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第一章
第53話 森の調査完了
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「ん? 俺に気付いたのか? こっちに向かってきてくれるなら手間が省けるんだが、まあオーガならそれくらいはできそうだしな」
俺はどうせ気付かれているならと真正面から近付くことにした。
しかし遅いな、あのAランクの奴らが逃げ切れるわけだ。ん? なんだ? 木が無理矢理押し倒されているような音が聞こえてきたぞ?
「しかしデカい魔力だな、オーガどころではないのかも知れない、よし、あの岩山で待ってみるか」
進行方向に高さが三十メートルほどしかないが、ポツンと切り立った大きな岩山がある。俺は素早くほぼ垂直の壁を登り、岩山の天辺に来て驚いた······おいおい! 地龍だと!
岩山と同じくらいの高さがある木の先端より上に、俺が今いる岩山と同じような灰色の背中が木を押し潰しながらこちらに向かって来ている。
「こりゃぁ、運が良い、胸当てが一気に手直しできるぞ。肉も美味いしな。だが中層にいるようなやつじゃないよな? まあもしかするとコイツがあのAランク達を追いかけたようにオーガを追いかけていたのかも?」
まあいるんだからありがたくいただこう。それに地龍なら俺の匂いで気付きもするし、向こうから近付いてきてもくれるよな。
胸当てのどこを補強しようか考えている内に、後二百メートル······俺はダガーを一本だけ抜き、魔力をまとわせ始める。
「ふう、集中してもやっぱり師匠ほど長くは無理か。まあ、十メートルは伸びたよな」
俺はようやく眼下に見えてきた地龍の頭に、岩山の足場を生かして上から飛び乗る――。
「しっ!」
ほぼ垂直の壁を下に向けて蹴り、加速しながら地龍の額に向かって――!
ザシュ! ガッ! と地龍の強硬な皮膚と頭蓋へ魔力の刃が食い込み、地龍の魔法耐性を突き破り、ズシュッ! とダガーの持ち手が根本まで突き刺さって、パキン!
「あっ!」
刺さりきったところで地龍の痙攣があり、ダガーが根本から折れてしまった。
スズンとその場に伏せた地龍の頭の上で。
「思ったより硬かったか。このダガーでは持たなかったな、まだまだ修行が足りんと怒られそうだ。収納!」
収納して足場が消え、俺は自由落下で十メートルほど下の地面に着地した。
ん? 奴らの気配が方向を変えて······王都方面にこのまま森を抜ける気か? まああのままじゃドラグルーには戻れはしないが、あの二人が報告するであろう事はすぐに全ての冒険者ギルドで共有されるからな。王都に行こうが冒険者の資格剥奪か、降格はあるだろう、未遂でAランクならそれくらいか。
その後さらに奥まで調査をしたが、オーガを数匹発見討伐し、スタンピードが起こりそうな魔物の群れも無いと判断して戻ることにした。
夕方、ドラグルーに帰ってきてギルドに入るとギルドマスターが俺を見付けてくれたから並ばずに奥の応接室へ向かい、そこで話す事になった。
ソファーに腰掛け、ギルドマスターがお茶を入れながら聞いてきた。
「それで、森の様子は?」
「スタンピードの兆候は無いな。おかしな魔物の集まりもなく、昨夜のグランドワームと、さらに奥にいた地龍のどちらかがオーガを追いかけていたか、たまたま外縁部に出て来たってところだろう。それもだが、女性冒険者二名の報告はあったか?」
「地龍だと? そんな奥まで見に行ったのか、そうか、Aランクならその辺りまでは入り込めるよな。足は遅いからな龍の名を持つ魔物にすればだが。だがアイテールがいてくれて助かったぞ。本来ならこれから依頼を出すか、ギルド職員で調査する手筈だったからな。それにその女性の話は聞いた。そのAランク冒険者達も降格は確定だな」
「くくっ、なら報酬は多めに頼むぞ、地龍でダガーを一本折ってしまったからな。そうだ、そのAランクの奴らは森を王都方面に向かっていたぞ、森の中を移動してだから数日はかかるだろうが」
俺は入れてもらったお茶に手を伸ばし、一口。
「おい、その言い方だと地龍と戦ったようだが?」
「ああ、背中の高さが三十メートルほどのそこそこデカい奴だったぞ」
「その腰のダガーで斬りかかるなんて自殺行為だぞ、まあ無事でなによりだ。グランドワームを引き取る話だったな、報酬はその後で良いだろ?」
「ああ、解体所に出すのか? 物がデカいから入りきらないぞ?」
「大丈夫だ。冒険者ギルドの解体所は空間拡張の魔法が掛けられているからな。地龍だとしても余裕で入るさ」
「なら問題はないな」
買い取りカウンターの横の扉から奥に入ると、言われた通り入ったところに解体道具などが置いてあるのだが、奥は地龍を十匹でも余裕で置ける広さがあった。
「少し離れた所に出してもらえるかゴブリンやオークもいるんだろ? できれば種類別に出してもらえると助かる」
「分かった。ゴブリンから出していくぞ」
手前からゴブリン、オーク、魔狼、トレント、コボルドと出して行ってる最中に。
「待て! 待て待て! なんだこの数は! 森の魔物を全て狩ってきたのか!」
「いや。進行方向にいた奴らだけだぞ? それに一度に戦ってはいないからな、いても十数匹の群れだ、流石に俺も村には突っ込まないさ」
「だ、だが昨晩と今日一日だろ? それもソロで······ま、まあ無事に帰ってきて、ここにいるんだ、良いとしよう。続けてくれ」
「ああ、後は三種類だ、小さい順に行くぞ」
オーガを七匹、グランドワームを出して、最後に地龍を出して完了だ。
ズズンと音を立て、地龍を置いたのを見ていた職員とギルドマスター。
「以上だ。地龍の皮は胸当ての補強に使いたいから少し俺の分は売れないが、解体頼めるか? 後、肉も欲しいな」
ん? あっ、しまったな、デカ過ぎで驚かせてしまったか? 収納は冒険者ギルドの規定で他所に漏らすことはないから気にせず出してしまったが······。
「アイテール。地龍と戦ってダガーが折れたのだろ?」
「ああ、コイツの頭に刺さったままだ。そこは解体の時、気をつけてくれ」
「倒した時に刺して折れたって事か······はは、アイテール、お前はAランクだったよな? 分かった、Sランクの申請をしておく。明日には王都に向けて出発するなら、王都でランク変更してもらえ。よし、お前ら明日の朝までに地龍の解体してしまえ! 一番良い皮と、肉を朝一に渡せるようにな!」
「「任せろ!」」
俺はどうせ気付かれているならと真正面から近付くことにした。
しかし遅いな、あのAランクの奴らが逃げ切れるわけだ。ん? なんだ? 木が無理矢理押し倒されているような音が聞こえてきたぞ?
「しかしデカい魔力だな、オーガどころではないのかも知れない、よし、あの岩山で待ってみるか」
進行方向に高さが三十メートルほどしかないが、ポツンと切り立った大きな岩山がある。俺は素早くほぼ垂直の壁を登り、岩山の天辺に来て驚いた······おいおい! 地龍だと!
岩山と同じくらいの高さがある木の先端より上に、俺が今いる岩山と同じような灰色の背中が木を押し潰しながらこちらに向かって来ている。
「こりゃぁ、運が良い、胸当てが一気に手直しできるぞ。肉も美味いしな。だが中層にいるようなやつじゃないよな? まあもしかするとコイツがあのAランク達を追いかけたようにオーガを追いかけていたのかも?」
まあいるんだからありがたくいただこう。それに地龍なら俺の匂いで気付きもするし、向こうから近付いてきてもくれるよな。
胸当てのどこを補強しようか考えている内に、後二百メートル······俺はダガーを一本だけ抜き、魔力をまとわせ始める。
「ふう、集中してもやっぱり師匠ほど長くは無理か。まあ、十メートルは伸びたよな」
俺はようやく眼下に見えてきた地龍の頭に、岩山の足場を生かして上から飛び乗る――。
「しっ!」
ほぼ垂直の壁を下に向けて蹴り、加速しながら地龍の額に向かって――!
ザシュ! ガッ! と地龍の強硬な皮膚と頭蓋へ魔力の刃が食い込み、地龍の魔法耐性を突き破り、ズシュッ! とダガーの持ち手が根本まで突き刺さって、パキン!
「あっ!」
刺さりきったところで地龍の痙攣があり、ダガーが根本から折れてしまった。
スズンとその場に伏せた地龍の頭の上で。
「思ったより硬かったか。このダガーでは持たなかったな、まだまだ修行が足りんと怒られそうだ。収納!」
収納して足場が消え、俺は自由落下で十メートルほど下の地面に着地した。
ん? 奴らの気配が方向を変えて······王都方面にこのまま森を抜ける気か? まああのままじゃドラグルーには戻れはしないが、あの二人が報告するであろう事はすぐに全ての冒険者ギルドで共有されるからな。王都に行こうが冒険者の資格剥奪か、降格はあるだろう、未遂でAランクならそれくらいか。
その後さらに奥まで調査をしたが、オーガを数匹発見討伐し、スタンピードが起こりそうな魔物の群れも無いと判断して戻ることにした。
夕方、ドラグルーに帰ってきてギルドに入るとギルドマスターが俺を見付けてくれたから並ばずに奥の応接室へ向かい、そこで話す事になった。
ソファーに腰掛け、ギルドマスターがお茶を入れながら聞いてきた。
「それで、森の様子は?」
「スタンピードの兆候は無いな。おかしな魔物の集まりもなく、昨夜のグランドワームと、さらに奥にいた地龍のどちらかがオーガを追いかけていたか、たまたま外縁部に出て来たってところだろう。それもだが、女性冒険者二名の報告はあったか?」
「地龍だと? そんな奥まで見に行ったのか、そうか、Aランクならその辺りまでは入り込めるよな。足は遅いからな龍の名を持つ魔物にすればだが。だがアイテールがいてくれて助かったぞ。本来ならこれから依頼を出すか、ギルド職員で調査する手筈だったからな。それにその女性の話は聞いた。そのAランク冒険者達も降格は確定だな」
「くくっ、なら報酬は多めに頼むぞ、地龍でダガーを一本折ってしまったからな。そうだ、そのAランクの奴らは森を王都方面に向かっていたぞ、森の中を移動してだから数日はかかるだろうが」
俺は入れてもらったお茶に手を伸ばし、一口。
「おい、その言い方だと地龍と戦ったようだが?」
「ああ、背中の高さが三十メートルほどのそこそこデカい奴だったぞ」
「その腰のダガーで斬りかかるなんて自殺行為だぞ、まあ無事でなによりだ。グランドワームを引き取る話だったな、報酬はその後で良いだろ?」
「ああ、解体所に出すのか? 物がデカいから入りきらないぞ?」
「大丈夫だ。冒険者ギルドの解体所は空間拡張の魔法が掛けられているからな。地龍だとしても余裕で入るさ」
「なら問題はないな」
買い取りカウンターの横の扉から奥に入ると、言われた通り入ったところに解体道具などが置いてあるのだが、奥は地龍を十匹でも余裕で置ける広さがあった。
「少し離れた所に出してもらえるかゴブリンやオークもいるんだろ? できれば種類別に出してもらえると助かる」
「分かった。ゴブリンから出していくぞ」
手前からゴブリン、オーク、魔狼、トレント、コボルドと出して行ってる最中に。
「待て! 待て待て! なんだこの数は! 森の魔物を全て狩ってきたのか!」
「いや。進行方向にいた奴らだけだぞ? それに一度に戦ってはいないからな、いても十数匹の群れだ、流石に俺も村には突っ込まないさ」
「だ、だが昨晩と今日一日だろ? それもソロで······ま、まあ無事に帰ってきて、ここにいるんだ、良いとしよう。続けてくれ」
「ああ、後は三種類だ、小さい順に行くぞ」
オーガを七匹、グランドワームを出して、最後に地龍を出して完了だ。
ズズンと音を立て、地龍を置いたのを見ていた職員とギルドマスター。
「以上だ。地龍の皮は胸当ての補強に使いたいから少し俺の分は売れないが、解体頼めるか? 後、肉も欲しいな」
ん? あっ、しまったな、デカ過ぎで驚かせてしまったか? 収納は冒険者ギルドの規定で他所に漏らすことはないから気にせず出してしまったが······。
「アイテール。地龍と戦ってダガーが折れたのだろ?」
「ああ、コイツの頭に刺さったままだ。そこは解体の時、気をつけてくれ」
「倒した時に刺して折れたって事か······はは、アイテール、お前はAランクだったよな? 分かった、Sランクの申請をしておく。明日には王都に向けて出発するなら、王都でランク変更してもらえ。よし、お前ら明日の朝までに地龍の解体してしまえ! 一番良い皮と、肉を朝一に渡せるようにな!」
「「任せろ!」」
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