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第一章
第9話 見えねえが変わるそうだ
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「ぐあぁぁぁー!」
俺より小さい紫の奴、真横に真っ二つにしてやったのに腰から上で突っ込んできて左肩に噛みつきやがった。
「くぅおのおやろぉぉぉー! 噛みつくんじゃねえー! おらおらおらおら!」
神剣の柄頭で、紫の奴を何度もシバきまわしてやる!
グボォ! グガァッ! ヘギュッ!
よし、噛みつきが弛んだ!
(ほらほら、そいつの下半身も近付いてきたよ~。って、近すぎて切り捨てられないみたいね~、あんまり気は進まないけど手伝ってやるかぁ~)
そう言ったアンラは紫の奴の頭を掴んだと思ったら乱暴に俺から引き離しやがった――っ!
「痛っ! くねえ! この紫やろう! よくもやりやがったな! さっさと消えちまえ!」
左手が上手く動かないから仕方なく片手で突きを入れてやる。
アンラに頭を掴まれたところを見ると指が食い込んでやがる――よし! ここだ!
グガァッと口を開け痛がってるが、神剣を俺はそいつの胸の真ん中にズブブブと突き立て、グリッとひねりも加えてやると、目玉と同じように薄れて消えていった。
「はぁ、はぁ、はぁ。おい! アシア、エリス、大丈夫か! それに噛まれた護衛のおっさんも!」
俺の背後にいるみんなに声をかけると、なんでか俺の頭の先から爪先までジロジロと、変なものを見るような顔をしている。
「ケ、ケントよね? 顔はケントだけど······」
アシアが喋りかけてきたが、俺は俺だぞ?
「うん。ケント君のはず、髪の毛が黒から銀髪で目が茶色から青に変わったけど、変わるの見たもん! ケント君!」
変わる? エリスも変なこと言ってくるが、アシアと共に駆け寄ってきて――。
「ケント!」
「ふげっ!」
――その勢いのまま、二人は俺に走り突っ込んできて、がばっと抱き付いてきた。
「痛っ――くねえ! ってか危ねえだろ! 俺は剣を持ってんだぞ! 気をつけろや!」
二人は俺に抱き付いてっから身動き取れねえが、床に膝をついてる肩を噛まれた護衛のおっさんも、助祭のおっさんに回復魔法を掛けてもらってるのか、顔色もよくなってっし、大丈夫そうだ。
だがその横にいるコイツら三人は······ガタガタ震えてっし、ションベンまで漏らしやがったな。
せっかく昨日虫干ししたってのに汚しやがって。
(ねえケント。今の見た? こんなの初めてだけど、よくある事なの? 下級レイスが実体を持つなんて、聞いたこともないわよ)
「知ら――」
やべえ、また独り言になるところだったぜ。
アンラ、俺は知らねえな、聞いたこともねえし、だがこれでそのお漏らし三人組に取り付いてたレイスはいなくなったんだろ?
(まあね~。まあ関係無いから私はどうでも良いけどケントは大丈夫? がっつり噛まれていたけどって治ってるじゃない。それも神剣の力かな?)
分かんねえが、うん。もうほとんど痛くねえって最初から痛くねえけどな。
服には穴が空いてっし、血で赤く染まってるから治ってるんだと思う。
何度か噛まれた側の手を開いたり握ったりもしてみるが、違和感も無いようだ。
「ってかくせえぞ! お前ら糞も垂れやがったのか! 掃除すんの俺なんだぞ! お前ら手伝ってから帰れよな!」
くせえと思ったら、コイツらさらにやりやがったんで、怒鳴り付けてしまった。
「「分かりまひたぁー!」」
おっと、剣を向けてしまったぜ。
三人は飛び起きるとお尻を押さえて、まだ震えてやがる。
まあ、一旦放っとくか、それより抱きつかれて動きづれえがなんとか剣を背中の鞘に入れて、まだ引っ付いて離れねえ二人の頭を撫でながら司教おっさんに話を聞いてみる。
「なあ司教のおっさん。こんな事よくあるんか? 俺は何回か洗礼の儀を見た事あるけどこんなの初めてだぞ」
「はい。ケント君の言う通り数例報告を受けていますね。ですから私も護衛の方を連れているのですが、本当に助かりました。ところでケント君······ですよね? その姿が変わっていますので」
「んー、どう変わってるんか分からん。自分じゃ見えねえしな」
やっぱ始めてじゃねえんだなと納得してると。
『脅威が去ったので神剣を封印します』
「ん? なんだ?」
(神剣だよ~。へぇ、喋れちゃうのか、まあ神様が造った物だしね~)
アンラ? 剣は喋らねえぞ? お前大丈夫か?
『マスターケント、クロセルという名をいただきありがとうございます。助言として悪魔アンラの封印を提言します』
(な、なーにを言ってるのかなぁー。ちゃんと大人しくしてるしー、今回もケントを助けたりしたんだよー、良い悪魔なんだよー)
「え? ええー! けんぐぐぐぐ!」
(ケント声に出てるから! ほ、ほら、こうやってケントが独り言とか言って変な奴だと思われないようにしてるじゃん! クロセル、だから封印は止めてよね!)
お、おう、そうだな、今回紫の奴に噛まれた時も助けてくれたから、俺は助かったぞ。ってかアンラ、息ができねえから手をどけてくれ。
アンラは俺のいう事に素直にしたがい口と鼻を押さえてた手を退けてくれた。
『······ではアンラの封印は一旦保留としておきましょう』
おう、そうしてくれ。
「髪の毛や目の色が戻どりましたぞ! ど、どういう仕組みなのでしょうか、ケント君、大丈夫なのかね?」
(ケント、ありがとう。暗闇は好きだけど、ひとりぼっちは好きじゃないから封印は勘弁してね)
おう。ってか、クロセル喋れるんだな、マジで驚いたぞ。
で、髪の毛や目の色が変わるってもしかしたらお前を解放したからって事か?
『はい、その通りです。私の力を解放すれば変わると理解してもらえれば。他に身体能力や、回復力の向上も同時に行っております』
おっと、アンラ、クロセルと話してたらみんなにジロジロ見られてた、えっと、なんだったかな、あっ、そうだったな。
「おう大丈夫だ。この通りピンピンしてるしな。怪我も治っちまったし問題ないぞ」
「ふむ。ケント君は浄化をできたのですね、流石はクルト司祭が育てただけあるのか······。ですが、姿形が変化するとは······まさか······ケント君は使徒?」
ん? しと? ······ってなんだ?
俺より小さい紫の奴、真横に真っ二つにしてやったのに腰から上で突っ込んできて左肩に噛みつきやがった。
「くぅおのおやろぉぉぉー! 噛みつくんじゃねえー! おらおらおらおら!」
神剣の柄頭で、紫の奴を何度もシバきまわしてやる!
グボォ! グガァッ! ヘギュッ!
よし、噛みつきが弛んだ!
(ほらほら、そいつの下半身も近付いてきたよ~。って、近すぎて切り捨てられないみたいね~、あんまり気は進まないけど手伝ってやるかぁ~)
そう言ったアンラは紫の奴の頭を掴んだと思ったら乱暴に俺から引き離しやがった――っ!
「痛っ! くねえ! この紫やろう! よくもやりやがったな! さっさと消えちまえ!」
左手が上手く動かないから仕方なく片手で突きを入れてやる。
アンラに頭を掴まれたところを見ると指が食い込んでやがる――よし! ここだ!
グガァッと口を開け痛がってるが、神剣を俺はそいつの胸の真ん中にズブブブと突き立て、グリッとひねりも加えてやると、目玉と同じように薄れて消えていった。
「はぁ、はぁ、はぁ。おい! アシア、エリス、大丈夫か! それに噛まれた護衛のおっさんも!」
俺の背後にいるみんなに声をかけると、なんでか俺の頭の先から爪先までジロジロと、変なものを見るような顔をしている。
「ケ、ケントよね? 顔はケントだけど······」
アシアが喋りかけてきたが、俺は俺だぞ?
「うん。ケント君のはず、髪の毛が黒から銀髪で目が茶色から青に変わったけど、変わるの見たもん! ケント君!」
変わる? エリスも変なこと言ってくるが、アシアと共に駆け寄ってきて――。
「ケント!」
「ふげっ!」
――その勢いのまま、二人は俺に走り突っ込んできて、がばっと抱き付いてきた。
「痛っ――くねえ! ってか危ねえだろ! 俺は剣を持ってんだぞ! 気をつけろや!」
二人は俺に抱き付いてっから身動き取れねえが、床に膝をついてる肩を噛まれた護衛のおっさんも、助祭のおっさんに回復魔法を掛けてもらってるのか、顔色もよくなってっし、大丈夫そうだ。
だがその横にいるコイツら三人は······ガタガタ震えてっし、ションベンまで漏らしやがったな。
せっかく昨日虫干ししたってのに汚しやがって。
(ねえケント。今の見た? こんなの初めてだけど、よくある事なの? 下級レイスが実体を持つなんて、聞いたこともないわよ)
「知ら――」
やべえ、また独り言になるところだったぜ。
アンラ、俺は知らねえな、聞いたこともねえし、だがこれでそのお漏らし三人組に取り付いてたレイスはいなくなったんだろ?
(まあね~。まあ関係無いから私はどうでも良いけどケントは大丈夫? がっつり噛まれていたけどって治ってるじゃない。それも神剣の力かな?)
分かんねえが、うん。もうほとんど痛くねえって最初から痛くねえけどな。
服には穴が空いてっし、血で赤く染まってるから治ってるんだと思う。
何度か噛まれた側の手を開いたり握ったりもしてみるが、違和感も無いようだ。
「ってかくせえぞ! お前ら糞も垂れやがったのか! 掃除すんの俺なんだぞ! お前ら手伝ってから帰れよな!」
くせえと思ったら、コイツらさらにやりやがったんで、怒鳴り付けてしまった。
「「分かりまひたぁー!」」
おっと、剣を向けてしまったぜ。
三人は飛び起きるとお尻を押さえて、まだ震えてやがる。
まあ、一旦放っとくか、それより抱きつかれて動きづれえがなんとか剣を背中の鞘に入れて、まだ引っ付いて離れねえ二人の頭を撫でながら司教おっさんに話を聞いてみる。
「なあ司教のおっさん。こんな事よくあるんか? 俺は何回か洗礼の儀を見た事あるけどこんなの初めてだぞ」
「はい。ケント君の言う通り数例報告を受けていますね。ですから私も護衛の方を連れているのですが、本当に助かりました。ところでケント君······ですよね? その姿が変わっていますので」
「んー、どう変わってるんか分からん。自分じゃ見えねえしな」
やっぱ始めてじゃねえんだなと納得してると。
『脅威が去ったので神剣を封印します』
「ん? なんだ?」
(神剣だよ~。へぇ、喋れちゃうのか、まあ神様が造った物だしね~)
アンラ? 剣は喋らねえぞ? お前大丈夫か?
『マスターケント、クロセルという名をいただきありがとうございます。助言として悪魔アンラの封印を提言します』
(な、なーにを言ってるのかなぁー。ちゃんと大人しくしてるしー、今回もケントを助けたりしたんだよー、良い悪魔なんだよー)
「え? ええー! けんぐぐぐぐ!」
(ケント声に出てるから! ほ、ほら、こうやってケントが独り言とか言って変な奴だと思われないようにしてるじゃん! クロセル、だから封印は止めてよね!)
お、おう、そうだな、今回紫の奴に噛まれた時も助けてくれたから、俺は助かったぞ。ってかアンラ、息ができねえから手をどけてくれ。
アンラは俺のいう事に素直にしたがい口と鼻を押さえてた手を退けてくれた。
『······ではアンラの封印は一旦保留としておきましょう』
おう、そうしてくれ。
「髪の毛や目の色が戻どりましたぞ! ど、どういう仕組みなのでしょうか、ケント君、大丈夫なのかね?」
(ケント、ありがとう。暗闇は好きだけど、ひとりぼっちは好きじゃないから封印は勘弁してね)
おう。ってか、クロセル喋れるんだな、マジで驚いたぞ。
で、髪の毛や目の色が変わるってもしかしたらお前を解放したからって事か?
『はい、その通りです。私の力を解放すれば変わると理解してもらえれば。他に身体能力や、回復力の向上も同時に行っております』
おっと、アンラ、クロセルと話してたらみんなにジロジロ見られてた、えっと、なんだったかな、あっ、そうだったな。
「おう大丈夫だ。この通りピンピンしてるしな。怪我も治っちまったし問題ないぞ」
「ふむ。ケント君は浄化をできたのですね、流石はクルト司祭が育てただけあるのか······。ですが、姿形が変化するとは······まさか······ケント君は使徒?」
ん? しと? ······ってなんだ?
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