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第1章
第33話 湖を楽しむ
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「はわわ! 来ましたですの!」
「イルちゃん頑張れ! って私も来ちゃいました!」
俺達はゴブリンとオークを倒しきった後、昨日と同じようにゴブリンを俺が吸収して、オークは肉が食用ということで収納。
金谷達が遊び半分で痛め付けていた二匹のゴブリンは吸収せずに収納しておいた。
その後、金谷達のことも気になったけど、当初の予定どおり街で買ってきた釣竿を使い、湖で釣りを始めたんだが、一投目から棒状のウキが沈み、二人の竿を曲げた。
「マジかよ! 二人とも竿を立てるんだ! 魚が弱るまで糸を切られないように耐えるんだぞ!」
「んぎぎぎ! おーもーいーでーすーのー!」
「イルちゃん頑張れ! 私も頑張る! ぬあっ!」
水際で腰を下ろし、両手で竿を立て踏ん張っているイルに茜ちゃんが声援を送る。
その茜ちゃんもしゃがみながらグイっと竿を立て、右に左にと走る魚に耐えていたんだが、茜ちゃんにかかった魚は、引く力に負けて水面から空中へ引き抜かれてしまった。
「はにゃ!」
「ぬおっ!」
魚の抵抗がなくなった茜ちゃんは、コロンと後ろに転び、空中へ引き抜かれた魚に飛ぶ力は無く、弧をえがき俺達の上を飛び越えて背後にトサッと落ちた。
落ちた魚を見るに今の俺の五倍ほどデカいってことが分かったんだが。
「すげー! 俺も釣りてー! って茜ちゃん、竿を置いてイルの援護を!」
「たーすーけーてーでーすーのー!」
「はわわ! イルちゃん今行きます!」
竿を手放し急いで立ち上がった茜ちゃんは、すぐ隣にいたイルにかけより、背後から抱きつくように手を伸ばして一緒に竿を握る。
それまで抵抗を続けていた魚も、引っ張られる力が二人分になったため、抵抗むなしく徐々に岸へ引き寄せられ、ついには岸に引っ張り上げられてしまった。
「やりましたのぉー! 大きいですの!」
「やったー! イルちゃんおめでとう♪」
「二人とも凄いよ! こんな大きいのが釣れるのかよ、俺も釣りてえー!」
釣り上げた二匹のシャケ? いや、シャケって湖にいる魚だったか? だけど形はどう見てもシャケにしか見えない……鑑定。
――――――――――――――――――――
ワイルドトラウト(オス) 食用、美味
※加熱して食べないと、高い確率で食中りを引き起こす寄生虫がいます。
ワイルドトラウト(メス) 食用、美味、卵巣あり
※加熱して食べないと、高い確率で食中りを引き起こす寄生虫がいます。
――――――――――――――――――――
トラウトは確かシャケで良いんだよな。
それに寄生虫は聞いたことある、確か、シャケ生で食べる場合は、冷凍して寄生虫を殺しておかないとお腹が痛くなるって。
だから昔は生でほとんど食べられなかったとを。
まあ、冷凍で無害になるんだし食用で美味しいようだ、それに片方はメスで卵巣ってことはイクラだよ! くくく、俺、好きなんだよな。
「よし、ワイルドトラウトって魚で食べられるぞ」
「「わーいですの♪」」
「良いなぁ、俺もこの体じゃなきゃ釣ってみたかったよ」
まあ、無理すれば竿を持つことも出きるだろうけど、俺の五倍はあるワイルドトラウトを釣り上げられる自信はない。
「じゃあ、冷凍して収納だけど、これさ、二匹で十分だよね?」
「こんなに大きな魚は全部食べられませんの」
「うん。切り身で十分だけど、このワイルドトラウトいったい何人前くらい?」
「十人は余裕だろうな、よし、血抜きするから茜ちゃん、ワイルドトラウトに近付けててくれる、あっちに人が来たから離さないようにね」
肩に乗ってた俺を持ち、二匹のワイルドトラウトに近付けてもらい、触手を二匹に伸ばして口から突っ込んで、針の刺さった傷から一気に血を吸い取ってみる。
「「ほおっ!」」
ワイルドトラウトは一瞬だけビクリと跳ね、二人を驚かせたが上手く血が抜けたようで動かなくなった。
あっ、ついでに鱗とか内臓は吸収しておくか。
「――よし、成功だね。後は凍らせるんだろ、だったら……フリーズ!」
ワイルドトラウトは、一瞬で表面に白い霜ができて、つついてみるとカチカチに凍っているのが分かった。
「ほへ~、カチカチですの、それに冷たくなりましたの」
「友里くんって、一家に一人いると絶対便利だよね」
ま、まあ、自分でもそう思うけどさ……。
「よし、収納っと。この後どうする? 俺の見た感じ、この湖って貝もいるよね、ほらそこ貝殻落ちてるし」
触手で指した砂地にアサリのような貝殻と、サザエのような物も落ちている
「うん、私も気になっていたんだけど……海じゃないんだよね?」
気になったから湖の水を鑑定したんだけど、やっぱり真水で、塩は少し含まれてるんだろうけど、ほぼないってことだ。
「鑑定したけど真水だね、ま、まあ異世界ってことで、納得するしかないよね」
少し複雑な気持ちもあるけど、竿を収納して、今度は薬草採取用のスコップを取り出してあげる。
スコップを受け取ると不思議な顔をして『薬草はここに無いですの、森に行きますの?』とイルは聞いてきたが、茜ちゃんは笑顔で『イル見ててね』と見本を見せるように湿った砂地に小さな穴があるところを掘り出す。
しゃくった砂を横に捨て、二回目を掘った時、カチっと金属製のスコップが、何か硬い物に当たる音がした。
そして慎重に掘り起こした砂の中に、貝殻を鑑定して出た物と同じ大きさの貝、スモールクラムって言う二枚貝が出てきた。
「ははっ、こんなに簡単で良いのか? まあこれも食用だし、美味しいって出てたから、食べられそうな分だけ取ろうか」
「「は~いですの♪」」
掘り出した二人の間に水桶を出してやり、伸ばした触手を湖につけて、水を収納。
水桶に少し出して、取れた貝を入れてもらうことにした。
食べきれなかったら、逃がすことも出きるだろうしね。
少しずつ移動しながら二人は小さな水桶の半分ほどのスモールクラムを採取すると、ちょうどお昼時になっていたので、このピクニックに来た目的の一つ、バーベキューをすることにした。
「イルちゃん頑張れ! って私も来ちゃいました!」
俺達はゴブリンとオークを倒しきった後、昨日と同じようにゴブリンを俺が吸収して、オークは肉が食用ということで収納。
金谷達が遊び半分で痛め付けていた二匹のゴブリンは吸収せずに収納しておいた。
その後、金谷達のことも気になったけど、当初の予定どおり街で買ってきた釣竿を使い、湖で釣りを始めたんだが、一投目から棒状のウキが沈み、二人の竿を曲げた。
「マジかよ! 二人とも竿を立てるんだ! 魚が弱るまで糸を切られないように耐えるんだぞ!」
「んぎぎぎ! おーもーいーでーすーのー!」
「イルちゃん頑張れ! 私も頑張る! ぬあっ!」
水際で腰を下ろし、両手で竿を立て踏ん張っているイルに茜ちゃんが声援を送る。
その茜ちゃんもしゃがみながらグイっと竿を立て、右に左にと走る魚に耐えていたんだが、茜ちゃんにかかった魚は、引く力に負けて水面から空中へ引き抜かれてしまった。
「はにゃ!」
「ぬおっ!」
魚の抵抗がなくなった茜ちゃんは、コロンと後ろに転び、空中へ引き抜かれた魚に飛ぶ力は無く、弧をえがき俺達の上を飛び越えて背後にトサッと落ちた。
落ちた魚を見るに今の俺の五倍ほどデカいってことが分かったんだが。
「すげー! 俺も釣りてー! って茜ちゃん、竿を置いてイルの援護を!」
「たーすーけーてーでーすーのー!」
「はわわ! イルちゃん今行きます!」
竿を手放し急いで立ち上がった茜ちゃんは、すぐ隣にいたイルにかけより、背後から抱きつくように手を伸ばして一緒に竿を握る。
それまで抵抗を続けていた魚も、引っ張られる力が二人分になったため、抵抗むなしく徐々に岸へ引き寄せられ、ついには岸に引っ張り上げられてしまった。
「やりましたのぉー! 大きいですの!」
「やったー! イルちゃんおめでとう♪」
「二人とも凄いよ! こんな大きいのが釣れるのかよ、俺も釣りてえー!」
釣り上げた二匹のシャケ? いや、シャケって湖にいる魚だったか? だけど形はどう見てもシャケにしか見えない……鑑定。
――――――――――――――――――――
ワイルドトラウト(オス) 食用、美味
※加熱して食べないと、高い確率で食中りを引き起こす寄生虫がいます。
ワイルドトラウト(メス) 食用、美味、卵巣あり
※加熱して食べないと、高い確率で食中りを引き起こす寄生虫がいます。
――――――――――――――――――――
トラウトは確かシャケで良いんだよな。
それに寄生虫は聞いたことある、確か、シャケ生で食べる場合は、冷凍して寄生虫を殺しておかないとお腹が痛くなるって。
だから昔は生でほとんど食べられなかったとを。
まあ、冷凍で無害になるんだし食用で美味しいようだ、それに片方はメスで卵巣ってことはイクラだよ! くくく、俺、好きなんだよな。
「よし、ワイルドトラウトって魚で食べられるぞ」
「「わーいですの♪」」
「良いなぁ、俺もこの体じゃなきゃ釣ってみたかったよ」
まあ、無理すれば竿を持つことも出きるだろうけど、俺の五倍はあるワイルドトラウトを釣り上げられる自信はない。
「じゃあ、冷凍して収納だけど、これさ、二匹で十分だよね?」
「こんなに大きな魚は全部食べられませんの」
「うん。切り身で十分だけど、このワイルドトラウトいったい何人前くらい?」
「十人は余裕だろうな、よし、血抜きするから茜ちゃん、ワイルドトラウトに近付けててくれる、あっちに人が来たから離さないようにね」
肩に乗ってた俺を持ち、二匹のワイルドトラウトに近付けてもらい、触手を二匹に伸ばして口から突っ込んで、針の刺さった傷から一気に血を吸い取ってみる。
「「ほおっ!」」
ワイルドトラウトは一瞬だけビクリと跳ね、二人を驚かせたが上手く血が抜けたようで動かなくなった。
あっ、ついでに鱗とか内臓は吸収しておくか。
「――よし、成功だね。後は凍らせるんだろ、だったら……フリーズ!」
ワイルドトラウトは、一瞬で表面に白い霜ができて、つついてみるとカチカチに凍っているのが分かった。
「ほへ~、カチカチですの、それに冷たくなりましたの」
「友里くんって、一家に一人いると絶対便利だよね」
ま、まあ、自分でもそう思うけどさ……。
「よし、収納っと。この後どうする? 俺の見た感じ、この湖って貝もいるよね、ほらそこ貝殻落ちてるし」
触手で指した砂地にアサリのような貝殻と、サザエのような物も落ちている
「うん、私も気になっていたんだけど……海じゃないんだよね?」
気になったから湖の水を鑑定したんだけど、やっぱり真水で、塩は少し含まれてるんだろうけど、ほぼないってことだ。
「鑑定したけど真水だね、ま、まあ異世界ってことで、納得するしかないよね」
少し複雑な気持ちもあるけど、竿を収納して、今度は薬草採取用のスコップを取り出してあげる。
スコップを受け取ると不思議な顔をして『薬草はここに無いですの、森に行きますの?』とイルは聞いてきたが、茜ちゃんは笑顔で『イル見ててね』と見本を見せるように湿った砂地に小さな穴があるところを掘り出す。
しゃくった砂を横に捨て、二回目を掘った時、カチっと金属製のスコップが、何か硬い物に当たる音がした。
そして慎重に掘り起こした砂の中に、貝殻を鑑定して出た物と同じ大きさの貝、スモールクラムって言う二枚貝が出てきた。
「ははっ、こんなに簡単で良いのか? まあこれも食用だし、美味しいって出てたから、食べられそうな分だけ取ろうか」
「「は~いですの♪」」
掘り出した二人の間に水桶を出してやり、伸ばした触手を湖につけて、水を収納。
水桶に少し出して、取れた貝を入れてもらうことにした。
食べきれなかったら、逃がすことも出きるだろうしね。
少しずつ移動しながら二人は小さな水桶の半分ほどのスモールクラムを採取すると、ちょうどお昼時になっていたので、このピクニックに来た目的の一つ、バーベキューをすることにした。
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