10 / 48
第1章
第10話 脱出の兆し ①
しおりを挟む
「いやぁぁぁー! ユウリィィー!」
『収納!』
『あははははは♪ お見事だよ東雲友里君! 炎と鍛冶の神、ヘーパイストスの神器を全て収納しちゃう事で守護者を倒しちゃうなんて、面白いものを見せてもらったよ♪』
リビングアーマーが消えて、足場がなくなったから、ポテっと床に着地したところにイルが涙と鼻水でくちゃくちゃな顔をして走りよって来た――と思ったら、俺を掬いあげ、胸に抱いた後、さらに持ち上げどろどろの可愛い顔の前に。
「ばべ? じんでないでずの? いぎでまずの?」
『うん、生きてるよイル。バレないように移すのちょっと難しくて、間違えば本気で死ぬかと思ったけどね』
精神耐性様々だよまったく。
イルは俺がどうなったのか、どうやって生きていたのか分かってないって言うから説明してやることにした。
『最初に触手を切られた時、リビングアーマーの足に切られた触手が張り付いたんだ』
真剣な顔の前に俺を持ち上げて聞いている。
『その時はヤバいとしか思えなかったんだけど、その切り飛ばされた俺の一部はナゼか動かせたんだよ。それなら少しずつ体を移していけば、リビングアーマーにくっついてる方が本体になるんじゃないかと思ってね』
「な、なるほどですの!」
『少しずつ気付かれないように本当に少しずつ体を移して、鎧の中に潜り込ませて、中でまとまることにしたんだ。それで少しずつ大きくなりながら胸のあたりにまとまってね』
「無くなっちゃったと思いましたのに、守護者の中にいたのです!」
『それから収納するには触れてないと駄目なのと、俺の……意識で良いのかな、本体が触れてないと駄目なんだと分かったんだ。既に胴体には小さい体がくっついていたのに収納できなかったからね』
イルは俺の話を真剣……興味津々で聞いている。
目は涙に濡れて、鼻からは鼻水が出たままだけど、悲しんだり、疑問を浮かべる表情ではなくなって、もっと知りたいって顔をしているから話を続けた。
『まあそれで、引っ付いた小さい俺を動かして兜と鎧の下半身、腕にも触手を伸ばして、最後はガントレットって分かるかな? 金属で造られたグローブなんだけど、少しあった隙間から剣にも触れて準備が終わったんだよ』
でもその頃には外で頑張ってる俺は二センチほどしか無くなっていたんだけどね。
ふんふんと鼻息荒く、アクション映画のラストシーンでも観ているのかと思えるほど興奮しているイル……。
『そ、そして外の体が最後の一撃を受けた時、意識をリビングアーマーに入り込んだ中の体に移したんだ』
『ほんと、あり得ない事を考えたものよね~、精神耐性と、そう言えば苦痛耐性もか、まあスライムには痛覚が元々ないんだけどね、でもそれがなきゃ体をわざと切らせるなんて普通考え付かないわよ、そうだ、ヘーパイストスには今度教えてあげよっと』
ロリっ子よ、その方って神様でしょ? お願いだから変な言い方しないで、一応謝っておいてね。
ロリっ子が変なことを言うから意識がそっちに行ったが、イルは俺を両手で掲げ上げている。
「凄いのですよ! 四天王の不死王ヴァンより死なないのです!」
『おお! 四天王! 不死王ヴァン! 響き的に吸血鬼かな? ってか、ロリっ子まだいる? この鎧セット持ってれば外に出れるかな』
『出れるよ~、その鎧を装備したらほとんどの結界や封印でも無効に出きるだろうからね~。よ~しヘーパイストスのところに遊びに行っちゃおっと、またね~東雲友里君』
は? 装備って無理に決まってるじゃん! 俺スライムだよ! 兜とかだけでいいの? って聞いてる!?
『収納!』
『あははははは♪ お見事だよ東雲友里君! 炎と鍛冶の神、ヘーパイストスの神器を全て収納しちゃう事で守護者を倒しちゃうなんて、面白いものを見せてもらったよ♪』
リビングアーマーが消えて、足場がなくなったから、ポテっと床に着地したところにイルが涙と鼻水でくちゃくちゃな顔をして走りよって来た――と思ったら、俺を掬いあげ、胸に抱いた後、さらに持ち上げどろどろの可愛い顔の前に。
「ばべ? じんでないでずの? いぎでまずの?」
『うん、生きてるよイル。バレないように移すのちょっと難しくて、間違えば本気で死ぬかと思ったけどね』
精神耐性様々だよまったく。
イルは俺がどうなったのか、どうやって生きていたのか分かってないって言うから説明してやることにした。
『最初に触手を切られた時、リビングアーマーの足に切られた触手が張り付いたんだ』
真剣な顔の前に俺を持ち上げて聞いている。
『その時はヤバいとしか思えなかったんだけど、その切り飛ばされた俺の一部はナゼか動かせたんだよ。それなら少しずつ体を移していけば、リビングアーマーにくっついてる方が本体になるんじゃないかと思ってね』
「な、なるほどですの!」
『少しずつ気付かれないように本当に少しずつ体を移して、鎧の中に潜り込ませて、中でまとまることにしたんだ。それで少しずつ大きくなりながら胸のあたりにまとまってね』
「無くなっちゃったと思いましたのに、守護者の中にいたのです!」
『それから収納するには触れてないと駄目なのと、俺の……意識で良いのかな、本体が触れてないと駄目なんだと分かったんだ。既に胴体には小さい体がくっついていたのに収納できなかったからね』
イルは俺の話を真剣……興味津々で聞いている。
目は涙に濡れて、鼻からは鼻水が出たままだけど、悲しんだり、疑問を浮かべる表情ではなくなって、もっと知りたいって顔をしているから話を続けた。
『まあそれで、引っ付いた小さい俺を動かして兜と鎧の下半身、腕にも触手を伸ばして、最後はガントレットって分かるかな? 金属で造られたグローブなんだけど、少しあった隙間から剣にも触れて準備が終わったんだよ』
でもその頃には外で頑張ってる俺は二センチほどしか無くなっていたんだけどね。
ふんふんと鼻息荒く、アクション映画のラストシーンでも観ているのかと思えるほど興奮しているイル……。
『そ、そして外の体が最後の一撃を受けた時、意識をリビングアーマーに入り込んだ中の体に移したんだ』
『ほんと、あり得ない事を考えたものよね~、精神耐性と、そう言えば苦痛耐性もか、まあスライムには痛覚が元々ないんだけどね、でもそれがなきゃ体をわざと切らせるなんて普通考え付かないわよ、そうだ、ヘーパイストスには今度教えてあげよっと』
ロリっ子よ、その方って神様でしょ? お願いだから変な言い方しないで、一応謝っておいてね。
ロリっ子が変なことを言うから意識がそっちに行ったが、イルは俺を両手で掲げ上げている。
「凄いのですよ! 四天王の不死王ヴァンより死なないのです!」
『おお! 四天王! 不死王ヴァン! 響き的に吸血鬼かな? ってか、ロリっ子まだいる? この鎧セット持ってれば外に出れるかな』
『出れるよ~、その鎧を装備したらほとんどの結界や封印でも無効に出きるだろうからね~。よ~しヘーパイストスのところに遊びに行っちゃおっと、またね~東雲友里君』
は? 装備って無理に決まってるじゃん! 俺スライムだよ! 兜とかだけでいいの? って聞いてる!?
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる