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蛇行する王位継承戦編1日〜3日
第二十二話 召喚初日の夜
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可愛い可愛いファンたちに、特別迷惑ファンサービス、全部こなせば、お空に浮かぶはキラキラ星。
ハァ……。
時間を無駄にした。
鉄球を引き摺るような牛歩の如く重苦しき足取りで、真っ黒な影の広がる大地に俯きながら緩やかに宿屋へと歩みを進めていく。周りの光景は夜の店やら居酒屋風の店が活気に満ち満ちた活動を始め、本物のファンが何故か俺の気配の消した存在に気付いて、怒号紛いの轟音に大きく手を振ったりなど、と、サザンダイング王国の楽しい夜は、頗る産毛を逆撫でされるような不快感と恐怖を掻き立ててくれる。
そして、ストーカーからの視線と尾行を巻いて、無事に安全かも定かではない薄暗い宿屋に辿り着く。
「ハァ……疲れた」
無駄にキイキイと心臓の締め付けられるような軋みを上げる床を進み、【透視の魔眼 MP : 3を消費して発動】させ、しっかりと人気の無い事を確認した上で、自分の部屋のドアノブに徐に手を掛ける。
当然、出迎えるのは薄らと街灯と外の目に悪そうな光に照らされた仄暗く埃臭そうな部屋であった。
そのまま出てくるのがネズミだけで済む事を切に祈りながら、ボフッと、まだコルマットの方が良く鳴くクッション性の悪い反抗期なベットに腰を下ろす。
息苦しさが絶えず襲う汚染された空気を最小限に抑えるべく、息をちょくちょく止めながらそっと目を瞑る。
……そんな最悪な環境が過去の記憶を思い起こす。
まだこの世界に来たばかりで、皆が何の状況も掴めぬまま先行きも不安な上に困惑の嵐が行き交い、最悪の雰囲気を漂わせたまま、最初の夜が訪れた。
限られた食料に最底辺の品質の衣服に、寝苦しい一人一つの部屋に生意気で弾まねぇ、臭いベット。
確か俺は、小刻みに身震いする両手を祈るように重ねて、乱れ切った心と呼吸を落ち着かせていた。
隣もその隣も会釈程度の見知らぬ生徒ばかりで、無駄に殺気立った衛兵共に見張られているせいで、トイレはおろか、まともに外にも出歩けずにいた。
まるで一分一秒が一年のように淡々と流れてゆく本当に死んでしまいそうな程に長い時間を過ごし、遂に俺は隣の部屋に暇つぶしで軽いノックをし始めていた。
最初のうちは、まるで応答がなくて干からびてしまったのかと頻りに思わせたが、それが数分続くとようやく切なる想いが強い力を込めて帰ってきた。
始まりはお互いに何と言えばいいのかわからずに、手当たり次第手応えを感じようと悪戦苦闘していたが、時間と共にそれは次第に解決していった。
数十分後、自分のターンと相手のターンが交互にやってきて、己の愚痴や怒りや不満の強弱を載せて、いつか破けてしまいそうな壁を幾度となく小突く。
でも、・・・ーーー・・・、そんな異様なトーンが外に漏れてしまいそうなほどに囂々たる音が響くと、それっきりその人との言葉は止んでしまった。
そして、扱いがぞんざいな俺たちの逃亡確認も兼ねての点呼を一人の衛兵が武器を床に叩きつけながらしていき、俺の部屋の前で耳に悪い音を轟かせ、大人しく返事をすれば早々に隣の部屋へと煩わしく耳障りな足音を向かわせて、怒号を響き渡らせた。
その瞬間、言葉を交わし終えてからずっと俺の周りに纏わり付いていた何処とない嫌な予感が的中したかの如く、身体中を刹那に覆い尽くしていった。
直様、憔悴してもう指先一本さえも上がらぬ体をバッと飛び起こし、隣の部屋へと向かって行けば、其処には――――ちょっと前まで俺と不満を言い合っていた彼女が、ロープで首を吊って死んでいた。
それを見た時から俺はずっと言葉を失ったまま、次第に恐怖で生徒が集まり始めた茫然と立ち尽くし、その姿を目に焼き付けたまま、膝から崩れ落ちた。
未だにそれは欠ける事なく、鮮明に覚えている。
「はは、よく似てる」
ただ一人、俺は暗闇で乾いた笑いを零していた。
憂鬱な外では微かな暗く淀んだ沼に嵌った阿呆共の喧騒が漂い、脆い窓を突風が強く叩きつけていた。
「……」
さて、どうしようか。
両手を重ね合わせながら足を広げてしゃがみ込み、次の面倒であろう方針の物思いに耽っていた。
【第三の目を発動しますか?】
あぁ。
【第三の目を発動 MP : 0.1を3分毎に消費します】
此処からが正念場だ。
「さぁ、行こうか相棒」
第三の目は窓ガラスを糸も容易くすり抜けていき、夜の街の遙か上空へと緩やかに上がっていく。
微睡んだ本物の眼を軽く擦りながら、王宮へと淡々と亀さながらにノロマな歩みで進んでいく。
その間にもより一層、風は勢いが強まっていく。
第二王子を手当たり次第に隈なく捜索してゆき、一つ一つの窓の奥をこっそりと覗いてはまた違い、覗いてはまた物置き、そんなのを何度となく繰り返していると、待ちに待った一石二鳥の第二の二人が運良く釣れ上げた。
そっと四隅から覗いていれば、ベットで不安げな王女様をアル兄様が微笑んで、優しく宥めていた。
何か言っているようだけど、残念ながら耳は無い。
【聴覚を共有しますか?】
え? 出来るの?
【MP : 7を消費します】
じゃあ今まで劣化版を使用してきたのか、俺は。と言うか、以前の奴は教えてくれなかったんだが、あの案内が冷たいのか、この案内が優秀過ぎるのか。
まぁ、良いか。
行こう。
ハァ……。
時間を無駄にした。
鉄球を引き摺るような牛歩の如く重苦しき足取りで、真っ黒な影の広がる大地に俯きながら緩やかに宿屋へと歩みを進めていく。周りの光景は夜の店やら居酒屋風の店が活気に満ち満ちた活動を始め、本物のファンが何故か俺の気配の消した存在に気付いて、怒号紛いの轟音に大きく手を振ったりなど、と、サザンダイング王国の楽しい夜は、頗る産毛を逆撫でされるような不快感と恐怖を掻き立ててくれる。
そして、ストーカーからの視線と尾行を巻いて、無事に安全かも定かではない薄暗い宿屋に辿り着く。
「ハァ……疲れた」
無駄にキイキイと心臓の締め付けられるような軋みを上げる床を進み、【透視の魔眼 MP : 3を消費して発動】させ、しっかりと人気の無い事を確認した上で、自分の部屋のドアノブに徐に手を掛ける。
当然、出迎えるのは薄らと街灯と外の目に悪そうな光に照らされた仄暗く埃臭そうな部屋であった。
そのまま出てくるのがネズミだけで済む事を切に祈りながら、ボフッと、まだコルマットの方が良く鳴くクッション性の悪い反抗期なベットに腰を下ろす。
息苦しさが絶えず襲う汚染された空気を最小限に抑えるべく、息をちょくちょく止めながらそっと目を瞑る。
……そんな最悪な環境が過去の記憶を思い起こす。
まだこの世界に来たばかりで、皆が何の状況も掴めぬまま先行きも不安な上に困惑の嵐が行き交い、最悪の雰囲気を漂わせたまま、最初の夜が訪れた。
限られた食料に最底辺の品質の衣服に、寝苦しい一人一つの部屋に生意気で弾まねぇ、臭いベット。
確か俺は、小刻みに身震いする両手を祈るように重ねて、乱れ切った心と呼吸を落ち着かせていた。
隣もその隣も会釈程度の見知らぬ生徒ばかりで、無駄に殺気立った衛兵共に見張られているせいで、トイレはおろか、まともに外にも出歩けずにいた。
まるで一分一秒が一年のように淡々と流れてゆく本当に死んでしまいそうな程に長い時間を過ごし、遂に俺は隣の部屋に暇つぶしで軽いノックをし始めていた。
最初のうちは、まるで応答がなくて干からびてしまったのかと頻りに思わせたが、それが数分続くとようやく切なる想いが強い力を込めて帰ってきた。
始まりはお互いに何と言えばいいのかわからずに、手当たり次第手応えを感じようと悪戦苦闘していたが、時間と共にそれは次第に解決していった。
数十分後、自分のターンと相手のターンが交互にやってきて、己の愚痴や怒りや不満の強弱を載せて、いつか破けてしまいそうな壁を幾度となく小突く。
でも、・・・ーーー・・・、そんな異様なトーンが外に漏れてしまいそうなほどに囂々たる音が響くと、それっきりその人との言葉は止んでしまった。
そして、扱いがぞんざいな俺たちの逃亡確認も兼ねての点呼を一人の衛兵が武器を床に叩きつけながらしていき、俺の部屋の前で耳に悪い音を轟かせ、大人しく返事をすれば早々に隣の部屋へと煩わしく耳障りな足音を向かわせて、怒号を響き渡らせた。
その瞬間、言葉を交わし終えてからずっと俺の周りに纏わり付いていた何処とない嫌な予感が的中したかの如く、身体中を刹那に覆い尽くしていった。
直様、憔悴してもう指先一本さえも上がらぬ体をバッと飛び起こし、隣の部屋へと向かって行けば、其処には――――ちょっと前まで俺と不満を言い合っていた彼女が、ロープで首を吊って死んでいた。
それを見た時から俺はずっと言葉を失ったまま、次第に恐怖で生徒が集まり始めた茫然と立ち尽くし、その姿を目に焼き付けたまま、膝から崩れ落ちた。
未だにそれは欠ける事なく、鮮明に覚えている。
「はは、よく似てる」
ただ一人、俺は暗闇で乾いた笑いを零していた。
憂鬱な外では微かな暗く淀んだ沼に嵌った阿呆共の喧騒が漂い、脆い窓を突風が強く叩きつけていた。
「……」
さて、どうしようか。
両手を重ね合わせながら足を広げてしゃがみ込み、次の面倒であろう方針の物思いに耽っていた。
【第三の目を発動しますか?】
あぁ。
【第三の目を発動 MP : 0.1を3分毎に消費します】
此処からが正念場だ。
「さぁ、行こうか相棒」
第三の目は窓ガラスを糸も容易くすり抜けていき、夜の街の遙か上空へと緩やかに上がっていく。
微睡んだ本物の眼を軽く擦りながら、王宮へと淡々と亀さながらにノロマな歩みで進んでいく。
その間にもより一層、風は勢いが強まっていく。
第二王子を手当たり次第に隈なく捜索してゆき、一つ一つの窓の奥をこっそりと覗いてはまた違い、覗いてはまた物置き、そんなのを何度となく繰り返していると、待ちに待った一石二鳥の第二の二人が運良く釣れ上げた。
そっと四隅から覗いていれば、ベットで不安げな王女様をアル兄様が微笑んで、優しく宥めていた。
何か言っているようだけど、残念ながら耳は無い。
【聴覚を共有しますか?】
え? 出来るの?
【MP : 7を消費します】
じゃあ今まで劣化版を使用してきたのか、俺は。と言うか、以前の奴は教えてくれなかったんだが、あの案内が冷たいのか、この案内が優秀過ぎるのか。
まぁ、良いか。
行こう。
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