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第1章

第2話 ロリっ子がいたよ ②

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 ステータス!

 足を肩幅に開き、左手を腰に当て、右手は前に伸ばして手のひらは力いっぱい開いたポーズをしてみた。

 ぬおっ! 手のひらの先に出る予定だったのに、目の前に出たじゃん!

 ……予定の位置じゃなかったけど……出たし内容を見てみるか。

 何々、種族とか職業があるタイプか~、職業が□○△の使徒ってなんだろ? それにHPもMPも3……よわよわだよ。

 そりゃ運動もせず、一日中家でゲームしてるか漫画か小説読んでばっかだけどさ……こうなったらスローライフするしかないねこれ。

 ま、まあ次だ次、スキルは……スクロールすれば良いのかなぁ~。

 目の前に出たメニュー画面には次とかのアイコン的な物はない。

 でも無いだけで、メニュー画面の一番下に、文字っぽい物が見きれている。
 まだ下に続いてるみたいだ。

 そ~っと人差し指で画面の下の方にタップして、上にずらしていくといっぱい出てきた。

 ぬおおおーどこまで続くの! いやいやここまでのチートは望んで……たよ!

 と、とりあえず一番上からもうヤヴァイよね。

 ――――――――――――――――――――

 魔法の才能 測定不能
 武術の才能 測定不能
 生産の才能 測定不能
 言語理解  全言語
 鑑定の才能 神眼
 収納    無限収納
 ・
 ・
 ・
 ・

 ――――――――――――――――――――

 ……うん、ぶっ壊れだわ、一部測定不能って訳分からない部分もあるけど。

 色々とステータスを見ていたのに、ロリっ子がまた喋り始めた。

『は~い。全員にスキルとか付けましたよ~、ステータスって言えば確認できるから後で見ておいてね~』

 両手を広げて『頑張ったから褒めてー』的な満面の笑みを振り撒いている。

 ま、まあ俺でも可愛いと思うけど……ちょっと胡散臭いんだよね。

 でもまあそうやって身振り手振りも加えて説明を続けてるし、良い奴なのかな。

 ところで、本当に何者なんだろう? 神様って事なのかな?

 ロリっ子はまたうろうろしながら止まり、かがんだ格好で、なにもないところを指差したり……。

 あっ、分からない人にこのステータスについて説明してるのか、やっぱり良い奴なのかな?

 すると全員が確認し終ったのか、最初にいただろう場所に戻ってきた。

『じゃあ、この後なんだけど、僕の造った世界にしてもらいま~す、何かして欲しい事も無いんだけど、一応みんな一緒の国に送るから、好きなように頑張って生きて下さいね~』

 ロリっ子は、さらりととんでもない事を言い出した。

 え? どういう事!? 転生? どこかの国に召喚とかじゃないの!? ばぶーって言わないといけないの! それも目的無し!?

『ん? 召喚の方が良いの? じゃあそれで!』

 軽いね!

 何か手を指揮者のように動かすと、ロリっ子が光り、たぶんみんなが光に包まれた。

 光がおさまった後、まわりを見渡して、うんうんと満足そうに頷いた。

『じゃあ職業は僕が付けたけど、種族は好きなの選んでね~、今から五分あげるから頑張って~』

 か、軽いよロリっ子、ってか転生から召喚に変えられるのか、それに種族を選べるんだ、時間も五分と言ってたから早く選ばないと、またスキルのように大量だと選ぶだけで時間がかかるし、ここは早めに良い種族を選ばないと。

 ステータス画面を見ると、種族の所に▽マークがあるしこれかな? ポチっと。

 ――――――――――――――――――――

 種族 ▽
   スライム

 ――――――――――――――――――――

 は? いやいや、それはない。スクロールするんでしょ?

 スル…………。

 ん? 反応しないぞ?

 スル…………スル……スルスルスルスルスルスル……。

 う、動かん……。

 ……おいロリっ子よ! 種族一つしかないじゃん!

 スライムってなに!

 モンスター最弱じゃん!

 ぽよんぽよんじゃん!

 たらスライムだった件じゃん!

 タイトルにしたら怒られちゃうじゃん!

 それとも魔王になれって事なの!

 せめてヒト型にしてよ!

 例えばエルフで絶世の美男子とかさ、ドワーフは……髭もじゃはパス!
 後は獣人でスピード&パワー持ちとかさ、色々とあるじゃん! なんでスライムなんだよ!

 ズカズカとロリっ子に詰め寄り、目の前でステータスが見えるように横に立って見せてあげる。

『どしたの~東雲友里君』

 俺は種族の所を指差しトントンとそこをつつく。

 ロリっ子! 俺の種族スライムしかないじゃん! それになんで呼ぶ時フルネームなんだよ!

『ん~、駄目?』

 まあフルネームは間違いじゃないけど、種族はせめてヒト型にならないの!?

 ロリっ子は私のメニュー画面を覗き込んで『ああ……』とか言って、くるりと体を回転させ、私が掴んでいた肩の拘束を解いてしまった。
 さらに少し高いところ、ジャンプしても手が届かないところまでのぼったと思ったら――。

『は~い時間でーす、選べてない人は一番上の種族になるから頑張ってね~』

 少しずつ上へ上がっていくロリっ子は、いたずらっ子顔でニヤリと笑う。

『最後に言いにくいんだけど……なんと! 元の世界には帰れませ~ん。行ってらっしゃ~い』

 待て待て待て待て! 帰れないってなんなの! 待てよ!

 届くはずのないロリっ子に、伸ばした手の先から透け始め、下を見ると足も消えてきてる。

 ロリっ子ぉぉぉぉぉぉー!

 足元の感覚が無くなったかと思った瞬間、落ちる感じで浮遊感……俺はスライムとして召喚されるみたいです。
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