人間兵器

エピローグ

人間兵器の話

　世界最小の国、カチュカン帝国。規模的にも、面積的にも、人口的にも。ぶっちゃけ、大国の首都程度の権力しかない。
　過去に、奴隷戦争と呼ばれる戦争で敗北し、それ以来、どことも戦争をせず、周りから攻め込まれたときも平和的解決を目指すこととなった。
　世界で一番小さいが、世界で一番幸せな国。
　こんな国を守ってくれた英雄を、この世界で、たった二人だけが知っている。
　その英雄は、自らを犠牲に、この国の滅亡を避け、世界を救った、本物の英雄だ。
　そして、英雄はあらゆる意味で兵器でもある。
　過去に何度も戻り、世界の絶望を何度も見続け、それでも諦めずに進み続けた、最強の兵器。本当の兵器。
　英雄のことを知っている二人は、後に運命の研究で研究者賞を受賞した、六井博士とロドルフ助手だ。
　彼らは語る
「彼は、素晴らしい人物でした。僕たちの無理難題にも答えてくれた。自分を犠牲にしてまで、この国を救ってくれた。彼を僕は、尊敬します。彼は、本当の兵器です。また、彼の度胸は恐怖すら感じます。そんな彼の生き様は、まさに人間兵器そのものです」