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コン編
ジン
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「うぅ…しんどい…」
コンを取り込んだ帰り。
魂が3つに増えて容量オーバー。少し気分が悪くて、ベンチで休憩しよう。そう思っていたとき。
「へっへっへ…俺様…参上!」
育ちの悪い少年といった様子の彼は大きく叫んでいた。
多くの大人はただの子供の遊びだろうと気にも留めず、ベンチで休憩を続けるもの、ビルの中に入っていくもの、俺だけが今起こっていることが理解できた…
ヒューマン・シークレット
攻撃力5 防御力5 俊敏性5
人間のシークレット。人に寄生し、外から攻撃を与えることも、内側から操ることも可能である。
本体は生身だと空気中を浮遊し、人にまとわりじわじわと痛めつける戦法をとる
あいつはシークレットだ。寄生しているということは、ここにいる人だけでなく、あの少年も救わなければならない。
というかなんだよ!生き物のシークレットはいないんじゃねぇのかよ?
「チェンジ!シークレット!」
すぐさまチェンジして、ヒューマンをソウルイートして、体外に放出して分離する。
「おいそこのやつ!こっから逃げろ!しんどいだろうけど走れ!」
「うっっ………ふふふ…寄生は…続いている…体外から、彼を操ることができる…」
「ちくしょう…2対1かよ卑怯だな…コン、力借りるぞ…」
コンの力を使い、指から「影線」を放つ。
そして、「ヒット」させる。
空気中に漂う霧のような見た目とは違い、銃弾が当たり、物理攻撃が当たることが分かった。
「じゃあ今度は…」
血で大剣を生成、影の力も使い硬度を高くする。
「おらぁぁぁ!」ヒューマンに向けて大きく振り下ろす。
しかし、ヒューマンはそれを軽々避け、そして俺にべっとりと張り付いた。
じわじわと、しかし着々と攻撃をくらい続け、意識が段々と操られるような、ふわふわとした感覚に陥っていた。
「た…たすけて……」
少年はそのままゆっくりと俺の前までやってきて、落とした大剣を俺の腹に突き刺す。
「かはっっっっ……、……!」
大きく血を吐く。ごめん、翔也さん…ごめん金充さん…ごめん、コン…ごめん……
「おい!何死にかけてんだよ!」「ま………ます…たー?がはっつつっっ、…、」
「無理すんな!おら!お前んちからオーブありったけ持ってきたぞ!」「あ……ありがと………」
しかし、一時的に回復しても、まだ操られたままなのは変わらない。
息ができない。せめて…せめてこいつが中から操ってくれれば…中に…?
「マスター!考えがある!オーブくれ!」
「大丈夫か!?もう残りオーブ10個もないぞ!」「大丈夫…多分!」「わ、分かった!信じるからな!」
「みんな…無茶かもしれない…無理させてごめん、チェンジ!喜怒哀楽!」
オーブ・シークレット・レア(感情:喜怒哀楽)
全ての感情を力にした究極の姿。それぞれの能力を使うことはできないが、基本スペックが爆発的に上がる。しかしその分通常の感情からさらにひとつのオーブを使うか、完全体にならないとこの感情にはなることができない。
そして、この形態のときは、魂が常に全員分表面上に出てきているため、感情や魂のスペースがポッカリと空く。
「おい!その形態になったら!!!………だめだ…全ての感情を持ったとき、それは、無感情と一緒だ…」
「ソウル………イート…………」「あぁ……あいつは…」
「ということで、ヒューマンが消滅するまで、お前は容量オーバーということでオーブレアのまんまで過ごすことになりました」「………はい…すみません」
「助かっただけで感謝しろよな」「はい、すみません」
「そんなことより少年…俺、お前に刺されたお詫びしてもらってねぇけど!」
「あぁぁぁ!!!俺様はやってねぇ!あいつがやったんだぃ!!!俺様悪くねぇもーんだ!」「んだよこのクソガキぃ!」
「やめろふたりとも、俺がめんどくせぇ。わーったわーった。そこのぼっちゃんがこのクソ兄ちゃんを刺しちゃったからこうなったのは謝ろう。で、このクソ兄ちゃんは操られてたやつに八つ当たりしたことを謝ろう。それでどうだ?」「………」「………」
「悪かったな」「へっ、こっちも悪かった」
「よくできたなふたりとも…偉いぞぉ、正確にはぼっちゃんだけだがな」「へっ!」
「くっそ…なんでだ、コンが悪さして変に挑発しちまう…」「へっ!」
「で、お前の名前なんてんだよ少年」
「俺様、名前ねえから。俺様、30年前?にぶっ倒れたあとあいつに寄生されてから意識あるときとないときで分かれてんだよ。で、かあちゃんもとおちゃんもどこいるかわかんなくて、記憶もねぇから」
「30年前って…」「あぁ、ちょっとずれるけど、キングが分裂したぐらいの年だ」
「何言ってんのかわかんねぇけど、キングの兄ちゃんなら知ってるぜ、あんま覚えてねぇけど」「キ…キングの兄ちゃん?」
「すげぇ優しかったのは覚えてんだよ!」
「それって…例のキングレアのことだよな?」
「これは…面白いことになってきたんじゃないか…?」
「まぁとりあえず名前つけてやるか…」
「ヒューマン…人…ジン…これでいっか」「うんいいな」「え名前ってそんな簡単に付けられるのか…?ま、まぁいいや、俺様、そう!ジン様爆誕の時!がっはっははは!!!」
「こいつ、絶対仲間にしないほうが良かった」「俺もそう思う…」
コンを取り込んだ帰り。
魂が3つに増えて容量オーバー。少し気分が悪くて、ベンチで休憩しよう。そう思っていたとき。
「へっへっへ…俺様…参上!」
育ちの悪い少年といった様子の彼は大きく叫んでいた。
多くの大人はただの子供の遊びだろうと気にも留めず、ベンチで休憩を続けるもの、ビルの中に入っていくもの、俺だけが今起こっていることが理解できた…
ヒューマン・シークレット
攻撃力5 防御力5 俊敏性5
人間のシークレット。人に寄生し、外から攻撃を与えることも、内側から操ることも可能である。
本体は生身だと空気中を浮遊し、人にまとわりじわじわと痛めつける戦法をとる
あいつはシークレットだ。寄生しているということは、ここにいる人だけでなく、あの少年も救わなければならない。
というかなんだよ!生き物のシークレットはいないんじゃねぇのかよ?
「チェンジ!シークレット!」
すぐさまチェンジして、ヒューマンをソウルイートして、体外に放出して分離する。
「おいそこのやつ!こっから逃げろ!しんどいだろうけど走れ!」
「うっっ………ふふふ…寄生は…続いている…体外から、彼を操ることができる…」
「ちくしょう…2対1かよ卑怯だな…コン、力借りるぞ…」
コンの力を使い、指から「影線」を放つ。
そして、「ヒット」させる。
空気中に漂う霧のような見た目とは違い、銃弾が当たり、物理攻撃が当たることが分かった。
「じゃあ今度は…」
血で大剣を生成、影の力も使い硬度を高くする。
「おらぁぁぁ!」ヒューマンに向けて大きく振り下ろす。
しかし、ヒューマンはそれを軽々避け、そして俺にべっとりと張り付いた。
じわじわと、しかし着々と攻撃をくらい続け、意識が段々と操られるような、ふわふわとした感覚に陥っていた。
「た…たすけて……」
少年はそのままゆっくりと俺の前までやってきて、落とした大剣を俺の腹に突き刺す。
「かはっっっっ……、……!」
大きく血を吐く。ごめん、翔也さん…ごめん金充さん…ごめん、コン…ごめん……
「おい!何死にかけてんだよ!」「ま………ます…たー?がはっつつっっ、…、」
「無理すんな!おら!お前んちからオーブありったけ持ってきたぞ!」「あ……ありがと………」
しかし、一時的に回復しても、まだ操られたままなのは変わらない。
息ができない。せめて…せめてこいつが中から操ってくれれば…中に…?
「マスター!考えがある!オーブくれ!」
「大丈夫か!?もう残りオーブ10個もないぞ!」「大丈夫…多分!」「わ、分かった!信じるからな!」
「みんな…無茶かもしれない…無理させてごめん、チェンジ!喜怒哀楽!」
オーブ・シークレット・レア(感情:喜怒哀楽)
全ての感情を力にした究極の姿。それぞれの能力を使うことはできないが、基本スペックが爆発的に上がる。しかしその分通常の感情からさらにひとつのオーブを使うか、完全体にならないとこの感情にはなることができない。
そして、この形態のときは、魂が常に全員分表面上に出てきているため、感情や魂のスペースがポッカリと空く。
「おい!その形態になったら!!!………だめだ…全ての感情を持ったとき、それは、無感情と一緒だ…」
「ソウル………イート…………」「あぁ……あいつは…」
「ということで、ヒューマンが消滅するまで、お前は容量オーバーということでオーブレアのまんまで過ごすことになりました」「………はい…すみません」
「助かっただけで感謝しろよな」「はい、すみません」
「そんなことより少年…俺、お前に刺されたお詫びしてもらってねぇけど!」
「あぁぁぁ!!!俺様はやってねぇ!あいつがやったんだぃ!!!俺様悪くねぇもーんだ!」「んだよこのクソガキぃ!」
「やめろふたりとも、俺がめんどくせぇ。わーったわーった。そこのぼっちゃんがこのクソ兄ちゃんを刺しちゃったからこうなったのは謝ろう。で、このクソ兄ちゃんは操られてたやつに八つ当たりしたことを謝ろう。それでどうだ?」「………」「………」
「悪かったな」「へっ、こっちも悪かった」
「よくできたなふたりとも…偉いぞぉ、正確にはぼっちゃんだけだがな」「へっ!」
「くっそ…なんでだ、コンが悪さして変に挑発しちまう…」「へっ!」
「で、お前の名前なんてんだよ少年」
「俺様、名前ねえから。俺様、30年前?にぶっ倒れたあとあいつに寄生されてから意識あるときとないときで分かれてんだよ。で、かあちゃんもとおちゃんもどこいるかわかんなくて、記憶もねぇから」
「30年前って…」「あぁ、ちょっとずれるけど、キングが分裂したぐらいの年だ」
「何言ってんのかわかんねぇけど、キングの兄ちゃんなら知ってるぜ、あんま覚えてねぇけど」「キ…キングの兄ちゃん?」
「すげぇ優しかったのは覚えてんだよ!」
「それって…例のキングレアのことだよな?」
「これは…面白いことになってきたんじゃないか…?」
「まぁとりあえず名前つけてやるか…」
「ヒューマン…人…ジン…これでいっか」「うんいいな」「え名前ってそんな簡単に付けられるのか…?ま、まぁいいや、俺様、そう!ジン様爆誕の時!がっはっははは!!!」
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