102 / 115
チャムク帝国
100話 断ち切る
しおりを挟む
「時間はある。ゆっくり話そう。まずはヴォラクからだね」
ソロモンは満足そうに頷く。
「サマエル、仮面を外してくれないか?」
「何故です?」
「何となくさ、そっちの方が話しやすい気がしてね」
ラズリは躊躇
ホルスは斜め上、空を見る。
「ヴォラクのことについて話すか。どこまで知ってる?」
自身の夢を語るよに笑顔で話し始める。
「ありえない!」
レオはセイレに怒鳴る。
「信じるも信じないもそっちの勝手だよ。でも真実は変わらない」
セイレは自身の目を触るとコンタクトを外す。コンタクトはカラーコンタクトだった。
「ま・・・まさか!」
「君が受け入れるか受け入れないかは重大ではないんだよ。論点はただ一つ、君達の“計画”さ」
レオは思わず、目を背ける。
「ヴォラクは手放した訳じゃないさ。ただ、私が生きているってことを教えてたかったんだ。お前がくれば、自ずとヴォラクを手に入れられる。ヴォラクは元気かな?」
「ええ、まあ」
「ああ、それと、アデリアの人々だがもう死んだよ。大事な養分になって貰ったよ」
「養分?」
「それはそのうちね」
「何故、アデリアを?」
「あそこは資金がたんまりあったからね。それに、あいつらも武器を欲しがってたからね。ギブアンドテイクさ」
「そう・・・ですか」
「それに、あの大砲もネックレスも万が一の保険だよ」
「保険?」
「そう、お前が敵に回った場合のね。威力も申し分ないようだったしね。ネックレスの方はもう少し改良が必要の様だけどね」
ラズリは神聖ムニティーム帝国のこと、そしてストゥルティのことを思い出す。
「ああ、でも信じていたよ。必ず帰ってくるって」
ソロモンはニコリっとする。
「・・・どうすれば救える?」
「その救うは、まさか世界中の人々ではないよね?」
ラズリは答えに詰まる。ソロモンはため息を吐く。
「サマエル」
先程の柔らかい口調から一変、殺意のある声へと変わる。
ラズリは思わず体が強張る。
「随分、甘え考えになったな。そうか、それ程までにこの世界は魅力的だったか、なら全て壊さなければな」
「ま、待って下さい。な、仲間だけは助けて下さい」
ラズリは頭を下げる。
「ハッハハハハ」
ホルスは大爆笑する。
「そうか、英雄が人々ではなく仲間を選ぶか。面白い・・・だが全て僕の言う通りにしろ。でなければ・・・分かっているね?」
「・・・はい」
ラズリの目は研究所にいた時と同じ目になっていた。
ホルスは立ち上がり、ラズリを中へと入る。歩きながら話し始める。
「さっきの私の言葉だがお前に僕の力を移植したいんだ」
「そんなことをすればあなたは死ぬぞ」
「そうだね。従来はそうだね。私はね、研究の結果、死なずに移植することに成功したんだ」
ラズリの方をむく。
「サマエル、案内しよう」
「・・・はい」
地下へ行く。
「よう、ラズリ。いやサマエルの方がいいかな」
セイレが待っていた。
「で、始めるの?」
「まだ、その時ではない」」
「そうかい」
セイレはドアを開け、閉じる。
「・・・うわ“・・・」
ラズリにしては太い声、そして鈍い声に嫌な予感覚える。
「まさか」
セイレはありない想像をしてしまう。
「なっ?」
血を流して倒れるソロモンと返り血を浴び血の付いた剣を握っているラズリがそこにいた。
「・・・な、何故だ?・・・サマエル、なぜ?」
「生きられない。あなたのためには生きられないんだ。あなたの期待にも目的にも応えられない・・・誰かの為に生きられない。産まれたくなかった。生きたくなかった・・・」
言わなければならなかった。この呪縛から抜け出すためには
ラズリは歯を食いしばり、強く拳を握る。
「産まれて良かったことなんてない!」
ラズリは仲間を思い浮かべる。過去をそしてこれから訪れるであろう未来を。だがそれらに自身はいなかった。
「(えー、言うね)」
セイレは関心したように、その光景を眺めていた。
「お前・・・僕の望みを・・・ため生まれ・・・」
事切れる。
「殺(や)るか?」
ラズリは剣を消し、ホルスに言う。
「まさか」
セイレは降参の意を示すため両手を挙げる。ラズリは一拍置き、セイレは問う。
「ソロモンの目的については?」
「知る意味があるか?」
ラズリはその質問には答えない。セイレは死んだソロモンをチラリっと見た後、鼻でため息をつくと、
「ソロモンは完璧な存在を創り、自身の目的を果たすことにあった。その目的とは自身を見下す者達を見返すこと。その為に世界を手に入れようとしたんだ。いやー、とてつもない執念だったね」
ラズリは、まだ動かないソロモンを見ていた。
「または、気づいた時には後戻り出来ない所まで来ていた」
ソロモンは満足そうに頷く。
「サマエル、仮面を外してくれないか?」
「何故です?」
「何となくさ、そっちの方が話しやすい気がしてね」
ラズリは躊躇
ホルスは斜め上、空を見る。
「ヴォラクのことについて話すか。どこまで知ってる?」
自身の夢を語るよに笑顔で話し始める。
「ありえない!」
レオはセイレに怒鳴る。
「信じるも信じないもそっちの勝手だよ。でも真実は変わらない」
セイレは自身の目を触るとコンタクトを外す。コンタクトはカラーコンタクトだった。
「ま・・・まさか!」
「君が受け入れるか受け入れないかは重大ではないんだよ。論点はただ一つ、君達の“計画”さ」
レオは思わず、目を背ける。
「ヴォラクは手放した訳じゃないさ。ただ、私が生きているってことを教えてたかったんだ。お前がくれば、自ずとヴォラクを手に入れられる。ヴォラクは元気かな?」
「ええ、まあ」
「ああ、それと、アデリアの人々だがもう死んだよ。大事な養分になって貰ったよ」
「養分?」
「それはそのうちね」
「何故、アデリアを?」
「あそこは資金がたんまりあったからね。それに、あいつらも武器を欲しがってたからね。ギブアンドテイクさ」
「そう・・・ですか」
「それに、あの大砲もネックレスも万が一の保険だよ」
「保険?」
「そう、お前が敵に回った場合のね。威力も申し分ないようだったしね。ネックレスの方はもう少し改良が必要の様だけどね」
ラズリは神聖ムニティーム帝国のこと、そしてストゥルティのことを思い出す。
「ああ、でも信じていたよ。必ず帰ってくるって」
ソロモンはニコリっとする。
「・・・どうすれば救える?」
「その救うは、まさか世界中の人々ではないよね?」
ラズリは答えに詰まる。ソロモンはため息を吐く。
「サマエル」
先程の柔らかい口調から一変、殺意のある声へと変わる。
ラズリは思わず体が強張る。
「随分、甘え考えになったな。そうか、それ程までにこの世界は魅力的だったか、なら全て壊さなければな」
「ま、待って下さい。な、仲間だけは助けて下さい」
ラズリは頭を下げる。
「ハッハハハハ」
ホルスは大爆笑する。
「そうか、英雄が人々ではなく仲間を選ぶか。面白い・・・だが全て僕の言う通りにしろ。でなければ・・・分かっているね?」
「・・・はい」
ラズリの目は研究所にいた時と同じ目になっていた。
ホルスは立ち上がり、ラズリを中へと入る。歩きながら話し始める。
「さっきの私の言葉だがお前に僕の力を移植したいんだ」
「そんなことをすればあなたは死ぬぞ」
「そうだね。従来はそうだね。私はね、研究の結果、死なずに移植することに成功したんだ」
ラズリの方をむく。
「サマエル、案内しよう」
「・・・はい」
地下へ行く。
「よう、ラズリ。いやサマエルの方がいいかな」
セイレが待っていた。
「で、始めるの?」
「まだ、その時ではない」」
「そうかい」
セイレはドアを開け、閉じる。
「・・・うわ“・・・」
ラズリにしては太い声、そして鈍い声に嫌な予感覚える。
「まさか」
セイレはありない想像をしてしまう。
「なっ?」
血を流して倒れるソロモンと返り血を浴び血の付いた剣を握っているラズリがそこにいた。
「・・・な、何故だ?・・・サマエル、なぜ?」
「生きられない。あなたのためには生きられないんだ。あなたの期待にも目的にも応えられない・・・誰かの為に生きられない。産まれたくなかった。生きたくなかった・・・」
言わなければならなかった。この呪縛から抜け出すためには
ラズリは歯を食いしばり、強く拳を握る。
「産まれて良かったことなんてない!」
ラズリは仲間を思い浮かべる。過去をそしてこれから訪れるであろう未来を。だがそれらに自身はいなかった。
「(えー、言うね)」
セイレは関心したように、その光景を眺めていた。
「お前・・・僕の望みを・・・ため生まれ・・・」
事切れる。
「殺(や)るか?」
ラズリは剣を消し、ホルスに言う。
「まさか」
セイレは降参の意を示すため両手を挙げる。ラズリは一拍置き、セイレは問う。
「ソロモンの目的については?」
「知る意味があるか?」
ラズリはその質問には答えない。セイレは死んだソロモンをチラリっと見た後、鼻でため息をつくと、
「ソロモンは完璧な存在を創り、自身の目的を果たすことにあった。その目的とは自身を見下す者達を見返すこと。その為に世界を手に入れようとしたんだ。いやー、とてつもない執念だったね」
ラズリは、まだ動かないソロモンを見ていた。
「または、気づいた時には後戻り出来ない所まで来ていた」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる