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第四章

050 ショッキングピンクの馬車の車輪形封印の首輪

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 各ダンジョンへ魔力供給し終えた俺達は、再び鰻丼を食べに魔法帝国へ。

 はいっ! それはもう美味でしたよ!

 ついでに港街の散策、港に向かうと乾物屋で、昆布や煮干しも補充、屋台では、サザエの壷焼きを皆で食べ、路地裏へ、そして小国の路地裏に戻ってきた。

 パッ

 時間は、予定の時刻俺達は冒険者ギルドへやって来た。多くはないが、買い取りカウンターにも冒険者が並びだしている。

 右側のテーブル席も半数近くが使用中だ。中には既にテーブルへ倒れ込み酔い潰れている者まで居た、まだおやつの時間やでおっちゃん! って、思い出したが朝に居たね(苦笑)。

 受け付けカウンターは、がら空き、受け付けも二人になっており、一人俺達の前を歩いていたおっちゃんは、受け付けのお姉さんに話をしに行った、俺達はもちろんギルドマスターにしたい所だが、ギルドマスターはカウンターの奥に居て、何やら書類を見てはニヤニヤしている。

 そのニヤニヤ顔を、青ざめた顔に変えてあげよう!

 悪い顔 (笑)×6

 もう一人の受け付けロマンスグレーな おっちゃん、昔はモテモテだっただろうなおっちゃんに突撃した。

「すいません、依頼達成の報告と報酬を、貰いに来ました」

 一瞬俺達の顔を見て、ぎょっ! としたが持ち直し

おっちゃん「はい、依頼の木札とギルドプレートを、お願いします」

 紗々は手に持っていた木札を、先に渡し、受け取ったロマンスグレーのおっちゃんは木札を見て、ぎょっ! としたが、精神耐性が中々の高レベルで、持ち直した。

 そして紗々は

 シュパッ!

 ギルドプレートを、ロマンスグレーのおっちゃんに、ねずみ色のギルドプレートから手渡した。

 ロマンスグレーのおっちゃんは魔道具へ、ギルドプレートを、通しこちらを見た瞬間、紗々は

 シュパッ!

 二段構えのプレート出しが決まった!

紗々「ダンジョンプレートです、お願いします(笑)」

おっちゃん「はい、お預かりします」

 ロマンスグレーのおっちゃんは、ダンジョンプレートに視線を落とし、石像の様に動かなくなった······が、椅子を飛ばし立ち上がったロマンスグレーのおっちゃん。


おっちゃん「ギ、ギルドマスタァァァァァァァァァァー!」

 綺麗に決まったぁぁぁぁぁぁ~!

 ギルド内の注目がロマンスグレーのおっちゃんに集まる。

 そして俺達の存在に気が付き、ざわざわとしだす。

「おいまさか!」や、「ないない」「朝からで、今だぞ?」「だよなぁ」「でもサブマスが」等、大きな声ではないが、ギルド内のざわざわが大きくなりだした。

 そこへギルドマスターは机に書類を置き立ち上がりこちらに向かって来た。

ギルマス「どうしたんだ?お前がそこまで狼狽えるとは」

サブマス「ギルドマスターこれを見て下さい」

 ロマンスグレーのおっちゃんはギルドマスターへダンジョンプレートを、手渡した。

 受け取ったギルドマスターはダンジョンプレートへ視線を落とし、プレートの左から右へ視線が動いた。

ギルマス「ダンジョン攻略ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~!」

 来たぁぁぁぁぁぁ~!×6

 ギルドマスターの視線が、プレート上で右往左往。

紗々「頑張りました! やりましたよ! ギルドマスター!(笑)」

 いやいや、素晴らしい悪い顔です(笑)

ギルマス「いやっ! まさか! しかし千一階層だぞ! 攻略完了の文字も! 朝から数時間で完全攻略完了だと!」

 周りからは「マジか!」「朝の子達よね!」「俺達一緒にダンジョン入ったぞ!」「これって黒貨二十枚!」「二千億プルって事!」等、ボリュームが上がりだす。

紗々「依頼達成報酬お願いします(笑)」

ギルマス「そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」

 はいはいと悪い顔×6

ギルマス「お前達、ダンジョン攻略? 朝から入って?」

紗々「はい! 頑張りました! 報酬お願いします(笑)」

 ギルマス「いやっ、しかし······」

紗々「達成報酬の黒貨十枚と、全冒険者ギルドからの黒貨十枚、合わせて黒貨二十枚! よろしくお願いします(笑)!」

 ギルドマスターは口を開けたまま、石像に。

紗々「受け付けのサブマスターさん、報酬お願いします。このギルドに黒貨十枚はあると言ってましたので、すぐ貰えますよね(笑)」

サブマス「しょ、少々お待ちを!」

 と、奥にある金庫に走り出し、ギルドマスターの机から鍵を探しだし、少し時間はかかったが金庫を開け、中を確認して······

サブマス「······無い! 国から預かった黒貨十一枚が無い! ギルドマスター! これはどう言う事ですか! 黒貨十一枚はどこに!」

ギルマス「無い。······全部使った。······教国に広大な土地を買った。······」

サブマス「何て事を! くっ! 全冒険者ギルドに連絡! ダンジョン達成報酬を、管理保管されているギルドを、探せ!」

 それを聞いた全職員は魔道具を使い、他の冒険者ギルドに連絡を、始めた。

 ロマンスグレーは近くの冒険者を、捕まえる。

サブマス「すまんがお前達に緊急依頼だ、大銅貨を一枚出す! 衛兵を、呼んで来てくれ!」

 ロマンスグレーは自分の懐から革袋を取り出し、その冒険者へ渡す。

冒険者「ああ、その依頼受けた! すぐに連れてくる!」

 冒険者は言うなり走り出した。

 ロマンスグレーは、ギルドマスターへ向き直り、呆けたままのギルドマスターを素早く縛り上げ、転がし足も縛り上げた。

 そして立ち上がり、ロマンスグレーはカウンター越しではあるが深く頭を下げる。

サブマス「すまなかった、今すぐは無理だが必ず報酬はお支払いします」

紗々「いえ、報酬が貰えるなら大丈夫ですよ(笑)。頭を上げて下さい」

サブマス「今あるだけでもと思うが」

紗々「それは今日依頼を達成した冒険者達の物ですよ、私達の報酬は後でも構いませんよ」

サブマス「そうしてくれると助かる」

「そうだ紗々、攻略したらお酒と食事奢る約束しちゃたよね(笑)」

 紗々は笑顔で頷いた。

「あの、このギルドにあるお酒と食事を、全て買わせて貰います。ダンジョン行く前に冒険者の皆様に攻略した時は奢ると約束していましたので」

 俺は金貨の詰まった革袋を、ロマンスグレーに手渡す。

サブマス「これは?」

「お酒と食事の代金ですよ、足りないなら足しますし、余るなら街の酒屋と屋台を呼んで下さい(笑)」

サブマス「足りるも何も多すぎだが、ありがとうございます」

 ロマンスグレーは、また近くの冒険者達を呼び

サブマス「緊急依頼だ」

冒険者「聞いてたぜ、俺達が集めて来る!」

 そして手の空いてそうな冒険者達に向かって

冒険者「ダンジョン攻略パーティーから、酒と食事の奢りだ! 街中から酒屋と屋台を引っ張ってこい! 報酬は、飲み放題! 食べ放題だぁ!」

 うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~!

 行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~!

 攻略おめでとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~!

 走り出し街中に広がる冒険者達、忙しく動き出す食事処のカウンター内、そこへ衛兵がやって来てギルドマスターを引きずり連れて行った。

職員「サブギルドマスター!」

 カウンターの奥で魔道具での各ギルドに連絡していたお姉さんがロマンスグレーを呼んだ。

サブマス「見つかったか!」

職員「はい、魔道王国ダンジョン街冒険者ギルド、ギルドマスターから即時入金可能との事です!」

職員「サブギルドマスター! アモルファス王国王都冒険者ギルドからも即時ではないですが、国王様より入金があるとの事で支払出来るとの事です!」

サブマス「即時入金だと!」

職員「はい、そちらのパーティー "わーるどじゃんぷ" は、魔道王国ダンジョン街の所属だと言う事で、問題無いと」

サブマス「分かった、そしてアモルファス王国までか」

職員「そちらの理由は解りません」

サブマス「だが、仮ではあるが、冒険者ギルドは恥の上塗りはせずにすんだか」

 魔道王国は解るが、アモルファスの王さんがねぇ。

 まぁオッケーって事で!

サブマス「すまなかった、改めてギルドプレートを見ると、既にダンジョンマスターなんだな(苦笑)」

紗々「はい、頑張りました!」

サブマス「その様だ、ドラゴンスレイヤーまでとは」

紗々「うふふ、更新は出来ますか? 新たに倒して来ましたので」

サブマス「ああ、私がやろう、皆か?」

「いえ、女性五人ですね」

サブマス「わかった、鑑定してギルドプレートの更新をしよう」

 紗々に続き聖、三葉、葉月、まりあがロマンスグレーの前に出て

 シュパッ!
 シュパッ!
 シュパッ!
 シュパッ!

 四人とも決まった!

 ロマンスグレー前のカウンター情に置く、葉月のギルドプレートで一瞬止まったが、苦笑いをして確認し、紗々達を鑑定。······来るかな?

サブマス「なっ! かっ!」

 そこで何とか止まった。

サブマス「貴女様方は、はっ! 後ろのお方も······」

 俺も見られた様だ。

サブマス「謹んで更新させて頂きます」

 素早く魔道具に通されていくギルドプレート。

 更新が完了し、皆に返ってきた。

 シュパッ!と更新されたギルドプレートを出し入れ。

葉月「お揃いですの♪」

 皆笑顔だ(笑)

 それからは、また前の様に屋台が集まり、冒険者が集まり、大通りがお祭り騒ぎになった。

 俺達は大通りの屋台を巡り、お腹も満足したので路地裏へ、大通りに人が集まっているせいか、路地裏は人気が無い、そして転移で家に帰った。









「はふぅ~良く考えたら、お風呂数日ぶりやん!」

『はふぅ~』

 なでなで

「いつもお留守番ありがとな、虎鉄」

『いいよ』

「しかしこの卵も孵らんなぁ」

 卵も、お風呂に入れてたりする。お湯を掛けて虎鉄と一緒に膝に。

 久しぶりに鑑定!

 卵:食べられません······

(変わらんなぁ、あの盗賊達があそこの隠し部屋に入れたのか? 盗賊なら食べようとするよなぁ?)

ナビ『マスターのいつもパーカーのフードに入れて持ってる卵は孵らないですね、見たことも無い卵ですし、鑑定は、"食べられません" でしたか、不思議な卵です』

「まぁ、まだ一月ひとつきも経ってないからね」

ナビ『何が産まれるか楽しみですね』

「だな、皆と仲良くしてくれよ」

 なでなで

 しばらくして

「そろそろ出るか!」

 虎鉄を、お風呂から出し俺も立ち上がり脱衣場へ虎鉄が自分と俺をペロッ。

 それだけで、水滴が無くなりサラサラになる(笑)

「ありがとな虎鉄」

 着替え終わって部屋に戻り、いつものソファーへ

ナビ『まったりですね』

(昼間から夜まで賑やかだったから、このまったり感は格別やね。もう一つある大陸ってどんなところ?)

ナビ『四つの国で一つの大陸、獣人の国、教国、魔族の国、ダンジョンの国の四つですね。』

(獣人の国はまぁ、ほっといて、教国は潰れるだろうし、魔族の国はアキの家族をいじめた国だから、王さんはシバくでしょ、ダンジョンの国っていっぱいダンジョンあるの?)

ナビ『この世界最古のダンジョンと言われてますが最古はイルミンスールですが(笑)、まあ、そこそこ古くからあるダンジョンですので深ですね』

(ほう! それは面白そうやね)

ナビ『そこはドロップも多彩ですね、本当に古いのは、未発見です(笑)、見つかっているのはそこそこのですが、こっちは本当に次席のダンジョンです、入口も本当に隣り合っているのに塞がっていて見つかってません(笑)』

(ぶはっ! それは、······えぇぇぇぇぇぇ~! 出来るね!)

ナビ『攻略後に皆の前で、ダンジョン入口前にある大岩を退ければ···』

(葉月が喜びそうやね、あははは)

ナビ『うふふ、でしょ、それから教会はまた隠してますから、······うふふ、こちらは早めに』

(はふぅ~またかいな、そやね、先に公開してしまいましょう! 冒険者達が攻めきれてない今の内にね)

ナビ『魔族と獣人の国は素材&魔道具系と食材系がお勧めになるでしょうか、他には港街の近くのダンジョンでしょうかね』

(そこは悩むね、皆と相談しよう)

ナビ『残りは島国が一か所でこの星は全てアスタロト大公爵で飛べますね』

(島国! そんなのもあるんや!)

ナビ『魔道王国とほとんど変わらない国土と、小さな島がある国ですね』

(ほぉ~! 最後のお楽しみかな、面白そうやし!)

シンディ(ユタ、今いい?)

(ん? シンディか、どうした?)

シンディ(はい、お時間いいですか?)

(大丈夫やで、なにかあった?)

シンディ(他国の魔道士達と合流する事になったのですが、私達に絡んできて面倒くさいんです。結婚してると言ってますのに酒を注げとか、全員やりませんが、教国、帝国、獣人国のグランドマスターと、マスター達ですね)

(ムカつくな! ナビ封印は三個だよな?)

ナビ『もっとありますよ、七十六個ダンジョンドロップで拾いましたよ』

(マジか! シンディ何人居るの?)

シンディ(数十人は、魔道王国でも二十名居ますから、単純計算で六十名、ですが、帝国と、教国は、ギルド数も多いので七十六個では足りませんね)

(じゃあ、シンディ達に絡む奴らは腹パンパクコースか?)

ナビ『錬金術で造れば大丈夫ですよ、素材もありますし付与も出来ますし、さらに取れない様に付与すれば完璧です! 首輪にしましょう目立つ様に』

((採用!採用!))

(皆聴いてたのね(笑)、三葉、首輪は派手派手なの造ろう! 付与はこっちでやるからシンディ達は待っててね)

シンディ(はい、お待ちしてます)

ナビ『素材はポイントしましたよ~♪』

三葉(ショッキングピンクの馬車の車輪形にしようぞ!)

(隠せやんし! 目立つし! 仕方がない、重そうだから軽量は付与して上げよう!)


 夜が明けるには早い時間に、数百個の馬車の車輪形で、ショッキングピンクの、封印の柔らか首輪は完成した! 悪ふざけで柔らかいトゲ付き! 見た目は固そう! グランドマスターにはふわふわファー付き!

「では、俺と三葉は行ってくるから朝ごはんお願いね」

葉月「分かりましたの! 干物が良いのありますの!」

紗々「頑張ってくださいね。······ふわふわファー(笑)」

聖「ショッキングピンク! うぷぷ」

まりあ「魔法も封印って、魔道士なのに(笑)」

「「行ってきます(笑)。転移!」」
 パッ

「到着! シンディ呼ばないとね」

 呼ぶ前に近づく気配が四つ

三葉「来たようじゃぞ」

「皆が来るみたいやね」

「「お疲れ様!」」

「お待たせ、封印の首輪を、造ってきたよ」

三葉「これじゃ!」

 三葉が、ショッキングピンクで馬車の車輪形封印の首輪を、取り出した。

「「うぷぷっ! ひどい(笑)」」

三葉「さらに! グランドマスターにはオマケ付きじゃぞ(笑)」

 三葉ががふわふわファー付きを出す。

「「ぶはっ! 最悪(笑)」」

「気に入ってくれてありがとう(笑)」

三葉「敵はどこのテントじゃ?」

 シンディ「教国は、白地に金の縁取りのテントでグランドマスターは、さらにモールの付いたテントで一人でいますね。帝国は、黒色のテントでグランドマスターは、金縁のテントで一人です。獣人は、毛皮のテントでグランドマスターは、あの角が飾ってるテントで一人です。」

「了解! 皆にパク出来るようにするからお願いね、女性は裸はマズいからワンピース用意したから着せておいてもらって、まぁ、奴隷用のワンピースやけど(笑)、後は、俺と三葉とシンディが、グランドマスターやな、テントはグランドマスターに首輪着けた後、全て収納するから、用意は良い?」

「「は~い!」」

「よ~い! ドン!」
 シュ


 全員に着け終わった。

シンディ「誰も気が付きませんでしたね(笑)」

「俺達はシンディ達のテントで待機かな(笑)」

 二時間くらいたっただろうか、外は明るくなって来ていて、いつ起き出すか分からないので、俺達はイチャイチャで我慢して、お茶を飲んでいた。

 すると

「なぁっ!」「なんじゃこれは!」「なぜ裸だ!」

 きゃ~!女性の声もする。

アキ「ぼちぼち出ますか?」

「やね、そろそろ毛布で隠している筈だし」

アキ「せやな、おっさんのなんか見とうないし」

「行こう」

三葉「待つのじゃ、妾達が最後に登場が良いと思わぬか(笑)」

「「ああ~それは思いつかんかったわ~(笑)」」

直「三葉ちゃんやるっすね!」

 美夜「主役は最後になのです!」

 ガヤガヤが全体に広がり、テント群の中心部に人が全て集まった気配を感じ取り、俺達はテントを出た。

「なぜ魔法が使えん!」

「アイテムボックスも空になってるぞ!」

「持っていた魔道具も全て無いでわないか!」

「貴様らか!」

 俺達の方へ視線を向ける、ショッキングピンクの馬車の車輪形首輪を、着けた面々、俺達は前に出る。

「あんたらが俺の奥さんに絡んできてると聴いたので、お仕置きしに来た(笑)」

「なんだと! 誰だ貴様は! 酒を注げと言っただけだ!」

「俺の奥さんに命令すんなよ、だからしばらく? 百年くらい? はその首輪が外れない付与も付けてあるから、真面目に働けよ、ちなみに俺にも外せないから(笑)」

「魔法が使えないだと! えっ、百年間?」

「そうだよ、今まで偉そうに出来たんだから、これからは質素に頑張ってね(笑)」

「待って! 私は何もやってないわ! 外しなさいよ!」

「そうだよ! 外せ!」

 外せコールがなるが

「どうなの?」

シンディ「私達を不快にさせて無い方は居ませんね」

「だそうたから、さっきも言ったけど、俺にも外せないから、ちなみに魔道具も身に着けると消えるから気をつけてね(笑)」

 全部俺の収納に入ります。

「あの」

 エルフの魔道士さんが話し掛けてきた。

「はい、何ですか?」

「はい、私は先ほど、帝国のグランドマスターにローブを貸して消えたのですが、取り戻す事は出来ますか? 先祖からの物で無くしたくはないのですが」

「他にも貸した方は居ますか?」

 十二名の心優しい方が居たようです。

「ローブは」

 俺は、大きめのテーブルを出し、先ほど起き出した後に収納されたローブ等を出していく。

「ああ、これです! ここのほつれは間違いありません! ありがとうございます!」

「私の予備の魔道士服も!」

「ローブと杖も返ってきた!」

 テーブルの上が無くなり、皆から礼を言われ気分良くなっているのに。

「貴様! こんな事をして無事で済むと思ってるのか! 帝国、教国、獣王国の魔道士全てを敵に回すぞ!」

「どうぞ、敵でも何でも回ってくれて大丈夫ですよ」

「ワシ達グランドマスターが、王や皇帝に進言すれば宣戦布告もあり得るのだぞ! 貴様は魔道王国の様だな、教国、帝国に挟まれあがくが良い!」

「ああ、情報が届いてないのか、帝国、教国、獣王国の王は今、国に居ないし帰ってこれない所に行ってるぞ、あっ、ちゃんと生きてるから大丈夫大丈夫(笑)」

シンディ「帝国も魔道王国へ、宣戦布告無しに兵を進めてたから排除しましたし、教国もまともな人以外は居ないですし、獣王も喧嘩売ってきたから、シバかれて捨てられましたし、どこも王は不在ですから無理ですね」

 シンディが補足してくれた。

「そんな馬鹿な事があるか!」

「出鱈目じゃ!」

「即刻国へ帰り進言だ!」

「おう!」×多数

「どうぞ(笑)」

「首を洗って待っていろ!」×多数

 グランドマスター達が叫び、自分達の馬車へ乗り込むが、馬車は消える、魔道具だろうね。全ての馬車が無くなり、馬へ乗ろうとするが馬具も魔道具だったらしく、裸馬では、乗ることも出来ず、歩いて帰るのであった。

「あぁ~帝国と教国は入った時点で旅行だよなぁ」

三葉「じゃなぁ」

「「あはは」」

「会議はどこでするの?」

シンディ「アモルファス最南端の街ですね」

「後どれくらい?」

シンディ「良いペースで来てますから十日、余裕を見て、十二日ですかね」

「何事も無ければ良いね」

シンディ「ここからは大きな街道だけですし、魔物も私達が居ればいくら居ても素材ですね(笑)」

「確かに! んじゃ気を付けて仕事頑張ってね」

シンディ「はい、頑張ってきます」

 ちゅ

 俺と三葉は街道を魔道王国方面に歩き、見えなくなった所で

 ちゅ

 転移!
 パッ

「「ただいま!」」

 また今日が始まる。
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