87 / 133
黄金卿編6日〜7日
第七十五話 国枝京介の本領発揮
しおりを挟む
「その道もあったんですがね」
「転職する気は無いのか?」
「この仕事、割と好きなんです」
「それは残念だ。筋は良いのんだがな、無論、悪い意味での話だが」
「勇者とは時に非情でなくてはならないですから」
「あぁ、そうだな」
「……」
ついでに分身を霧散していた所為で劣勢に……。
「正直言って、勝てる気がしないな」
「えぇ。ですが、とても話し合いが通用する相手ではありませんから、殺る他に手は無いでしょうね」
「そうだな」
徐に冷えた氷剣を構え、慎重に躙り寄っていく。
「それにしても、便利な魔法ですね」
その様を、10代目は物欲しそうに一瞥していた。
「戦いに集中しろ、お前は特に柔軟性に欠けるているからな。ほんの僅かに一手のズレが生じれれば、全てが崩れ去るぞ」
「はい」
そして、束の間の休憩タイムは一瞬で終わって、再び奴等が脱兎の如く目にも留まらぬ速さで迫り来る。
10代目もすかさず呼応し、微かな淡い紫紺を帯びた一条の光芒を纏わせながら飛び出したのだが――俺は不思議とその場から一切、踏み出せなかった。
「っ⁉︎」
眼下。
地面から装束を纏った腕だけがせり出して、俺の足首を離さんと言わんばかりに鷲掴みにしていた。
「き、気持ち悪りぃ……」
まごう事なき心の底から零れ出た一言であった。
次第に顔も大地から覗かせ、全貌を露わにした。
「貴方はまだ、覚悟が決まっていないようですね」
「……?」
「どうしても自らで出来ないのなら、私が痛みをもってお伝えしましょう。何度、殺してしまっても」
咄嗟に震わす手が大振りを繰り出すも奴は平然とすり抜けていき、眼前へとただの掌なのにどうしようもなく不気味なそれを突き出し、胸部に触れる。
完全に視界から切れていたもう一方の腕が、まるで押し込めるように丹田の奥へ奥へと沈ませていく。
吐き気を催す気持ちの悪い感触が広がっていき、次第に鎧を切り裂いて縁から傷口が開かれていく。
「あっ、ぁぁ……っっ!」
「せ、先代」
刃を交わす真っ只中にこちらに振り返ってくれた10代目もその僅かな隙に御老人に胸を切り裂かれ、真っ赤な鮮血を血反吐ともに派手に噴き出した。
「じゅ、10代目!」
「宜しいのですか?」
「……えっ?」
冷徹な声色を発する口越しに純白の布を靡かせ、まるで失望と悲哀に満ちた無味無臭のガラス玉のような淀む瞳が突き刺しているような感覚を覚えた。
「最後まで何も捨てずに全てが得られると?」
「…………」
「本物の勇者は――貴方ではない」
あぁ、そうだ。俺は所詮、恵まれた天賦の才が備わった肉体に依存する寄生虫に過ぎないのだろう。
この記憶でさえいつから自分のかさえ、わからない。本当に俺は初めから存在したのだろうか……。
いいや、違うよ。
あぁ、また、お前か。
ある日を境に君は突然、此処へやって来たんだ。それも過去に過ちを犯してしまった僕のせいでね。
何故、お前は自由を奪わないんだ?
そうだね、ずっと帰りたいと思っていたけれど、ずっと辛い思いをして生きてきた君が、ようやっと小さな村で皆んなと一緒に幸せな姿を見ていたら、どうしてか、そんな気が自然と消えていったんだ。
それは、きっと風化していったんだろう。
かもしれないな。
お前は薄情な奴だよ。
うん、そうに違いない。
最悪で、最低で……。
うん。
誰も愛せはしない。
――でも、みんなは僕を愛してくれたんだ。
だったら、その人たちに恩返しをしたいと思わないのか。
もうそれも叶いそうにない。
なら、乗っ取ってくれ。
え?
お前なら勝てるんだろう?
……。
……頼む、どうか俺の代わりに戦ってくれ、もうこの体を自由にしていいから。だから、お願いだ。
ただ何処もかしこも真っ暗闇たる地面に頭を擦り付けて、朧げで蜃気楼かの如く京介の足元に跪く。
その言葉に偽りは無いんだね?
その声はまるで死人のように冷たくて、誰よりも優しかった。
ぁぁ、あぁ‼︎
じゃあ――――おやすみ、レグルス。
真っ暗闇へと誘われるままに眠りに落ちていき、五感に視界、意識さえふっつりと途切れていった。
おやすみなさい。
そして、おはよう。
徐に瞼を開けば、また最悪な光景が広がっていた。
「貴方は初めましてが正しいかな? 信奉者さん」
「えぇ、えぇ! 9代目、リア・イースト様!」
「じゃあその手は退けてもらえるかな?」
「どうやら無事に魂の混濁が消えましたね。無論、私を殺したければ力強くで願います、勇者様――」
「そんな物騒なことしないよ、僕はもう二度とね」
「そんな甘さでは我々には勝てないでしょう」
「さぁ」邪魔な腕を懐かしの【肉体のリミッターを解除します、肉体の限界まで残り28秒】で力一杯、握りしめてやったら、あっさりと潰れてしまった。
「あぁ、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ」
「いえ、痛みなどありませんのでお気になさらず」
「そうか、それは良かった。じゃあ――ちょっとくらい乱暴したって構わないよね?」
「えぇ、一向に」
【シーフ専用スキル TP : 1を消費 スキル奪取発動】
神の十字架の模倣にしては随分と小さな武器。大地をも切り裂く、真っ白と漆黒の織り混ざりし鮮血の如く真っ赤な十字架を表面の中心に刻んでいた。
丁度、僕と同じくらいの大きさで抱きしめるには都合が良く、雑に扱ってしまえば、こちらが振り回されてしまいそうなくらいに研ぎ澄まされた両刃。
これを武器というにはあまりにも乱暴過ぎるな。
「此処にドラキュラが居たら大変なことになってるよ、きっと」
「えぇ、そうですね」
「転職する気は無いのか?」
「この仕事、割と好きなんです」
「それは残念だ。筋は良いのんだがな、無論、悪い意味での話だが」
「勇者とは時に非情でなくてはならないですから」
「あぁ、そうだな」
「……」
ついでに分身を霧散していた所為で劣勢に……。
「正直言って、勝てる気がしないな」
「えぇ。ですが、とても話し合いが通用する相手ではありませんから、殺る他に手は無いでしょうね」
「そうだな」
徐に冷えた氷剣を構え、慎重に躙り寄っていく。
「それにしても、便利な魔法ですね」
その様を、10代目は物欲しそうに一瞥していた。
「戦いに集中しろ、お前は特に柔軟性に欠けるているからな。ほんの僅かに一手のズレが生じれれば、全てが崩れ去るぞ」
「はい」
そして、束の間の休憩タイムは一瞬で終わって、再び奴等が脱兎の如く目にも留まらぬ速さで迫り来る。
10代目もすかさず呼応し、微かな淡い紫紺を帯びた一条の光芒を纏わせながら飛び出したのだが――俺は不思議とその場から一切、踏み出せなかった。
「っ⁉︎」
眼下。
地面から装束を纏った腕だけがせり出して、俺の足首を離さんと言わんばかりに鷲掴みにしていた。
「き、気持ち悪りぃ……」
まごう事なき心の底から零れ出た一言であった。
次第に顔も大地から覗かせ、全貌を露わにした。
「貴方はまだ、覚悟が決まっていないようですね」
「……?」
「どうしても自らで出来ないのなら、私が痛みをもってお伝えしましょう。何度、殺してしまっても」
咄嗟に震わす手が大振りを繰り出すも奴は平然とすり抜けていき、眼前へとただの掌なのにどうしようもなく不気味なそれを突き出し、胸部に触れる。
完全に視界から切れていたもう一方の腕が、まるで押し込めるように丹田の奥へ奥へと沈ませていく。
吐き気を催す気持ちの悪い感触が広がっていき、次第に鎧を切り裂いて縁から傷口が開かれていく。
「あっ、ぁぁ……っっ!」
「せ、先代」
刃を交わす真っ只中にこちらに振り返ってくれた10代目もその僅かな隙に御老人に胸を切り裂かれ、真っ赤な鮮血を血反吐ともに派手に噴き出した。
「じゅ、10代目!」
「宜しいのですか?」
「……えっ?」
冷徹な声色を発する口越しに純白の布を靡かせ、まるで失望と悲哀に満ちた無味無臭のガラス玉のような淀む瞳が突き刺しているような感覚を覚えた。
「最後まで何も捨てずに全てが得られると?」
「…………」
「本物の勇者は――貴方ではない」
あぁ、そうだ。俺は所詮、恵まれた天賦の才が備わった肉体に依存する寄生虫に過ぎないのだろう。
この記憶でさえいつから自分のかさえ、わからない。本当に俺は初めから存在したのだろうか……。
いいや、違うよ。
あぁ、また、お前か。
ある日を境に君は突然、此処へやって来たんだ。それも過去に過ちを犯してしまった僕のせいでね。
何故、お前は自由を奪わないんだ?
そうだね、ずっと帰りたいと思っていたけれど、ずっと辛い思いをして生きてきた君が、ようやっと小さな村で皆んなと一緒に幸せな姿を見ていたら、どうしてか、そんな気が自然と消えていったんだ。
それは、きっと風化していったんだろう。
かもしれないな。
お前は薄情な奴だよ。
うん、そうに違いない。
最悪で、最低で……。
うん。
誰も愛せはしない。
――でも、みんなは僕を愛してくれたんだ。
だったら、その人たちに恩返しをしたいと思わないのか。
もうそれも叶いそうにない。
なら、乗っ取ってくれ。
え?
お前なら勝てるんだろう?
……。
……頼む、どうか俺の代わりに戦ってくれ、もうこの体を自由にしていいから。だから、お願いだ。
ただ何処もかしこも真っ暗闇たる地面に頭を擦り付けて、朧げで蜃気楼かの如く京介の足元に跪く。
その言葉に偽りは無いんだね?
その声はまるで死人のように冷たくて、誰よりも優しかった。
ぁぁ、あぁ‼︎
じゃあ――――おやすみ、レグルス。
真っ暗闇へと誘われるままに眠りに落ちていき、五感に視界、意識さえふっつりと途切れていった。
おやすみなさい。
そして、おはよう。
徐に瞼を開けば、また最悪な光景が広がっていた。
「貴方は初めましてが正しいかな? 信奉者さん」
「えぇ、えぇ! 9代目、リア・イースト様!」
「じゃあその手は退けてもらえるかな?」
「どうやら無事に魂の混濁が消えましたね。無論、私を殺したければ力強くで願います、勇者様――」
「そんな物騒なことしないよ、僕はもう二度とね」
「そんな甘さでは我々には勝てないでしょう」
「さぁ」邪魔な腕を懐かしの【肉体のリミッターを解除します、肉体の限界まで残り28秒】で力一杯、握りしめてやったら、あっさりと潰れてしまった。
「あぁ、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ」
「いえ、痛みなどありませんのでお気になさらず」
「そうか、それは良かった。じゃあ――ちょっとくらい乱暴したって構わないよね?」
「えぇ、一向に」
【シーフ専用スキル TP : 1を消費 スキル奪取発動】
神の十字架の模倣にしては随分と小さな武器。大地をも切り裂く、真っ白と漆黒の織り混ざりし鮮血の如く真っ赤な十字架を表面の中心に刻んでいた。
丁度、僕と同じくらいの大きさで抱きしめるには都合が良く、雑に扱ってしまえば、こちらが振り回されてしまいそうなくらいに研ぎ澄まされた両刃。
これを武器というにはあまりにも乱暴過ぎるな。
「此処にドラキュラが居たら大変なことになってるよ、きっと」
「えぇ、そうですね」
10
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる
月風レイ
ファンタジー
あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。
周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。
そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。
それは突如現れた一枚の手紙だった。
その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。
どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。
突如、異世界の大草原に召喚される。
元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる