俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

文字の大きさ
16 / 149
第一章

第16話 冒険者初日

しおりを挟む
 ヒールの玉は勢い良く飛んで、俺の声に驚いてこっちを向いた姉ちゃんの方へ。

 そして狙い通り首へぐるりと巻き付いてるモヤモヤのレイスにヒールの玉は二発とも命中した。

「オマケだ、ヒール!」

 モヤモヤが薄れて姉ちゃんから離れて空に向かって浮き上がり消えていく。

 そしてオマケは姉ちゃんに吸い込まれ、見えてた青アザや擦り傷があったんだが綺麗に治ってきた――。

 おおー! ヒールすげー! あっ、なんだよ姉ちゃん小指が無いんか、ん~、不便だよな······。

「うっし、考えるよりもういっちょいくか! ぬぬぬぬ~ん! ハイヒール!」

 練習してデカくなったハイヒールの玉は姉ちゃんを包み込む······ちょい気合い入れ、じゃなくて魔力を入れすぎたのか? 無茶苦茶デカくなったな。

(うんうん。ちょい魔力入れすぎだけど、ちゃんと使えるようになったじゃん! 教え方が上手い! 流石よ私!)

「え? え? ハイヒール? どういう事? 嘘っ! 傷が消えていく! って角ウサギに齧られた小指が生えてる!」

(へ? ちょっとちょっと! 欠損したのを治すのはエクストラヒールよ! それはまだちゃんと教えてないでしょ! なんでハイヒールで欠損が治ってるのよ! 馬鹿? あなたやっぱり馬鹿じゃないの!)

 あっ、そういやそうだったな。指無いの治らねえかと思いながら気合い、じゃなくて魔力を込めたからか? まあ治ったなら良いよな。

 姉ちゃんを見ると、わたわたしながら生えてきた小指を見て、握ったり開いたりしてるし、近付いてきた俺にも視線を向けたりなんだか忙しそうだ。

「あの! これ、どうなったの? 怪我どころか先月の終わりに角ウサギ討伐失敗して、齧られた指まで治ってるんだよ! 教会でも相当な大金を出さないと欠損は治せないのよ!」

「ん~、俺さ、最近始めた回復魔法の練習したくてさ。ちょうど姉ちゃんが見えたから思わずやっちゃっただけだ。迷惑だったか?」

「ううん。そんな事ない! ありがとう。これならパーティーに戻れるわ」

 姉ちゃんはまた小指の生えた右手を見ながらニギニギとしている。

「あのね。噛み千切られたのは小指だけだったの。でも、他の指も動かなくなってさ、武器が持てなくなって、こうやってスライム捕獲したり、薬草の採取しかできなくなったのよ」

「おお、それなら良かったぜ。まあそんな訳だから金とか気にしなくて良いぞ」

(ちょっとくらいもらっておきなよ~、まあ良いけどね~ってじゃあ帰るんでしょ? スライム持って帰って宿も取らなきゃならないし)

「あっ、そうか。姉ちゃん良い宿知ってるか? あんまり金がねえからよ、できれば一人部屋が良いんだけどな」

「何度も言うけど本当にありがとう。助かったわ。そうね、宿なら私が泊まってる宿は安いわよ。それに私が出るから部屋も空くわ」

「姉ちゃんの部屋がなくなるじゃねえか、そんなの悪いよ」

「うふふ。私は元のパーティーに戻れるからね。この手が動くようになったら戻るって言ってあったから、パーティーの常宿に今日は潜り込むから」

 姉ちゃんの提案に乗る事にして、俺達は一緒に街に戻った。

 街に戻った俺達は、冒険者ギルドでスライムを買取りしてもらい、ついでにソラーレも従魔登録をしてもらった。

 ソラーレは珍しいスライムだったようで、またウサギの姉ちゃんは驚いていたが、クリーンスライム一万匹に一匹いるかどうかのスライムらしい。

「そんなに珍しいスライムなのにクリーンスライムよりいっぱいゴミを食べれるだけなんてね」

「良いじゃねえかいっぱい食べてくれれば、どんだけ魔物倒しても血抜きとか、いらないところを食べてもらえるんだろ?」

「それはそうね。普通なら地面を掘って埋めてしまわないといけないけど、その手間がなければ······私も探そうかしら。パーティーメンバーに相談しても良いわね。あっ、ここよ。冒険者ギルドが経営してる、ソロ専門の宿なの」

「近いじゃねえか! ってか目の前かよ!」

 冒険者ギルドを出て門前の広場を突っ切った所が言ってた宿で、姉ちゃんのパーティーの宿が隣だ······。

 宿に入り、一晩夜と晩飯に朝飯が付いて銅貨三枚······クソ爺に聞いていた大銅貨を払う宿って高級宿じゃねえのか?

 それに体を拭く時に使う水桶は鉄貨一枚で借りられる······だが俺はクリーンを使えるし、ソラーレが汚れを食べてくれるみたいで、一回やってくれと頼んだら、服について取れなかった汚れまで消えてしまった。

「滅茶苦茶すげえ。ソラーレありがとうな。飯も食ったし今日は寝るぞ。アンラはどうするんだ? 本なんか持ってきてねえし、夜営の時は森に入ってたよな?」

「ん~、そうね、散歩でもしてこよっかな。ここは二階だし、窓の鍵は開けておいてくれる? 勝手に出ていって勝手に戻ってくるし」

「おう。構わねえぞ、気を付けて行ってこいよ」

 寝台と小さな机、と椅子が一つしかない小さな部屋だ。俺は寝台にボフンっと飛び乗って、ぼわっとホコリが舞い上がったのを見て。

「なあソラーレ、この布団とか部屋の汚れは食べれるのか?」

「いけるんじゃない?」

 飛び乗った反動にも負けず頭の上のソラーレは、布団の上をもにょもにょ移動していく。

 通ったところはくすんだ白から真っ白に変わっていく······おいおい······滅茶苦茶汚れてたじゃねえか。

「ホコリまみれっていうか、あの娘が住んでて布団も交換したのよね? 綺麗に見えてたのに······」

「まあ安い宿だしこんなもんじゃねえの?」

「あはは······じゃあ私はホコリでくしゃみが出る前に遊びに行ってくるね~」

 そう言ってさっそく窓を開け、ぴょんと通りを挟んだ向こうの屋根に飛び上がり、その後もぴょんぴょん飛びながらどこかへ行っちまった。まあいっか。


(ん~、何か面白い事はないかなぁ~。おっ、あの大きな屋敷なら本があるかもね~、んじゃお勉強しちゃいましょう! んん? なんだろあれは······アイツらも忍び込むつもりなの?)
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...