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本編
フィニス村
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ウェストラは齢5つ程度の幼い少女の目線に片膝を突いて屈み込み、周囲に目を配る。
「何があったんだ?お前の父母は何処に?」
「皆んな、急に変な風になっちゃって……。いきなり走り出して行っちゃったの」
浅瀬でさえ底の見えぬ澱んだ溝のような、声色が野太く黒々と幾重にも重なっていた。
「痛い……」
少女の悲痛な訴えに、ウェストラは人形を握りしめていた手を掴み取り、俄かに、その周囲を覆い尽す程に、淡い緑光を発した。
だが、依然としてその体は獣のように硬く肥大化し、醜悪に黒々しく焼け焦げていた。
「……呪いの類か?」
その緑光は流れるように絢爛なる金光へと変色し、禍々しき肉体を立ち所に癒やすが、一刹那の間を空ける事なく、その身を戻す。
「チッ、あの馬鹿を呼ぶか。…待っていろ、
今、お前を治してくれる者を連れて来よう」
少女に背中を向けて、燦々たる陽の下に、歩みを進めていかんと大きく踏み出した。
「パパは?ママは?他のみんなは?私だけ置いてきぼりにして、みんな行っちゃうの?」
その悲歎な一言にピタリと歩みを止めて、緩やかに振り返る。光の途絶えた虚ろな眼には、もう何も映ってなどいない。
「体中ずっと痛いの。何も残ってないなら、もう……何も要らない。もう欲しくない」
「……」
ウェストラは徐に天を仰ぐ。
「あぁ、分かった。今、楽にしてやる」
そう言い、短剣を握りしめながら踵を返して、大地に臥した絵本を踏み締めていった。
その一方で、一人の兵が己が魂なる剣を振り回して、憤りを周囲に撒き散らしていた。
「貴様がやったのだろう!!」
皺の際立った老婆のローブを鷲掴みにし、今正に其の頭上に振り下ろさんと、振り翳す。
「落ち着け」
机上に置かれた清澄なる水晶が地に落ち、鋭い音を立てながら玉に亀裂が走っていく。
「失せろつ!!お前に……貴方は!」
「状況説明が先だ。喚くのはその後にしろ」
「……はい」
渋々、事のあらましを掻い摘んで説いた。
「其処の如何様師が、この村の住民を魔物のような姿に見せかけたのです!!此処は、この村は俺の故郷で……」
「少しは落ち着かんか、たわけ!こんな老い先短いババアなんぞに、そんな珍妙な技など扱えるものか!」
自ら硬く握りしめた拳を腕を振り解いて、ローブにさえも皺を付けて椅子に腰を下ろす。
「あたしゃ、此処の占い師だよ。怪しい事は何もしとらん。ただ、たまーに銭を稼ぐ日もあるがな。それ以外は本当に何もしてない」
「此処らの住民が見当たらないのは何故だ?まさか、お前……」
徐に兵士の握りしめた剣の先、真っ赤な鮮血に染まった刃に目を向ける。
「其奴が全ての者を始末してしまったよ」
「魔物だ!あれは絶対に魔物だ!!」
そう自らを欺くように言い聞かせ、引き攣った歪で迫真の面差しを、勇者にぶつける。
「あれは魔物だったんです。あれは……」
「もういい。お前は身を休めておけ」
「もっと早く言ってやれば良かったんじゃが、気付いた時にはもう既に遅かった……」
「何故、御仁は無事だった?」
「この水晶のおかげじゃよ」
割れた水晶を掴み上げて、机上に置く。
「突然、村を覆い尽くした謎の魔力の波が、人々を魔物の姿に変えていったが、この水晶が弾き返してな」
「……魔力の波って?」
「すまないが、お前たちは席を外してくれないか?」
エルフと憔悴した兵士に嘆願する。
「……うん」
「承知致しました」
二人とも、渋々その場を後にする。
「御仁。もう一度、説明を頼む」
「はぁ、全くこき使いおって……。面倒なんで要点だけ述べるぞ」
「あぁ」
「禍々しい魔力の波が、恐らく魔王城の方角から波打って、人々を魔物に変えていった。だが、あたしは水晶の力のお陰で、運良く助かり、彼奴も運悪く出会してしまった、ま、そんな所だろう」
「……。いつ頃だ?」
「ついさっき。と言っても、数刻前だがな」
「魔王誕生は、まだの筈なんだがな……」
勇者は口元に手を当て、ぶつくさと囁く。
「ん?その手……お主まさか」
「余計な詮索をすれば、その救われた命……再び、落とす羽目になるぞ?」
「それもそうじゃな。魔王関連に関わって、消息の断った者たちは数え切れんしのおぅ」
「では、またいつか」
勇者は外套を翻して、歩みを進めていく。
「もう会いたくなどないわ。それに、それは叶わん話じゃろう?」
「それはどうだろうな」
そして、勇者はウェストラと合流する。
「何をしていた?」
「ただの仕事さ。塵みてえな汚れ仕事だよ」
「そうか」
勇者はエルフを探し求めて、背を向ける。
「華々しく帰還した勇者だが、その親しき者たちは一様に告ぐ。あれは本物じゃないと…」
「あぁ、あれは本物じゃなかった」
その言葉に、僅かに目を見開く。それは、思わぬ成果を手にしたような一驚を喫して。
「…………。何故、お前は勇者になった?」
「俺が、俺たちが勇者だからだ」
「そうか……」
ウェストラは喉元まで出掛かった言葉を、胃に強引に押し込んで、口を固く閉ざした。
怒りだけとは違う、数多の感情を噛み締めたかのような錯綜とした表情を浮かべて…。
「行くぞ」
「あぁ」
二人は再び、魔王城への道を進んでいく。
「何があったんだ?お前の父母は何処に?」
「皆んな、急に変な風になっちゃって……。いきなり走り出して行っちゃったの」
浅瀬でさえ底の見えぬ澱んだ溝のような、声色が野太く黒々と幾重にも重なっていた。
「痛い……」
少女の悲痛な訴えに、ウェストラは人形を握りしめていた手を掴み取り、俄かに、その周囲を覆い尽す程に、淡い緑光を発した。
だが、依然としてその体は獣のように硬く肥大化し、醜悪に黒々しく焼け焦げていた。
「……呪いの類か?」
その緑光は流れるように絢爛なる金光へと変色し、禍々しき肉体を立ち所に癒やすが、一刹那の間を空ける事なく、その身を戻す。
「チッ、あの馬鹿を呼ぶか。…待っていろ、
今、お前を治してくれる者を連れて来よう」
少女に背中を向けて、燦々たる陽の下に、歩みを進めていかんと大きく踏み出した。
「パパは?ママは?他のみんなは?私だけ置いてきぼりにして、みんな行っちゃうの?」
その悲歎な一言にピタリと歩みを止めて、緩やかに振り返る。光の途絶えた虚ろな眼には、もう何も映ってなどいない。
「体中ずっと痛いの。何も残ってないなら、もう……何も要らない。もう欲しくない」
「……」
ウェストラは徐に天を仰ぐ。
「あぁ、分かった。今、楽にしてやる」
そう言い、短剣を握りしめながら踵を返して、大地に臥した絵本を踏み締めていった。
その一方で、一人の兵が己が魂なる剣を振り回して、憤りを周囲に撒き散らしていた。
「貴様がやったのだろう!!」
皺の際立った老婆のローブを鷲掴みにし、今正に其の頭上に振り下ろさんと、振り翳す。
「落ち着け」
机上に置かれた清澄なる水晶が地に落ち、鋭い音を立てながら玉に亀裂が走っていく。
「失せろつ!!お前に……貴方は!」
「状況説明が先だ。喚くのはその後にしろ」
「……はい」
渋々、事のあらましを掻い摘んで説いた。
「其処の如何様師が、この村の住民を魔物のような姿に見せかけたのです!!此処は、この村は俺の故郷で……」
「少しは落ち着かんか、たわけ!こんな老い先短いババアなんぞに、そんな珍妙な技など扱えるものか!」
自ら硬く握りしめた拳を腕を振り解いて、ローブにさえも皺を付けて椅子に腰を下ろす。
「あたしゃ、此処の占い師だよ。怪しい事は何もしとらん。ただ、たまーに銭を稼ぐ日もあるがな。それ以外は本当に何もしてない」
「此処らの住民が見当たらないのは何故だ?まさか、お前……」
徐に兵士の握りしめた剣の先、真っ赤な鮮血に染まった刃に目を向ける。
「其奴が全ての者を始末してしまったよ」
「魔物だ!あれは絶対に魔物だ!!」
そう自らを欺くように言い聞かせ、引き攣った歪で迫真の面差しを、勇者にぶつける。
「あれは魔物だったんです。あれは……」
「もういい。お前は身を休めておけ」
「もっと早く言ってやれば良かったんじゃが、気付いた時にはもう既に遅かった……」
「何故、御仁は無事だった?」
「この水晶のおかげじゃよ」
割れた水晶を掴み上げて、机上に置く。
「突然、村を覆い尽くした謎の魔力の波が、人々を魔物の姿に変えていったが、この水晶が弾き返してな」
「……魔力の波って?」
「すまないが、お前たちは席を外してくれないか?」
エルフと憔悴した兵士に嘆願する。
「……うん」
「承知致しました」
二人とも、渋々その場を後にする。
「御仁。もう一度、説明を頼む」
「はぁ、全くこき使いおって……。面倒なんで要点だけ述べるぞ」
「あぁ」
「禍々しい魔力の波が、恐らく魔王城の方角から波打って、人々を魔物に変えていった。だが、あたしは水晶の力のお陰で、運良く助かり、彼奴も運悪く出会してしまった、ま、そんな所だろう」
「……。いつ頃だ?」
「ついさっき。と言っても、数刻前だがな」
「魔王誕生は、まだの筈なんだがな……」
勇者は口元に手を当て、ぶつくさと囁く。
「ん?その手……お主まさか」
「余計な詮索をすれば、その救われた命……再び、落とす羽目になるぞ?」
「それもそうじゃな。魔王関連に関わって、消息の断った者たちは数え切れんしのおぅ」
「では、またいつか」
勇者は外套を翻して、歩みを進めていく。
「もう会いたくなどないわ。それに、それは叶わん話じゃろう?」
「それはどうだろうな」
そして、勇者はウェストラと合流する。
「何をしていた?」
「ただの仕事さ。塵みてえな汚れ仕事だよ」
「そうか」
勇者はエルフを探し求めて、背を向ける。
「華々しく帰還した勇者だが、その親しき者たちは一様に告ぐ。あれは本物じゃないと…」
「あぁ、あれは本物じゃなかった」
その言葉に、僅かに目を見開く。それは、思わぬ成果を手にしたような一驚を喫して。
「…………。何故、お前は勇者になった?」
「俺が、俺たちが勇者だからだ」
「そうか……」
ウェストラは喉元まで出掛かった言葉を、胃に強引に押し込んで、口を固く閉ざした。
怒りだけとは違う、数多の感情を噛み締めたかのような錯綜とした表情を浮かべて…。
「行くぞ」
「あぁ」
二人は再び、魔王城への道を進んでいく。
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