90 / 177
第五章 獣人国編
第90話 獣人の友達
しおりを挟むシュウさん達にも私と美幸さんが来ることをお伝えされてないのは知っていた。
だけど、あやしまれてはいけないと私はわざと驚いた顔をした。
美幸さんは本当に驚かれている様子で、急に緊張した表情に変わられた。
ちょうどお肉が焼けてたこともあって、ほとんど会話もないままにみんなで食べて……
それからの話題は、KEN-Gさんのお屋敷に関する話題が中心だった。
慎二さんややシュウさんはお屋敷に来られたのが初めてらしく、慎二さんが大袈裟に話されるもんだから、みんな大爆笑で……
楽しいのは良いのだけれど、シュウさんと美幸さんが話される機会がない……
美幸さんは元々ご自分から話しかけられるタイプじゃないし、シュウさんも美幸さんには特に話しかけられない。
あぁ、せっかくのチャンスなのに……
そうは思うものの、私も話がうまい方じゃないから、お二人をうまく話させることなんて出来なくて……
そう思いながら気をもんでたら、KEN-Gさんがとっておきのお酒がどうこうと言い出されて、私と慎二さんに一緒に探すようにおっしゃった。
(あ……そういうことなのね!)
KEN-Gさんは、お酒を探すのを口実に、シュウさんと美幸さんを二人っきりにされた。
どうか、シュウさんと楽しくお話出来ますようにと願いながら、私はKEN-Gさんの後に続いた。
*
「大河内さん、どんなお酒か全然覚えてへんの?
たとえば、瓶の形とかも思い出されへんかなぁ?」
「年を取ると、本当に記憶力が落ちてのう……
最近、誰かにもらった酒なんじゃ。
外国の酒じゃということは確かなんじゃが……」
「そら、範囲が広すぎる。
もうちょっとヒントをくれな。」
出来るだけ二人っきりの時間を長くしてあげたい。
幸い、慎二さんはKEN-Gさんが別の話をし始めると手を止めて返事をして下さるから、時間は稼げた。
(美幸さん…シュウさんと楽しくお話出来たかしら?)
KEN-Gさんのお屋敷はとんでもなく広いから、なかなかお酒がみつからないのも不自然ではないけれど、それでも、あまりにみつからないと、シュウさん達の方が心配なさるかもしれない。
そう思っていたら、お庭の方から私達を探すシュウさんの声が響いた。
だけど、あやしまれてはいけないと私はわざと驚いた顔をした。
美幸さんは本当に驚かれている様子で、急に緊張した表情に変わられた。
ちょうどお肉が焼けてたこともあって、ほとんど会話もないままにみんなで食べて……
それからの話題は、KEN-Gさんのお屋敷に関する話題が中心だった。
慎二さんややシュウさんはお屋敷に来られたのが初めてらしく、慎二さんが大袈裟に話されるもんだから、みんな大爆笑で……
楽しいのは良いのだけれど、シュウさんと美幸さんが話される機会がない……
美幸さんは元々ご自分から話しかけられるタイプじゃないし、シュウさんも美幸さんには特に話しかけられない。
あぁ、せっかくのチャンスなのに……
そうは思うものの、私も話がうまい方じゃないから、お二人をうまく話させることなんて出来なくて……
そう思いながら気をもんでたら、KEN-Gさんがとっておきのお酒がどうこうと言い出されて、私と慎二さんに一緒に探すようにおっしゃった。
(あ……そういうことなのね!)
KEN-Gさんは、お酒を探すのを口実に、シュウさんと美幸さんを二人っきりにされた。
どうか、シュウさんと楽しくお話出来ますようにと願いながら、私はKEN-Gさんの後に続いた。
*
「大河内さん、どんなお酒か全然覚えてへんの?
たとえば、瓶の形とかも思い出されへんかなぁ?」
「年を取ると、本当に記憶力が落ちてのう……
最近、誰かにもらった酒なんじゃ。
外国の酒じゃということは確かなんじゃが……」
「そら、範囲が広すぎる。
もうちょっとヒントをくれな。」
出来るだけ二人っきりの時間を長くしてあげたい。
幸い、慎二さんはKEN-Gさんが別の話をし始めると手を止めて返事をして下さるから、時間は稼げた。
(美幸さん…シュウさんと楽しくお話出来たかしら?)
KEN-Gさんのお屋敷はとんでもなく広いから、なかなかお酒がみつからないのも不自然ではないけれど、それでも、あまりにみつからないと、シュウさん達の方が心配なさるかもしれない。
そう思っていたら、お庭の方から私達を探すシュウさんの声が響いた。
0
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる