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二章
45話 思い②
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学校を出て、指定された場所に向かうと夏のような暑さなのに厚着をしている子がいた。
「どうしたんですか?御崎さん」
「放課後に呼び出してすみません。とりあえずカフェにでも入りましょうか」
そう言われ、連れられたのは隠れ家のようなカフェだった。
椅子に座り注文を済ませると、御崎さんが携帯の画面を俺に見せる。
「望くんの連絡先をゲットしました」
「はい」
「最初に何を送ればいいと思いますか?」
「…はい?別に普通に送ればいいのでは?」
「久しぶりに会ったんですよ?少しインパクトのある挨拶の方がいいと思いまして」
インパクトというのは具体的に何をさすのだろうか。
そもそもなぜインパクトが必要なのだろうか。
「それなら、『お久しぶりです。早速ですが今週の三連休デートしませんか?』でいいのでは?」
「い、いきなりすぎですよ。そういうのはもっと段階を踏んで…」
「とりあえず、まずは挨拶をすればいいのでは?インパクトのあるメッセージはその後で」
「そ、そうですね」
そう言うと、急いで携帯をいじり始めた。
10分ぐらいたって、ようやく送信できたようで「で、どうします?」と聞いてくる。
「もっと重要な相談かと思っていました」
「あ、いや、これだけじゃないんですよ。その、お願いなんですけど…」
途端にデジャブった。
この展開、覚えがある。
「何か訳アリそうなので好きな人の事については聞きませんよ」
「…よ、よくわかりましたね。そうですか…。なら私が聞きます。せっかく連絡先を知っていることですし」
「せめて地雷を踏みぬかないようにしてくださいね」
「わかってるわ」
俺は運ばれてきたコーヒーをすする。
対して御崎さんは携帯から目が離せないようで、携帯を片手にミルクティーを飲んでいる。
「望くんのことが好きな人って私以外にいる?」
何か上の空のような声色で聞いてくる。
この問いに対して、皆月さんのことを言ってもいいのだろうか。
嘘はよしとされるものではないが、嘘も方便という言葉もある。
しかし私情を挟むのなら、俺はこの人に嫌われたくない。
生い立ちや境遇に似ているゆえにそう思ている自分がいる。
「いるよ。俺が知っている中だと一人だけ」
「…あー、あの子か。ファミレスに行ったときの望くんの隣に座っていた子」
「よく覚えていますね」
「ライバルだもの。当然でしょう」
目が睨みつけるように細くなる。
「今思い出したのだけれど、あなたも気を付けた方がいいわよ」
「何をですか?」
「蔭西さんの相手の人気はさることながら、蔭西さんの人気も高いですからね」
「そうなんですか?」
「ええ。私はすでにあなたのことを好きな人を二人は知っていますから」
そうなのか…。
と何の感情も持たずに思い、時計を見る。
もう19時ではないか。
俺はお財布から1000円を出し、机に置く。
「じゃあ時間だから」
「ええ、付き合ってくれてありがとうございました」
俺はダッシュで家に帰る。
家に帰り、もろもろの事を終わらせた俺は布団へ潜る。
とても幸せな気持ちを持ちながらも、どこか落ち着かない胸騒ぎを抑えて無理やり眠る。
今週の三連休、どこへ行こうか。
「どうしたんですか?御崎さん」
「放課後に呼び出してすみません。とりあえずカフェにでも入りましょうか」
そう言われ、連れられたのは隠れ家のようなカフェだった。
椅子に座り注文を済ませると、御崎さんが携帯の画面を俺に見せる。
「望くんの連絡先をゲットしました」
「はい」
「最初に何を送ればいいと思いますか?」
「…はい?別に普通に送ればいいのでは?」
「久しぶりに会ったんですよ?少しインパクトのある挨拶の方がいいと思いまして」
インパクトというのは具体的に何をさすのだろうか。
そもそもなぜインパクトが必要なのだろうか。
「それなら、『お久しぶりです。早速ですが今週の三連休デートしませんか?』でいいのでは?」
「い、いきなりすぎですよ。そういうのはもっと段階を踏んで…」
「とりあえず、まずは挨拶をすればいいのでは?インパクトのあるメッセージはその後で」
「そ、そうですね」
そう言うと、急いで携帯をいじり始めた。
10分ぐらいたって、ようやく送信できたようで「で、どうします?」と聞いてくる。
「もっと重要な相談かと思っていました」
「あ、いや、これだけじゃないんですよ。その、お願いなんですけど…」
途端にデジャブった。
この展開、覚えがある。
「何か訳アリそうなので好きな人の事については聞きませんよ」
「…よ、よくわかりましたね。そうですか…。なら私が聞きます。せっかく連絡先を知っていることですし」
「せめて地雷を踏みぬかないようにしてくださいね」
「わかってるわ」
俺は運ばれてきたコーヒーをすする。
対して御崎さんは携帯から目が離せないようで、携帯を片手にミルクティーを飲んでいる。
「望くんのことが好きな人って私以外にいる?」
何か上の空のような声色で聞いてくる。
この問いに対して、皆月さんのことを言ってもいいのだろうか。
嘘はよしとされるものではないが、嘘も方便という言葉もある。
しかし私情を挟むのなら、俺はこの人に嫌われたくない。
生い立ちや境遇に似ているゆえにそう思ている自分がいる。
「いるよ。俺が知っている中だと一人だけ」
「…あー、あの子か。ファミレスに行ったときの望くんの隣に座っていた子」
「よく覚えていますね」
「ライバルだもの。当然でしょう」
目が睨みつけるように細くなる。
「今思い出したのだけれど、あなたも気を付けた方がいいわよ」
「何をですか?」
「蔭西さんの相手の人気はさることながら、蔭西さんの人気も高いですからね」
「そうなんですか?」
「ええ。私はすでにあなたのことを好きな人を二人は知っていますから」
そうなのか…。
と何の感情も持たずに思い、時計を見る。
もう19時ではないか。
俺はお財布から1000円を出し、机に置く。
「じゃあ時間だから」
「ええ、付き合ってくれてありがとうございました」
俺はダッシュで家に帰る。
家に帰り、もろもろの事を終わらせた俺は布団へ潜る。
とても幸せな気持ちを持ちながらも、どこか落ち着かない胸騒ぎを抑えて無理やり眠る。
今週の三連休、どこへ行こうか。
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