43 / 103
第一章
第43話 夜の森で
しおりを挟む
ん? 魔物か······数は少ないが、仕方ないな、まだ誰も動きがないという事は気付いてないんだな。
俺は引っ付いているエイアとセレーナ、セレーナの向こうのリーンを起こさないように枕にされている腕を抜き、毛布から抜け出て装備を整える。
「アイテール様、どうかしましたか?」
「起きていたのか、ああ、十数匹だがたぶんゴブリンかな魔狼ならもう少し動きが早いからな、ちょっと行って倒してくるよ、俺がいない間は任せた」
「兵には知らせないので? 十数匹でしたらアイテール様が出るほどではないかと思いますが」
「いや、兵士達はまだ王都まで気の休まる事がないだろ? この程度なら俺が行って何事もなかったようにしておけば良いさ。それに一キロほど離れているからな、夜の森では兵士達には見付けられないだろ? 俺は夜目の魔法があるから」
「そ、そのような遠いところの気配を!?」
「だが、確実に近付いてきてる。今夜は人が多いから余計だろうな、まあ、まだ余裕があるが、痛っ、ん? すまない、ちょっと引っかけてしまったようだ、たぶん留め具なんだが見てくれないか?」
らしくない、髪の毛ががっつり鎧下に引っかけてしまったようだ。
「くふふ。私も良くやります、少々お待ちを。あらやっぱり、これなら······はい」
引っ張られていた髪の毛が外れた。
「ありがとう。よし、後は胸当てを······」
胸当ての角が鎧下に当たるように調整しながら固定して、ベルトにダガーを取り付け完了だ。
「じゃあみんなをよろしくな」
「はい。行ってらっしゃいませ。ご武運を」
俺は見送られ、テントを出て森に向かう。
森に入り、真っ暗闇になる前に夜目の魔法をかけて、昼間と同等に景色が見えたところで俺は五百メートルほどまで近付いてきた魔物に気配を消しながら駆け足で向かう。
これはゴブリンでもないな、魔狼が歩いていたのか、それも一匹気配を消しているが、ガルム? こんな森の浅い場所にいるとはな······くくっ、胸当ての補強と、冬用の鎧下にさせてもらおう。
俺は少し下草が少なく、木の間隔が広い場所で待ち伏せすることにした。
残り五十メートル。
三十メートル。
十五メートル。
カサ······カサと下草の揺れる音が近付き――。
先頭がガルムだな、おっとこいつは大物だ。俺は魔力を高め、ガルムに向けて左手を伸ばし無詠唱で――ウインドアロー!
体高が魔狼より一回り大きいガルムは一メートルほどの高さの下草から完全に体が見えている。
毛皮に無駄な傷が付かないよう狙うのは眉間だ。目に見えないウインドアローは狙い通りに目と目の間にブシュッと音を立て穴を開けた。
ガルムは死んだ事にも気付かず、数歩進み、カサッと音を立てその場で伏せるように崩れ落ちた。
それを俺は収納。そして魔狼達はいきなり伏せて、姿を消したガルムを探すように、茂みで見えなかった首を伸ばすように下草から出し、キョロキョロとボスを探しているところを――ウインドアロー!
ブシュッ、ブシュッ······。
残さず十五匹の魔狼を撃ち抜き、ガルムと魔狼の群れを倒しきった。
「ふう。上手く行ったな、魔狼も収納! よし帰るか」
途中、珍しいキノコが群生している倒木を発見し。
「おお! 良い物があったな、これをスープに入れるか、焼くと美味いんだよな」
キノコを根こそぎ採取して、夜営地に戻ってきたのだが、出掛けた時と同じで平和そのものだ。
そしてテントに戻ると。
「お帰りなさいませ。魔物はいかがでしたか?」
「問題ない。魔狼とガルムだったが、全部倒してきたぞ」
「おお! それは良いものを狩れましたね。ではまだ夜も半ばですから休んで下さいアイテール様」
「ああ、そうさせてもらうよ」
俺はダガーを外し、胸当て鎧下を脱ぎ、今さら真ん中には入れないため、木箱の寝台の端に寝転ぶと目を閉じ、すぐに眠気が来て、寝てしまった。
ん、動き始めたか、朝だな。
外が少し慌ただしくなったのを感じ、目が覚めた。よし、朝ごはんでも作るか。
そっと身を起こすと。
「おはようございます。昨夜はガルムを倒したと聞きました。お陰で何事もなく皆疲れを取る事ができました」
「おはよう。いや、アレくらいならいつもやっていた事だからな、それにガルム達が来るまでは俺も寝ていたし、その後も寝てるだろ? んっと、じゃあ朝ごはんでも作るよ」
起き上がり、装備を······よし、今朝は引っ掛からずに装備も完了。テントを出て火を起こし、湯を沸かしていく。
「アイテール様おはようございます。昨夜はありがとうございました」
「流石ですねアイテール様」
「おはようございます、ガルムを倒したと聞きました――」
火の番をしている俺に、近くにいた兵士達が次々と朝の挨拶と、お礼を言ってくるが、参ったな、俺としては、ガルムなんて良い素材が手に入った幸運な魔物襲来だったのだが。
「アイテール。朝から報告来たぞ、また活躍だそうだな。助かる」
「公爵様、奥様。おはようございます。いえ、胸当ての補強素材を狩りに行っただけでしたし、こうもみんなに褒められると」
沸きだした鍋に干し肉に野菜、そしてキノコを投入する手を止め、苦笑いをしながら返事をする。
「くくっ、まあお前なら余裕だろうな。食事の後出立だ。今日も頼む。それから美味そうだな」
「ああ、このキノコですか、討伐の帰りに見付けてきたんです。倒木一本で大量に生えていたから根こそぎ採取ですね、公爵達も食べていきますか? 多めに作っているから二人分は余裕があるし」
「くくっ、中々公爵を食事に誘う奴などおらんからな、まあ良い私達は簡単な物を食べてしまったのだ······だが美味そうだな、少し分けてもらうとするか」
「はい。煮えるまで、もう少しかかるので、エイア達もまだ寝てますか――」
そこへテントが開き、護衛とエイア、リーン、セレーナが続いて出てきました。
「おはようアイテール、それからおじさんとおばさんも。アイテールったらガルムを倒したんだって、見させてもらおうよ!」
「おはようエイア」
「おはよう。私も見てみたいな、鍋が煮えるのを待つ間に見せてもらえるか?」
「ん? 良いぞ、と言っても収納はできるだけ隠していたんだがまあ良いか、テントの影にだすぞ、ほいっと!」
ズン。
俺は引っ付いているエイアとセレーナ、セレーナの向こうのリーンを起こさないように枕にされている腕を抜き、毛布から抜け出て装備を整える。
「アイテール様、どうかしましたか?」
「起きていたのか、ああ、十数匹だがたぶんゴブリンかな魔狼ならもう少し動きが早いからな、ちょっと行って倒してくるよ、俺がいない間は任せた」
「兵には知らせないので? 十数匹でしたらアイテール様が出るほどではないかと思いますが」
「いや、兵士達はまだ王都まで気の休まる事がないだろ? この程度なら俺が行って何事もなかったようにしておけば良いさ。それに一キロほど離れているからな、夜の森では兵士達には見付けられないだろ? 俺は夜目の魔法があるから」
「そ、そのような遠いところの気配を!?」
「だが、確実に近付いてきてる。今夜は人が多いから余計だろうな、まあ、まだ余裕があるが、痛っ、ん? すまない、ちょっと引っかけてしまったようだ、たぶん留め具なんだが見てくれないか?」
らしくない、髪の毛ががっつり鎧下に引っかけてしまったようだ。
「くふふ。私も良くやります、少々お待ちを。あらやっぱり、これなら······はい」
引っ張られていた髪の毛が外れた。
「ありがとう。よし、後は胸当てを······」
胸当ての角が鎧下に当たるように調整しながら固定して、ベルトにダガーを取り付け完了だ。
「じゃあみんなをよろしくな」
「はい。行ってらっしゃいませ。ご武運を」
俺は見送られ、テントを出て森に向かう。
森に入り、真っ暗闇になる前に夜目の魔法をかけて、昼間と同等に景色が見えたところで俺は五百メートルほどまで近付いてきた魔物に気配を消しながら駆け足で向かう。
これはゴブリンでもないな、魔狼が歩いていたのか、それも一匹気配を消しているが、ガルム? こんな森の浅い場所にいるとはな······くくっ、胸当ての補強と、冬用の鎧下にさせてもらおう。
俺は少し下草が少なく、木の間隔が広い場所で待ち伏せすることにした。
残り五十メートル。
三十メートル。
十五メートル。
カサ······カサと下草の揺れる音が近付き――。
先頭がガルムだな、おっとこいつは大物だ。俺は魔力を高め、ガルムに向けて左手を伸ばし無詠唱で――ウインドアロー!
体高が魔狼より一回り大きいガルムは一メートルほどの高さの下草から完全に体が見えている。
毛皮に無駄な傷が付かないよう狙うのは眉間だ。目に見えないウインドアローは狙い通りに目と目の間にブシュッと音を立て穴を開けた。
ガルムは死んだ事にも気付かず、数歩進み、カサッと音を立てその場で伏せるように崩れ落ちた。
それを俺は収納。そして魔狼達はいきなり伏せて、姿を消したガルムを探すように、茂みで見えなかった首を伸ばすように下草から出し、キョロキョロとボスを探しているところを――ウインドアロー!
ブシュッ、ブシュッ······。
残さず十五匹の魔狼を撃ち抜き、ガルムと魔狼の群れを倒しきった。
「ふう。上手く行ったな、魔狼も収納! よし帰るか」
途中、珍しいキノコが群生している倒木を発見し。
「おお! 良い物があったな、これをスープに入れるか、焼くと美味いんだよな」
キノコを根こそぎ採取して、夜営地に戻ってきたのだが、出掛けた時と同じで平和そのものだ。
そしてテントに戻ると。
「お帰りなさいませ。魔物はいかがでしたか?」
「問題ない。魔狼とガルムだったが、全部倒してきたぞ」
「おお! それは良いものを狩れましたね。ではまだ夜も半ばですから休んで下さいアイテール様」
「ああ、そうさせてもらうよ」
俺はダガーを外し、胸当て鎧下を脱ぎ、今さら真ん中には入れないため、木箱の寝台の端に寝転ぶと目を閉じ、すぐに眠気が来て、寝てしまった。
ん、動き始めたか、朝だな。
外が少し慌ただしくなったのを感じ、目が覚めた。よし、朝ごはんでも作るか。
そっと身を起こすと。
「おはようございます。昨夜はガルムを倒したと聞きました。お陰で何事もなく皆疲れを取る事ができました」
「おはよう。いや、アレくらいならいつもやっていた事だからな、それにガルム達が来るまでは俺も寝ていたし、その後も寝てるだろ? んっと、じゃあ朝ごはんでも作るよ」
起き上がり、装備を······よし、今朝は引っ掛からずに装備も完了。テントを出て火を起こし、湯を沸かしていく。
「アイテール様おはようございます。昨夜はありがとうございました」
「流石ですねアイテール様」
「おはようございます、ガルムを倒したと聞きました――」
火の番をしている俺に、近くにいた兵士達が次々と朝の挨拶と、お礼を言ってくるが、参ったな、俺としては、ガルムなんて良い素材が手に入った幸運な魔物襲来だったのだが。
「アイテール。朝から報告来たぞ、また活躍だそうだな。助かる」
「公爵様、奥様。おはようございます。いえ、胸当ての補強素材を狩りに行っただけでしたし、こうもみんなに褒められると」
沸きだした鍋に干し肉に野菜、そしてキノコを投入する手を止め、苦笑いをしながら返事をする。
「くくっ、まあお前なら余裕だろうな。食事の後出立だ。今日も頼む。それから美味そうだな」
「ああ、このキノコですか、討伐の帰りに見付けてきたんです。倒木一本で大量に生えていたから根こそぎ採取ですね、公爵達も食べていきますか? 多めに作っているから二人分は余裕があるし」
「くくっ、中々公爵を食事に誘う奴などおらんからな、まあ良い私達は簡単な物を食べてしまったのだ······だが美味そうだな、少し分けてもらうとするか」
「はい。煮えるまで、もう少しかかるので、エイア達もまだ寝てますか――」
そこへテントが開き、護衛とエイア、リーン、セレーナが続いて出てきました。
「おはようアイテール、それからおじさんとおばさんも。アイテールったらガルムを倒したんだって、見させてもらおうよ!」
「おはようエイア」
「おはよう。私も見てみたいな、鍋が煮えるのを待つ間に見せてもらえるか?」
「ん? 良いぞ、と言っても収納はできるだけ隠していたんだがまあ良いか、テントの影にだすぞ、ほいっと!」
ズン。
12
お気に入りに追加
2,722
あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~
名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる