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アデリア戦
28話 謎のアーティファクト(2)
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ライは話しの要領が掴めずさらに質問する。
「それが?」
「通常の魔力量なかともかくあの魔力量をどう制御していた?」
全員が確かにっと騒然とする。
「でも付属していたけど皇帝が話さなかった可能性はない?魔力で動く物って必ずついているでしょう」
アイシャが言う。
「ええ、ですが、アシーの魔力量は平均の数百倍それを制御するとなるとかなり技術と術式が必要となる筈です。少なくとも一介の研究者では作れないでしょう」
レオが言う。
「このアーティファクトの中の大量の魔力
、そしてそれを制御出来るほどの術式。少なくともアデリアにはかなり腕の達奴いるようだね」
ライが首を掻きながら面倒くさそうに言う。
「『蘇生』の方に気を取られすぎていたのかもな」
フィールがため息混じりに言う。
「スイマールの研究員にはここに来る前に助言しておいた」
「流石、仕事が速い」
「このアーティファクトの件は言ったのですか?」
ラズリは首を振るう。
「これ程の術式が組める奴は相違ない」
空気が重くなる。
「“奴ら”が関与している可能性がある以上は下手に巻き込めない」
「OK、調べてみるよ」
ラズリは頷く。
「トート達には、どうする?」
「セリアには話すべきだろう。しかしトート、アタナシアナには話さなくてもいい。まだ、その段階ではない」
『了解』
全員が納得する。が一方で
「(話せる段階じゃない・・・か)」
「(本当に話せる時何てくるのかな?)」
不安ではあったもののそれ以上は言うことは出来なかった。言った所で、この先辛くなるだけだと分かっていたから。
「ではセリアには俺が伝えておきます」
「ラズリこれどこで手に入れたの?」
「チャムク帝国方面だ。正確にはアデリア帝国とチャムク帝国の国境付近だ」
「時間かかるな」
ライが頭を掻く。
「ああ、そうだ後もうすぐ終わるから仕上げに入って」
「終わるって潜入の?まだ半年よ」
アイシャが目を大きく見開く。
「言ったろ最短で1年だってあと半年でなんとかなるよ」
「皇帝に行っておくよ」
レオが言う。
「王族の件どうなったんだ?」
ラズリが思い出したように問う。
「あぁそれは向こうが断ったんだ」
ライが苦笑いする。
「アデリアがこの目で滅ぶのをこの目で見届けたいんだ。って」
「それが空回りしなければいいが・・・」
ラズリはため息混じりに言う。
「ああ、それとパルデーニャ王国も参戦するから中立の役割出来るのを2人程、頼むだって」
「確かに、いくら目的が同じだからって、すぐには仲良く出来ないよな」
「そっち方面おいおいしよう」
「他にある?」
ライが全員に聞く。全員が首を振るう。
それから屋敷帰るとアタナシアが満面の笑みで迎えるのを避けリビングへ。
トートに今後のスケジュールについて概要を話す。
「トート」
「はい」
「明日からお前に訓練をつける」
「ありがとうございます」
ラズリは要件が済むと部屋へ戻る。
ー翌日ー
「早いな」
トートはすでに訓練場で準備運動を始めていた。
「それだけ楽しみだったと言うことです」
「おはようございます。皆さん」
ラズリ達に気付き、トートは駆け寄る。
「おはよう御座います」
全員が集合すると、
「で、振り分けわ」
フィールが準備体操しながら聞く。
「アイシャはアタナシアの、他はトートの保護」
「了解」
「うわ!うぁぁぁぁ」
自分はラズリさんにひっくり返される。
「やっぱりまだ早かったか?」
フィールさん、レオさんがこちらに来る。
「ラズリと戦うのに速いも遅いもあるのでしょうか?」
レオさんが苦笑いしながら言う。
「ラズリ、少し休憩しましょう」
レオさんが声をかける。
「ラズリ、まだラズリと戦うの早すぎないか?一度俺がつけるよ」
フィールがラズリに提案する。
「わかった」
「どういう風の吹き回しですか?」
トートとフィールの戦いを見ながらレオが問う。
「何がだ?」
「あんなに避けていたのに」
レオはラズリを横目で見る。
「現実は甘くない。トートが殺すのは一人だけだと思ったが戦いが激化していけばそんな綺麗事も言えなくなる」
「その時が来るまで死なない様にしたいと?」
「そうだ。自分の身ぐらい守れないとな」
「そうですか・・・」
「すまない」
「いいえ、俺らも同罪です」
そう、ラズリと共にいながらそれを阻止しようとしない。それどころか、他人に委ねてしまう。俺からラズリよりも罪人だ。いや、ラズリに罪なんてない。いつから俺はラズリを罪人認識してしまったんだ。
レオは手の平に爪が食い込む程強く握った。それしか出来ないから。
「それが?」
「通常の魔力量なかともかくあの魔力量をどう制御していた?」
全員が確かにっと騒然とする。
「でも付属していたけど皇帝が話さなかった可能性はない?魔力で動く物って必ずついているでしょう」
アイシャが言う。
「ええ、ですが、アシーの魔力量は平均の数百倍それを制御するとなるとかなり技術と術式が必要となる筈です。少なくとも一介の研究者では作れないでしょう」
レオが言う。
「このアーティファクトの中の大量の魔力
、そしてそれを制御出来るほどの術式。少なくともアデリアにはかなり腕の達奴いるようだね」
ライが首を掻きながら面倒くさそうに言う。
「『蘇生』の方に気を取られすぎていたのかもな」
フィールがため息混じりに言う。
「スイマールの研究員にはここに来る前に助言しておいた」
「流石、仕事が速い」
「このアーティファクトの件は言ったのですか?」
ラズリは首を振るう。
「これ程の術式が組める奴は相違ない」
空気が重くなる。
「“奴ら”が関与している可能性がある以上は下手に巻き込めない」
「OK、調べてみるよ」
ラズリは頷く。
「トート達には、どうする?」
「セリアには話すべきだろう。しかしトート、アタナシアナには話さなくてもいい。まだ、その段階ではない」
『了解』
全員が納得する。が一方で
「(話せる段階じゃない・・・か)」
「(本当に話せる時何てくるのかな?)」
不安ではあったもののそれ以上は言うことは出来なかった。言った所で、この先辛くなるだけだと分かっていたから。
「ではセリアには俺が伝えておきます」
「ラズリこれどこで手に入れたの?」
「チャムク帝国方面だ。正確にはアデリア帝国とチャムク帝国の国境付近だ」
「時間かかるな」
ライが頭を掻く。
「ああ、そうだ後もうすぐ終わるから仕上げに入って」
「終わるって潜入の?まだ半年よ」
アイシャが目を大きく見開く。
「言ったろ最短で1年だってあと半年でなんとかなるよ」
「皇帝に行っておくよ」
レオが言う。
「王族の件どうなったんだ?」
ラズリが思い出したように問う。
「あぁそれは向こうが断ったんだ」
ライが苦笑いする。
「アデリアがこの目で滅ぶのをこの目で見届けたいんだ。って」
「それが空回りしなければいいが・・・」
ラズリはため息混じりに言う。
「ああ、それとパルデーニャ王国も参戦するから中立の役割出来るのを2人程、頼むだって」
「確かに、いくら目的が同じだからって、すぐには仲良く出来ないよな」
「そっち方面おいおいしよう」
「他にある?」
ライが全員に聞く。全員が首を振るう。
それから屋敷帰るとアタナシアが満面の笑みで迎えるのを避けリビングへ。
トートに今後のスケジュールについて概要を話す。
「トート」
「はい」
「明日からお前に訓練をつける」
「ありがとうございます」
ラズリは要件が済むと部屋へ戻る。
ー翌日ー
「早いな」
トートはすでに訓練場で準備運動を始めていた。
「それだけ楽しみだったと言うことです」
「おはようございます。皆さん」
ラズリ達に気付き、トートは駆け寄る。
「おはよう御座います」
全員が集合すると、
「で、振り分けわ」
フィールが準備体操しながら聞く。
「アイシャはアタナシアの、他はトートの保護」
「了解」
「うわ!うぁぁぁぁ」
自分はラズリさんにひっくり返される。
「やっぱりまだ早かったか?」
フィールさん、レオさんがこちらに来る。
「ラズリと戦うのに速いも遅いもあるのでしょうか?」
レオさんが苦笑いしながら言う。
「ラズリ、少し休憩しましょう」
レオさんが声をかける。
「ラズリ、まだラズリと戦うの早すぎないか?一度俺がつけるよ」
フィールがラズリに提案する。
「わかった」
「どういう風の吹き回しですか?」
トートとフィールの戦いを見ながらレオが問う。
「何がだ?」
「あんなに避けていたのに」
レオはラズリを横目で見る。
「現実は甘くない。トートが殺すのは一人だけだと思ったが戦いが激化していけばそんな綺麗事も言えなくなる」
「その時が来るまで死なない様にしたいと?」
「そうだ。自分の身ぐらい守れないとな」
「そうですか・・・」
「すまない」
「いいえ、俺らも同罪です」
そう、ラズリと共にいながらそれを阻止しようとしない。それどころか、他人に委ねてしまう。俺からラズリよりも罪人だ。いや、ラズリに罪なんてない。いつから俺はラズリを罪人認識してしまったんだ。
レオは手の平に爪が食い込む程強く握った。それしか出来ないから。
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