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本編
パツキンギャル宮殿
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「そろそろ勇者とかぶっ殺したいです」
「藪から棒に物騒だな女神サマ」
バイトの報酬の3兆でレオパレスを買収した俺達は余った金で異様に壁の薄いパツキンギャル宮殿を建設し、しこたまくつろいでいた。
「だって、ここまでチート持ちを狩りまくってきたとは言えですよ? 私達がカモにしていたのはチート持ちになってから経験の浅い者……いわば駆け出しのチート持ちなわけじゃないですか」
「な、なんだってぇー。じゃあ俺達は井の中の蛙だったってわけかよー」
会話の内容とは別に、衝撃の事実をもう一つ。
実は俺と女神サマは別々の部屋にいた。互いの部屋の間には薄いバッキンガムが1枚あるのだが、あまりの薄さにこのように日常会話が成り立ってしまうのだった。
神の怒りを買ったレオパレスは後日無残な死体となって発見されるのだが、それはまた別のお話。
「と、いうことで勇者クラスのつえぇチート野郎を探します」
「やれやれ」
ということで、俺達は新たな戦場を求めてーー
『話は聞かせてもらったッス!!』
バリバリバリィ!!
薄壁を3バッキンガムほどぶち破って奴隷がエントリーをかましてきた。
「勇者なら丁度いいのがいるんスよ先輩方!」
「ほー、どんなヤツです?」
女神サマが促すと、したり顔で奴隷は語り出した。
「その昔、ダークエンシェントファイナルソフトオンデマンドラゴン
に食べられかけていた私を1人で撃退して救ってくれた上、見返りを求めることなく名も言わずに去っていった超いけ好かない勇者がいるんスよ!」
「あのダークエンシェントファイナルソフトオンデマンドラゴンをたった1人で……ゴクリ。ですよ」
なんか知らんが盛り上がってるようだ。
「そのなんとかドラゴンって強いのか?」
「強いなんてもんじゃないッスよ!そりゃもうドエロいんスよ!」
「そうですよ、加藤イーグルと双璧をなすエロさと専らの噂なんですから!」
「ふーん。それで、その勇者は強いの?弱いの?」
ぶっ殺す立場としてはそこが何よりも大事だ。
「それはわかりません……ただ……」
「そうッスね、限りなく未知数ッス……ただ……」
2人は顔を見合わせ、ニヤリと笑った。
「「とんでもなく、エロい」」
「やれやれ」
とんでもない勇者だ。
「そりゃあ生かしてはおけないな、よしじゃあさっそく探しに」
『話は聞かせてもらったゾーーっ!!』
バリバリバリバリバリバリィ!!!
6バッキンガムほどぶち破って何者かが俺達の元へやって来た。
「お、お前はー!ッス」
いち早く反応した奴隷は、見れば足をガタガタと震わせている。目の焦点が定まっていない。口から泡を吹き出した。ゆっくりと膝から崩れ落ちる。
と見せかけて立ち上がり、何事も無かったかのように叫ぶ。
「あの時の勇者ーー!」
「いかにもだゾ!!」
ばばーんと決めポーズをとる勇者らしき人。いや、こいつ……
「女だったんですね」
「そうだが、なにか問題でもあるのか?」
「フンッ!」
ドシャァ!!
俺の間合いに入るとは、勇者ともあろう人間が浅はかだったな。
悪、即、斬。チート殺すべし。
「さすがはテンプレキラー。御褒美に柿ピーあげます」
「すげーッス!先輩やっぱすげーッス!」
「ああ、中々の威力だったゾ!とても興奮したゾ!」
この僅か2秒後、俺達は三人仲良く並んで土下座をしていた。
勝てねぇ。この勇者には勝てねぇ。フンってやったのにドシャアってならないヤツには勝てねぇ……!
「別に怒ってないゾ」
なーんだ、よかった。
「勇者、柿ピー食べますか?」
「あ、それ俺のじゃないか」
「まあまあ、いいじゃないッスかー!」
「こらこら、喧嘩はよくないゾ。ほら、柿ピーでも食べて落ち着くんだ」
「ありがとう……って、それも俺のじゃねえかよー!(ズコー)」
『はははははは』
仲間増えた。
「藪から棒に物騒だな女神サマ」
バイトの報酬の3兆でレオパレスを買収した俺達は余った金で異様に壁の薄いパツキンギャル宮殿を建設し、しこたまくつろいでいた。
「だって、ここまでチート持ちを狩りまくってきたとは言えですよ? 私達がカモにしていたのはチート持ちになってから経験の浅い者……いわば駆け出しのチート持ちなわけじゃないですか」
「な、なんだってぇー。じゃあ俺達は井の中の蛙だったってわけかよー」
会話の内容とは別に、衝撃の事実をもう一つ。
実は俺と女神サマは別々の部屋にいた。互いの部屋の間には薄いバッキンガムが1枚あるのだが、あまりの薄さにこのように日常会話が成り立ってしまうのだった。
神の怒りを買ったレオパレスは後日無残な死体となって発見されるのだが、それはまた別のお話。
「と、いうことで勇者クラスのつえぇチート野郎を探します」
「やれやれ」
ということで、俺達は新たな戦場を求めてーー
『話は聞かせてもらったッス!!』
バリバリバリィ!!
薄壁を3バッキンガムほどぶち破って奴隷がエントリーをかましてきた。
「勇者なら丁度いいのがいるんスよ先輩方!」
「ほー、どんなヤツです?」
女神サマが促すと、したり顔で奴隷は語り出した。
「その昔、ダークエンシェントファイナルソフトオンデマンドラゴン
に食べられかけていた私を1人で撃退して救ってくれた上、見返りを求めることなく名も言わずに去っていった超いけ好かない勇者がいるんスよ!」
「あのダークエンシェントファイナルソフトオンデマンドラゴンをたった1人で……ゴクリ。ですよ」
なんか知らんが盛り上がってるようだ。
「そのなんとかドラゴンって強いのか?」
「強いなんてもんじゃないッスよ!そりゃもうドエロいんスよ!」
「そうですよ、加藤イーグルと双璧をなすエロさと専らの噂なんですから!」
「ふーん。それで、その勇者は強いの?弱いの?」
ぶっ殺す立場としてはそこが何よりも大事だ。
「それはわかりません……ただ……」
「そうッスね、限りなく未知数ッス……ただ……」
2人は顔を見合わせ、ニヤリと笑った。
「「とんでもなく、エロい」」
「やれやれ」
とんでもない勇者だ。
「そりゃあ生かしてはおけないな、よしじゃあさっそく探しに」
『話は聞かせてもらったゾーーっ!!』
バリバリバリバリバリバリィ!!!
6バッキンガムほどぶち破って何者かが俺達の元へやって来た。
「お、お前はー!ッス」
いち早く反応した奴隷は、見れば足をガタガタと震わせている。目の焦点が定まっていない。口から泡を吹き出した。ゆっくりと膝から崩れ落ちる。
と見せかけて立ち上がり、何事も無かったかのように叫ぶ。
「あの時の勇者ーー!」
「いかにもだゾ!!」
ばばーんと決めポーズをとる勇者らしき人。いや、こいつ……
「女だったんですね」
「そうだが、なにか問題でもあるのか?」
「フンッ!」
ドシャァ!!
俺の間合いに入るとは、勇者ともあろう人間が浅はかだったな。
悪、即、斬。チート殺すべし。
「さすがはテンプレキラー。御褒美に柿ピーあげます」
「すげーッス!先輩やっぱすげーッス!」
「ああ、中々の威力だったゾ!とても興奮したゾ!」
この僅か2秒後、俺達は三人仲良く並んで土下座をしていた。
勝てねぇ。この勇者には勝てねぇ。フンってやったのにドシャアってならないヤツには勝てねぇ……!
「別に怒ってないゾ」
なーんだ、よかった。
「勇者、柿ピー食べますか?」
「あ、それ俺のじゃないか」
「まあまあ、いいじゃないッスかー!」
「こらこら、喧嘩はよくないゾ。ほら、柿ピーでも食べて落ち着くんだ」
「ありがとう……って、それも俺のじゃねえかよー!(ズコー)」
『はははははは』
仲間増えた。
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