俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

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第一章

第41話 物造り

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 かんぬきの一本目が外され、二本目に取りかかった時、俺達はまだカルパのおっさんに捕まっている。

「なあカルパのおっさん、門が開くぞ?」

「ん?」

 おっさんは門を見て、門前の広場から見える大通りを見た。

 つられて俺も見てしまったんだが、そこには黒塗りの貴族が乗るような馬車が。

「来たようですね、ほら、あの馬車の後ろにチラっと見えるでしょ?」

 よく見ると貴族の馬車、護衛の騎馬に乗った兵士の後ろに冒険者が見えた。

「なるほどな、貴族の馬車に前を行かれたら抜くに抜けねえのか」

「それにしても立派な馬車ですね」

「ええ。フィアナランツァ公爵、コバルト・グ・フィアナランツァ公爵様の馬車ですからね」

 公爵様がこの街に来てたんか、名前は知らねえけどよ。

 この商隊も公爵様の前を行かねえようにゆっくりしてるんだな。

 広場に入り、門に向かってきた馬車が止まり町を出る手続きをしているようだ。

 そして、ようやく俺達と一緒に護衛するパーティーが合流できた。

「カルパさん、遅くなり申し訳ない」

 男六人のパーティー内、俺と同じように背中に剣を背負っていて頬に傷がある、日に焼けた大男が頭を下げながら走りよってきた。

「構いませんよ、私達も公爵様達の後ろを行きますのでね、それから今回一緒に護衛をしてもらう――」

 見た目と反して礼儀正しそうな兄ちゃんだな。

 おっ、そうだ一緒にやるんだ、名前は言っておかないとな。

「ケントだ、剣が使える。こっちは――」

「はわわ、プ、プリムでしゅ! 攻撃魔法が少し使えます!」

 俺に続きプリムも自己紹介、兄ちゃんは頷き、簡単に自分と仲間の名前と役割を教えてくれた。

「すまねえな、護衛は初めてだからよ、色々聞いたりして迷惑かけっかもしんねえけど、よろしくな」

「よろしくお願いいたします」

 俺達は握手を交わし、それぞれ乗る馬車に別れる。

 兄ちゃん達は三人ずつに別れ、先頭と最後尾に、俺達は真ん中の馬車に乗る事になった。

 真ん中の幌馬車に向かい、二人の御者に挨拶をした後、屋根にアンラは登ってそこで見張るようだ。

 俺もそこが良かったんだが、流石に潰れそうだったから仕方なく荷台の一番に後側に乗り込む。

 公爵様の馬車が動きだし、門を出ていく後を少し離れて俺達も村に向けて走り出す。

 乗っている馬車の御者から聞いた事では、貴族の旅は遅いそうだ、ガタガタが激しくなくて、尻も痛くなくて助かるんだが、村まで行くのに二日ほど余計に日にちがかかるそうだ。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「できました! これでクロセルさんを担ぐ時、肩が痛くなりませんよ!」

 夜営で見張りの時にプリムが俺に付き出した物は、先日から作っていた肩掛け用のベルト。

 細いつたで適当に作ったロープで、鞘を無理矢理縛って担いでいたんだが、途中に寄った川で体を洗った時だ、肩にあったっていた蔦が擦れてついたあざができていた。

 それを見たプリムはその後グリーンウルフの皮を使い、作ってくれたようだ。

「まったく、蔦を使うにしたって採取したまま使っているのですから怪我もしますよ」

「お、おう。ありがとうな、その内慣れると思ってたんだがよ。んと、こうか?」

 ベルトと言ってもほとんど胸当てだな。

 腕を通して装備、ベストのような形で、胸のところを革紐で縛ってしまう。

 装備してから気付いたが、背中側だからクロセル固定はプリムに頼んだ。

「どうですか? 形は見た事があるのですが、初めて造ったので」

 焚き火に照らされて少し不安そうな顔で見てくる。

 俺は体を捻ったり、手をぐるぐる回したりと引っ掛かったり、当たって痛いところなんかを調べる。

「おお! 体にピッタリしててよ、クロセルは初めっから重くなかったが、こりゃ、背負っているのを忘れそうだぜ」

 まっすぐ立ち、全身の力を抜く。

 いつもの練習の最初、クソ爺に習った型を一からやってみる。

 体技が終われば次は剣技、馬車にあった天秤棒で槍技の型を一通りやってしまう。

「スゲエぞ! 普通の服だけより動き安いし、どこも違和感ねえ! プリム、良いの造ってくれたな『物造り』スゲエぞ!」

「喧しい! 大人しく見張りしやがれ! 交代しねえぞ!」

 テントから怒鳴り付ける声が聞こえた。振り向くと交代のため先に寝ている兄ちゃんが顔を除かせていた。

 騒ぎすぎたようだ……。

 俺とプリムは顔を見合わせ声を出さずに笑ってしまったが、そこにアンラがやって来て、一応念話で話しかけてきた。

(へえ。中々格好いいじゃない。プリム、私のは?)

 まだ天秤棒を持ってる俺の回りを歩いて回り、そんな事を。

「えと、アンラさんですか? 武器は何を装備しますか?」

「胸当てで良いんじゃねえのか? コイツの武器は爪だろ? あっ、アンラお前魔法の杖とか持たねえのか?」

 まわりに聞こえないように小さな声で俺達は話す。

(そうね……使えなくはないけど、武器なんかほとんど使ったことないし、胸当てで良いわ)

 アンラはぺちゃんこの胸をペシペシ叩きながらプリムの方へ行き、顔だけ俺に向けて皮を出せと言ってくる。

「そうだな、どうせならプリムの分も造れよ、皮はまだそんくらい余裕であるからよ」

「はい。ではみんなでお揃いにしちゃいましょう」

 俺は焚き火前に戻り、座った後適当な大きさの皮を出していると、プリムはアンラの寸法を調べ、自分のも同じようにしている。

『魔物が来るようです。まだまだ遠いですし、数も少ないようですが気配の動きはこちらに向かっていますね、深夜にはここに来るでしょう』

 クロセルが魔物の気配を感じ取ったよあだ。

「分かった、来たなら俺がやっつけるからよ、安心してくれ」

 さあ、一応知らせておくか。
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