10 / 10
本編
第九話
しおりを挟む
連行される王子を見た後、冒険者ギルドに寄ります。
プシュケ師匠と、数年振りに帰ってきたという大聖女、モリーナ様をお迎えに。
プシュケ師匠が馬車の運転をすると言うので、馬車の中はクロノさんとモリーナ様と三人になりました。
モリーナ様もハイエルフだそうで、クロノさんと同じ髪、瞳の色でとても美しい方でした。
クロノさんと横並びで座る様子はそれはもうこの世の物とは思えないほど美しく、お似合いの、“ズキンッ” 胸が、張り裂けそうなくらいの痛み、これまで耐えてきた痛みなど、痛みではなかったと思うほどの痛みが襲いかかってきます。
涙も溢れとめどなく零れ落ち、後から後から溢れ出て止めることが出来ません。
でも私の見える片側の瞳はクロノさんから外すことが出来なくなってしまいました。
「レアーお嬢様! 如何なさいました! どこか痛みますか!」
クロノさんが肩に手を添え、間近で目と目が合います。
「クロノさん、お慕いしてます」
ああっ! 私は何て事を口走って!
「お、お忘れ下さいませ! 醜い私の言う事など! モリーナ様という素敵な方がいらっしゃるのに私は何て事を! モリーナ様! 誠に申し訳ありません!」
クロノさんの手から抜け出し、馬車の床に跪き足の痛みなど捨て置いて、額も床に叩き付けるように下げ、謝ることしか出来ません。
「クロノ兄ちゃん、良かったね、にししし」
「ふふっ、はい、レアーお嬢様、私もレアーお嬢様の事をお慕いしております」
え? 今なんと······。
「ほら席に戻って下さい、レアーお嬢様、このモリーナは実の妹です、その様な関係ではありません、私はレアーお嬢様の事をお慕いしているのですから」
「え、な、どうして、私はこんな傷だらけで、成長もしない体の持ち主ですよ、釣り合いませんわ」
「レアーちゃん、大丈夫よ、お兄ちゃん、ナイフと眼球用意してね」
モリーナ様はクロノさんからナイフを受け取り、クロノさんは私を抱きしめ動けなくします。
え、え、え!
見開いた眼孔にモリーナ様はナイフを突き入れ、グリッと目蓋が閉じないように指も差し入れ傷口を広げました。
「ぐっ」
耐えられる痛みではありますが何をなさるのですか!
次の瞬間ナイフの代わりに、ぐにゅんっと眼孔にぷるっとした何かが押し込まれました。
「ハイエンドヒール!」
モリーナ様の手から暖かい光が溢れ、身体中にあった痛みが、さーっと引いて行き、次は、服を全て脱がされ、至るところにある傷痕をえぐり取って行きます。
「ぐぅっ」
何か所えぐられたのかはきつく結んだ目には映らず、耐える事しか出来ません。
首筋は皮を剥ぎ取られる様な痛み、額も。
痛みが麻痺したのかと思うほど痛みは消え去り、暖かい物が流れ込んできています。
「お兄ちゃん、レアーちゃんの処女は?」
「それは大丈夫です、そちら方面の事はなにもされていません」
「うへぇ~、お兄ちゃん確認したの? エッチ」
「その様な事があればこの王都を燃やし尽くす自身があります」
「あはは、プシュケ師匠といいお兄ちゃんも大概だよね、王様、お父様が心配するのが分かるよ」
え? お父様が王様? クロノ殿下?
私が混乱していると、クロノさんがいつの間にか正面にいて、私の顎を持ち上げております。
え? 目の前! 目の前にクロノさんが!
「私とお付き合いして下さい、レアーお嬢様、いえ、レアー」
「は、はい」
そしてクロノさんは、“ちゅ” っと触れるだけの口付けをして下さいました。
私は、あまりの事に気を失ったそうです。
王都をいつも間にか出た私達は魔の森に向かい馬車を走らせています。
私はクロノさんの膝枕で寝ていた様です。
そして深い森の中のログハウスに到着しました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夏期のお休みを利用して、魔法を習い始めました。
数日後に教えて貰ったのですが、私にはモリーナ様と同じ大聖女の職業が成人の時に現れるそうで、まだ先になりますが無職から解放される事が分かりました。
クロノさんは、その事が父、母、ペルセフォネに知られないように、知られれば悪用されると分かっていたので私にすら隠していたとの事です。
「お師匠様、見ていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
「なんだい、今度は熊でも友達になったのかい?」
「フリードリヒですか? お師匠様とお会いしていましたかしら?」
「いや、会っちゃいないよ、まったく、冗談のつもりが、······はぁぁ、それで何を見るんだい?」
お師匠様に、クロノがお買い物の時に街で配られていた物を見せる。
「なんだいこれは······。ふはっ! これはこれは」
「うふふ、私達の計画の勝利ですわ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
コンコンコン
『誰だ』
「しがない門番伯爵だ」
『入れ』
カチャ
「どうした門番伯爵、ぷふっ」
「笑うな、一応お前の印が押されてたから仕方無くやってやっただけだぞ、王様! 娘は毎日血だらけで帰ってくるし、奴が不能で助かったぜまったくよ」
「お嬢には悪い事をしたな、して、やっと掴んだのか? 証拠を」
「これだ、ケルド、ディース、妻のプロセルピナ、娘のペルセフォネ、暗殺ギルドグランドマスターのローグガオナー、その他バルニヤ公爵派の貴族の面々、決行日から作戦内容まで全て揃っている」
「ふむ、余罪も有り余るか、騎士は動いたか?」
「近衛騎士がケルド、副団長がディースの元に向かった、バルニヤ公爵家の別邸制圧は騎士団長が指揮を四か所同時に押さえる、衛兵達も動く、暗殺ギルドだ、今傭兵、冒険者ギルドにも伝令に走って貰った」
「うむ、今この時を持ってバルニヤ公爵家はお取り潰し! ケルドは王位継承者の権利剥奪、魔道具を使い騎士達に伝えよ! 全ての貴族を十日間で集めよ、全貴族だ、それも魔道具を使って良いぞ! 賊どもは一人残らず捕らえるのだ!」
「はっ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ローグガオナー、学院長室に戻るぞ!」
「はっ! 伯爵令嬢は如何なさいますか?」
「泣き叫ぶばかりだからつまらんな、違う奴を見繕わなければな」
「そうでございますね、クラスの誰かを攫いますか?」
「平民なんぞ触るのも汚らわしい、貴族だ、伯爵以上の奴を見繕え!」
「はっ! ん? ケルド王子、あの方達は近衛騎士の?」
「うむ、王都に賊でも紛れ込んだか? くっくっく、のうローグガオナー」
「怖いですな、あははは」
「ケルド並びにローグガオナー」
「貴様! 呼び捨てとは不敬! ローグガオナー! 構わん切れ!」
「はっ! 不敬罪だ、悪く思うなよ」
「不敬罪にはならんな、先ほどケルド、貴様は王位継承権剥奪がなされた、貴様の父、ディースも爵位剥奪並びに新興バルニヤ公爵家は、お取り潰しになった」
「なっ! 誠か······」
「この夏期に謀反を犯す計画も全て我々の知るところだ、今頃ディースは騎士団が、今日一日中にに別邸の奴らも制圧されるだろう、抜け穴も潰しに行かせた」
「バ、バカな後少しであったはずが」
「貴様もだローグガオナー、ギルド本部は今頃傭兵や冒険者が取り囲んでいるはずだ、こちらも抜け穴を潰してな、よし、捕らえよ!」
「「はっ!」」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「副騎士団長が何の様だね、私は忙しいのだか」
「ディース、並びにプロセルピナ、ペルセフォネの捕縛に来た謀反の計画、脱税、密輸出入、不正奴隷取り扱い、麻薬、数十名の使用人殺害、他、余罪が判明しておる」
「なぜだ! なぜその事が! もうすぐ王になるはずだったのだぞ!」
「貴様達がなるのはな、ディース、貴様は処刑、妻と娘は良くて犯罪奴隷だな、捕らえよ!」
「「はっ!」」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「王子が王位継承権剥奪に辺境に幽閉か!」
「表向きはそうですの、その下の記事も読んでくださいまし」
「表向き? まあ良い、ふむ、バルニヤ公爵家のお取り潰し!! レアーの居た家ではないか!」
「はい、これで私は完全に自由の身となりました、ですがそれは表向き、父、母、妹、ケルドは秘密裏に処刑されます」
「あはははははっ、苦労していたからねぇ、クロノに頼んで今日は少し豪勢な食事にしてもらおうかね」
「はい、クロノ! 聴いていましたか!」
駆け出すレアー、首筋の火傷がきれいに無くなり、晒されたおでこに傷は見当たらず、光の宿る二つの瞳に映るのは、やれやれといった顔のクロノであった。
そして、クロノに抱きつくのであった。
プシュケ師匠と、数年振りに帰ってきたという大聖女、モリーナ様をお迎えに。
プシュケ師匠が馬車の運転をすると言うので、馬車の中はクロノさんとモリーナ様と三人になりました。
モリーナ様もハイエルフだそうで、クロノさんと同じ髪、瞳の色でとても美しい方でした。
クロノさんと横並びで座る様子はそれはもうこの世の物とは思えないほど美しく、お似合いの、“ズキンッ” 胸が、張り裂けそうなくらいの痛み、これまで耐えてきた痛みなど、痛みではなかったと思うほどの痛みが襲いかかってきます。
涙も溢れとめどなく零れ落ち、後から後から溢れ出て止めることが出来ません。
でも私の見える片側の瞳はクロノさんから外すことが出来なくなってしまいました。
「レアーお嬢様! 如何なさいました! どこか痛みますか!」
クロノさんが肩に手を添え、間近で目と目が合います。
「クロノさん、お慕いしてます」
ああっ! 私は何て事を口走って!
「お、お忘れ下さいませ! 醜い私の言う事など! モリーナ様という素敵な方がいらっしゃるのに私は何て事を! モリーナ様! 誠に申し訳ありません!」
クロノさんの手から抜け出し、馬車の床に跪き足の痛みなど捨て置いて、額も床に叩き付けるように下げ、謝ることしか出来ません。
「クロノ兄ちゃん、良かったね、にししし」
「ふふっ、はい、レアーお嬢様、私もレアーお嬢様の事をお慕いしております」
え? 今なんと······。
「ほら席に戻って下さい、レアーお嬢様、このモリーナは実の妹です、その様な関係ではありません、私はレアーお嬢様の事をお慕いしているのですから」
「え、な、どうして、私はこんな傷だらけで、成長もしない体の持ち主ですよ、釣り合いませんわ」
「レアーちゃん、大丈夫よ、お兄ちゃん、ナイフと眼球用意してね」
モリーナ様はクロノさんからナイフを受け取り、クロノさんは私を抱きしめ動けなくします。
え、え、え!
見開いた眼孔にモリーナ様はナイフを突き入れ、グリッと目蓋が閉じないように指も差し入れ傷口を広げました。
「ぐっ」
耐えられる痛みではありますが何をなさるのですか!
次の瞬間ナイフの代わりに、ぐにゅんっと眼孔にぷるっとした何かが押し込まれました。
「ハイエンドヒール!」
モリーナ様の手から暖かい光が溢れ、身体中にあった痛みが、さーっと引いて行き、次は、服を全て脱がされ、至るところにある傷痕をえぐり取って行きます。
「ぐぅっ」
何か所えぐられたのかはきつく結んだ目には映らず、耐える事しか出来ません。
首筋は皮を剥ぎ取られる様な痛み、額も。
痛みが麻痺したのかと思うほど痛みは消え去り、暖かい物が流れ込んできています。
「お兄ちゃん、レアーちゃんの処女は?」
「それは大丈夫です、そちら方面の事はなにもされていません」
「うへぇ~、お兄ちゃん確認したの? エッチ」
「その様な事があればこの王都を燃やし尽くす自身があります」
「あはは、プシュケ師匠といいお兄ちゃんも大概だよね、王様、お父様が心配するのが分かるよ」
え? お父様が王様? クロノ殿下?
私が混乱していると、クロノさんがいつの間にか正面にいて、私の顎を持ち上げております。
え? 目の前! 目の前にクロノさんが!
「私とお付き合いして下さい、レアーお嬢様、いえ、レアー」
「は、はい」
そしてクロノさんは、“ちゅ” っと触れるだけの口付けをして下さいました。
私は、あまりの事に気を失ったそうです。
王都をいつも間にか出た私達は魔の森に向かい馬車を走らせています。
私はクロノさんの膝枕で寝ていた様です。
そして深い森の中のログハウスに到着しました。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夏期のお休みを利用して、魔法を習い始めました。
数日後に教えて貰ったのですが、私にはモリーナ様と同じ大聖女の職業が成人の時に現れるそうで、まだ先になりますが無職から解放される事が分かりました。
クロノさんは、その事が父、母、ペルセフォネに知られないように、知られれば悪用されると分かっていたので私にすら隠していたとの事です。
「お師匠様、見ていただきたいのですがよろしいでしょうか?」
「なんだい、今度は熊でも友達になったのかい?」
「フリードリヒですか? お師匠様とお会いしていましたかしら?」
「いや、会っちゃいないよ、まったく、冗談のつもりが、······はぁぁ、それで何を見るんだい?」
お師匠様に、クロノがお買い物の時に街で配られていた物を見せる。
「なんだいこれは······。ふはっ! これはこれは」
「うふふ、私達の計画の勝利ですわ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
コンコンコン
『誰だ』
「しがない門番伯爵だ」
『入れ』
カチャ
「どうした門番伯爵、ぷふっ」
「笑うな、一応お前の印が押されてたから仕方無くやってやっただけだぞ、王様! 娘は毎日血だらけで帰ってくるし、奴が不能で助かったぜまったくよ」
「お嬢には悪い事をしたな、して、やっと掴んだのか? 証拠を」
「これだ、ケルド、ディース、妻のプロセルピナ、娘のペルセフォネ、暗殺ギルドグランドマスターのローグガオナー、その他バルニヤ公爵派の貴族の面々、決行日から作戦内容まで全て揃っている」
「ふむ、余罪も有り余るか、騎士は動いたか?」
「近衛騎士がケルド、副団長がディースの元に向かった、バルニヤ公爵家の別邸制圧は騎士団長が指揮を四か所同時に押さえる、衛兵達も動く、暗殺ギルドだ、今傭兵、冒険者ギルドにも伝令に走って貰った」
「うむ、今この時を持ってバルニヤ公爵家はお取り潰し! ケルドは王位継承者の権利剥奪、魔道具を使い騎士達に伝えよ! 全ての貴族を十日間で集めよ、全貴族だ、それも魔道具を使って良いぞ! 賊どもは一人残らず捕らえるのだ!」
「はっ!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ローグガオナー、学院長室に戻るぞ!」
「はっ! 伯爵令嬢は如何なさいますか?」
「泣き叫ぶばかりだからつまらんな、違う奴を見繕わなければな」
「そうでございますね、クラスの誰かを攫いますか?」
「平民なんぞ触るのも汚らわしい、貴族だ、伯爵以上の奴を見繕え!」
「はっ! ん? ケルド王子、あの方達は近衛騎士の?」
「うむ、王都に賊でも紛れ込んだか? くっくっく、のうローグガオナー」
「怖いですな、あははは」
「ケルド並びにローグガオナー」
「貴様! 呼び捨てとは不敬! ローグガオナー! 構わん切れ!」
「はっ! 不敬罪だ、悪く思うなよ」
「不敬罪にはならんな、先ほどケルド、貴様は王位継承権剥奪がなされた、貴様の父、ディースも爵位剥奪並びに新興バルニヤ公爵家は、お取り潰しになった」
「なっ! 誠か······」
「この夏期に謀反を犯す計画も全て我々の知るところだ、今頃ディースは騎士団が、今日一日中にに別邸の奴らも制圧されるだろう、抜け穴も潰しに行かせた」
「バ、バカな後少しであったはずが」
「貴様もだローグガオナー、ギルド本部は今頃傭兵や冒険者が取り囲んでいるはずだ、こちらも抜け穴を潰してな、よし、捕らえよ!」
「「はっ!」」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「副騎士団長が何の様だね、私は忙しいのだか」
「ディース、並びにプロセルピナ、ペルセフォネの捕縛に来た謀反の計画、脱税、密輸出入、不正奴隷取り扱い、麻薬、数十名の使用人殺害、他、余罪が判明しておる」
「なぜだ! なぜその事が! もうすぐ王になるはずだったのだぞ!」
「貴様達がなるのはな、ディース、貴様は処刑、妻と娘は良くて犯罪奴隷だな、捕らえよ!」
「「はっ!」」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「王子が王位継承権剥奪に辺境に幽閉か!」
「表向きはそうですの、その下の記事も読んでくださいまし」
「表向き? まあ良い、ふむ、バルニヤ公爵家のお取り潰し!! レアーの居た家ではないか!」
「はい、これで私は完全に自由の身となりました、ですがそれは表向き、父、母、妹、ケルドは秘密裏に処刑されます」
「あはははははっ、苦労していたからねぇ、クロノに頼んで今日は少し豪勢な食事にしてもらおうかね」
「はい、クロノ! 聴いていましたか!」
駆け出すレアー、首筋の火傷がきれいに無くなり、晒されたおでこに傷は見当たらず、光の宿る二つの瞳に映るのは、やれやれといった顔のクロノであった。
そして、クロノに抱きつくのであった。
1
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
『胸の大きさで婚約破棄する王太子を捨てたら、国の方が先に詰みました』
鷹 綾
恋愛
「女性の胸には愛と希望が詰まっている。大きい方がいいに決まっている」
――そう公言し、婚約者であるマルティナを堂々と切り捨てた王太子オスカー。
理由はただ一つ。「理想の女性像に合わない」から。
あまりにも愚かで、あまりにも軽薄。
マルティナは怒りも泣きもせず、静かに身を引くことを選ぶ。
「国内の人間を、これ以上巻き込むべきではありません」
それは諫言であり、同時に――予告だった。
彼女が去った王都では、次第に“判断できる人間”が消えていく。
調整役を失い、声の大きな者に振り回され、国政は静かに、しかし確実に崩壊へ向かっていった。
一方、王都を離れたマルティナは、名も肩書きも出さず、
「誰かに依存しない仕組み」を築き始める。
戻らない。
復縁しない。
選ばれなかった人生を、自分で選び直すために。
これは、
愚かな王太子が壊した国と、
“何も壊さずに離れた令嬢”の物語。
静かで冷静な、痛快ざまぁ×知性派ヒロイン譚。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした
基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。
その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。
身分の低い者を見下すこともしない。
母国では国民に人気のあった王女だった。
しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。
小国からやってきた王女を見下していた。
極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。
ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。
いや、侍女は『そこにある』のだという。
なにもかけられていないハンガーを指差して。
ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。
「へぇ、あぁそう」
夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。
今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
地味で無能な聖女だと婚約破棄されました。でも本当は【超過浄化】スキル持ちだったので、辺境で騎士団長様と幸せになります。ざまぁはこれからです。
黒崎隼人
ファンタジー
聖女なのに力が弱い「偽物」と蔑まれ、婚約者の王子と妹に裏切られ、死の土地である「瘴気の辺境」へ追放されたリナ。しかし、そこで彼女の【浄化】スキルが、あらゆる穢れを消し去る伝説級の【超過浄化】だったことが判明する! その奇跡を隣国の最強騎士団長カイルに見出されたリナは、彼の溺愛に戸惑いながらも、荒れ地を楽園へと変えていく。一方、リナを捨てた王国は瘴気に沈み崩壊寸前。今さら元婚約者が土下座しに来ても、もう遅い! 不遇だった少女が本当の愛と居場所を見つける、爽快な逆転ラブファンタジー!
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
読了。
……ま、まて!
これ執事から何から、被害者以外はほぼ全員ド変態なんじゃないの?!
こんなの普通に初年度『病死』で決着ですよ!
しかも執事が◯◯とか、外国の◯◯なの?
……いやほんと、初回誘拐で溺愛ペロペロでもしたほうがいいですよ傷跡とかを。
その通り登場人物は悪党、変態モリモリ詰め合わせですです(*`・ω・)ゞ
始めをちょっと読んだ。
修行のうちなのかもしれないけど、『王への報告を偽造』とかやってるならすぐやれそうだとは思った。
というより、王子の婚約者にコレやってる、逆にいえばこんなボロボロの娘を王妃にしようというのは、王様以下皆ダメなんじゃねーです?
感想ありがとうございます。
その通り悪党だらけです( ;∀;)
武力で圧倒しているのに手順に拘り耐える話って意味が分からない。
死人に口なしってのは、何も相手の専売特許じゃないだろうに。
感想ありがとうございます。