり入りますよね?」
ティが僕のスキルをお義父さんに進めていますが、どれくらい空きがあるのか······! そうです、要らない物、ゴブリンはムルムルが、やっぱりオークの方が良いかな、なのでオークは食べるから置いておいて、ゴブリンや魔狼なんかは売ってしまえば空きは出来る筈。
「ちょっと心配だから、中の魔物を売れば空きは出来ると思いますよ、馬車も数台入ると思います」
皆が、目を見開き僕の方を見てくるのですが。
「ライ、収納のスキルを持っているの? 鑑定は使っているところを見て知っていますが、収納のスキルは長年商人として来た者がごく稀に覚えるものですよ、それも馬車など収納できるなんて聞いた事も無いわよ」
「え? そうなのですか? 冒険者ギルドに登録した時には馬車も入りましたよ、マシューにお願いされて車軸が壊れて、馬車用の納屋に運びましたから、それに大量のオーク肉も保管庫代わりに数十匹分、そうそう、あのオークが大発生した時の物ですがお安く手に入るとの事でいっぱい買いました」
「「え?」」
父さん母さん、間抜けなお顔をしていますよ、くふふ。
「あの百匹の群れだよな、あの後、毎日オークが食事に出てきていたが」
「はい、それです、それに今もマシューに沢山シチューやパンなどを作って持っていますよ」
「ふ、ふむ、ではそれらを出せば荷物や馬車は入ると、そう言う事だな?」
「いえ、ゴブリンなどの要らない魔物を売ればですね。凄く沢山ありますから」
皆がジト目で見てきます。
「ライ、十歳まで討伐は駄目だと言っていた筈だが、沢山? 家を出ていってから、そんなに倒したのか? 数十匹以上を?」
あ、あぁぁぁぁ~! そ、そうでした! 約束してました······
「ご、ごめんなさい、フィーアと一緒にゴブリンの村とかオークの村とか潰してました······」
頭を下げて床を見ながらなので、皆の様子が見えないので、どんな状況なのかは分かりません。
「まあ、素晴らしいですわねライ、村をそのフィーアさんとお二人で潰してしまわれるなんて、お父様、お父様の家臣達で出来ますか?」
「無理だな、軍を率いてなら、手傷は負うだろうが、しかし、サーバル男爵、お主が気付かないとすれば、怪我もなくそのフィーアと二人で潰し、二人は無傷と言うことだな?」
怪我なんて、しないしさせませんよ、フィーアだって、フラれましたが好きな子には変わりがありませんから。
「はい、二人が怪我をしたところは見たことがありません」
「私も、気付きませんでしたわ」
「ふむ、そのフィーアと申す者は?」
お義父さんがフィーアに興味を?
「この街の学院に通っております、私達の昔のパーティーメンバーの娘です」
「おい、サーバル、お主のパーティーメンバーなら真祖の食堂、美味い飯屋であろう、よくお忍びで使う場所だ、家令よ、その者達を夕食に誘うのだ」
「はっ、では少し席を離れることをお許し下さい」
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