俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

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第一章

第18話 グール

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「なあアンラ、お前の言う通りお墓の掃除依頼を請けたけどよ、普通教会がやってるもんじゃねえのか? 村では俺がいっつもやってたからよ、得意って言えば得意なんだが、俺は魔物をやっつけたりするのがしたいんだよなぁ」

「まあまあ、昔から冒険者ギルドって言うのはね、色んな依頼を請けてた方がランクも上がりやすいって言うのが常識よ」

(知らないけどね~、今日はあなたのご期待通り魔物退治ができるでしょうし)

「そうなんか? まあそれなら良いけどよ、おっ、この街の教会が見えてきたな」

「んじゃここから念話にするからね~、頑張れ~」

「おう」

 お墓はだいたい村外れや街の外れにあるものだ、この街もやはり外壁近くに教会がある。

 流石に街の教会はデカさから違うな、クソ爺の教会の三倍······いや四倍はありそうだ。

 正面にある三段だけの階段を上り両開きの扉を開け中に入ったんだが――。

「スゲー。全然違うじゃねえか。これなら百人はお祈りに入れるぞ。長椅子もどんだけあんだよ。村のは四脚だぜ」

「冒険者さん、おはようございます。今日はどのような用件でいらっしゃったのかな?」

 俺が驚いて声を出していたので気付いたここの教会の人だな。白いローブを着てるしよ。

「おう。おはよう。冒険者ギルドに出ていたお墓の掃除に来たんだ。ほら依頼書」

 礼拝所の掃除をしていたが俺の言葉を聞いて、雑巾を足元の水桶に入れてこっちに近付いてきた。

「それはそれはご苦労様です。先日から始まった洗礼の儀に、ほとんどの者が近隣の村に出払っていまして、お墓の掃除に手が回らず、この時期はいつも冒険者さんにお願いしているのですよ」

「それでか。お墓の掃除は教会がするもんだしな。俺もクソ爺に手伝わされて週に一回はやってたからよ」

「おやおや、それは頼もしいですね。では細かな事は同じですからお願いできますか。掃除用具の場所に案内させてもらいますね」

 俺が経験者と言った途端、一瞬驚いたような顔をしたおっさんだが、笑顔に変わりお墓の掃除用具がある場所まで案内してくれた。

 礼拝所から奥の扉を抜け裏に抜けた所がお墓のようだ。

 おっさんはクソ爺と同じ司祭で、今年の洗礼の儀は留守番で、この街の担当になったそうだ。この街の洗礼者も多くて今日も何人か来るそうだから、簡単に手順は聞いて戻ってもらわないとな。

 ん? クソ爺は洗礼できないのか? やってるところ見たこと無いな。って事はこのおっさんの方が偉いんだな。

 おっと、ふむふむ、手順は落ち葉を集めて燃やす事と、墓石に付いた汚れを簡単で良いから払い落としす事、そして最後に燃やす場所を聞いて、村と同じだと分かった。

「ほう、クルト司祭様が育てていた子供がケント君なのですね。何度か聞いたことがあります。なるほど、それなら掃除のやり方は分かるはずですね」

「まあな。でも教会のデカさから考えっと墓の数も多そうだな、こりゃ気合い入れっか」

「くふふ。はい、お願いしますね。裏庭の扉を抜けるとお墓です。街側からも入れますがこの時間ですとまだ参拝者は着ていても少ないと思いますが邪魔はしないように心掛けて下さいね、それと井戸はここを使うのが一番近いですね」

「おう。司教のおっさん任せとけ、まずは落ち葉からやっちまうよ」

 司教のおっさんはお墓への扉の鍵を開け、引き開けたんだが――っ!

「のわっ! おっさん下がれ! グールだ! 俺がやっつける!」

「ひぃー! な、なぜグールが! それもこんなに沢山!」

 走りよってくる犬っぽいが魔物のグール。俺はおっさんを引っ張り体を入れかえ、裏庭からお墓にクロセルを背中から引き抜き飛び出した。

(やったじゃんケント~、魔物退治だよ~頑張れ~)

「おう! クロセル! 頼むぜ!」

『はい。数は多いですが、この程度の魔物の浄化は覚醒すればあっという間ですよ、いきますよ!』

 クロセルの返事が来て、ぐわっと力がみなぎってきた。

「なっ! ケント君その姿は! あっ危ない!」

「うおぉおりゃぁぁー!」

 数十匹が一斉にこっちに気付き凄い勢いで襲い掛かって来る。

 先頭の三匹が一気に飛び掛かって来やがった。だがクロセルを横薙に振るい胴体を何の抵抗もなく両断してやる。

(ケント~、噛まれたり爪でひっかかれたりしないでね~毒持ちだし~。ふぁぁ。頑張れ~)

 記が抜けそうなアンラの応援で、ちいとばかり硬くなってた肩の力が抜け、次々と襲い掛かるグールを切り裂いていく。

「おらおらおらおら! なっ! 相手は俺だ! 司教のおっさんに飛び掛かんじゃねえ! おりゃ!」

「ひぃー! す、凄い、洗礼を受けたばかりの子供のケント君がこれほどの強さ、この数のグールなど、Cランクいえ、Bランクパーティーでも相当苦戦しそうなのに······」

 どんどん俺の方に飛び掛かってきては真っ二つにしてやるが、レイスと違い実体があるから足元に転がり邪魔で仕方がない。

「くそ、足場がねえじゃないか!」

『ケント。死んだグールを無限収納に取り込む許可を』

「無限収納って何だったか忙しくて思い出せねえが、クロセル頼む!」

『はい。収納! 残り三十二匹。お気を付けて』

 クロセルの『収納』って言葉で足元のグールが綺麗に無くなり動きやすくなったが、まだそんなにいるんかよ!

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「おいおい何だのあれ! グールが次々と倒されていくぞ! まずいぞこれは、どうすりゃいいんだよ!」

「しっ、デカい声出すな、誰が聞いているか分からない。結末を見てから一度領主様のところに戻り報告だ」

「マジかよ、なんだあの銀髪小僧は······クソッ、半分近くが倒されたぞ······何者だよ」
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