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第一章
第98話 まとまりかけたのに······
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「待て! アイテールとその女どもは不敬罪で拘束させてもらう。パナケア王国貴族のヒョンビー子爵を前に跪きもせず、立ったままでの受け答えをし、口の聞き方も不愉快きわまりなく、不愉快だ!」
「そう言うなリマンダ男爵。男の不敬罪は良いとして、パーティーの娘達は中々の······へ? ヒュギ――んむっ」
ほう、自分で口を手で押さえ思いとどまったみたいだな、と言うか今までエイアやセレーナに気付いてなかったのか。
「どうされましたヒョンビー子爵。娘達をお望みでしたらいかようにもできましょう。言われてみればそうですね、どの女も美し······いぃー!」
こっちも気付いたようだ。二人は深く腰掛けていたソファーから立ち上がり、跪くまではいかないが直立不動の姿勢になった。
「ラ、ラカス枢機卿、シークジール枢機卿、この件は覆す事は無理だ、私達ではこの方達に進言はできても強要はできん!」
「ヒョンビー子爵の言う通りです! 教国との付き合いもありますが、我々はこの件から外れる。では申し訳ないですがこれにて」
二人はバタバタとそう言うと応接室を出ていこうとするが、俺達がいるからすぐには出れない。
「ど、どういう事ですか! それではシークジール枢機卿の立場はどうすれば良いと言うのですか!?」
「そ、そうです! このままですと私は教国に帰る場所も無くなるのですぞ! どうか! 支援金をこれまでいただいた分の倍お支払いたします! それに王都の屋敷もお返しします! ヒョンビー子爵殿、リマンダ男爵殿、お願いですから助けて下さい!」
「へえ。ヒョンビー子爵にリマンダ男爵。シークジール元枢機卿の屋敷とは? 全財産を賭けた訳ですからその屋敷もアイテールの物ですし、場所を教えてもらえますか?」
「そうだねセレーナ。いつまでも間借りしているよりアイテールのお家があった方が良いよね」
家か、そんなにデカくなくて良いが、あると毎回王城や公爵邸の世話にならなくてすむよな。
「はっ! 城下の貴族街にあり、グレース公爵様のお屋敷に近い所にあります! この後案内いたしましょう。大きな敷地で、綺麗な庭のある屋敷です」
「なぜです! なぜそうなるのですか!」
まあ、分かってないからそうなるよな。俺達の事をバラすのは簡単だが、その後エイア達が自由に冒険者をできなくなるのは避けたいんだが······。
「あなた方が相手をしているアイテールは、まだ秘密で口外禁止ですがパナケア王国の伯爵ですよ? 近々公表されると思いますが、不敬を働いているのはどちらになるか、分かりますよね?」
セレーナが強い口調でまだソファーに座ったままの枢機卿二人にそう言い放った。
セレーナは俺を見て笑顔で頷いた。そうか、ここだけの話に持っていくのかな。
「なっ! ま、まさか!」
「へ、平民ではないだと! それも私と同じ伯爵位!」
まあそうだな、確か明後日が叙爵と婚約発表になるはずだから貴族達になら多少は知らせておいても良いのかもしれない。
二人の枢機卿は勢い良く立ち上がり、先に立った二人と同じように直立不動になった。
「それに教国からもお返事が来ているのです、アイテールは教国でも伯爵のはずですよね? ギルドマスター」
「ああ。教皇のサインだからな。後は後日、爵位の公開と枢機卿の任命式をしたいそうだ、こちらの事が済みしだい来て欲しいと書いてあった。後で目を通してもらえるか」
「それがあったか······、まあ、一度は行くつもりだったからな、その時にでもよってみるか。ダンジョンの報告前に見せてもらうよ」
「それからな、冒険者ギルドの本部にアイテール達のSランク昇格申請もしているから、そちらにも行ってもらいたいな」
「はは······それもか、ああ分かった。少し後回しになるが、行くことにするよ」
青ざめたシークジールと、心配そうにその姿を見るラカス枢機卿······、まあ、爵位は仕方がないとしても、真面目にやるなら管理監として働いてもらっても······そこはまた相談だな。
そしてなんとかまとまりそうだなと思ったところにあいつ等がやって来た。
「おっ、シークジール枢機卿様、話は終わりましたか、早くコイツらを痛め付けて、女どもはひいひい言わせたいんだからよ、連れていって良いか?」
「な、なぁリーダー、雰囲気がおかしくないか? まだ俺達が出てくる時間じゃないとか?」
「なーに言ってる。ここの扉が開いたらここに来て、クソガキと女どもを連れていって好きにすれば良いと良いと言ってだろ?」
「おい。どういう事だ?」
怒りのため少し低い声になったが、俺はシークジールを睨みながらエイア達を俺の後ろに避難させる。
「パナケア王国の貴族様に言われちゃあ今回の決闘で勝った事も辞退するしかねえもんな。――おいクソガキ! お前には奴隷の腕輪でも付けて俺達の荷物持ちとして飼ってやるぜ! くははは!」
「なあ、ギルドマスター。この場合どうすりゃ良いんだ? 手を出しても良いのか?」
「待てアイテール。『狂乱の狼』お前達は冒険者ギルドから除名だ。もちろんその事は教国の冒険者ギルドにも強く抗議文を添えて報告する。お前達は今後冒険者して活動はできないだろうな」
「どういう事だよ! ソイツは報酬を辞退したんだろ! ならEランクに落ちる事も無くなったはずだ! それがなぜ除名なんて事になるんだよ! 無茶苦茶な事言ってんじゃねえ! おら! 女どもはこっちに来い!」
そして俺の後ろにいるエイア達に手を伸ばした――!
「そう言うなリマンダ男爵。男の不敬罪は良いとして、パーティーの娘達は中々の······へ? ヒュギ――んむっ」
ほう、自分で口を手で押さえ思いとどまったみたいだな、と言うか今までエイアやセレーナに気付いてなかったのか。
「どうされましたヒョンビー子爵。娘達をお望みでしたらいかようにもできましょう。言われてみればそうですね、どの女も美し······いぃー!」
こっちも気付いたようだ。二人は深く腰掛けていたソファーから立ち上がり、跪くまではいかないが直立不動の姿勢になった。
「ラ、ラカス枢機卿、シークジール枢機卿、この件は覆す事は無理だ、私達ではこの方達に進言はできても強要はできん!」
「ヒョンビー子爵の言う通りです! 教国との付き合いもありますが、我々はこの件から外れる。では申し訳ないですがこれにて」
二人はバタバタとそう言うと応接室を出ていこうとするが、俺達がいるからすぐには出れない。
「ど、どういう事ですか! それではシークジール枢機卿の立場はどうすれば良いと言うのですか!?」
「そ、そうです! このままですと私は教国に帰る場所も無くなるのですぞ! どうか! 支援金をこれまでいただいた分の倍お支払いたします! それに王都の屋敷もお返しします! ヒョンビー子爵殿、リマンダ男爵殿、お願いですから助けて下さい!」
「へえ。ヒョンビー子爵にリマンダ男爵。シークジール元枢機卿の屋敷とは? 全財産を賭けた訳ですからその屋敷もアイテールの物ですし、場所を教えてもらえますか?」
「そうだねセレーナ。いつまでも間借りしているよりアイテールのお家があった方が良いよね」
家か、そんなにデカくなくて良いが、あると毎回王城や公爵邸の世話にならなくてすむよな。
「はっ! 城下の貴族街にあり、グレース公爵様のお屋敷に近い所にあります! この後案内いたしましょう。大きな敷地で、綺麗な庭のある屋敷です」
「なぜです! なぜそうなるのですか!」
まあ、分かってないからそうなるよな。俺達の事をバラすのは簡単だが、その後エイア達が自由に冒険者をできなくなるのは避けたいんだが······。
「あなた方が相手をしているアイテールは、まだ秘密で口外禁止ですがパナケア王国の伯爵ですよ? 近々公表されると思いますが、不敬を働いているのはどちらになるか、分かりますよね?」
セレーナが強い口調でまだソファーに座ったままの枢機卿二人にそう言い放った。
セレーナは俺を見て笑顔で頷いた。そうか、ここだけの話に持っていくのかな。
「なっ! ま、まさか!」
「へ、平民ではないだと! それも私と同じ伯爵位!」
まあそうだな、確か明後日が叙爵と婚約発表になるはずだから貴族達になら多少は知らせておいても良いのかもしれない。
二人の枢機卿は勢い良く立ち上がり、先に立った二人と同じように直立不動になった。
「それに教国からもお返事が来ているのです、アイテールは教国でも伯爵のはずですよね? ギルドマスター」
「ああ。教皇のサインだからな。後は後日、爵位の公開と枢機卿の任命式をしたいそうだ、こちらの事が済みしだい来て欲しいと書いてあった。後で目を通してもらえるか」
「それがあったか······、まあ、一度は行くつもりだったからな、その時にでもよってみるか。ダンジョンの報告前に見せてもらうよ」
「それからな、冒険者ギルドの本部にアイテール達のSランク昇格申請もしているから、そちらにも行ってもらいたいな」
「はは······それもか、ああ分かった。少し後回しになるが、行くことにするよ」
青ざめたシークジールと、心配そうにその姿を見るラカス枢機卿······、まあ、爵位は仕方がないとしても、真面目にやるなら管理監として働いてもらっても······そこはまた相談だな。
そしてなんとかまとまりそうだなと思ったところにあいつ等がやって来た。
「おっ、シークジール枢機卿様、話は終わりましたか、早くコイツらを痛め付けて、女どもはひいひい言わせたいんだからよ、連れていって良いか?」
「な、なぁリーダー、雰囲気がおかしくないか? まだ俺達が出てくる時間じゃないとか?」
「なーに言ってる。ここの扉が開いたらここに来て、クソガキと女どもを連れていって好きにすれば良いと良いと言ってだろ?」
「おい。どういう事だ?」
怒りのため少し低い声になったが、俺はシークジールを睨みながらエイア達を俺の後ろに避難させる。
「パナケア王国の貴族様に言われちゃあ今回の決闘で勝った事も辞退するしかねえもんな。――おいクソガキ! お前には奴隷の腕輪でも付けて俺達の荷物持ちとして飼ってやるぜ! くははは!」
「なあ、ギルドマスター。この場合どうすりゃ良いんだ? 手を出しても良いのか?」
「待てアイテール。『狂乱の狼』お前達は冒険者ギルドから除名だ。もちろんその事は教国の冒険者ギルドにも強く抗議文を添えて報告する。お前達は今後冒険者して活動はできないだろうな」
「どういう事だよ! ソイツは報酬を辞退したんだろ! ならEランクに落ちる事も無くなったはずだ! それがなぜ除名なんて事になるんだよ! 無茶苦茶な事言ってんじゃねえ! おら! 女どもはこっちに来い!」
そして俺の後ろにいるエイア達に手を伸ばした――!
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